個人事業主が事業を継続できず廃業する場合に必要な手続き

もし個人事業主として事業を営んでいたけれど、廃業したいという場合には税務署などに届出を行うことが必要です。

事業を始めるときも開業届を提出したはずですが、やめるときにも廃業届を出さなければ、事業が継続されていると認識されてしまうので、必要のない税金の支払いが発生する可能性も出てきます。

そこで、個人事業主が廃業する場合、いつどのような手続きが必要なのか確認しておきましょう。

 

廃業手続きの方法

個人で営んでいた事業を廃業する場合、所定の様式に必要事項などを記入し、管轄する税務署と都道府県税事務所に提出が必要です。

税務署に提出する廃業届で必要な書類と、都道府県税事務所に提出する書類は次のとおりです。

 

税務署に提出する書類

提出が必要なのは「個人事業の開業届け出・廃業等届出書」です。

青色申告で確定申告を行っている個人事業主、消費税の課税事業者、従業員を雇用し給与を支給している事業者などは、提出が必要となる書類も増えるので、事前に何の書類が必要なのか、その期限を確認しておきましょう。

 

●個人事業の開業届け出・廃業等届出書

廃業した日から1か月以内に提出します。

事業所得、不動産所得、山林所得などを得ている個人事業主は、この廃業届を提出する義務があります。

 

●所得税の青色申告の取りやめ届出書

青色申告で確定申告している個人事業主は、青色申告をやめる年の翌3月15日までに提出が必要です。

 

●事業廃止届出書

消費税の課税事業者だった場合、または課税事業者を選択していた場合に必要な書類です。

 

●給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

従業員を雇用し、給与を支給している個人事業主は、廃業して1か月以内に提出が必要です。

 

●所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書

予定納税している場合は、廃業年に提出しておかなければ、事業を継続させたときと同時金額で予定納税することになりますので注意しましょう。

 

都道府県税事務所に提出する書類

事業税を納めるため開業届を提出している場合、廃業届の提出が必要です。ただし、都道府県によって様式や期限は異なりますし、提出までの期限が短く設定されている場合もあるので、事前に確認しておくようにしましょう。

 

廃業の届出を行うのはどのタイミングか

税務署や都道府県税事務所など、機関に廃業の届出を行うタイミングは、いつ事業をやめるかによって異なります。

もし廃業日を年度が切り替わる12月31日に近い日に設定すれば、面倒な手続きが少し軽減するでしょう。

個人事業主は確定申告が必要ですが、事業年度は1月1日から12月31日の1年間です。

廃業するタイミングを年度の終わりに合わせることで、確定申告と廃業の事務処理を同時に進めることができるようになるでしょう。

 

資金不足で廃業を検討しているなら

もし個人事業主が廃業を検討している理由が資金不足だとしたら、一旦立ち止まって考えてみましょう。

不足する資金を何とか補おうと、銀行に融資を申し込んでも審査が通らず、どうにもならず廃業という選択をされたのかもしれません。

しかし、資金を調達する方法は融資だけではありません。たとえば、保有する売掛金があるのなら、その売掛金をファクターと呼ばれる専門業者に売却して、現金化させるファクタリングという方法も選択できます。

廃業を考える理由は人それぞれでしょうが、その理由が資金不足などネガディブなものの場合、他に方法はないか冷静に考えてみることも必要です。

 

まとめ

個人事業主として営んでいた事業をやめる場合は、廃業に関しての届出が必要になります。

ただ、廃業届で必要となる書類の種類は、事業主が青色申告を行っていたか、消費税を納めていた方か、従業員を雇用して給与を支払っていたかなどによって異なります。

もしこのまま事業を継続することが難しく、廃業することも検討しているのなら、事前に必要となる書類にはどのようなものがあるか知っておくと、落ちついた判断がしやすくなるかもしれません。

中小企業の経理業務は大変!ミスで資金不足に陥らないために

中小企業の経理とは、会社が行う事業活動を数字で示すことです。日々、利益を出すために行われている事業活動で行われた取引を会計処理で記録し、結果を数字に表すことともいえます。

行う業務は日々の仕訳から始まり、毎月の試算表の作成から決算処理に関係することだけでなく、仕入や売上、現預金の管理、給与や保険料、税金の計算など、実務として行うことは多岐に渡ります。

中小企業で働く経理担当者は、多くが1人か2人程度であることが多く、会計ソフトを用いて処理を行ったり、税理士に委託したりという場合もあります。

ただ、大企業のように経理専門の部署が設定され、複数に業務を分担されるわけではないことから、すべての業務を一括で引き受けることができるオールラウンダーであるといえるでしょう。

 

