ファクタリング会社選びには複数社からのアイミツは欠かせない!

どのファクタリング会社で売掛債権を現金化させるか決めるとき、重視したいのはファクタリング手数料と考えることでしょう。

ただ、ファクタリング会社を比較するポイントは手数料だけではありません。複数の項目を比べながら、どこに依頼するか決めることが重要になりますが、このとき複数社からアイミツを取ることが必要になります。

そこで、ファクタリング会社を比較するときに行うアイミツのポイントについてご説明します。

ファクタリング利用時にかかるファクタリング手数料

ファクタリング手数料は、ファクタリングを利用する上で発生するもっとも大きな費用です。そのため、複数社からアイミツを取ってファクタリング会社を比較するときにも、このファクタリング手数料がもっとも重視すべき項目であることは間違いありません。

ファクタリング会社のインターネット上のホームページなどでは、ファクタリング手数料のおおよその目安を公表しています。ただ、実際にどのくらいの費用がかかるのかは、見積もりを出してもらわなければわかりません。

ファクタリング手数料は、

  • 2社間と3社間どちらで契約するのか
  • 売掛先の信用力
  • 売掛債権の金額
  • ファクタリング会社の利用回数
  • 利用者の信用力

などによって変動します。

そのため、たとえば同じ売掛債権の金額でも売掛先によってかかる費用は変動するでしょうし、同じ売掛先でも売掛債権の金額によってかわってきます。

ファクタリング会社で審査してもらわなければ正確な金額はわからないので、まずは見積もりを取得してみましょう。

ファクタリング会社との信頼関係を築くことも大切

ではファクタリング会社から見積もりを取得した後、もう少し手数料を下げてほしいと交渉することは有効なのでしょうか。

仮に、今すぐに現金化して欲しいけれど手数料は下げてほしい!とお願いした場合、その要求がはたして通るのか考えてみましょう。

もちろん、ファクタリングを利用する以上、資金に困った上の決断であることはファクタリング会社も認識しているはずです。しかし、一方的な要求やファクタリング会社側の都合は無視した過剰な値下げ交渉は断られてしまうでしょうし、拒絶されてしまう可能性も出てきます。

ファクタリングは双方の信頼関係によって成り立つ取引なので、この信頼を築くことができない相手とは契約したくないと思われても仕方ありません。

繁忙期を避けた交渉が有効

そしてファクタリング利用には繁忙期があります。会社組織の多くは、25日から31日までの月末期間に支払いが集中していますので、ファクタリングを利用しようとする企業が増えるのがこのタイミングといえるでしょう。

翌月初である毎月1日から10日あたりも忙しいので、10日過ぎた期間から20日までならある程度、ファクタリング会社も余裕を持って対応してくれやすくなり、交渉もしやすい可能性があります。

ファクタリング手数料の内容を把握しておくこと

ファクタリングを利用する際にかかる手数料は、すべてファクタリング会社の儲けではありません。

そこには、運営する上で発生する広告宣伝費や人件費、事務所家賃などの必要経費、交通費や登記にかかる費用などの実費なども含まれます。そのため、あまりに無謀な交渉には応じることができないのが現状です。

まとめ

できるだけ手数料を押さえてファクタリングを利用するためにも、必ず利用前にはアイミツを取った上でファクタリング会社を選ぶようにしてください。

ただ、見積もりを取得す会社数が増えれば増えるほど、その分、手間や時間もかかってしまいます。3社ぐらいが最適なアイミツにおける数ですが、より効率的に取得するために、一度に複数社から見積もりを取得できるアイミツサイトを上手に活用してはいかがでしょう。

事業資金の融資を受けるなら事前の返済計画が重要!

事業資金を調達する計画を立てる場合には、前もって返済計画を構築させておくことが必要です。

起業など検討する場合は特に、事業計画に前もって返済計画を盛り込んでおくことが重要となります。

返済計画の返済額の判断方法

返済計画で盛り込む返済額は、原資となる部分からどのくらいまで可能か判断することになりますが、ここでの返済原資とは税引き後利益と減価償却費の合計です。将来に渡って税引き後に利益を獲得し続けることができるかが重要となるでしょう。

金利が変動するタイプのローンの場合、金利の見直しが定期的に行われるので、返済利息が増減してしまう可能性もあります。それも踏まえた上で、無理のない返済計画を立てるようにしてください。

高い金利でお金を借りてしまうと…

融資を受けるときには資金使途が最も重要になります。借りたお金を何に使うのか明確にしておかなければ、銀行側もお金を貸し付けることはできません。

事業者向けローンなどは、事業に必要とされる資金なら特に詳細な内容までは問われません。しかし、金利は一般的な銀行融資より高い上に、枠内で借りることができるだけ借りればよいと返済計画のない借金を増やすことになる可能性があります。

