緊急事態宣言により資金難に陥った中小企業を救う措置とは?

2020年5月25日、それまで新型コロナウイルス感染症の影響により緊急事態宣言の状態が続いていた北海道・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県も、いよいよ緊急事態宣言解除となっています。

東京都では対策本部会議により、2020年5月26日午前0時から「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」のステップ1へと移行し、本格的に緊急事態宣言解除後の生活に戻ることが期待されました。

しかし緊急事態宣言が解除されたからといって、人の流れは増えたもののすぐに元の生活に戻るわけではありません。

すでに資金繰りが悪化し、何らかの方法で資金調達しなければならなかったのに緊急事態宣言が発令されており、動くことができなかった経営者などもいることでしょう。

そこで緊急事態宣言による休業要請や営業自粛により、資金繰りが悪化している企業などが資金調達する際、どのような融資支援制度などがあるか把握しておきましょう。

 

緊急事態宣言で資金に困っていても銀行融資は受けにくい?

新型コロナウイルス感染症の影響で苦しい状態が続く企業などは少なくない状況であり、資金に困っていても銀行融資は期待できないとあきらめてしまう経営者もいるようです。

そこで金融庁も企業の資金繰り支援として、金融機関によるプロパー融資の残高を点検することとしています。

すでに政府は金融機関が貸し倒れリスクを負うことのない信用保証を拡充していますが、日本政策金融公庫の特別融資の実施や、万一倒産して返済が焦げ付いてしまったときに100%肩代わりしてくれる信用保証の仕組みの復活などがその内容です。

そして2020年5月1日からは、民間金融機関が行う実質無利子・無担保の融資も信用保証が組み込まれています。

そのため銀行などの民間金融機関は、自行がリスクを負わない融資にばかりを積極的に行い、銀行自前となるプロパー融資には消極的という声も聞こえている状況です。

これらの状況を回避するために、政府は2020年5月27日、公的な制度融資だけでなく機動的な銀行自前のプロパー融資をセットにして資金繰りに苦しむ企業を支援するよう強化していく方針としました。制度融資だけに偏っている状況の場合には検査の実施も検討されるようです。

一定のリスクを許容し機動的に企業を支援するべきと考えており、銀行自前のプロパー融資の残高点検によって、リスクがない場合のみ資金を貸す姿勢にはメスが入れられることになります。

その一方で、返済の順位が一般債権に劣っている劣後ローンは資本とみなすことを可能とすることを改めて明確にするようです。

劣後ローンの供給は、官民ファンドなどが中長期的に企業を支援する策として検討しています。それにより民間の金融機関が追加融資を行いやすい環境を整備し、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言発令前などには正常先だった企業で一時的に売上が低迷していても、不良債権という扱いにしなくてよい運用も改めて打ち出していくようです。

 

緊急事態宣言で休業要請を受け資金繰りが悪化してしまったのなら

新型コロナウイルス感染症により発令された緊急事態宣言とその延長により、休業要請や営業自粛となったことで業務を続けることができずいろいろな制限を受けることとなりました。

日本全国場所を問わず、売上低迷などで資金繰り悪化によりこのままでは倒産してしまう…という中小企業もけっして少なくありません。

政府はすでに緊急的な措置・対応策として、中小企業などの資金繰りを支援する無利子・無担保の新融資制度を開始しています。

無利子・無担保で融資を受けることが可能?