中小企業の経理担当が行う業務

会社のお金の動きを正確に把握するために、情報を都度提供できるのが経理担当者なので、経営判断を左右する大きな役割を担うともいえます。

経理業務は多岐に渡りますが、大きく分類すると次の3種類に分けることができます。

 

日常業務

  • 現金出納管理(現金の入出金を出納帳に記録し、残高の確認)
  • 伝票管理(日々の取引を伝票に起票)
  • 会計帳簿管理(伝票に起票した内容を仕訳帳や総勘定元帳に記録)
  • 仕入・売上の管理(仕入とそれにより発生する買掛金、売上と発生する売掛金の管理)
  • 預金管理(小切手や手形、銀行口座の入出金の管理)

 

月次業務

  • 経費精算(経費の立て替え分の精算も含む)
  • 月次決算(月末に帳簿を締め、毎月の損益状況が確認できる状態にする)
  • 給与計算(従業員に支払う給与と手当の計算)
  • 税金や保険料の計算・納付(従業員の給与から天引きする税金や保険料の計算と納付)
  • 請求書の発行(取引先に対する請求書の発行)
  • 入金確認(請求書を発行した取引先から入金があったか確認)

 

年次業務

  • 年次決算(事業年度ごとに年1度行う決算業務)
  • 年末調整(従業員の給与から徴収した源泉徴収額の過不足を計算し12月に調整する)
  • 税金の計算・納付(法人に関係する各種税金の計算と納付)
  • 償却資産の申告(不動産以外の資産を市町村に申告)
  • 棚卸(在庫数と帳簿の照合)

 

少ない人数が経理業務を担当するなら

専門の部署を持たない中小企業の場合、総務を担当する社員の誰かが、総務、人事、経理など兼任している場合もあります。

先にのべたような業務に加え、経営者に対する報告やアドバイスなどを求められることもあることから、幅広い知識に加え柔軟な対応力が必要となるでしょう。

 

中小企業の経理担当者が行う1か月の業務

さらに中小企業で行う経理業務の流れは、1か月のうち、月初、中旬、月末にそれぞれ決まった作業が発生するといえますが、行う作業は次のとおりです。

 

月初

  • 入金確認(取引先から請求した金額が入金されているか確認)
  • 月次決算(前月分の売上や経費を計算)

 

中旬

  • 住民税・源泉所得税の納付(給与支払月翌月10日まで)

 

月末

  • 給与計算(従業員に支払う給与の計算)
  • 取引先に対する支払い(仕入や固定費など諸費用の支払い)
  • 取引先に対する請求書の発行(売上として計上された分を集計し、請求書を発行)
  • 社会保険料納付(従業員の給与から天引きした保険料の納付)

 

ミスが起きやすい部分は業務を分散させることも必要

日々の帳簿の入力などは会計ソフトなどを用いて行うことができるため、業務の中でも比較的効率化しやすい部分です。

しかし、現預金の管理や経費として使った費用の精算業務などは、現金の受け渡しを必要とする業務のため、適切に管理を行わなければミスが起きやすい部分です。

事業を継続する上で、手元の資金の流れを把握し、管理することは非常に重要なことですので、もし経理担当者がすべての業務を抱えるだけの余裕がない場合などは、業務の分散化などでミスのないような形にしておくことが求められるといえるでしょう。

企業のキャッシュフローを左右するのは損益分岐点?その意味とは

企業経営で重要なのは利益を生むことですが、企業は商品やサービスについてコストをかけて顧客に提供し、その対価を代金として受け取り、利益を出します。

そのため、利益を出すことができる売上高である損益分岐点を知っておくことはとても重要なことですが、この損益分岐点こそ企業が達成しなければならない最低限の売上高です。

そして企業経営で重要なのはキャッシュフロー。この損益分岐点とキャッシュフローはとても密接な関係にありますので内容を確認しておきましょう。

 

損益分岐点とは

損益分岐点とは利益も損失も出ず、収支が合致する売上です。ちょうど損失か利益か分かれる部分であるといえますが、損益分岐点を基準とすれば、売上高が多くなれば利益、少なくなれば損失が発生します。

損益分岐点での売上は利益がゼロなので、利益は生みませんが損もありません。
もちろん、利益を獲得するために商品やサービスを販売・提供しているわけですが、赤字でも黒字でもならないいわゆるプラスマイナスゼロの時点です。

損益分岐点を越えた売上分は、限界利益額分の黒字が増えていきます。

 