ただ漠然とお金を借りて使っていくことを繰り返していると、資金繰りの現状を把握しにくくなってしまい、将来的な計画を立てたくても立てられなくなってしまいます。

特に業績が悪化すれば、返済資金に充てるために借金をするようになり、自転車操業を繰り返すようになればいつまでたっても借金は減りません。

必要な資金の金額を把握しておくこと

銀行から融資を受ける前に、まずは必要な資金はいくらなのか、しっかり把握しておく必要があります。資金をいくら必要とし、必要とする資金の中で融資を受けて調達したい金額はいくらなのか計算しておくことが大切です。

たとえば事業計画により、当初は1,000万円必要だと銀行に説明していたものの、実際に銀行からは700万円までしか融資を受けることができないとされたとき、その金額でも大丈夫です!といった話にはならないはずです。

事業計画を立てて1,000万円必要としたのなら、残りの300万円を別の調達先から工面しなければその事業計画が成り立たないことになります。

もし銀行から融資できるという金額が希望額に足りていない場合には、事業計画そのものを見直すのか、不足する資金を別の調達先で準備するのか決めなければならないということです。

どのくらいの収益を見込め返済資金をねん出できるか

事業計画に基づいた返済内容になっているかも重要です。おおまかに毎月このくらいの金額なら返済できると決めてしまい、その返済金額から融資を受ける金額や返済期間を決めてしまうと、正しい返済計画にならない可能性が出てきます。

仮に銀行から融資を受ける目的が設備投資のためのなら、資金を借り入れることでどのくらいの収益が見込め、そこから返済資金をねん出できるのかまで踏まえて返済計画を立てなければならないのです。

手間はかかっても融資を受けるなら欠かせない資金繰り表

適切な返済計画を盛り込んだ事業計画を作成するのなら、しっかりと資金繰り表を作成しておくことをおすすめします。日々の現預金の入出金を資金繰り表につけて、今後の現金の増減など流れを予測していきましょう。

それにより、どのタイミングでどのくらい借りることができるのか、どのくらい借りるべきか、その借り入れ分を返済することができるかを一目で予測することができるはずです。

月ごとに損益計画などを作成し、作成した損益契約をベースとして資金繰り表で予定を立てていくことになれば手間はかかるかもしれません。

ただ、銀行からの借り入れで資金を調達することを考えるのなら、必要な作業として理解ししっかりと作成するようにしましょう。

ファクタリング業者からアイミツを取るときに守るべきこととは?

ファクタリングを資金調達に活用する場合、売掛債権の売却先となるファクタリング業者をどのように選んでよいかわからないこともあるでしょう。

その場合、複数社からアイミツ(相見積もり)を取ることで、かかる費用やサービスを比較・検討しやすくなります。

そこで、ファクタリングでアイミツを取るときにはどこを中心に比較すればよいのか、取得する際に注意したいところについてご説明します。

アイミツを取るときの注意点

もし複数のファクタリング業者からアイミツを取得するのなら、

  • 同じ条件で見積もりを取ること
  • 希望する条件を明確にしておくこと
  • 他の業者にも見積もりを取っていることを伝えること

という部分に注意することが必要です。

さらに、次のようなことに注意しながら見積もりを請求するようにしてください。

最低でも何社からはアイミツを取得すればよいか

複数社から見積もりを取る場合、いったい何社のファクタリング業者に請求すればよいのでしょう。

件数が少なすぎれば比較が難しくなるでしょうし、多くの業者に請求するとなれば手間や時間がかかってしまいます。そのため、最低でも3社程度が望ましいといえるでしょう。

インターネットを駆使して、評判のよいファクタリング業者をリサーチし、見積もりを請求する業者を3社程度に絞り込むことを行ってください。

また、アイミツを取得する件数が多くなれば、契約できないファクタリング業者は審査や見積もりに費やした時間を無駄にする業者が増えることになるので、中にはトラブルに発展することもあるようです。

ただ、優良なファクタリング業者に見積もりを請求しても、そのようなトラブルになることはないはずなので、やはり最初の業者を絞り込む段階が非常に重要となるでしょう。

いつアイミツを取得すればよい?

