コロナ禍を乗り切りたい創業5年以内の企業が資金調達するときの注意点

事業を拡大させたいわけではなく小さな規模で安定経営を目指すだけでも、創業段階では資金調達が必要となることが多いですが、コロナ禍の現在ではいくつか注意点があります。

創業時点では赤字続きや予想外の出費などが多く、資金を調達しなければならないタイミングが急に訪れることもあることに注意しましょう。

そこで、創業5年以内の時点ではどのような資金調達の方法があるか、注意したいことも踏まえ解説していきます。

 

企業が資金調達に悩む時期とは

企業の成長段階は、

  • 創業期…売上が発生していない段階
  • 成長初期…売上は計上されているものの営業利益は黒字化されていない段階
  • 安定・拡大期…売上計上され営業利益が黒字化した段階

に分けることができます。

資金調達が課題となりやすいのは創業期成長初期の段階であり、安定・拡大期では人材確保などが第一の課題となってきます。

しかし本来であれば補助金や助成金を活用する方法や出資してもらうことを希望していたのに、銀行などからの借入れに頼るしかなかったというケースもあります。

実際、安定成長型企業が成長初期に行った資金調達の方法で多いのは、

  1. 1.民間金融機関からの借入
  2. 2.経営者本人の自己資金
  3. 3.政府系金融機関からの借入
  4. 4.家族・親族、友人・知人等からの借入
  5. 5.公的補助金・助成金の活用

の順です。

創業5年以内の企業は利益が十分でない成長初期の段階といえます。この厳しい時期を乗り越えることができたとしても、事業を軌道に乗せるためには資金を調達しなければならなくなります。

安定・拡大期の段階でも、事業規模を拡大させるために設備投資や運転資金が必要となるため、資金調達が課題となりやすいことに注意してください。

 

資金調達の種類

資金調達の方法は次のように多様化していますが、会社が今どの成長段階なのか、何のために資金を必要とするのかなどにより手段を選ぶことが大切です。

  • 自己資金…法人の預金や役員の個人資産を充てる
  • 出資を受ける…ベンチャーキャピタル(VC)や個人投資家(エンジェル)・親や親族などから出資してもらう
  • 融資を受ける…民間金融機関・公的金融機関・親や親族などからお金を借りる
  • 補助金・助成金…国や地方自治体などの補助金・助成金を活用する
  • その他…社債発行・クラウドファンディングなど

いろいろな資金調達の方法があるため選び放題のように感じるでしょうが、実際には創業間もない段階で選べる方法は限られてきます。

資金繰りに苦労する経営者が多く、仮に厳しい時期を乗り越えることはできても、事業を軌道に乗せるための資金調達がうまくいかないといったケースもめずらしくないといえます。

 

新型コロナの影響を受けた企業が資金調達するときの注意点

新型コロナウイルス感染拡大は、飲食店・宿泊業・教育・学習支援業・運輸業など様々な業界にマイナスの影響を与えています。

そのため新型コロナウイルス感染症関連の融資制度なども用意されており、日本政策金融公庫などであれば創業後3か月の創業後間もない企業なども幅広く対象とされています。

しかし実際には採算が取れておらず軌道に乗っていない段階で、融資を受けて資金調達することは簡単なことではありません。

そのため融資を受けて資金を調達するのなら、

  • 創業後の業績推移
  • 新型コロナウイルスの影響と対応方法
  • 今後の収支見通し

などを計画書に盛り込み、金融機関や信用保証協会に納得してもらえる工夫を行いましょう。

コロナ禍を乗り切る力があると認められれば融資を受けることが可能となるはずなので、今後の収支見通しを実現できることを示すことが重要といえます。

取引先からの発注書や、最近の受注状況の推移など、数値の根拠を示すことができる書類を提出できれば説得力を高めることができます。

経営改善を図ろうとする小規模事業者をバックアップする融資制度とは?