損益分岐点の考え方

損益分岐点で利益を考える場合には、費用を変動費固定費に分けて考えます。

売上の増減には関係なく発生する固定費に含まれるものとして、従業員の固定給や事務所の地代家賃などが挙げられます。

変動費は売上の増減により比例する費用なので、材料仕入れや従業員のインセンティブなどの人件費、外注費などが該当します。

売上-(変動費+固定費)=利益

となるわけですが、プラスマイナスゼロの状態とはこの利益がゼロの状態なので、売上高から売上を獲得するためにかかった変動費を差し引いた利益が限界利益を出すには、

売上-変動費=限界利益

となります。

 

損益分岐点の算出方法

損益分岐点を算出するには、

固定費÷{1-(変動費÷売上高)}=損益分岐点

となります。

よって、

固定費÷(1-変動比率)=固定費÷限界利益率=損益分岐点

という計算式が成り立ちます。

 

「固定費÷限界利益率」が損益分岐点となるということ

固定費以上に売上が上がったとしても、売上のすべてが利益にはなりません。変動費もかかるので、限界利益部分しか残りませんがこれが限界利益率です。

仮に固定費が100万円、限界利益率が0.25だとした場合の損益分岐点を求めると、

100万円÷0.25=400万円

です。

仮に利益の目標を20万円としていた場合に必要な売上高を知りたいなら、

20万円÷0.25=80万円

となり、損益分岐点である400万円80万円を合わせた480万円が利益目標を達成するために必要な売上高であると計算できます。

また、

  • 固定費を削減すること
  • 変動費を減らし限界利益率を上げること

などによっても目標達成に繋がるでしょう。

 

損益分岐点だけではだめ!キャッシュフローに考慮も重要

会社を経営する上で必要なのは、損益分岐点に加えて、キャッシュフローも考慮していくことが必要です。

むしろ、利益より重要であるともいえます。借入金の返済や未払分の支払いなどは、資金の範囲内におさめなければキャッシュフローは悪化するからです。

新しく事業を始める場合などは、利益計画における損益分岐点だけでなく様々な支払いが滞らないような資金計画が非常に重要となってきます。

これらの支払いは利益から充てていくことになるので、利益が計上されていない状態で返済や未払分の支払いが続いていると資金はいずれショートします。

 

まとめ

企業経営の目的は利益を生むことです。しかし、利益にばかりとらわれてしまうと、手元の資金が不足してしまい、資金ショート、最悪の場合には倒産に至ってしまう可能性があります。

利益計画と資金計画は緊密な関係にあることを理解し、キャッシュフローににおける損益分岐点についても把握しておく必要があるといえるでしょう。

ファクタリングで資金が調達できるまでの流れを知っておくこと

資金調達にファクタリングを利用する場合、どのような流れで資金を得ることができるのかご存知でしょうか。

利用したくても、実際の流れがよくわからないので不安を感じるという場合もあるでしょう。

そこで、実際にファクタリングを導入するまでの流れをご説明します。

 

まずは売掛債権が発生していることが必要

ファクタリングは売掛債権をファクタリングに売却し、現金化させる資金調達の方法ですので、まずは売掛金がなければ利用できません

保有している売掛債権があり、売却して現金化させることを希望するなら、ファクタリング会社に問い合わせを行います。

審査後、買取金額の見積もりを取得し、納得できれば契約という形です。

 

契約締結後に忘れてはいけないこと

無事に契約が締結された後、ファクタリング会社から売買契約に従い買取代金を受け取ることが可能となります。

ただ、売掛先も取引に加わる三社間ファクタリングなら問題ありませんが、二社間ファクタリングの場合は、自らが売掛先から期日に売掛代金を回収することが必要になります。

回収した代金は、そのままファクタリング会社に横流しする形となるので、この流れを忘れないようにしておくことが重要です。

 

どのファクタリング会社でも利用できるわけではない?

ファクタリングを利用する前に、ファクリング会社ではその売掛債権を買い取ることができるのか審査が行われます。

審査で重視されるのは売掛先の信用力ですが、ファクタリング会社によっては法人のみ対応可能としていたり、売掛債権の金額に下限を設けていたりと、利用する上で条件がある場合がある点にも注意しておきましょう。

 

必要書類は事前に準備しておくとスムーズ

利用会社や売掛先を審査する上で、必要な資料を求められますので事前に準備しておくとスムーズです。

ファクタリング会社によって違いはあるものの、多くは法人なら商業登記簿謄本、決算書、請求書、売掛金一覧表などです。ファクタリングを依頼するファクタリング会社に何が必要か確認しておくとよいでしょう。

契約前には最終確認が行われますが、このとき面談などが実施されることが一般的です。

その際、審査で必要となった書類以外にも必要となる書類が出てくる場合もあるので、その部分も確認しておくとスムーズです。

 