ファクタリングを利用する予定が決まっているのなら、余裕をもって1か月前くらいにはアイミツを取得することをおすすめします。

なぜなら、ファクタリングを利用することになった場合には、ファクタリング業者に見積もりの申し込みを行い、どの業者を選ぶか決まってから契約を結び、売掛債権が現金化されるという流れになります。

スムーズにファクタリング業者が見積もりを出してくれればよいですが、時間がかかる場合には手続きを先に進めなくなってしまいます。

即日対応してくれる業者もあるようですが、すべての業者がそうではありませんので余裕を持って見積もりの申し込みを行うようにしてください。

アイミツで比較するポイント

また、見積もりに必要な書類がファクタリング業者によって異なるケースなどもあるので、一社ごとに見積もりを請求すると想像しているよりも時間と労力がかかると考えておくべきです。

また、アイミツを取得した後で、どの項目を比較していけばよいかというと、

  • 発生する手数料
  • ノンリコースかリコースか
  • 契約書内容
  • 入金までのはやさ

などです。

かかる手数料の大きさは重要ですし、リコース(償還請求権)のある契約であれば、万一、売掛先が倒産した場合など、現金化させた代金をファクタリング業者に返さなければならなくなります

一般的にファクタリング契約はこのような償還請求権のないノンリコース契約が多いので、不利益を被ることになることはないでしょう。

しかし、償還請求権のある契約を結んでしまうと、貸し倒れリスクを抱えることになってしまうので、安心して利用するためには必ず確認しておく必要があります。

また、現金化されるまでのはやさもファクタリング業者によって異なります。急いで資金が必要という場合には、即日現金化が可能という業者を選ぶのがベストです。

アイミツサイトを使えば効率的!

アイミツは複数社にコンタクトを取り、見積もりを出してくれるように申し込むことが必要です。

もし手間や時間がかかって面倒だと感じるなら、アイミツを簡単に取得できるサイトを活用してみることをおすすめします。

厳選された優良なファクタリング業者からアイミツを取得できるので、より安心してどのファクタリング業者を選ぶか決めることができるでしょう。

銀行からの返済が苦しくなったらリスケジュールを検討するべき?

事業を営む上で資金繰りが悪化する事態は避けなければなりません。しかし、新たに借り入れを申し込んでも融資を受けることができず、支払いができない状況に陥ってしまった場合、どうすればよいのでしょう。

銀行からの返済だけでなく、税金や買掛金、人件費などの支払いなどに充てる資金の準備ができなければ、事業を続けることはできなくなってしまいます。

この場合、銀行からの借り入れに対する返済額を減額してもらうリスケジュールの検討が必要かもしれません。

リスケジュールとはどのような手続きなのか

リスケジュールとは返済条件を銀行に頼んで変更してもらう手続きのことで、返済に関係する負担を軽減することには繋がるでしょう。

銀行のとの交渉が成立すると借入金の返済額を抑えることが可能となり、その分、資金繰りは楽になるはずです。

リスケジュールを行っている限り、銀行も法的回収手段は取りません。しかし、ずっと待ってくれるわけではなく、最長でも1年間までとなっています。

それまでに経営状況を改善させることが必要ですが、もし1年経ったとき、期間を延長してもらいたいと考えるなら更新手続きが必要です。

リスケジュールを更新する条件

リスケジュールを更新する場合には、8割の経営改善計画をクリアできていることが必要です。クリアできていなければ債権回収会社(サービサー)に債権を売却されてしまうので注意してください。

債権回収会社は法的手段を躊躇せず行うので、リスケジュールの期間内で経営状況を改善させるか十分に検討した上で実行することが求められますし、リスケジュール中は新たな融資を受けることはできないと理解しておく必要があります。

リスケジュールは信用リスクを低下させる

さらにリスケジュールは信用リスクも抱えることになります。もし取引先にリスケジュールしていることが知られてしまうと取引を停止されてしまうかもしれませんし、従業員も辞めてしまうかもしれません。

そのため極秘で進めることが必要となりますが、多くの場合、社内からその情報が漏れてしまうようです。

リスケジュールを検討するタイミング

リスケジュールでは経営を抜本的に変化させる必要があるので、月次決算書を毎月確認して会計を重視することも必要となります。

実行を検討するタイミングは、資金残高が月商1か月分を割り込んでおり、新たな融資を断られたときでしょう。そのまま返済を続けていても資金は減少するばかりであり、月商1か月分の資金が手元になければ会社を回すこともできません。

リスケジュールが開始されれば、銀行からはお金を借りることはできなくなるので、手元の資金だけで事業を続けることになるとも理解しておくようにしましょう。

実行中の資金管理

リスケジュールを検討している場合、資金繰り表を毎日作成し管理を徹底してください。資金繰り改善の対策を具体性をもち詳細に考えることに繋がりますし、資金をショートさせない対策を検討しやすくなるはずです。

もしあと2か月以内に資金ショートしてしまう可能性が高いと考えられる場合には、仮に手元に月商1か月分以上の資金があったとしても、リスケジュールを検討したほうがよい場合もあります。その理由として、銀行との交渉期間に2か月かかることもあることが挙げられます。

リスクのある行為であると理解した上で検討を

リスケジュールは会社にとってはリスクのある行為であると認識しておく必要があります。もしリスケジュールを銀行にお願いしても認めてもらえなければ、銀行から借りたお金は不良債権扱いになってしまうからです。

不良債権として扱われることになったら、法的な措置により倒産してしまう可能性もあります。よく検討した上で本当に必要な行為か決めるようにしてください。

経営をV字回復させるために行うべきこととは何か?

