中小企業の経営者を悩ませているコロナ対応とその影響

新型コロナウイルス感染拡大は、中小企業に大変深刻な影響を与えているといえますが、先行きが見えない状態で不安を抱える経営者も少なくありません。

財務や人材に関することや、働き方改革への対応など中小企業経営者の悩みはいろいろですが、コロナ禍で売上が激減したことでよりその悩みは大きくなっています。

 

コロナ禍で売上激減してしまった中小企業は少なくない

よい製品やサービスを提供しており、これまで順調に事業を続けていた中小企業でも、コロナ禍の影響が及び売上が激減してしまったケースもあります。

売上を何とかして拡大させなければならないものの、利益が縮小し経営者の抱える課題として取り上げられていますが、利益向上のためには売上を増やす以外にコストを削減することも必要です。

しかしリモートワークの必要性や新型コロナウイルス感染防止対策などが必要となり、補助金などの対象とならなければ、コストばかりが増え何から削減すればよいかわからない経営者もいるでしょう。

地域を支えている中小企業の多くは、大企業よりも人員は少なく財務基盤も十分とはいえない状況です。

間接部門に資源を投入することは難しい悩みを抱える経営者も少なくありません。

本業とは異なる部分で様々な対応が求められているものの、それが中小企業にとって大きな負担になっていることもあるようです。

 

ウィズコロナで中小企業の経営者に求められること

ウィズコロナ時代となり、テレワークソーシャル・ディスタンスニュー・ノーマルといった状況に即対応することが求められています。

中小企業は独自の技術や営業力を活かし、本来の業務と並行して本業以外の新型コロナウイルス対応を進めることは容易とはいえません。

悩みを抱えている経営者は、一人で抱え込むのではなく外部にサポートを求めることも重要となるでしょう。

 

中小企業の経営者がやらなければならないこと

新型コロナウイルス感染拡大で売上が激減してしまった中小企業も、コロナ禍が長引くほどその対応に追われることになります。

国などの補助金や給付金、融資など支援策などもありますが、新たな日常を前提に新分野へ進出することや転換することも必要となるでしょう。

中小企業独自のノウハウなどをどのような分野に応用できるか考え、客観的な目線でニーズを確認していく作業が必要です。

中小企業に求められることは、支援を待つ受け身姿勢ではなく、積極的に自らがアプローチしていく姿勢といえます。

手元の資金が枯渇すれば終わり

売上激減や赤字への転落など、中小企業の経営者の中には、これまで順調だった事業が一気に傾いてしまったことに不安や悲しみを感じている方もいます。

しかし会社は、売上激減でも赤字転落でも、手元の資金さえ枯渇させなければ倒産することはありません。

大切なのは、資金をショートさせないことであるため、資金繰りが悪化したまま放置せず適切な方法で資金調達するようにしてください。

支援策などを利用し、すでに資金は調達したものの、もうどこからも融資を受けることは望めないという経営者もいるでしょう。

この場合、保有する売掛金をファクタリング会社に買取ってもらい、現金化させて資金調達するファクタリングなどの利用も検討してみることをおすすめします。

 

まとめ

人材や財務基盤の制約により、コロナ対応を担当する間接部門に力を割くことが難しい中小企業は少なくありません。

コロナ対応は多くの中小企業の経営者を悩ませる共通の課題ですので、複数の企業が共同して取り組むなど、連携することも選択肢にできます。

コロナ対応を機に、企業経営をそのような観点から再確認することも必要ですし、前提として手元の資金を枯渇させないことは重要といえます。

補助金や助成金で資金調達するときに気をつけておきたいこととは?

資金を調達するときに、国や自治体が運営している補助金や助成金を活用しようと考える経営者は少なくありません。

補助金も助成金も返済不要の資金を調達できるため、支給されればメリットは高いといえます。

そこで、補助金や助成金で資金調達するとき、どのようなことに気をつけておけばよいのかご説明します。

 

補助金や助成金などの制度が設けられている理由

補助金や助成金などの制度は、中小企業の振興・技術振興・起業促進の他、地域活性なども目的としています。

たとえば補助金の多くは経済産業省や厚生労働省などが主体となっていますが、女性・若者・シニア層などの活躍や起業などを支援するものも設けられています。

補助金と助成金のどちらで資金調達する場合でも、申請すればすぐにお金が支給されるわけではなく、一定の条件を満たさなければなりません

しかし支給されれば返済義務のない資金を調達できるため、銀行融資でお金を借りたときのように返済に追われるといった心配はないことがメリットです。

利用しやすい補助金や助成金もあるため、制度を活用するかしないかで事業の成功を左右する場合もあると認識しておくとよいでしょう。

 