日本政策金融公庫などでは、実質的に無利子・無担保で融資を受けることのできる新型コロナウイルス感染症特別貸付が開始されています。

融資を受けた事業者は、特別利子補給制度の適用を受けることとなり、実質3年間において無利子で資金を借りることが可能です。

中小事業は最大3億円・国民事業6千万円を限度とした融資制度で、特別利子補給制度が適用される上限は中小事業で最大1億円・国民事業では3千万円になっています。

中小事業と国民事業の違い

日本政策金融公庫では中小企業事業・国民生活事業・農林水産事業など種類がわかれていますが、新型コロナウイルスや緊急事態宣言などの影響で特別融資の対象となるのは国民生活事業と中小企業事業です。

国民生活事業とは、平均融資額が600万円程度の小規模事業や個人事業主を対象とした事業のことで、飲食店や工務店など地域の事業主などが対象です。

対する中小企業事業は、融資期間5年以上の長期間の貸し付けが主となる、資本金1千万円以上などある程度事業規模の大きい中小企業などに対して行う融資事業です。

中小企業事業は通常であれば有担保融資を行うことになりますが、新型コロナウイルスによる特別融資では要件を満たすことで無担保融資が可能となります。

中小規模事業者や個人事業主なども、本来の融資限度額は600万円程度になりますが、政府による特別融資では担保なしで最大6千万円まで融資を受けることができることが特徴です。

緊急事態宣言の影響などで利用できる新型コロナウイルス感染症特別貸付の特徴

日本政策金融公庫などは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて売上低迷など業況が悪化してしまった中小企業や個人事業者を対象とし、融資枠とは別枠で新型コロナウイルス感染症特別貸付が創設されています。

融資を受ける企業などの信用力や担保の有無には関係なく、一律金利で無担保であることが大きな特徴で、融資実行後3年間まで0.9%金利を引き下げるという内容です。

新型コロナウイルス感染症特別貸付を利用できるのは

緊急事態宣言による休業要請や営業自粛など、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてしまったことで一時的に業績が悪化した企業や個人事業者は少なくありません。

そこで、これらの事業者の中で次のいずれかに該当する場合には新型コロナウイルス感染症特別貸付の申し込みが可能です。

  • 業歴が1年以上で直近1か月の売上が前年または前々年の同期と比べて5%以上減少している場合
  • 業歴が3か月以上1年1か月未満で直近1か月の売上高が次のいずれかより5%以上減少している場合 ①最近1か月を含む過去3か月の平均売上高②令和元年12月の売上高③令和元年10~12月の売上高平均額

特別利子補給制度とは

新型コロナウイルス感染症により緊急事態宣言が発令され、休業要請や営業自粛などで資金不足となっている状態では、たとえお金を借りることができても返済負担が重くのしかかることを懸念する声もあります。

特に利子が発生すれば元金だけ返せばよいわけではないため、後々資金繰りが苦しくなるのでは?と不安になってしまうものですが、今回の特別貸付で融資を受けた事業者などに対して利子補給の対象です。

利子補給とは、行政が特定融資を行った金融機関に対しして利子の一部または全額を給付する制度となっています。

融資を受けた中小企業や個人事業主が特別利子補給を受けるには、次の要件を満たすことが必要と認識しておきましょう。

  • 個人事業主(フリーランスを含む)要件なし
  • 小規模事業者(法人)売上高▲15%減少
  • 中小企業者(上記以外の事業者)売上高▲20%減少

なお、小規模事業者とみなされる要件としては、製造業・建設業・運輸業・その他業種は従業員20名以下であることが必要です。卸売業・小売業・サービス業なら従業員5名以下であれば小規模事業者となります。

 

緊急事態宣言で民間金融機関でも実質無利子・無担保の融資を受けることが可能に

緊急事態宣言が発令され、休業要請や営業自粛などを理由とし、資金難で事業を続けることが難しくなった企業や個人事業主も少なくない状況といえます。

経済産業省は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、中小企業などの資金繰りを支援するための措置強化を対策として打ち出している段階です。

信用保証制度を利用した都道府県など各地域の制度融資補助のために、民間金融機関でも実質無利子・無担保で融資を受けることができます。

民間の金融機関でもワンストップによる手続きが可能となる制度なので、政府も資金繰りに困り早く資金調達しなければならない中小企業などを支援していくために実施するとしています。

緊急事態宣言などで利用できる融資の制度の内容は?