どのファクタリング会社に依頼するべきか

ファクタリングの流れはどのファクタリング会社でも大きな差はありません。

ただ、設定される手数料や利用対象とする事業者、買い取ってもらえる売掛債権の金額などは違いがありますので、利用を可能とするファクタリング会社を見極めることが必要です。

個人事業主でも利用可能というファクタリング会社もありますし、売掛債権の金額に下限を設けていないファクタリング会社もあります。

また、二社間ファクタリングでは債権譲渡登記を行うことが多いですが、ファクタリング会社によってはこの手続きを留保という形で対応してくれるところもあるので、柔軟な対応が可能なファクタリング会社なら、色々な悩みにも親身に対応してくれるはずです。

ファクタリングで資金調達を成功させるためには、このファクタリング会社選びが非常に重要となります。

 

効率的にファクタリング会社を選ぶために

自分で一社ずつ声をかけ、見積もりを取得してかかる費用や対応してもらえるサービス内容を確認していくのもよいですが、それにはかなりの手間と時間がかかります。

急いで資金を調達しなければならないという状況で、数多く存在するファクタリング会社にコンタクトを取ることはとても効率的とはいえません。

このような場合、一括で数社から見積もりを取得できる方法を上手く活用し、効率的に信頼できるファクタリング会社を探してみてはいかがでしょう。

借入とは何をあらわす言葉?事業継続に欠かせない資金調達のために

会社を経営している方、個人事業主として事業を営む方、いずれも事業を続ける上で必要な資金は欠かせません。そのために銀行やノンバンクからの借入を検討している方もいるでしょうが、そもそも借入とはどのようなことを意味する言葉なのでしょう。

他にもお金を借りる場面では、ローンや融資、借金など似た意味であると判断できる言葉がいろいろありますが、これらに違いはあるのでしょうか。

 

借入とローンの違いとは

借入とはお金を借りることを意味する言葉ですが、似た言葉にローンという言葉があります。どちらも同じ意味で使われることがありますが、実際には借入とローンには違いがあります。

事業を営む上で借入やローンを利用する場面もあるかもしれませんので、それぞれ何を意味する言葉なのか、異なる部分を理解しておくようにしましょう。

 

借入とは

まず借入とは、金銭だけでなくモノを借りることすべてを指した言葉ですが、基本的には金融機関などからお金を借りることを指します。

お金の借入では、返済する際に利息を追加し、借りた金額よりも多く返すことになります。

 

ローンとは

ローンは特定の商品を購入する際に金融機関などから融資を受けることを指します。

たとえば、住宅ローンや自動車ローンなど、モノを購入する上で自己資金では不足が生じる場合に利用します。

先に商品を手に入れ、その後、返済していく仕組みが主にローンといえるでしょう。

借入は金銭を借りることそのものを指す言葉ですが、ローンは商品と引き換えにお金を支払うという意味で使用されます。

 

●カードローンなど使途自由のローンもある

ただ、カードローンやフリーローンのように、使途は自由というケースもありますが、融資の申し込みの場面では何に使用する目的でローンを利用するのか申告することが求められます。

 

借入と借金に違いはあるのか

では借入と借金という言葉に違いはあるのでしょうか。

「借入をした」という場合、銀行やノンバンクからの返済プランが明確に決まった上でお金を借りたときに使用されます。

「借金をした」という場合、たとえば友人や家族などからお金を借りて、返済の計画や目途が明確に立っていないものも含みます。銀行のローンを利用した場面でも、銀行から借金をしたという使い方もするので、借金とはお金を借りたこと自体を総称して使う言葉であるといえるでしょう。

 

融資とは何を意味する言葉?

さらにお金を借りる場面で使用される言葉に、融資という言葉があります。

融資とは、お金を貸し付ける側が金銭を融通することを意味する言葉であるため、借りる側ではなく貸す側が使う言葉といえるでしょう。

たとえばノンバンクなどで「即日融資可能」という宣伝文句が使用されることがありますが、これはその日のうちにお金を貸すことができるという意味です。

 

いずれにしても借りたら返すが原則

言葉は違っても、どれもお金を借りることには変わりありません。借りたお金は必ず返さなければなりませんし、家族や友人などよほど親しい関係の方から借りる以外には、利息も発生するでしょう。

借りた金額よりも返す金額が多くなることはいうまでもありませんので、しっかりと返済計画を立てておかなければ一時的に手元の資金は潤っても、今度は返済に追われることになってしまいます。

お金を借りるときには、借りた後の返済計画が重要であることを再認識しておくようにしましょう。

 

まとめ

借入や借金とはいろいろな貸し付けやローンの総称として使うことが一般的です。

借入、ローン、融資など、いずれもお金を借りるという意味ですが、借入はするもの、ローンは利用するもの、融資は受けるものであるといえるでしょう。

ローンは、銀行やノンバンクなどが、お金を貸す目的で用意する金融商品を指す言葉としても使われますし、融資とはお金を貸す側が主体となって使用する用語であるといえます。

中小企業の経営者が抱えている悩みの根本的な部分とは?