補助金と助成金の目的とその意義

地域産業育成・発展や経済発展を主な目的とし、国の政策目標を達成するために取り組んだ事業者を支援するお金が「補助金」です。

「助成金」も国の施策推進に伴うものですが、主に労働環境や雇用に関することを目的としています。

 

補助金よりも助成金のほうが資金調達しやすい

補助金も助成金も国や自治体が交付しますが、受け取る側にしてみればどちらも同じと感じることでしょう。

しかし補助金と助成金の難易度を確認すると、助成金の方が受給しやすいといえます。

いずれにしても補助金と助成金は後払いとなるため、まずは必要な経費は負担しておき、後で支給してもらう形です。

また、補助金は公募制なので1年の間に数週間から1か月程度を基準として応募期間が設けられています。基準を満たす場合でも、審査に落ちることもあるため、必ずしもお金を受け取ることができるとはいえません

それに対し助成金は毎年など随時募集していることが多く、基準を満たしていれば高い確率で審査に通るため比較的受給しやすいといえます。

 

補助金や助成金で資金調達するメリットとデメリット

補助金や助成金のメリットは、先にも述べたとおり銀行融資などと異なり、返済義務のない資金が入金されることです。

また、株式を発行するときのように配当などもないため、受け取ったお金を事業に使うことができます。

デメリットとして挙げられるのは、申請において必要書類の準備が面倒である点と、やはり完了後の後払いであることです。

お金が必要というタイミングですぐに受け取ることができず、一旦は立て替えて支払わなければなりません。

また、審査に通らなければ立て替えた費用分の資金が戻ってくるとも言い切れないこともデメリットといえるでしょう。

そして支給されたお金を決められた目的通りに使ったことを報告する義務もあるため、いろいろと面倒に感じてしまう経営者もいるようです。

 

補助金・助成金は早めの申請を

補助金で資金調達しようと考え申請した場合でも、審査に通らなければ支給はされません。定員などもあるため、応募期間まで時間があるとのんびりしていると、定員を満たし途中で打ち切られる可能性もあります。

できるだけ早めに申請をしたほうがよいですが、いずれの場合も必要書類提出後に採択されるか結果を待たなければならないため、資金調達までは時間がかかると認識しておきましょう。

 

まとめ

国や地方自治体の補助金や助成金は、要件を満たせば支給されるものもあれば、公募形式のものなどいろいろです。

いずれも返済不要の資金調達が可能となるため、どのような種類の制度が今設けられているのか確認し、要件を満たすものがあればどんどん活用していきましょう。

甘い言葉で誘ってくる「融資保証金詐欺」に注意を!その手口とは

新型コロナウイルス感染拡大で資金不足に困っている事業者は少なくありませんが、融資保証金詐欺に引っかからないように注意してください。

融資保証金詐欺とは、一見金銭を貸し付けると見せかけて、申込者に対し保証金や登録料といった名目でお金を振り込ませる振り込め詐欺の1つです。

そこで、具体的に融資保証金詐欺とはどのように誘いの手が伸びるのか、その手口など具体例を用いて説明します。

 

融資保証金詐欺とは?

融資保証金詐欺の手口は、まずお金を貸すといった内容の文書を郵送やファックスなど送付してきます。

その誘い文句で申し込みを行った方に対し、保証金という名目の現金を預金口座に振り込ませ騙し取るのが主な手口です。

低金利で多額の融資を受けることができると信じた申込者に対し、一旦は支払ってもらった保証金も後で返還されると伝え信用させます

その言葉を信じ現金を振り込んでしまった途端、相手と連絡が取れなくなりお金を騙し取られてしまう上に、当然融資を受けることもできません。

 

融資を受けるのに先に保証金を払う流れはおかしい?