具体的には信用保証制度を利用した都道府県などの制度融資に対して国が補助を行うことによって、実質無利子・無担保・据置最大5年となる融資を可能とする内容です。

それに加え信用保証料を半額もしくはゼロになり、現在利用している信用保証付き融資を実質無利子融資に借換えることもできます。

融資を受け資金調達した事業者の金利や返済負担を軽減することを目的としており、民間の金融機関を窓口としたワンストップによる手続きという迅速性を高めることも可能としています。

2020年5月1日からそれぞれの都道府県で開始されていますが、一部の都道府県では一旦は事業者が利子分を負担し、後で支払った利子分が事業者に返還されることで実質無利子となる仕組みになっていることもあります。

融資を受ける対象となるための要件

次の売上減少の要件を満たしており、セーフティネット保証4号・5号・危機関連保証のうちいずれかの認定を受けていることが必要です。

  • 個人事業主(事業性のあるフリーランス含む小規模の事業主)売上高▲5%で保証料・金利ゼロ
  • 小・中規模事業者(上記除く)売上高▲5%で保証料1/2 売上高▲15%で保証料・金利ゼロ

なおセーフティネット保証5号の業種は、2020年5月1日をもち、全業種を指定しています。

融資の特徴

融資金額の上限は3千万円据置期間は最大5年間無担保とし、補助期間における保証料は全融資期間利子補給は当初3年間実施されます。

 

セーフティネット保証・危機関連保証の有効期限を延長

セーフティネット保証制度4号とは、自然災害など突発的な災害で起きた売上などが減少している中小企業者を支援する措置のことです。

地震・噴火・台風などの突発的な自然災害により、経営の安定性が保たれず支障をきたしている中小企業者の資金供給を円滑化するための制度です。

災害救助法が適用された場合や都道府県から要請があり必要があると認める場合には、信用保証協会が通常の保証限度額と別枠で借入債務の100%を保証する制度となっています。

経済産業省は新型コロナウイルス感染症により影響を受けている中小企業などの資金繰りを支援する措置として、セーフティネット保証4号の発動を決めています。

そのため、新型コロナウイルス感染症で売上減少など影響を受けた中小企業などは一般保証と別で保証を利用できます。

そしてセーフティネット保証制度5号は指定業種に属する事業を営み、最近3か月間の売上高等が前年同期と比べたとき5%以上減少している中小企業などが対象です。

危機関連保証制度は金融取引に支障をきたしており、金融取引を正常化するための資金を必要としている場合の措置です。

原則、最近1か月間の売上が前年同月と比べて15%以上減少しており、さらにその後2か月間を含む3か月間の売上が前年同期と比較したとき15%以上減少することが見込まれる場合が対象となります。

東日本大震災やリーマンショックなどの危機的な状況において、全国・全業種を対象とし信用保証協会が通常の保証限度額(2.8億円)およびセーフティネット保証の保証限度額(2.8億円)とは別枠(2.8億円)で借入債務の100%を保証します。

新型コロナウイルス感染症により緊急事態宣言が発令され、休業要請や営業自粛などの措置が講じられました。

多数の中小企業がこの保証制度を利用することが見込まれていますので、認定窓口が混雑することが予想されます。

そのため事業者の利便性を確保する観点から、令和2年1月29日から7月31日までに認定を得た事業者については、従来は30日間である認定書の有効期限を令和2年8月31日まで延長するとしています。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染症により、緊急事態宣言が発令され、休業要請や営業自粛などの影響で事業を続けることができなくなった中小企業や個人事業主は少なくありません。

売上は低迷し手元の資金は不足してしまい、このままでは倒産や廃業に追い込まれると窮地にたたされている事業者も少なくないことでしょう。

このような場合、うまく活用できる制度も設けられていますが、実際には融資の申し込みを行ってもすぐに資金を調達できるとは限りません。

所定の審査などがあるため事業資金を調達できなかったというケースもあるようですし、すでに多数の中小企業などが申し込みを行っており、審査が完了するまで一定時間も要しています。

もし融資制度を活用した資金調達を検討するのなら、一時的な資金繰り改善のためにファクタリングを活用してはいかがでしょう。

企業などが保有するまだ回収できていない売掛金をファクタリング会社に売り、現金化して入金される期日よりも前倒しで資金を受け取る方法がファクタリングです。

融資実行まで時間がかかる場合にも活用できる方法なので、手元の資金が枯渇してしまう前に検討することをおすすめします。

新型コロナウィルスで労働者を休業させる場合は手当の支払いが必要?