会社を継続させるためには、悪化してしまった経営状況を改善させることが必要ですが、そのような小規模事業者を対象にした融資制度もあります。

M&Aや事業承継の実現の他、売上低下に資金繰り悪化などでも経営改善を図ることが必要ですが、資金調達手段として準備されている日本政策金融公庫の「マル経融資」についてご紹介します。

 

日本政策金融公庫の「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」とは

日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)では、商工会議所の経営指導のもと、経営を改善させたいと高い意欲がある方を支援する制度です。

商工会議所の推薦によって日本政策金融公庫から融資を受けることが可能となるため、商工会議所や商工会などから経営指導を受けている中・小規模事業者が対象となっています。

経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で借入れできるため、運転資金や設備資金に困っているなら検討するとよいでしょう。

 

マル経融資を活用するとよいケース

経営改善を目的としたマル経融資は、仕入代金の支払い・手形決済資金・従業員の給与やボーナスの支払いなど運転資金としても活用できます。

また、工場・店舗の改装資金・車両・機械設備の購入など設備資金が必要なときにも活用可能です。

資金の使いみちが運転資金と設備資金、どちらの場合でも融資限度額は2,000万円となっています。

返済期間は、運転資金の場合は7年以内でうち据置期間は1年以内、設備資金の場合は10年以内で据置期間は2年以内です。

保証人、担保は不要ですが、利用するときには商工会議所会頭・商工会会長などの推薦が必要なので注意してください。

利率(年)は特別利率F(令和3年5月6日現在で年利1.21%)が適用されます。

 

新型コロナウイルス感染症による影響を受けている場合の特例措置

新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことで、最近1か月間などの売上高または過去6か月(最近1か月を含む)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期と比べて5%以上減少している(同様の状況にある)場合には特例措置の適用が可能です。

通常の融資額に加え、別枠で1,000万円が加わり融資限度額とされます。

利率も、当初3年間は「特別利率F-0.9%(別枠の1,000万円以内)」で、4年目以降は特別利率Fが適用されます。

なお、「特別利率F-0.9%」の適用限度額は新型コロナウイルス感染症特別貸付の「基準利率-0.9%」の適用限度額に含まれますので注意してください。

特別利率F-0.9%の部分は中小企業基盤整備機構から利子補給を受けることで、実質3年間無利子での借入れが可能です。

また、返済期間は、設備資金が10年以内(うち据置期間4年以内(別枠の1,000万円以内))で運転資金は 7年以内(うち据置期間3年以内(別枠の1,000万円以内))となっています。

 

マル経融資の利用対象者とは

マル経融資を利用は、

  • 常時使用する従業員が20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)であること
  • 最近1年以上事業を行っていること
  • 商工会議所・商工会の経営指導を原則6か月以上受けていること
  • 税金(所得税・県市民税・事業税・法人税)の滞納がなく完納していること
  • 日本政策金融公庫の融資対象業種であること

税金について、新型コロナウイルス感染症の影響により納税を猶予してもらっている場合には、別途相談するとよいでしょう。

なお、申し込みのときには次のような提出を書類することになるため、事前に準備しておくと安心です。貸付残高が1,500万円を超える場合には、下記の書類と別途、事業計画書が必要となります。

個人事業主の必要書類

  • 前年と前々年の青(白)色決算書及び確定申告書(控)
  • 税金の領収書または納税証明書
  • 見積書やカタログなど(設備資金の申し込みで必要)

法人の必要書類

  • 前年と前々年の青(白)色決算書及び確定申告書(控)(決算から6か月以上経過している場合は最近の試算表)
  • 税金の領収書または納税証明書
  • 会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 見積書やカタログなど(設備資金の申し込みで必要)

借入利率次第で資金調達後の返済負担は大きく変わる!できるだけ低く抑えるには

金融機関でお金を借りて資金調達するときには、「借入利率」をできるだけ低く抑えたいと考えてしまうものです。

後の返済負担にも大きく関係する部分のため、まずは借入利率とは何か正しい知識を得ておくようにしましょう。

 

借入利率とはどのような意味か

「借入利率」とは、お金を借りたときに元金に対して支払う利息の割合のことです。「借入金利」と意味はほとんど同じですが、金融機関からお金を借入れたときの借入利率では、一般的に「年利」が適用されます。