融資保証金詐欺で金銭を騙し取ろうとする悪質業者は、どこからか入手した名簿などを使ってダイレクトメールなどを送付してきたり広告やチラシなどを利用したりしてお金がない方を誘います。

新型コロナウイルス感染拡大などで、売上が激減し手元のお金が少なくなっている事業者もいることでしょう。差し迫る支払いに充てる資金がなく、何とかして資金調達しなければならないときには、藁にも縋る思いで資金調達の方法を探すことになるはずです。

悪質業者はそのような方の心理につけ込み、「即日融資実行」「90日間無利息」といった好条件を提示してきます。

様々な口実や名目で振り込ませた現金は「融資実行の際に返還される」と悪質業者から説明されるため、手元のお金が不足し切羽詰まった状態である借り手は、悪質業者の言葉を信用しお金を振りこんでしまいたくなってしまう可能性もあります。

しかし最初から詐欺が目的なので、現金を振り込めば相手とは一切連絡が取れなってしまうことを認識しておくべきです。

融資が実行される前に現金の振りこみが必要といわれた場合、絶対にお金を借りないようにしてください。

 

融資保証金詐欺の具体的な手口

甘い言葉を投げかけられるほど、本当に信用してよい業者なのか疑いたくなるものです。しかし融資保証金詐欺に騙されてしまうその背景には、悪質業者が実在する金融機関や貸金業者、その関係会社を装って融資を持ち掛けようとするからといえます。

精巧に作られた商号やロゴマーク、登録番号など盗用し、ときには「当社の名前をかたる悪質な業者にご注意下さい。」といった文言を記載して安心させ融資を持ちかけてきます。

融資を申し込んだ後は、大手貸金業者と提携しているのでそこでカードを作ってもらい〇十万円借り、借りたお金とカードを送るように伝えられます。

お金とカードが到着し、確認できれば融資を実行すると伝え、お金を送金させる手口です。

具体的にどこでお金を借りるか場所を指定してくるケースもあるため、十分に注意してください。

 

被害に遭わないためにはどうすればよい?

お金に困っているときだからこそ、融資保証金詐欺などに騙されないように注意が必要です。

正規の貸金業者であれば、保証金や借入金データを抹消する手続きにかかる費用など、様々な名目で融資を前提とした現金の振り込みを要求することはありません

しかし悪質業者は実在する正規の貸金業者を装うケースもあるため、もし融資を申し込むのであれば、先に電話番号などで契約しようとする業者が正規の貸金業者か確認するようにしましょう。

手形利用は資金繰り悪化を招きやすい?その理由とは

手形の利用とは、簡単にいえば支払う約束が記載された証文を渡すことでお金を支払ったとみなされる取引ですが、便利なようで実は資金繰り悪化を招きやすいといえます。

期日まで現金の支払いがなくても材料や商品の購入が可能となるのは買い手側にとってメリットといえますが、売り手側は手形が入金されるまで資金繰りに注意しなければならなくなります。

 

手形を利用した取引とは?

手形取引は銀行に認められた企業だけが利用できるため、間に金融機関が入ることにより期日に現金が確実に入金されることの裏付けが可能となります。

業績が好調でさらに売上を上げるチャンスが目の前にあるのに、材料や商品が手元になければ販売することはできません。販売の機会を失わないためには、材料や商品を購入しなければなりませんが、手元に現金がない場合はどうすることもできなくなります。

しかし手形の利用が可能であれば、手元にお金がなくても購入が可能です。

お金を借りて資金調達すれば利子が発生しますが、手形を振り出す場合は額面分が現金化されることとなり、実質利子もかからずその間の支払いを遅らせることができます。

手形利用は一定の信用を得ることにつながる

手形の振り出しは銀行厳しい審査をクリアしなければできませんので、一定の信用力が社会的に認められていることを意味しています。

 

タイムラグが大きくなると資金繰りは悪化する

資金繰りは、支払うべきタイミングに支払金額以上の現金を保有していれば、特に困ることはないでしょう。

しかし実際にはほとんどの黒字会社が決算書では利益が上がっているのに、手元にお金がない、または残らない「勘定合って銭足らず」の状態です。この状態が悪化すれば、利益を出したまま倒産する黒字倒産につながってしまいます。

利益が出ているのに資金繰りが厳しくなるのは、売上分の入金タイムラグが発生するからです。

取引のすべてが現金のやり取りのみだとしたら、損益計算書の収益から費用を差し引いた利益と、収支計算書の収入から支出を差し引いた収支による現金の残高は完全に一致します。