2020年に発生した新型コロナウィルスの影響で、労働者を休ませなければならない状況に陥った企業や個人事業者も少なくありません。

緊急事態宣言が解除となった後にも、新型コロナウィルスの症状が疑われる従業員や社員がいれば休業させることになるでしょう。

しかし新型コロナウィルスにより2020年から売上が低迷している中、休業した従業員や社員にも給料を支払わなければならないのか…と感じてしまうものです。
そこで、新型コロナウィルスにより従業員や社員を休業させる場合の休業手当や、企業そのものが受けることのできる補償制度などについてご説明します。

 

新型コロナウィルスにより労働者を休業させる場合

日本だけでなく世界において、新型コロナウィルスにより多くの事業者が影響を受け、倒産する企業や失業者などを発生させている状況です。

できるだけ雇用は継続したいものの、ひとまず新型コロナウィルスにより労働者を休業させることになったら、欠勤している期間中は給料が発生するのか気になるところでしょう。

理想的なのは事業者と労働者が話し合いを行い、労働者が不安を抱えることなく休暇を取ることができる体制整備ができることが必要です。

しかし売上もあがらない状況で、休業中の労働者の給料まで負担できないという企業や事業者も少なくありません。

実際には給料を支払うべきかの判断は、それぞれの事案ごとに事情を考慮しながら、総合的に決めるべきといえます。

ただ、労働基準法第26条によると使用者の責に帰すべき事由による休業であれば、休業期間中には平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならないと規定があります。

さらに労働者が安心して休むことができるようにするためには、就業規則などで100分の60を超えた休業手当を支払うことが望ましいといえるでしょう。

労働者が新型コロナウィルスに感染した場合も休業手当を支払う?

では労働者が2020年新型コロナウィルスに感染したことを理由に休業させなければならなくなったとしたら、休業手当はどのような扱いになるのでしょう。

この場合、先にのべた「使用者の責に帰すべき事由による休業」ではないため、労働者に休業手当を支払う必要はなくなります

それでは労働者の生活が保障されないという問題が出てきますが、健康保険など被用者保険に加入していて一定要件を満たす方なら、傷病手当金が支給される対象となります。

傷病手当金はいくら支給される?

労働者が傷病手当金の受給対象の場合、仕事ができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12か月の平均標準報酬日額の3分の2が手当金として支給されます。

新型コロナウィルスに感染していると疑わしい場合は?

新型コロナウィルスに感染しているかまだわからないけれど、感染が疑わしい労働者を休ませる場合はどうでしょう。

この場合も事業者側の判断で休ませるのならば、先に述べた「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当することになるので、休業手当を支払わなければなりません

労働者が発熱などを理由に自主的に休んでいる場合は?

労働者が発熱などの症状が見られたことを理由に、2020年新型コロナウィルスに感染している可能性も否定できないとして自主的に休んでいる場合も休業手当は支払う必要があるのでしょうか。

この場合、まだ新型コロナウィルスに感染しているかわからない状態ですので、通常の病欠の際と同じ扱い病気休暇制度を活用するといった対応となるでしょう。

ただし事業者側が、労働者が発熱していることを理由に一律に休ませるという場合には、やはり「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当することとなり休業手当を支払う必要が出てくると考えられます。

新型コロナウィルスの休業を年次有給休暇で対応できる?