年利とは借りたお金(元本)に対し、1年間でどのくらいの借入利息が発生するかを意味します。

よって借入利息は、

借入利息=借入元金×借入利率(年利)÷365日×借入期間

という計算式で算出できます。

たとえば100万円を年利15.0%で30日借りたときの借入利息は、

100万円×15.0%÷365日×30日=12,328円

です。

100万円を借りて1か月後に完済させるには、1,012,328円支払わなければならないということになります。

 

利息制限法による上限とは

借入利率は自由に設定できるわけではなく、利息制限法に従い次のように契約元金に応じた上限を守らなければなりません。

契約元金が10万円未満の場合…年20.0%
契約元金が10万円以上100万円未満の場合…年18.0%
契約元金が100万円以上の場合…年15.0%

銀行や消費者金融などの貸金業者は、上記の基準を超えた借入利率で金銭を貸し付けることはできません。もしもお金を借りたとき、この基準より高い割合が借入利率として設定されていれば闇金融業者である可能性が高いといえます。

 

どうすれば借入利率を下げることが可能?

貸金業者などからお金を借りるとき、適用される利率として表示されているのは上限金利と下限金利です。4.5%~17.8%といった形式で表されていることが多いですが、適用される利率は審査次第といえます。

担保や保証人などを差し入れることができ借入金額も大きく、さらに申込者の信用力が高めで貸倒リスクが低く、確実に元金と利息を回収できると判断されれば、適用される利率も下がります。

初めて取引をする相手や、100万円未満のお金を借りる場合であれば、一般的には上限金利に近い割合が設定されることが多いはずです。

 

借入利率は信用度の高さで決まる

お金を借りるときには、誰もが借入利率はできるだけ下げたいと考えるものですが、適用される割合は信用力の高さが大きく影響します。

貸倒リスクが高ければ借入利率も高く設定されてしまいますが、特に最近のカードローンなどは「スコアリング審査」により信用力を数値化させ判断することが多くなっています。

スコアリングされる項目は、

年齢
職業
勤務先
勤続年数
雇用形態
年収
居住形態
金融商品利用実績

などです。

スコアリングによる数値が高いほうが有利ですが、スコアリング審査の結果を含め審査内容は公表されません。

ただし貸倒リスクが低い順として考えられるのは、

公務員・大企業→中小企業→零細企業・個人事業主

という順番です。

さらに自営業ではなく会社に勤務している場合でも、

正社員→派遣社員・契約社員→パート・アルバイト

といった順に貸倒リスクは低いと判断されます。

年収が高く、勤続年数が長く、さらに過去に延滞や債務整理などの金融事故がない方であれば信用力は高いと認められるでしょう。

 

まとめ

融資を受けてまとまった資金を調達できればうれしいですが、返済のときに支払う利息は少ないほうがよいと考えてしまうものです。

そのため、借入利率は下限金利が適用されるほうが望ましいといえますが、初めて取引するときには上限金利が適用されることが多いと認識しておきましょう。

なお、たった数%という違いが後の返済負担を大きく変えることになり、借入期間が長くなればその差はさらに拡大します。

お金を借りて資金調達するときには、無理な返済計画を立てないことを基本とし、高すぎる借入利率で融資を受けると後々資金繰りが悪化しやすいことを留意しておいてください。

融資を受けるために重要な与信など金融機関の判断基準とは?

銀行などの金融機関では、資金の借入れの申込者に返済能力があるかなど、与信を審査で確認します。

そのため銀行から融資を受けるためには、お金を貸してよい相手だと与信を証明しなければなりません。

ただ金融機関の窓口にお金を貸してほしいと相談にいっても断られる可能性が高いため、融資を受けるための与信について押さえておきたいポイントをご説明します。

 

