見積もり書を受領した際に決まり文句として記載されている「ご検討をお願いします」という一文。
何気なく読み飛ばしてしまう方も多いかと思いますが、本当にお得な見積もりを得るためには、実際に「ご検討」が求められます。
ところが、実際に見積もりを精査するとなると、どのように検討したものか悩みますよね。予備知識のないまま見積もりと睨めっこをしても、主観的な「ご検討」しか得られません。
そこで今回は、見積もり所の個別項目の検討方法をおさらいし、見積もり書の適切な比較方法を解説。
これからファクタリングを利用する方に向け、最適な「ご検討」を紹介しようと思います。
ファクタリング見積もり書のご検討方法1:相見積もりを取る!
ファクタリングに慣れていない方には、まず「相見積もり」による見積検討をオススメします。
複数の業者から見積もりを取り、それぞれを比較することで「手数料や納期」などの条件を直接見比べることができるからです。
ファクタリング手数料にも、取引方法や取引額に応じて相場が存在します。自社が取引に出す売掛金がどのような評価を受けているのか、直接見比べることが大切です。
ファクタリング見積もり書のご検討方法2:手数料を比較する
取引に不慣れな方は、「ファクタリング 安い」などで検索して調べているかと思います。
しかし、ファクタリングは業者ごとに債権に対する評価方法やルールが異なるため、「一般的に安いと言われている業者」でも、自社の提示する案件も手数料を安く評価してくれるとは限りません。
例えば、2社間ファクタリングにおける次の図表を見てみましょう。
〇 A社の相場表(手数料10%~30%)
1000万円以上 … 10%
700万円~1000万円未満 … 20%
700万円未満 … 30%
〇 B社の相場表(手数料5%~35%)
1500万円以上 … 5%
1000万円~1500万円未満 … 8%
500万円~1000万円未満 … 18%
500万円未満 … 35%
(金額はいずれも取引債権の額)
上記の2社の評価テーブルを比較すると、全体的にはB社の方がお得に見えます。しかしながら、300万円や400万円等の低額債権を取引に出した場合はA社の方がお得。
つまり、安いと言われている企業が全てにおいて安いとは言えず、逆に高いと言われている業者が全ての条件において高額手数料を設定しているとも言い切れません。
大切なことは、安いやお得などの評判に惑わされず、実際に見積もりを取り比較検討することで「自社の提示する条件において、最良の手数料を導き出す業者」を探すことです。
ファクタリング見積もり書のご検討方法3:納期を比較する
見積もり書に記載された納期は、手数料とともに必ず比較し、検討すべき項目です。
ファクタリング業者は見積もり交渉から入金までが非常にスピーディで、一般的には「即日~1週間程度」で取引が成立します。
ただし、これらはあくまで目安に過ぎず、実際には即日入金を行う業者もあれば、1カ月程度の審査期間を設ける「銀行系と変わらない体質」の業者も存在するのが実情です。
基本的なスタンスとしては相見積もりをベースにして、「入金納期が短い方」を選ぶと効率的な比較検討が行えます。
言うまでも無く、資金調達は納期が最も大切です。
お金を必要とする理由は人によって異なりますが、必要な期日までに資金を調達できない場合、大きな負担を強いられることになるでしょう。
ファクタリング見積もり書のご検討方法4:見積もり書自体の納期は守られているか?
ところで、見積もり書に提示された納期は、ただ早い方が良いというものではありません。
自社にとって最も大切なことは「納期に対する信頼性」であり、本当にファクタリング業者が記載した納期を守ってくれるのか、です。
従って、ファクタリング業者を比較検討する際は、
〇 見積もり書に記載された納期は現実的なものか?
〇 見積もり書を提示するまでの応対に問題はなかったか?
〇 企業は見積もり書そのものをスムーズに発行したか?
などの観点から、個別的信頼性を問うことをオススメします。
例えば、自社が業者に対して見積もり書を求める際に「〇日までに出して欲しい」と期限を切った場合に、提示した納期が守られているかは重要な判断基準となり得ます。
見積もり書の提出期限すら守れない企業と取引を進めると、資金調達期限のギリギリになって見積もり内容の見直しを迫られたり、入金期日よりも遅延して振込が行われるかもしれません。
また、「見積もり書の記載納期に無理があるのでは?」と感じた時も要注意。
売掛債権は個別に審査を行う必要があるため、自社の持つ債権が担当者の予想以上の審査時間を要することになるかもしれません。
いずれにせよ、見積もり書の納期を検討する場合は、書類上の期日だけでなく、あらゆる観点から納期に対する信頼性を問いかける姿勢が大切です。
ファクタリング見積もり書のご検討方法5:特約条項をチェックする
概算見積もり書の中には、自社が予想していない特約を前提にしているものも存在します。
もちろん、見積もり作成前に自社が事前に伝えた条件を違えることはありませんが、償還請求権や掛目等の特約はよくある話。
〇 償還請求権設定特約を付与した場合 … 売却した売掛金が回収できない場合、損失の一部を自社が負担する
〇 掛目の設定を行った場合 … 債権の全額ではなく、一部のみを買取る
これらの特約項目は見積もり書の欄外に小さく書かれていることもあるので、疑問に感じた事は余さずに説明を求めることをオススメします。
ファクタリングに限らず、契約書は常にサインしてからでは手遅れです。
ファクタリング見積もり書のご検討方法6:悪徳業者を回避する
ファクタリング業者の中には、残念ながら悪徳業者が存在します。
ファクタリングは、「金融機関の厳しい審査により資金調達が捗らない」という資金需要者側の事情と、「貸金業法の厳しい規制により業務転換した」供給側の事情が合致して成立した背景を持つため、闇金業者も紛れ込んでいるのが実情です。
彼らは言葉巧みにファクタリング業者であることを装い、いざ契約段階になってから急に「お金を借りる気は無いか?」と取引変更を行ったり、担保や保証人の供出を求めます。
中には「急ぎ資金が必要だ」という自社側の足元を見て、優良条件をエサに交渉を引き延ばし、時間的な余裕が無い状態で自社に不利な条件を迫る業者も。
悪徳業者は言うまでも無く、取引して良い相手ではありません。
悪徳業者の代表的な手口
〇 契約直前になって内容変更を迫る
〇 担保不動産や保証人の供出を求め、融資へと切り替える
〇 本来非課税のファクタリングに消費税を課税する
こうした業者を回避するためには、見積もり書でただ安い業者だけを検討するのではなく、
〇 見積もり内容が他社と比べて著しく有利・不利なものではないか?
〇 提示された見積もり条件に対する正しい説明を行っているか?
〇 担当者の言動や行動に不審な点はないか?
〇 見積もり書に記載された連絡先に不審な点はないか?(固定電話がない等)
〇 信頼できる資金調達専門サイトを利用する
などを細かくチェックすることをオススメします。
特に資金調達専門サイトは、ファクタリングに不慣れな方にとって心強い味方です。
資金調達専門サイトでは、金融取引に明るい専門家が独自基準を設けて悪徳業者の排除を行っているため、高い信頼性の優良企業だけとコンタクトを取ることができます。
また、見積もり納期や条件等も、自社が納得のいくものだけを厳選可能。紹介企業同士を相見積もりにより競わせることで、自社にとって最もお得な取引へとアプローチできます。