企業イメージはどん底、業績も悪化など、地に落ちてしまった経営状態を回復させなければならない…。このようなV字回復を目指す企業は少なくありませんが、底が深いほど復活するまでの時間は長くなります。

ただ、大企業などを例にとってみれば、見事V字回復した企業も数多く存在しており、何をきっかけとして復活することに成功したのか気になるところです。

そこで、経営をV字回復させようと考えたとき、どのようなことを行うべきなのかご説明します。

大企業で経営をV字回復させた企業の取り組み

時代の流れにより、これまで好調と思われた売上は低迷し、業績は上がらず赤字続きといった状況に立たされると、倒産するのも時間の問題かと諦めてしまいそうになるでしょう。

しかし、大手企業などで平成以降にV字回復したケースを確認すると、他社との提携や傘下に入るM&Aや資本提携を行うことによる回復を行った企業もあれば、海外市場により収益を上げて回復した企業、ヒット商品を生み出すことに成功した企業、新たな経営トップによる改革で回復した企業などいろいろです。

共通しているのはこれまでと違う戦略を行ったこと

新サービスを開発したり、これまで続けていた事業に見切りをつけて新たな分野に挑戦したり、業態転換と新商品を交えた戦略でV字回復するケースが多くみられます。

自社の注力分野を明確にし、経営資源を投下する先を集中させることができれば、そこから新しい商品や事業への足がかりが生まれる可能性があります。しかし、けっして簡単なことではありません。

すでにクラウドサービスやAI技術などが進んでいることにより、従来の商品やサービスは価値がなくなってきていることを認識し、異なる業種や業態に挑戦することも大切であると考えるべきでしょう。

ヒット商品を生めば回復するわけではない

仮にヒット商品を生み出したとしても、商品の開発サイクルが短期化していることにより、売上を維持できる期間も半年や1年など非常に短くなっています。

M&Aで事業や人員が重複したとき、新しく見出した事業分野に人員を配置し、相乗効果を生み出していけるかがカギとなるでしょう。

継続して次の商品開発を進めていくためにも、ある程度の人員は必要なのです。

内部の人材だけではどうにもならないこともある

そして内部の人材で業種の垣根を超える取り組みを進めるには限界があることに気づき、外部から経営の専門家などを招き業績回復を図ることができるかも重要です。

これまで強固なバリューチェーンにより地位を築いていたとしても、新しい観点で競争しなければならなくなったとき、何が問題となっているか気づくことができなければ競争に負けてしまいます。

外部から人を招くことで思い切った改革が可能に

これまでは内部から社長まで上りつめ、すでに運営している事業を立て直すことで業績を回復させようとする動きがほとんどでした。

しかし、最近では外部から招いた社長による新たな視点での事業への挑戦を行ったり、内部から昇進した方が社長となる場合にはこれまでと違った新事業を立ち上げるケースも多々みられます。

 

外部コンサルタントへの相談を検討する

企業の規模が大きくなるほど年功序列制による組織となっていることで、大きく変革させることは難しいといえます。ただ、これまでのしがらみにとらわれてしまい改革に踏み切れない状態であれば、V字回復は期待できないでしょう。

このような場合、外部のコンサルタントに相談することで、保守的な考え方からこれまでにない新しい視点での挑戦に繋げることができるはずです。

V字回復を狙うために必要なこと

V字回復を狙うなら思いきった回復が必要となることを理解し、これまでと同じことを続けていても何も変わらないと認識するべきです。

もし業績が悪化していることに悩んでおり、経営を復活させたいと考えるのなら、まずは現状を再認識した上でコンサルタントなどに一度相談してみることをおすすめします。

個人事業主とはそもそもどのような状態で仕事を行うことなのか

事業を営む場合、個人事業主として続けるのか、それとも法人を設立して社長になるのかなど、様々な形があるようです。

では、個人事業主として事業を営むことを選んだ場合、どうすればなれるのか、そもそも個人事業主とはどのような形なのかご説明します。

個人事業主とその他の働き方の違い

会社員であれば勤務先と雇用契約を結び仕事をしますが、雇用されるのではなく個人で事業を行う方を個人事業主といいます。法人なら会社を設立し、会社の経営者として事業を行いますが、個人事業主は会社を立ち上げず行います。