しかし日本の商習慣は掛けによる仕入れや売上が基本であり、仕入れでは買掛金、売上では売掛金が発生します。

さらに掛け代金を手形で支払うことや、反対に掛け代金を手形で受け取ることもあり、さらにタイムラグを大きくさせることもあります。

 

資金繰りを円滑にするために必要なこと

資金繰りで注意しておきたいことは、材料や商品を仕入れたときの時期と、その支払いを行う時期にズレがあること。そして仕入れた商品を販売したときには、売上が計上される時期とその代金を回収する時期もズレが発生することです。

これらのズレは企業間の信用取引、いわゆる掛け取引手形取引で発生します。

仕入れから支払いまでの期間を「仕入債務支払サイト」、売上から代金回収までの期間を「売掛債権回収サイト」といいますが、資金繰りに大きく影響を与える部分です。

仕入債務支払サイトが短く売掛債権回収サイトが長いほど資金繰りは苦しくなり、仕入債務支払サイトが長く売掛債権回収サイトが短いほど資金繰りは楽になります。

 

まとめ

商取引で現金取引が用いられることもありますが、企業間などの取引のほとんどは掛けによるものであり、建設業界などでは手形を使う慣習がまだ残っています。

結果として収支計算と損益計算は一致せず、利益は上がっていても手元にお金がない状態を作ってしまうといえるでしょう。

企業経営で最も重視しなければならないのは「現金」でああり、資金がショートせず資金繰りが循環していれば会社は倒産しません。実質、倒産状態ともいえる経営状態が悪化している会社であったとしても、手元の資金さえ尽きなければ存続することは可能です。

手形は便利な支払い方法ですが、使い方次第で資金繰りを悪化させやすいことは留意しておくことが必要といえます。

資金繰りがうまくいかないときの対処法とは?

事業の運営を続ける上で資金繰りは大切なことですが、うまくいかないことでこのまま倒産してしまうのでは…といった不安を感じる経営者もいるようです。

設備などへの投資以外にも、仕入れ代金や従業員の給料など毎月支払いが発生するため、うまくいかない資金繰りにイライラしてしまうこともあるでしょう。

そこで、なぜ資金繰りがうまくいかないのか、そのときどのように対処すればよいのかご説明します。

 

資金繰りがうまくいかない状態とは?

会社にとって資金は枯渇させてはいけないものといえますが、人の身体でたとえれば血液のようなものです。

不足すれば貧血になり体調が悪化しますし、うまく循環しなければ生命にかかわることもあり、最悪の場合には死に至ってしまうことも…。

人を企業、血液を資金に置き換えれば、資金繰りがうまくいかない状態経営が悪化してしまうことをあらわします。

 

利益が出ていても資金繰りは悪化する?

売上は上がり利益も増えていたはずなのに、なぜか倒産してしまう黒字倒産。反対に赤字経営で今にもつぶれてしまいそうなのに、倒産せずギリギリの状態で経営を続けている会社。

なぜ黒字なのに倒産するのに対し、赤字なのに倒産しないのか?と疑問を感じることもあるでしょう。

長年に渡り赤字が続けば、いずれは倒産してしまう可能性は高いですが、赤字そのものが倒産の原因にはなりません。会社が倒産するのは、資金繰りが悪化し手元の資金が枯渇するからです。いくら利益が増え黒字経営だとしても、支払いに充てるお金が手元になければ倒産します。

そこで、必要な資金は運転資金と設備資金に分け、資金繰り表を作成しお金の流れを把握するようにしましょう。

新型コロナウイルスの影響で、売上が一時的に下がってしまったと不安を感じている経営者もいるでしょうが、すぐに会社が倒産するわけではありません。一時的なものであればすぐに対処することで、会社を存続させることはできます。

 

まずは資金繰りがうまくいかない原因の洗い出しを

現在、資金繰りが悪化していてうまくいかないと感じているのなら、その原因をまずは洗い出していきましょう。

原因を解明し、改善させることが必要です。複数の要素が重なっている場合もありますが、資金繰りがうまくいかない理由はたとえば次のようなことが挙げられます。

売上の変動によるもの

急激に売上が増えることが原因で資金繰りがうまくいかない状態になることもあります。

売上が増大することはよいことですが、高まっているニーズに対し材料費の仕入れも増えますし、仕事が忙しくなれば人手も補充しなければならず人件費も増えます。

しかし売上に対する売掛金が入金されるのは1か月や2か月先のため、増えた仕入れや人件費の支払いに充てる資金が不足してしまい、資金繰りがうまくいかない状態になることもあります。