中小企業の経営者が抱えている悩みで多いのは、集客や売上の伸び悩み、取引先や銀行との関係、人材不足など、様々な悩みを抱えています。

ただ、現状はどのようにしているのか、何も制約せずに実現させたい理想の状態を考えてみることから始めてみましょう。

 

中小企業の経営者が悩んでいること

理想の会社の状態を実現するために、どのような条件が必要になるでしょう。考えて行くと、理想の状態や抱える課題、そして解決するために必要なことは何か気が付くことができます。

悩みは何かとたずねられたときには、売上や集客などを挙げたはずなのに、本当の課題は別のところにあったことに気づかされることもあるでしょうが、その多くが次の3点に集約されるといえます。

 

①会社のお金の流れが見えない

売上が上がっているときや低迷しているときに関係なく、成長期や季節的な変動が激しいときなどには、お金の流出入のバランスが崩れてしまいがちです。

そのため、支払いに充てる資金は残っているか、実際どのくらい儲けていて手元にいくら残るのか、いろいろな不安が付きまとうことになってしまいます。

このような場合、資金繰り表を使って目的別にお金を色分けしていきましょう。

 

②経営者と従業員の危機感にズレがある

経営者と雇用される立場である従業員とは、当然立場が異なります。

経営者はいかに会社をこの先成長させるか、どうやって事業を継続させていけばよいかを目的に仕事をしますが、従業員は自らの生活のために働き、その貢献度に応じた報酬として給料を受け取ることが目的です。

ただ、立場や目的は違っても、経営者が目的とする部分に従業員を参加させることはできます。会社経営の数字を従業員に公開している会社は多くありませんが、売上高、粗利益の金額、変動費、固定費、営業利益などは情報として伝えましょう。

伝えた上で、まずは1年間の目標を立て、毎月実際にあがった実績との差分を確認して見直しを行っていきます。

また、目標が達成できたときの従業員に対する還元の内容も、モチベーションや現場の士気を向上させる上で重要です。

 

③将来へのビジョンが描けない

今、販売・提供している商品やサービスは、本当に社会にとって必要とされているのだろうかとふと考えてしまうことはないでしょうか。

自信を持って取引先に勧めることができず、力が入らない状態で売上を上げることはできません。

迷ったときには、客観的な視点で見直してみることです。不足を感じる部分があるのなら、どこを補てんしていけばよいのかビジョンを掲げて取り組みましょう。

 

いずれの悩みもお金が絡む問題

中小企業の抱える悩みを大きく分けると上記の3つに集約できますが、いずれもお金が絡む問題であることに気がついているでしょうか。

資金がなければ実現できない部分が大きいため、毎月の支払いに不足が生じないように注意しながら、悩みを解決するための資金も準備しなければなりません。

そのためには、まずはお金の流れを明確にし、いくらお金が入り、出ているのかをしっかり確認していきます。

 

不足した資金はどのように調達するか

余裕資金が残せるようになることが理想ですが、不足したときにはどのような方法で資金を調達するのかも重要です。

資金を調達する方法といえば、金融機関から借り入れるしかないだろうと思うかもしれません。しかし、方法は借り入れ以外にもいろいろあります。

借り入れに依存しすぎると、もし審査が通らず融資を受けることができなくなったとき、次の一手を失ってしまいます。

たとえば、売掛金を保有しているのなら売却し、期日よりも先に現金化させて資金を調達する方法などもありますので、借り入れだけにとらわれ過ぎず資金調達の方法にも視野を広げることが大切です。

請求書に記載が必要な事項|確実に取引先から入金してもらうために

毎月、取引先に発送する「請求書」ですが、正しい記載方法や何が必要な事項なのかご存知でしょうか。

相手に対してただ単に代金の請求を行うだけの書類と捉えるのではなく、取引先がしっかり間違いなく支払いが可能となるような形で作成し、発送することが大切です。

そこで、請求書にはどのような事項を記載しておくことが必要なのか、確実に入金してもらえる書き方をご説明します。

 

そもそも請求書とは何のための書類か

請求書とは、物やサービスを販売・提供したけれど、まだその代金を回収していない場合において支払いを求めるために相手に渡す書類のことです。

そのため、取引きがあった事実を証明する書類でもありますし、最終的な目的は取引にかかった代金を支払ってもらうことですので、記載する事項は入金をしてもらえることを念頭に置き記入することが必要といえます。