仮に家族や従業員などを雇用し、複数で事業を行っている場合でも個人事業主にかわりはありません。

個人事業主と似た言葉以外にフリーランスがありますが、フリーランスは依頼された業務ごとに契約を締結し、仕事を行う働き方を行うことです。個人事業主として働くなら、税務署に開業届けを提出し、税務上の所得区分において個人として事業を行います。

会社を設立し法人として事業を営むなら毎年、売上を法人の所得として決算により税務申告を行いますが、個人事業主は毎年、事業所得を確定申告して税金を納めます。

会社員と手取り額が違わない個人事業主が気にしておきたいこと

会社員と個人事業主の手取り額に違いはなかった場合でも、支払う社会保険料と税金の割合は異なります。そのため、将来、受け取ることになる年金額には大きく差が生じることになると理解しておきましょう。

仮に平均年収が400万円の方が40年間、年金に加入し続けた場合、会社員は厚生年金に加入しているので65歳から受給する年金金額は月額約14万円です。しかし、個人事業主の場合は国民年金のみの加入のため、受給できる年金金額は月額約6.5万円程度に留まります。

今後さらに年金支給開始年齢が68歳まで引き上げられる、または70歳などさらに高くなる可能性はあるものの、やはり会社員のほうが将来受け取ることができる年金額は大きいので手厚いといえます。

個人事業主の方は将来、年金を受給することになったときの備えが重要となるでしょう。

個人事業主として事業はいつでも開始できるのか

個人事業主として開業するための所得の要件などはありませんが、おおよその目安いとして月平均3~4万円以上の所得が見込めるなら開業届を管轄の税務署に提出し、個人事業主として事業を初めればいかがでしょう。

開業届は個人事業主として事業を始めたことを報告するための必要書類ですので、提出しなくても特に罰則はありません

開業日が青色申告承認申請の起算のタイミングとなるので、屋号を持つことで銀行口座も屋号名義のものになります。また、開業するときには費用は特に発生しません。事業を追加したり、変更や廃止の手続きも原則、いつでも行うことができます。

法人として事業を営むのとどちらが得か

対する法人の場合は、会社を設立するためには法務局で登記を申請する手続きが必要です。それまでに様々な準備を行うこととなり、時間や手間がかかる上に、費用もかかります。

そのため、所得が低い期間は個人事業主のほうが税金の負担は軽い場合もありますが、一定の所得を超えた場合には、法人として事業を営んだほうが税負担は軽減される可能性が高くなるといえるでしょう。

なお、個人事業主として事業を営む場合、税務署に開業届を提出すると同時に、原則、開業日から2か月以内に青色申告承認申請書を提出しておくことにより、確定申告で最大65万円の所得控除を適用させることができます。

個人事業主はお金の管理に注意が必要

個人事業主はプライベートのお金と事業のお金が一緒になってしまいがちです。個人用の口座で事業用のお金も管理してしまうと、個人用と事業用のお金の区別がつきにくくなってしまうのは無理ありません。

しかも、毎月の会計処理も面倒になるので、もし個人事業主として事業を営むのなら、開業届を出して屋号を設け、事業用の口座を開設して管理を行うようにしましょう。

売上や仕入を計上するタイミングは何を基準にすればよいか

事業を営む上で発生する売上や仕入。気になるのは会計処理においていつこれらを計上すればよいのかという部分です。

会計処理のルールとしては、収益は現金を受け取ったときに計上するのではなく、商品やサービスを販売・提供したときのタイミングに合わせて、その代金を受け取る権利が発生したときに計上する発生主義が基本です。

そこで、この発生主義において具体的に売上と仕入を計上するタイミングについてご説明します。

実現主義による会計処理が必要

事業で多くの利益をあげるためにはまず売上が向上しなければ話になりませんが、売上を生むためには様々な費用もかかります。

仕入もその1つですが、売上金額から経費の予算も決まるので、計上を間違えば予算も間違っていることとなり、本来なら黒字だったはずが赤字に転落する可能性もでてくるでしょう。

そこで、会計では実現できないものを計上することは行わず、実現できたときに売上として計上する実現主義が用いられます。

売上が実現されるタイミング

売上が実現された時点で計上されるなら、どのタイミングにおいて実現できたと判断すればよいか知っておく必要があります。

売上をあげるまでには、商品の発注、納品、提供など様々な段階を踏むことになりますが、実現したと判断される基準は主に次の4つです。

  • 出荷を基準とする場合…倉庫から出荷されたデータを基準に売上を計上する
  • 引渡基準…商品を相手に引き渡したときに計上するので、納品伝票などを基準として売上を計上する
  • 検収基準…商品を相手先が検収した日で計上するので、検収書などを元に売上を計上する
  • 回収基準…商品の代金を回収した日で計上するので、POSデータなどを基準として売上を計上する

どの基準を採用するかは事業者によって異なるでしょうが、毎年同じ基準を採用するように統一することが必要です。

仕入を計上するのはいつ?