2020年新型コロナウィルスに感染している疑いがある労働者が年次有給休暇を取得した場合はどうでしょう。

年次有給休暇とは、原則、労働者が休業の請求をしたときに与えるものです。そのため事業者側が一方的に労働者に有給休暇を取得させることはできないとされています。

年次有給休暇を取得したことを理由に、給料を減額するなど不利益となる対策や扱いは行わないようにしましょう。

新型コロナウィルスの休業手当はアルバイトやパートにも必要?

正社員ではなく、アルバイト・パートタイム労働者・有期契約社員・派遣社員などにも休業手当を支給することや、年次有給休暇を付与するといった対応は必要となるのでしょうか。

労働基準法上の労働者なら、雇用形態に関係なく休業手当を支払うことや年次有給休暇を付与することが必要です。

また法定外の休暇制度や手当などを設ける場合には、正規雇用でないことを理由としてその対象から除外してしまうと、パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の規定に違反する可能性があるので注意してください。

 

協力依頼や要請などで営業自粛となった場合の労働者の休業は?

では2020年新型コロナウィルスで協力依頼や要請などを受けたことにより営業を自粛すれば、連動して労働者にも仕事を休んでもらうことになります。

経済上の理由などで事業活動を縮小しなければならなくなり、労働者を休業させた場合には支払った休業手当の金額に応じて雇用調整助成金が支払われることになりますが、新型コロナウィルスの影響による雇用調整助成金にも特例措置が設けられています。

まず解雇などを行わずに引き続き労働者を雇用し続ける企業には、その労働者が正規雇用か非正規雇用か関係なく、中小企業は90%・大企業75%まで助成率が引き上げられています。

さらにこの助成率は今後引き上げが予定されていますし、休業要請を受けた中小企業が一定要件を満たした状態で休業手当を支払っている場合には、休業手当の助成率を特例として100%にするといった積極的な拡充が行われています。

不可抗力による労働者の休業は手当を支払わなくてもよい

2020年新型コロナウィルスで協力依頼や要請などを受け、事業活動を自粛したことで労働者を休ませたとしても、労働基準法に基づく休業手当の支払義務がなくなるわけではありません。

不可抗力によって労働者が休業する場合には、使用者に休業手当を支払う義務はなくなります。

不可抗力による休業とは、

  • 休業の原因が事業の外部から起きた事故の場合
  • 事業者が最大の注意を尽くしていたのに避けることができなかった事故による休業の場合

という2つの要素を満たすことが必要です。

休業の原因が事業の外部から起きた事故の場合とは?

今回2020年新型コロナウィルス感染症拡大による新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいた対応が取られるなど、事業活動の自粛要請などを受けたときのように事業の外部で発生した運営困難とする要因などです。

事業者が最大の注意を尽くしていたのに避けることができなかった事故による休業の場合とは

事業者は労働者が休業しなくてもよいように最善の策を検討し、具体的努力を行っていたけれどやむなく休業させなければならなくなった場合が該当します。

たとえばテレワークなど自宅勤務などで労働者が業務に従事できるような体制を整備していることが必要ですし、他に就いてもらえる業務があるのに休業させている場合などは認められません。

 

まとめ

東京都は2020年5月22日、新型コロナウィルスによる新規感染者が減少していることを伝え、2020年5月25日にも緊急事態宣言を解除する方針であるとしました。

ただ、2020年はゴールデンウィークなど大型連休に外出できなかっため、解除後は人が一気に増えることも懸念されています。新型コロナウイルス最新情報を確認しても、まだ潜伏期間などは明確にされていません。今後は新型コロナウイルス感染者数などの情報も注視しながら行動することが求められるといえるでしょう。

いつまで続くかわからない活動自粛要請などで、早く経済活動を再開させたいと頭を抱える事業者も少なくないようですが、一時的な資金難などで困ったときにはファクタリングなどでうまく対策しピンチを切り抜けてみてはいかがでしょうか。

外出自粛の動きで様々な事業に及ぶ影響!東京圏や大阪圏はいつ解除に?