 

請求書に必ず記載しておく必要のある事項

請求書は指定された形式やフォーマットなどはなく、相手の希望する形に作成しなおしても特に問題はありません。

ただ、必要事項が記載されていなければ、仮に取引があったことを証明する書類として用いるときなどには、その効力を発揮できなくなってしまいます。

そこで、必ず請求書に記載しておく必要のある事項を挙げていくので、それぞれの内容を確認しておきましょう。

 

・宛名

請求書を発送する取引相手の会社名や個人名、屋号などを記載します。
経理担当者のことを考えれば、どの部門で発生した代金なのか把握できるように、取引相手の部署名まで記載したほうがわかりやすいでしょう。

会社や部門宛なら「御中」、個人名まで記載するなら「様」を最後につけます。

 

・自社情報

誰からの請求かわかるように記載します。社名、または個人名や屋号、所在、電話番号などを記載し、角印(認印)を押すことが一般的です。

 

・請求番号

納品書や見積書などと照合しやすくなりますし、もし問い合わせなどがあった場合にすぐ対応できるよう、どの請求書か特定するためにも番号を付帯しておくようにしましょう。

 

・発行日

いつ請求書を発行したのかわかるように記載しておきます。なお、請求書に記載する発行日は取引先の締め日に合わせることが一般的です。

 

・請求内容とその金額

販売・提供した物やサービス名、数量、消費税、合計金額などを記載します。

複数の取引をまとめる場合、いつ何の取引で発生した代金なのか、それぞれの内容をしっかり記載しておくようにしましょう。各取引については税抜価格を記載し、合計金額部分で消費税金額と合計金額を記載する形になります。

なお、消費税で発生した小数点以下の端数の扱いについては、切り捨てにするのか、それとも切り上げるのか、事前に取り決めておくことも必要です。

 

・振込先

代金を送金してもらう金融機関と支店、口座種別、口座番号、口座名義など、一連の必要項目は抜かりなく記載しておきましょう。口座名義はカタカナで記載しておいたほうが、読み間違いなどがなくスムーズです。

また、振込手数料の取り扱いについても記載しておいたほうがよいでしょう。

 

・支払期限

いつまでに代金を支払ってもらう必要があるのか、支払期限の日付も記載しておきます。支払期限は勝手に自社ルールで決めてしまわず、取引相手と話し合いで決めることが大切です。

事前に取り決めをしておかなければ、売上代金がいつまでも入金されないという事態に陥る可能性もあります。

 

まとめ

請求書のフォーマットや書き方などは決まったルールなどはありませんので、取引先の要望なども踏まえた上で確実に入金してもらえる形で発行するようにしましょう。

事業を営む上で、売上は上がっているのに入金はされないという事態は避けなければなりません。

請求書は事業継続に重要な書類になるため、適切な書類作成を心掛けていくようにしましょう。

資金を調達するなら東京のファクタリング会社を頼ったほうがよい理由

資金調達の方法としてファクタリングを利用したいと考えたとき、ほとんどのファクタリング会社は首都圏に本社を構えていることに気がつくことでしょう。

特に東京には多くのファクタリング会社が集まっていますが、企業数が多いことで様々な取引実績があることが特徴です。

いろいろなケースに対応した経験があるということなので、もし赤字や債務超過、税金滞納などで悩みを抱えている事業者でも相談しやすいといえます。

そこで、ファクタリングを利用するなら東京のファクタリング会社がよい理由や、なぜ首都圏にファクタリング会社が多く存在しているのかなどをご説明します。

 

豊富な取引実績はファクタリング会社選びで重視するべき項目

これまで様々な事業者からファクタリングの申し込みを受け、審査を行い、契約・取引を行ってきたという取引実績が豊富であるということは、過去に銀行やノンバンクなどからは借り入れができなかった企業などとも取引を行った実績があるということをしめします。

実績数が多いということは、それだけ審査が柔軟で、通過する可能性が高いからです。また、評判を聞き付け相談に訪れる事業者の数が多いからこそ、実績の数に繋がっているといえるでしょう。

 

東京のファクタリング会社は現金化されるまでとにかく早い

急な資金が必要でのんびり融資が実行されるのを待っていられない!という場合、東京のファクタリング会社なら迅速に審査が進み、現金化までがスムーズです。中には即日現金化を可能としているファクタリング会社もあり、すぐに支払いが必要!という場面にも対応できます。

 