売掛金の回収を早めれば解決できる問題でも、一度取引先と決めた回収サイトを簡単に変更してもらうこともできず、資金繰りがうまくいかないと悩みを抱えることも少なくないようです。

 

売掛金の回収を早めたい場合の対処法

取引先に売掛金を早めに支払ってほしいと交渉できれば問題ないでしょうが、資金繰りがうまくいかないことを知られたくない場合には相談すら難しくなります。

この場合、ファクタリングを活用することで、売掛金の回収を短期化することが可能です。

ファクタリングとは、保有する回収前の売掛金をファクタリング会社に売却し、取引先から入金される期日よりも前に現金化させるサービスのことです。

手数料はかかりますが、目の前の支払いに充てる資金がないときにも活用できる方法であり、ファクタリング会社によっては即日売掛金を現金化させることができます。

お金を借りて資金調達するわけではないため、資金繰りを改善させる方法と検討してみるとよいでしょう。

中小企業が抱える資金繰りの問題の解決方法は?コロナ禍を乗り切るために

企業経営は現金に始まり現金に終わるともいえるほど、資金繰りに頭を悩ませ日々問題を抱えている経営者が増えています。

その背景には新型コロナウイルス感染拡大が関係しており、コロナ禍で資金繰りが悪化してしまったものの、資金問題をどのように解決すればよいのかわからない中小企業も少なくありません。

そこで、コロナ禍を乗り切るため・事態が収束した後もスムーズな資金繰りを目指すため、資金調達の問題をどのように解決すればよいのか解説していきます。

 

多くの中小企業が苦しんでいる資金繰りの問題

中小企業に限らず、経営においては資金調達や資金繰りの問題が常に付きまとうこととなります。

まず会社を設立する際に必要となる開業準備金を、経営者の自己資金で賄うことができなければ金融機関から融資を受けることが必要となるでしょう。

しかし金融機関の融資審査に通るには、まずは担当者を説得できる事業計画が必要です。

開業資金だけでなく、開業後に売上が上がり実績を積むまでの運転資金も必要なため、具体的な数字を提示し筋が通った説明ができれば審査に通る可能性は高くなるでしょう。

融資を受けることができ、開業直後の資金を計画通りに進めていけば、資金繰りはまわるはずです。しかし思い描いた事業とならず、資金繰りに苦しみ問題を抱えてしまうケースは少なくありません。

 

会社の資金繰りを悪化させる背景とは?

会社の資金繰りが悪化してしまうのは、想定していたとおりに商品が売れず赤字を抱えてしまうケースもあれば、競合他社に顧客を奪われたり価格競争激化に勝てなかったりなどいろいろな理由が存在します。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、売上が激減してしまった中小企業なども少なくありませんが、誰も想定していなかった事態にどのように問題解決すればよいか悩んでしまうのも無理はありません。

売上が上がらなくても、仕入れ代金や人件費などの固定費の支払いは発生し、手元のお金はどんどん減ってしまいます。

なぜこうなってしまったのか、何を改善すれば良いのか、そのような問題を抱えたまま解決できず会社が潰れてしまうといったケースもあるようです。

問題解決させたくても原因がわからずできない場合も

もし資金繰りを悪化させている原因がわかっているのなら、その問題を改善させる努力ができます。しかし何が問題なのか、原因がわからなければ改善しようがありません。

商品の売れ行きは悪くないのに、固定費を支払う段階で手元に現金がない状態が続いているときや、利益は出ているのに会社のお金は増えていないというケースがその状態です。

原因もわからず、何を改善させればよいかわからないまま、会社を潰さないように何とかお金のやりくりを続けることとなるでしょう。

しかし仕入れ代金や給与の支払い、銀行の返済資金の準備ばかりに追われることとなり、事業発展のビジョンを描くところまでたどり着けないのは経営者として辛い状態といえます。

 

資金繰り問題を解決させる方法とは?