売上同様に、仕入も代金を支払うまでに一連の流れがあるため、計上する基準も種類があります。

  • 出荷基準…取引相手が商品を出荷した日を基準に仕入を計上する
  • 引渡基準…商品が入荷した日を基準に仕入を計上する
  • 検収基準…入荷した商品を検収した日を基準に仕入を計上する
  • 回収基準…商品の代金を支払った日を基準に仕入を計上する

売上と同じく計上の基準は4種類ありますが、同様に一度決めた基準は毎年継続することが必要です。

倉庫など商品を管理する施設が別にある場合

倉庫など商品を保管・管理する施設がある場合には、発注する部署と商品を受け取る部門が違ってきます。

この場合、仕入により入荷した商品を受け取りを行う部門が検品し、商品に破損や不具合がないか確認した後、問題ない商品のみを仕入として計上する検収基準が使われていることが多いようです。

売れ残った仕入分は棚卸資産となる

商品を仕入で正しく計上しても、売れ残りがでれば利益に貢献しない在庫になります。

仮に商品を3つ仕入れて2つ売れても、1つが期末時点で残っていたら、販売できた2つの商品にかかる仕入高は2つの売上に直接かかる費用なので売上原価となります。

しかし残った1つは次期の売上に貢献できる資産として計上することになるので、棚卸資産として計上することが必要です。

ただ、いくら資産として計上できるからといって、在庫が過剰に増えることは好ましくありません。

保管や管理に費用がかかるだけになるため、早めに処分することも必要となるでしょう。

売上や仕入を計上する時期と現金の入出金のズレに注意

売上や仕入を計上する時期は、現金の入出金が発生したタイミングではありません。そのため、帳簿上の利益と実際の手元の資金にズレが生じることにより、資金繰りが悪化してしまいがちであることに注意しておきましょう。

もし売上代金の入金が数か月先であることで資金繰りが悪化しているのなら、ファクタリングなどで早期に売上代金を回収する方法も検討が必要になると理解しておく必要があります。

請求書を偽造したファクタリング利用は絶対にNG!

銀行融資などに申し込みを行うと、審査のハードルが厳しく利用しにくいと感じる方も少なくありません。しかし、資金の調達方法の中でもファクタリングで行われる審査は、融資を申し込んだときの審査よりも柔軟でハードルが低めです。

しかし、必要書類が十分でない場合や、請求書などが偽造ではないか?と疑われるときには利用を断られることになります。

そこで、ファクタリングにおける審査では具体的に何で可否を判断するのか、請求書以外でも受け付けてもらえるか解説します。

売掛金の存在を示すことができなければファクタリングは利用できない?

売掛金をファクタリング会社に売却するとき、どの資料をファクタリング会社に提供すればよいと思うでしょうか。

現物資産ではない売掛金が本当に存在することを証明するためには、請求書や契約書、注文書、納品書、過去の入金履歴を示す預金口座など色々な書類が考えられます。

ファクタリング会社によってどの書類が必要とされるかある程度異なりますが、具体的にどの取引先に対して売掛金がいつ、いくらで発生したのか、いつ入金される予定なのか確認できなければ、ファクタリング会社も売掛金を買い取ることができません。

ファクタリングで対象となるのは未回収の売掛金なので、その売掛金が発生していることを示す請求書などが必要になるということです。

請求書がなくてもファクタリングが利用できるケース

仮に請求書や、売掛先からの取引・入金履歴を示す預金口座の取引履歴が確認できる書類がなかったとしても、審査を可能とする場合もあるようです。

たとえば建設業界において、工事代金の記載がされている工事契約書と、その工事の実態を裏付ける計画書・現場写真などがあるとしたら、ファクタリング会社によっては審査を受け付けてもらえる可能性があります。

その一方で、請求書を提出しても過去の取引・入金履歴を示す書類の提示ができなかったことで、審査が通らなかったケースもあります。

請求書は偽造しようと思えばできてしまうので、他にも売掛金の存在を裏付ける書類を求められることはよくあることです。しかしその書類が提出できないとなれば、請求書そのものが怪しいとされ、ファクタリングを利用したくてもできなくなってしまいます。

請求書を偽造したファクタリング利用はNG!