債権譲渡登記が必要な場合もすぐに対応可

ファクタリングで登記が必要となる場合がありますが、この債権譲渡登記は登記所として指定されている東京法務局(東京都中野区)で行います。

注目したいのは、債権譲渡登記は東京法務局のみが取り扱いを行っているという点です。もちろん、窓口に出向かなくても郵送でも受け付けは可能ですが、発送から到着まで時間がかかるので、急いで資金が必要という場面には対応できなくなるでしょう。

東京のファクタリング会社なら、この東京法務局まで直接足を運んで登記を申請することができるので、ファクタリング会社の9割以上が東京近郊に集まっているのはこのことが理由ともいえます。

 

手数料も低めに設定されることが多い

ファクタリングを利用する場合、気になるのはどのくらい手数料がかかるかでしょう。

2社間と3社間、どちらを選ぶのかということや、売却する売掛債権の金額、売掛先の診療力など、手数料を左右する項目は他にも色々あります。

東京のファクタリング会社は取引数が多いことも関係し、比較的手数料が低めに設定されている傾向が高いといえます。

 

債権譲渡登記は不要というファクタリング会社も

特に、初回利用という方の場合、手数料面で不安を抱えることが多いようですが、中には債権譲渡登記などは行わずに2社間ファクタリングを行ってくれる優良なファクタリング会社もあります。

登記が必要ないということは、登記申請にかかる様々な諸費用や司法書士に対する報酬が必要ないということです。

その分、ファクタリング会社が抱えるリスクは大きくなるので、手数料として提案される割合は登記を行う場合より高くなるかもしれません。ただ、仮に高めだとしても、登記にかかる費用が削減できれば、結果として手数料の引き下げに繋がるなど、メリットは大きいでしょう。

 

プライバシーマークを取得しているファクタリング会社も存在する

さらに東京にあるファクタリング会社の中には、徹底した社員教育の他、コンプライアンス遵守を心掛けているところが多くあります。

中にはプライバシーマークを取得しているなど、かなり優良なファクタリング会社もあるので、安心して相談しやすいことが大きな特徴です。

ファクタリングは利用者とファクタリング会社の信用取引となるため、安心して頼ることができるファクタリング会社を選ぶことが資金調達を成功させる上で最も重要と理解しておくとよいでしょう。

中小企業が資金を調達する方法|3つの分野から主な方法をご紹介

中小企業が資金を調達することを考えたとき、どのような方法を用いれば資金繰りを改善させやすいのか、必要な資金を準備できるのかで選ぶことになるでしょう。

資金調達の方法を大きく分けると、アセットファイナンス、デッドファイナンス、エクイティファイナンスの3つとなりますが、たとえばアセットファイナンスに該当するのはファクタリング、デッドファイナンスは銀行融資やビジネスローン、エクイティファイナンスはエンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資が含まれます。

それぞれどのような方法なのか確認し、自社にとってもっとも適した資金調達の方法はどれか選ぶようにしてください。

 

アセットファイナンス

中小企業などが所有している有形資産や無形資産を売却して資金を調達するという方法です。

資産を売却して現金化するだけなので、企業の信用力が低い状態でも利用することができる上に、保有する資産を貸借対照表から切り離すことも可能なので、財務体質の改善を図ることができることがメリットです。

ただし、売却価値のある資産を所有していなければ資金に換えることはできませんし、現金化できるのは資産価値の範囲内に留まります。

アセットファイナンスを代表するのはファクタリング

売掛債権をファクタリング会社など専門業者に売却し、売掛代金が入金されるより前に現金化す方法がファクタリングです。

利用の際に手数料はかかりますが、売掛債権という資産を売却して資金を得る方法のため、利用する会社の信用力はさほど重視されず、審査が柔軟であるのも利用しやすいとされる理由です。

ただし、信用力が高い売掛先の売掛債権を保有していることが必要となること、現金化できるのは売掛債権額の範囲内であることを理解しておく必要があるでしょう。

 

デットファイナンス

銀行融資や債権を発行することで資金を調達する方法なので調達先が豊富であることや、発生した利息の支払いは税務上損金扱いになるため、節税に繋がるのもメリットといえるでしょう。

ただし、毎月の返済金額には元金と利息が含まれるので、支払い分はキャッシュフローが減少していきます。

また、融資を受けた分、資金に応じた自己資本比率が下がるので、信用力も低下してしまう可能性があります。

デッドファイナンスを代表するのは銀行融資やビジネスローン

銀行からの融資には、銀行がリスクを抱える形で貸し付けを行うプロパー融資、信用保証協会が債務を保証した上で貸し付けが行われる制度融資があります。

起業家などが利用しやすい政府系金融機関である日本政策金融公庫などからの融資や、金利は高めに設定されているけれど貸し付けが迅速に行われるビジネスローンなどもデッドファイナンスに含まれます。