辛い状態が続いていても、手元の資金が枯渇しなければ会社は倒産しません。コロナ禍で事業が傾き、このままでは倒産してしまう…と不安を抱えている企業は、まず資金繰りを改善させるために手元のお金を増やしましょう。

中小企業などは政府系金融機関から以外にも、民間金融機関からも実質無利子・無担保で融資を受けることができます。

新型コロナ対策の企業向けの資金繰り支援策はほぼ出そろったようにも感じられますが、政府系金融機関と民間金融機関による実質無利子・無担保融資、その他持続化給付金や雇用調整助成金などがその例です。

そしてファクタリングであれば、資金繰り対策としてお金を借りずに手元のお金を増やすことができます。

ファクタリングで資金繰り問題がなぜ解決できる?

ファクタリングは中小企業などが保有する売掛金を、ファクタリング会社に買取ってもらい資金化させる手法のことです。

融資を受けて資金調達すれば、借りたお金は返さなければならず返済負担が増えます。審査に通らなければ資金調達にもつながりませんし、融資が実行されるまで一定の時間もかかります。

給付金や助成金なら返済負担はありませんが、資金調達まで時間がかかるなどほしいときにすぐお金が手に入りません。

ファクタリングはお金を借りるのではなく、売掛金を譲渡して資金を手にする手法のため、審査もスピーディで即日入金される場合もあるほどのはやさです。

負債を増やさず決算書を汚すこともないため、資金繰りを改善させていく手法として適しているといえるでしょう。

 

まとめ

中小企業などが抱える資金繰りの問題は、コロナ禍の今だからこそ1日でもはやく資金が届くスピード感が極めて重要です。

もしも資金調達が間に合わなければ、手元の資金が枯渇することとなり会社は倒産してしまいます。そうならないためにもスムーズな資金調達を実現できる方法を選ぶようにしましょう。

締め切り間近!東京都の中小企業や個人事業者が外出自粛の状況で稼ぐための支援金制度

新型コロナウイルス感染拡大によって、緊急事態宣言が発令され外出自粛なで売上が上がらず悩んでいる中小企業なども、支援金をうまく活用すれば稼げるお店にすることができます。

経営が苦しいと感じ、もう事業継続は難しいと諦めてしまう中小企業などもあるようですが、このような事態だからこそ利用できる支援金を活用するべきです。

東京都を例に、現在締め切り間近となっている都や公共機関の実施する支援金制度をご紹介しますので、対象となる中小企業や個人事業主は早めに申請するとよいでしょう。

 

外出自粛の状況下でも支援金で稼げるお店に!

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発出され、外出自粛や時短営業要請の影響により、売上が急減しているお店も少なくありません。

そのような状況下で売上を維持するには、デリバリーやテイクアウト、インターネットを使った通販などの方法を検討してみましょう。

利用客がお店に座り飲食などしなくても、売上を上げて稼ぎたいと頑張る事業者に対して支援する補助金は次のとおりです。

オンラインツアー造成支援補助金(2021年2月12日締切)

東京都では、観光関連事業者が新しい日常に対応するため、非対面で都内の旅行を楽しむオンラインツアー商品を造成・販売する事業者に対し、必要経費の一部を「オンラインツアー造支援事業」で補助しています。

補助対象となるのは、東京都内に主たる事業所などのある旅行業者・宿泊事業者・観光バス事業者です。

映像などを使い、遠隔地にいても旅行している気分を味わうことができる商品がその対象となり、補助対象経費の2分の1以内で200万円を限度に補助金が支援されます。

補助対象経費となるのは、

  1. ①商品造成経費(現地調査・ニーズ調査・受け入れ態勢整備などに係る経費)
  2. ②商品販売経費(広告掲載・公報ツール作成に係る経費)
  3. ③商品運営経費(実施に係る経費・添乗員やツアーガイドなどを手配する経費・東京都が実施する「東京おみやげ製作プロジェクト」の商品提供のための経費)
  4. ④コンテンツ作成経費(商品内で用いるVRなど新技術を組み合わせたコンテンツ作成の経費)

です。

①~③で合計100万円、④が100万円をそれぞれ限度額とします。

オンラインツアー造成支援補助金

 

ECサイトの活用による東京の特産品販売支援事業(2021年2月19日締切)

東京都では、コロナ禍での東京の特産品を取り扱う都内中小企業などのECサイト活用を支援しています。

東京の特産品を取り扱う都内中小企業などがインターネット・ショッピングモールである「楽天市場」などに新規出店するとき、上限15万円まで補助してもらえます。

ECサイトの活用による東京の特産品販売支援事業

業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業(2021年2月26日締切)