大規模なイベントの中止に学校の休校に続き、休業要請など経済活動の停止などで人々は外出自粛という制限を受けることとなりました。

これは新型コロナウイルス感染症の拡大が影響していますが、世界最大級の大都市である東京都の大部分では、4月初旬まで外出自粛という扱いはなく普通の生活を送ることができていました。

しかし2020年4月7日、緊急事態宣言が発令されたことでたちまち外出自粛という制限を受けることとなったのです。GW(ゴールデンウィーク)も外出自粛で人の動きは止まった状態となりました。

外出自粛の要請によって東京の平日の地下鉄は、前年より60%程度利用割合は減少することとなり、居酒屋店はテイクアウトメニューを置き人気のカラオケ店は閉鎖することとなりました。

新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響は、主に飲食店や旅館業などへの打撃が大きいとピックアップされがちですが、他の事業にも様々な影響を及ぼしています。

 

緊急事態宣言の解除で外出自粛の流れに歯止めがかかる予定が…

緊急事態宣言はいつ解除され、外出自粛の流れに歯止めがかかるのか…誰もが気になっていた部分といえます。

政府は2020年5月14日、新型コロナウイルスによる感染拡大を懸念し発令していた緊急事態宣言を39県で一気に解除しました。

外出自粛により経済に対する悪影響が懸念される中、解除できる範囲はなるべく広げようと考えた結果といえるでしょう。

しかし首都圏や大阪府周辺など8都道府県の都市部では引き続き緊急事態宣言の解除はされることなく、第2波といえる次の感染拡大を警戒し外出自粛を継続しています。

なお緊急事態宣言は、当初、2020年5月4日に解除することが予定されていました。ただ4日に解除した場合、GW(ゴールデンウィーク)終盤から緩みが広がってしまう可能性があるため、全国で延長することを宣言したという形です。

 

外出自粛の打撃は中小企業や個人事業主に!

首都圏や大阪府周辺などでは引き続き外出自粛という状況ですが、事業者に対しても休業要請がこのまま続けば資金はたちまち底をつき、事業を継続できないと頭を抱える状態になってしまいます。

すでに休業要請の影響で頭を抱えている中小企業や個人事業主は多く、有効に活用できる支援策を打ち出してほしいと考える事業者も少なくありません。

政府も中小企業に対する支援に力を注いでいますが、これは日本には359万という数の会社が存在しており、その中で358万社は中小企業だと言われていることが影響しています。

大企業と違い中小企業は会社の規模は小さいですが、日本の法人の割合のほとんどはその小規模の会社です。外出自粛や休業要請の影響を受けている小規模な法人を救うことができなければ日本経済へのダメージは計り知れないものになってしまうでしょう。

持続化給付金で資金繰りは改善される?

そこで政府は中小企業を支援するため、新型コロナウイルスによって事業に影響を受けた企業に対し、持続化給付金という給付金を支給することにしました。

中小企業だけでなく個人事業主も対象としており、中小法人200万円・個人事業者100万円までの給付金が最大で支給されます。

しかしこの持続化給付金には条件が設けられており、2019年度から売上がある事業者で今後も営業を継続する意思があること、さらに前年同月比の売上が50%以上の割合で減少していることが必要です。

実際、売上が50%半減していればすでに倒産や廃業に至ってしまう事業者も少なくないため、要件が厳しすぎるため資金調達につながらないという声もあります。

雇用を支援する助成金制度はあっても

新型コロナウイルス感染症が拡大することを防ぐため、不要不急の外出などを控える外出自粛の要請に加え、休業要請などにより飲食業・宿泊業・小売業など個人に向けたサービス業の業況は大きく悪化しています。