 

エクイティファイナンス

株式を発行して出資してもらうことにより資金調達する方法です。返済義務のない資金を調達でき、自己資本も増強されるため財務基盤を安定させやすくなることがメリットです。

ただし、株式数が増えてしまうと会社の経営権を握られてしまう可能性があります。また、収益が出れば株主に対して配当金を支払う義務も増えることを理解しておく必要があるでしょう。

エクイティファイナンスを代表するのは投資家からの出資

たとえばベンチャーキャピタルエンジェル投資家など、将来性のある起業家や企業に出資してくれる投資家から資金を得ることができれば、返済義務を抱えることなくビジネスのアドバイスやサポートも受けることができるでしょう。

ただし、必要以上に経営に関与されてしまうケースもあるので、事業に賛同した上で支援してくれるのか見極めることも大切です。

 

まとめ

中小企業が資金を調達する方法はいろいろありますが、いずれの方法も必要とする資金の額や目的に応じて使い分けが必要となります。

いずれの資金調達の方法もメリットとデメリットなどがあるので、内容をよく理解した上で決めるようにしてください。

債権譲渡が行われるのは例えばどんなとき?債権を回収以外にも活用

債権を受け取る側は譲受人、譲渡する側は譲渡人といいますが、債権譲渡は譲渡人から譲受人に債権を移転させることです。

債権の内容はそのままで持ち主を移転させますが、行われる目的としては債権の買収や回収などです。

ではどのような場面で債権譲渡が行われるのか、活用される例などを踏まえてご説明します。

 

債権譲渡を利用する目的とメリット

売掛金など、発生した売掛債権の回収ができなければ、その間に必要となる支払いに充てる資金に不足が生じます。

しかし、いくら取引先に期日を守って売掛代金を支払うようにお願いしても、相手に弁済するだけの資金がなければどうにもなりません。

このような場合、弁済能力のない債務者からも、相手が所有する債権を譲渡してもらうことにより、債権回収が可能となるのがメリットです。

このように、企業間で行われる債権譲渡は、相手に対する債権を回収する目的で行われることが少なくありません。

 

譲渡してもらった債権は直接回収可能

債権譲渡という方法で取引先からの債権を回収しても、本当にその効力が発生するのか気になるところでしょう。

しかし、取引先から譲渡された債権は譲受人のものになるため、第三債務者から直接、債権に対する弁済を受けることが可能となりますので安心です。

なお、譲渡人である取引先は、第三債務者に対して債権を主張することはできません。

 

取引先の債権を担保にして保証を獲得するケースもある

他にも債権譲渡を行うメリットを例に挙げるとすると、取引先と新たな契約を行うとき、債権を担保に差し入れることが可能である点です。

例えば自社製品について、取引先と新しく売買契約を結ぶとします。取引先が購入した製品を販売したことによって発生する利益や、その他の利益をもとにして、製品に対する買掛金の弁済を行う契約を結ぶとしましょう。

しかし、これだけでは取引先から売掛金を回収できる保証は得られません。そこで、取引先が所有する資産を担保とする目的で権利を譲渡してもらいます。

ただ、不動産などを担保として譲渡してもらっても、すでに抵当権が設定されていることもあります。そこで、売掛債権などを譲渡担保の対象とすれば、契約内容を保証してもらうことが可能です。

 

未回収の債権は売却して現金化できる

債権譲渡は、債権を受け取る譲受人だけでなく、譲り渡す譲渡人にとってもメリットがあります。

例えば、取引先から回収しなければならない売掛債権が発生しているけど、期日までが長く設定されているケースなどです。

売上は上がっていても、その代金が回収できなければその間に発生する支払いができなくなってしまいます。売掛債権が早く入金されれば支払いも滞ることなく可能となり、わざわざ借り入れなどで運転資金を準備する必要もないのに…と感じるケースも少なくありません。

このような場合、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡し、期日到来よりも前に現金化させるファクタリングという方法が資金調達の手法として用いられることがあります。

 

ファクタリングの活用方法

ファクタリングは売掛債権を早期に回収する目的以外にも、本業に専念したいので回収を代わりに行ってほしいという場合にも使えます。

取引先からの売掛代金がファクタリング会社に直接送金される三社間ファクタリングで契約すれば、債権を回収する手間も省けるでしょう。

 

自社が支払わなければならない買掛金にも注意を

取引先から売掛債権が回収できないことは問題ですが、反対に自らが支払わなければならない買掛金はないか注意しておきましょう。

売掛債権の回収ばかりに気を取られていると、知らない間に資金繰りが悪化してしまい、滞った支払いが原因で事業が継続できなくなってしまうかもしれません。