新しく、テイクアウト・宅配・移動販売をサービスとして提供する場合の支援制度であり、新規サービスで売上を確保する取り組みに対して発生した経費の一部(助成対象経費の4/5以内・100万円を限度に)助成されます。

なおこちらの制度は、協力金や融資と違って、今後の事業活動に向けた取り組みにかかる経費の一部から助成金額が決まります。そして取り組みが完了した後で、後払いで助成金が支払われる形です。

助成対象経費となるのは、

  1. ①販売促進費(印刷物制作費・PR映像制作費・広告掲載費など)
  2. ②車両費(宅配用バイクリース料・台車など)
  3. ③器具備品費(Wi-Fi導入費・タブレット端末・梱包・包装資材など)
  4. ④その他(宅配代行サービスに係る初期登録料・月額使用料・配送手数料など)

業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業

一般社団法人などの代表者となるのは誰?

法人にもいろいろありますが、法人と代表者は同じではなく別人格とされます。

代表者1人という会社でも、会社が法人機関として行った取引の効果(利益など)は法人に帰属されますので、代表者の儲けではありません。

法人としての意思決定や行為を行うことを可能とする地位にある人などを法人の機関といいますが、その構成は法人の種類により違いがありますし、同種の法人だとしても目的や規模により違いが出てきます。

株式会社などが一般的な法人として馴染みが高いですが、一般社団法人や一般財団法人の代表者とはどのような人のことなのかご説明します。

 

法人の代表者とは?

まず株式会社代表者は、取締役や代表取締役などのことですが、一般社団法人の代表者は理事・代表理事などに置き換えることができます。

 

一般社団法人の代表者は誰がなる?

一般社団法人の代表者は、理事会を設置していなければ理事がその立場となります。理事が複数人いる場合には、代表理事が選任された以外ではそれぞれの理事が法人を代表する形です。

定款・定款の定めにもとづく理事の互選・社員総会の決議などで理事のうち、1人を代表理事として定めることができます。代表理事を定めた後は、その他理事は法人の代表者にはなれません。

理事会を設置している場合は、その決議で理事のうち1人を代表理事として選定します。

代表理事以外の理事にもたとえば理事長といった法人代表としての権限があると認められる名称を与える場合には、対象となった理事の行った行為は法人が責任を負うことになります。

 

代表者は包括代表権のある立場に

法人の代表者は、法人内・法人外の業務を執行します。対外的な業務を円滑に進めていくための代表権がある存在となりますが、その権利の範囲は原則、法人業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為に及ぶ包括的なものとなります。

包括的である上に、内部的な制限を加えた場合でも、特定の事情を知らない善意の第三者に対抗できません。法律上の原則によるものであり、例外的な取り扱いをした場合でも、事実を知らない人には対抗できないという不可制限性のあるものと留意しておきましょう。

そして他人を法人代理人として選任する復任権も含むため、代表者は特定行為の代理を他人に委任することも可能です。

決議にもとづかない行為は?

理事の業務執行は、社員総会や理事会の決議・理事の多数決などで行われることになりますが、法人代表者の対外的行為も同様です。決議にもとづくことなく行われた行為の効力に対し、規定はされていません。

代表者が複数いてもそれぞれが単独で法人の代表となり、共同で代表することもできるのは代表権の内部的制限だけで、やはり善意の第三者への対抗はできないとされています。

 

法人の代表者の義務

法人の代表者は理事として一般的な義務を負いますが、そのほかに利益相反行為が制限されます。

利益相反行為とされるのは、法人と代表者との間で利益が相反する行為であり、代表者本人や第三者の利益を得るため法人の利益を害することとなる行為が該当します。

おもに次のような取引が利益相反行為として挙げられます。

 

  1. ①代表者が本人や第三者のために行う法人事業に属する競業取引
  2. ②代表者が本人や第三者のために行う法人との直接取引
  3. ③代表者以外の者との間で法人と代表者の利益が相反する間接取引(法人が代表者の債務を保証するなど)

これらの取引は社員総会や理事会などで事前に承認を得なければならないといった規制がされています。

もし承認を得ず利益相反取引があった場合

理事会などで承認を得ず、利益相反取引があった場合はどうなるのでしょう。

会社法上は、取締役会などの承認を得ない利益相反取引について規定がないため、無効だと主張するには代表者が承認を得ていないことを第三者が知っていたことの証明が必要となりますので注意してください。