実際、請求書を偽造してファクタリングにより架空の売掛金を使った資金調達を行おうとする方もいます。さらに悪質な場合には、入金履歴があったように通帳の写しの画像を加工し、偽装した画像を証拠書類として提出するようなケースもありますし、取引先と共謀して偽造を行うケースもあります。

このような状況からも、ファクタリングの審査は銀行融資よりは柔軟な対応ではあるとはいえ、やはり慎重に判断されることとなるでしょう。

偽造された請求書が提示される詐欺行為はめずらしいことではなく、契約書が存在しないことで売掛金の実態を証明できず、審査で断るしかないという場合もあるようです。

請求行為は書面でなくても成立するけれど…

そもそも請求という行為は必ず書面で行わなければならないということはなく、法律上は、双方が合意すれば口頭で行うことも可能としています。

さらに請求書に印鑑が押印されていなくても使うことも可能とされていますが、やはり印鑑などが押されている書類のほうが信頼度は高くなるでしょう。

そもそも請求書に印鑑を押すことは商取引において慣習化されているため、印鑑がないと受け付けないとする企業もあるようです。

ただ、請求書に印鑑を押して偽造しようとする行為もあるのが現実ですが、印鑑を押した請求書を偽造作成した場合には、有印私文書偽造となり3か月以上5年以下の懲役、印鑑が押されていない請求書を偽造した場合は、無印私文書偽造となり1年以下の懲役、または10万円以下の罰金が科せられます。

絶対に請求書を偽造してファクタリングを利用することは行わないようにしてください。

中小企業が抱える不安で解決したい問題のトップは資金繰り?

中小企業の経営者の不安材料として挙げられることが多い問題に資金繰りが挙げられますが、資金が回らなくなれば会社の存続にも関係するからといえます。

不安を感じているものの、現時点では特に支払いも滞っていないからひとまず問題ないだろうと何の対策も講じず、後回しになっていないでしょうか。

しかし、実際に困った状況に陥ってから何か対策を講じるのでは手遅れになる場合もあります。資金繰りに不安を感じるのなら、在庫管理の見直しや赤字経営からどうすれば脱却できるのかなど考えていくようにしましょう。

資金繰りに不安を感じてしまう理由

中小企業が資金繰りに不安を感じる理由として、

  • 売上の増減の変動が毎月大きいこと
  • 過剰に在庫が残っていること
  • 過剰に設備投資をしてしまったこと
  • 支払いサイトよりも回収サイトのほうが長めの設定になっていること
  • 借入金額が増えていること
  • 貸付金や仮払金が増えていること
  • 取引先の売掛金が不良債権化するなど未回収債権があること

などが挙げられます。

このうち、債権や債務の管理に該当する、売掛金や受取手形などの回収、仕入れ代金など支払サイト、与信管理などは適切にできているでしょうか。

認識しておきたいのは、赤字があっても手元の資金があれば会社は倒産しませんが、黒字でも手元の資金が不足してしまえば黒字倒産してしまう可能性があることです。

支払い期日の交渉を行うべきか

資金繰りを安定させるためには、日々の資金の流れを管理し、どのタイミングでいくら支払いが発生しどのくらい不足が生じる可能性があるのか事前に把握しておく必要があります。

資金に不足が生じないよう、適切に売掛金を回収し、場合によっては早期に売掛金を現金化できるファクタリングなどで手元の資金を枯渇させないようにすることが重要です。

ファクタリングとは

ファクタリングは、未回収の売掛金をファクターと呼ばれる専門業者に売却し、その代金を期日より先に受け取る資金の調達方法です。資金が急に必要になったというときにも利用できますが、長期化している売掛金の回収サイトを短期化させたいときにも有効です。

債権・債務管理を徹底することは、資金繰りで資金不足に陥るリスクをコントロールすることであると理解しておきましょう。

適切な債権・債務管理の方法

実際に資金繰りを安定させるための債権・債務管理はどのように行えばよいのでしょう。見直したいポイントとして、未回収の債権を確認して速やかに回収することを心掛けます。

もし遅延や漏れがある場合は、取引先に速やかに連絡して催促しなければ、債権に設けられている消滅時効により回収不能となってしまいます。

現在、商品の売掛金などは2年で時効が成立しますが、2020年4月1日以降に発生した売掛金の時効は5年に変わります。いずれにしても時効により売掛金が消滅してしまわないよう、請求を続け回収を心掛けることが必要です。