個人向けのサービス業は従業員の多くがパートタイム労働者であるため、労働時間を削減すれば人件費を抑えることはできます。

そしてパートではなく正社員などの労働者については、他業種よりも給与総額に占める所定外給与と特別給与の割合が小さいため、雇用調整が行われやすいともいえます。

できれば従業員を解雇することなく雇い続けたいものの、外出自粛により店を開けることもできなければ売上はあがりません。そうなれば給料に充てる資金も集まらず、支払いもできないので解雇せざるを得なくなってしまうでしょう。

そこで政府は、雇用調整助成金という雇用施策となる支援制度を創設することとしました。

雇用調整助成金の内容は拡充に

この雇用調整助成金とは、新型コロナウイルス感染症による休業要請の影響などで売上などが減少したものの、労働者を1人も解雇しなかった場合において1人あたり1日8,330円を上限とした休業手当・賃金などの一部を助成するというものです。

休業要請で店を閉店させたとしても、必ず従業員に休業手当などを支給できるとは限りません。このような状況で休業手当を受け取ることができない労働者が、現金の申請を可能とする制度があらたに創設される予定です。

なお、雇用調整助成金については、新型コロナウイルス感染症の影響で販売量や売上高などの指標である生産指標要件が1か月5%以上低下していることが要件です。

その上で労働者を1人も解雇しなければ、中小企業は90%、大企業75%を助成するという内容でしたが、助成率を最大94%まで拡充する特例措置も発表しています。

そしてさらに政府は、1人あたり1日8,330円だった上限額を1万5,000円まで引き上げることにしました。

用意された支援制度は使いにくい

雇用調整助成金が拡充されれば!と喜ぶ声がある一方で、手続きが複雑なため簡単に利用しにくいという声もあります。

持続化給付金同様に、政府が打ち出す給付金や助成金は実際に手元にお金が入るまでが遅く、手続きが面倒など様々な問題が指摘されている状況です。

雇用調整助成金は、本来厚生労働省は申請を受けて1か月後には助成開始といっていました。しかし手続きで2か月程度かかっている状態であり、とてもスムーズな対応とはいえないのが現状です。

外出自粛が全面的に解除されるのはいつ?

様々な支援策が打ち出される中でも、肝心なのはこの外出自粛がいつ解除されるかということです。

大阪府では独自に設けていた緊急事態宣言の解除基準である大阪モデルが7日間連続で満たしたことを理由に、2020年5月16日から休業要請を段階的に解除することを決めています。

対象となるのは劇場や映画館、床面積1,000㎡以下のパチンコ店などで、政府の緊急事態宣言継続後も独自の判断で経済活動を再開させるようです。

そして東京都でも、2020年5月15日、施設などの休業要請を緩和する目安である経済活動再開に向けたロードマップの骨格を示しました。

現在確認できている外出自粛や休業要請を緩和する指標は3つで、

  • 新規感染者数が1日あたり20人未満
  • 感染経路不明が50%未満
  • 週単位の陽性者増加比が1未満

という内容です。

これに加えて、重症患者数・入院患者数・PCR検査の陽性率なども勘案されながら段階的に緩和される予定としています。

さらに感染状況などに応じ、緊急事態宣言解除後も必要と判断できる場合には、東京アラートを発動して外出自粛を再要請する方針も示しました。

 

まとめ

国が示した緊急事態宣言の解除基準は、

  • 新規感染者が減少傾向にあること
  • 直近1週間の10万人あたりの感染者が0.5人程度以下

などを目安としています。

休業要請や外出自粛がどのエリアでも解除されるまではまだ時間がかかりそうなので、それまでの手元の資金が枯渇しないための対策を検討することも必要となるでしょう。

給付金や助成金など様々な支援制度も設けられていますが、手続きが煩雑でお金が入金されるまで時間がかかるという声もあがっています。

このような場合、保有している売掛金を売却し、現金化するファクタリングなら早ければ即日お金が入金されます。

緊急的な資金需要に対応できる方法ですので、もし急いでつなぎ資金が必要という場合には利用を検討してみることもおすすめします。