また、請求漏れを防ぐためにも、請求書と納品書を照合し実際の取引と整合しているか確認することも欠かさず行ってください。

回収サイトを早期化するために

仕入れ先に支払いの期日を遅らせてほしいと交渉することもできますが、資金の管理能力が低いと評価されることになるでしょうし、信頼関係を損なう要因とも考えられます。

ただ、長く付き合いがあり親しい取引先などには、短期で支払ってもらうことで値引きをするなど、回収サイトを早期化する交渉をしてもよいでしょう。

取引先の都合上、交渉が成立しない場合には先にも述べたようにファクタリングで回収期間を短期化することも検討してください。

資金繰りを安定させ不安を解消するために

資金繰りは日々の債権・債務の管理を見直すことでも大きく改善されるはずです。そのためにも日々の資金の流れをしっかりと把握し、資金不足に陥らない対策を事前に講じていくことが必要といえるでしょう。

安定した資金繰りが実現できれば、本業に注力し売上や業績をさらに伸ばすことができるはずです。

債権譲渡を制限する特約について法律が改正された?

平成29年5月に民法の中で債権法を改正する法案が成立し、令和2年4月1日から施行されることが決まりました。

そこで、改正される債権譲渡法とはどのような内容なのか、何に制限などが加わるのかご説明します。

そもそも債権譲渡とは?

一般的に債権という用語自体、聞き慣れないという方もいるでしょう。

債権とは、誰かが誰かに対し、特定の行為や給付を要求することができる権利でのことで、仮に金銭の貸し付けが個人同士で行われたとき、貸した側は貸したお金を返してもらうように請求できる権利である債権を持っていることになり、借り入れた方はお金を返す債務を抱えていることになります。

民法ではこの債権について、性質に反しない限りは自由に譲渡が可能としています。もしお金を貸して請求する債権を保有する方が、別の第三者に債権を譲渡したとしたら、譲り受けた方が権利を所有することになるので、お金を借りた方はこの第三者からお金を返すように請求されることになるということです。

なお、譲渡される形は、売買や贈与などいろいろなケースが考えられます。

債権譲渡制限特約が資金調達の妨げに?

債権譲渡について契約を結ぶとき、当事者間で債権を譲渡することを禁止したり、制限するために特約を設けて合意することはできます。

この特約に反して当事者が債権譲渡した場合には、これまでは譲渡制限特約を付した当事者間だけでなく、債権譲渡契約でも譲渡を無効とするとされていました。

しかし民法が改正されたことで、債権譲渡を制限する特約を設けたとしても、債権譲渡の効力を妨げられず、譲り受けた方が債権者になるとされています。

債権譲渡制限特約は、債務者の利益を保護するために付帯されるものである一方で、特約があることが債権譲渡による資金調達の妨げになっていることも事実です。

円滑に債権が譲渡され、資金調達の手助けとなるよう改善させることが必要であるとされ、今回の民法改正に至りました。

悪意や重過失による譲受人や第三者に対する取り扱い

その反面で、債権譲渡制限特約の存在を知っている場合(悪意のある場合)や、重大な過失で知らなかった債権を譲り受けた方や第三者を保護する必要はないとされています。

そこで、このような悪意のある場合や、重過失で知らなかった譲受人や第三者に対して、お金を返す義務のある債務者は債務を履行することを拒否したり、譲渡人に対して弁済や債務を消滅させる事由を第三者に主張することができるように改正されています。

新たに供託も認められるように

債権譲渡制限特約のある債権が譲渡された場合には、新しく債権者となった者は、譲り受けた方の悪意や重過失には関係なく債権の譲受人です。

債権を譲渡した譲渡人には、譲渡した債権を履行することを請求する権利も、債務者に対して取り立てを行う権利もないということになります。

債務者は、譲り受けた方の悪意や重過失を立証できるとき以外は、常に譲受人に対し債務を履行すればよいと思うかもしれません。しかし、債権譲渡の有効性に疑問を感じる場合、どちらに払えばよいかわからず二重払いのリスクを抱えてしまうことになります。

そこで、債務者に対し譲受人に譲渡制限特約を対抗できるかは関係なく、譲渡された債権の金額に相当する金額は供託できることも認められるように改正されました。

供託とは

金銭や有価証券、物品などを供託所や一定の方に差し出し、管理をゆだねて保管してもらうことです。最終的には供託所が保管した財産をある方に取得させることにより、一定の法律上の目的を達成する制度となっています。

今後は債権譲渡による資金調達がスムーズに

今回、債権譲渡で資金を調達しやすくなるような民法改正となり、中小企業の有効な資金調達の方法であるファクタリングなども利用しやすくなるはずです。

売掛債権を活用した資金調達は、経済産業省も推奨している資金調達の方法ですので、有効に活用することを検討しましょう。