簡単に融資を受けることはできない

融資を受けて資金調達できれば、不動産や自動車の購入、事業拡大や設備投資など様々な目的に資金を使うことができます。

会社を経営し続ける上で資金調達は欠かせませんが、無条件に銀行から融資を受けることはできず、返済能力などについて厳格な審査が行われた上で判断されます。

特に中小企業の場合、担保を差し入れることを求められることが多いため、簡単に融資を受けることはできないと認識しておきましょう。

融資のキーワードはこの3つ

金融機関の融資担当者は、様々な事業者から融資相談を受けているため知識や経験も豊富です。

その上で融資審査を行うこととなりますが、特に「属性」「与信」「担保価値」は重視されることになります。

 

属性

属性とはその事物に属する性質のことで、銀行融資の場面では申込者の社会的・経済的な背景を指しています。

個人であれば、年齢・性別・居住地・家族構成・勤務先・年収など、対象者の性質や特徴を把握するための情報のことです。

それにより社会的・経済的に置かれている立場などを判断し、お金を貸してよいか、貸す場合にはいくらまで可能か判断します。

会社が借入れをする場合にも、会社の基本情報(事業内容や規模・従業員数など)・財務内容(資本金や業績など)・代表者情報(代表者の経歴など)・取引先情報(仕入れ先や販売先など)様々な項目が確認されます。

与信

与信とは信用を供与することであり、いくらまでならお金を貸すことができるか査定することと言い換えることができます。

たとえば企業間取引においても、掛け売りでは売掛金が発生し、回収して現金化されるまでの間が「与信」です。

製品を提供し、代金を回収するまでの間を信用の供与=与信といいます。

新規の取引先と契約するときも、既存の契約先と取引を続ける上でも与信管理は重要ですが、銀行も同様に与信は大切な項目です。

それに加えて、属性から導き出された要素による評価だけでなく、貸し付けたお金と返済分として入金されるお金の差がプラスになると予想されれば融資可能と判断されます。

担保価値

銀行などの金融機関が中小企業に対し資金を貸し付ける際、重要視されるのは担保として差し入れる対象の価値です。

多くの場合、不動産を担保として差し入れることを求められますが、物件の価値はいくらなのかが重要となります。

担保価値に対して融資する割合をかけた融資限度額に属性に基づいた与信金額を合算し、融資金額の上限が決まってくるといえます。

 

注意しておきたい金融機関の融資基準

金融機関の融資基準についても注意しておく必要があります。

たとえば土地の評価については時価額の70%、建物の経済的耐用年数を計算するときは鉄筋コンクリートでも30年にするなど、金融機関ごとに内部で基準を決めています。

そして融資基準は経済状況により変更になるため、ずっと同じではありません。

評価の見直しだけでなく、最低限必要とする自己資金比率にも注意が必要となり、たとえば融資については自己資金20%以上などの基準が設けられています。

与信評価と担保評価を合わせれば1億円を超えるため、その金額であれば融資を受けることができると考えていても、自己資金20%以上という基準が設けられていれば8千万円しか借りることはできませんので注意してください。

赤字決算で手元の現金が少ない会社がスムーズに資金調達する方法とは?

事業継続には運転資金が欠かせませんが、手元のお金が少ない会社の場合、資金を調達しなければなりません。

しかし赤字決算では銀行から融資を受けて資金調達することは難しく、乏しい目の前の現金でどのように会社を続けていけばよいのだろうと頭を悩ませることとなるでしょう。

そこで、もし赤字決算の会社がお金の少ない状況に悩み、資金調達することを考えるならどうすればよいのか解説していきます。

 

 

赤字決算で手元のお金がない状態とは?

会社経営において、現金は人の身体でたとえれば血液と同じです。血液が不足したり薄くなったりすれば、人は貧血で倒れてしまいますが、会社の資金不足も事業を傾かせてしまいます。

血管が詰まり血液が循環しなくなれば生命を落とす危機にさらされますが、会社経営でもお金が循環していることが必要です。

赤字決算とは、収入を支出が上回り利益ではなく損失が発生している状態ですが、決算書が赤字でも会社は倒産しません。

倒産してしまうのは資金が枯渇し、仕入れ代金や従業員の給料、固定費や借入金の返済などの支払いができなくなったときです。

たとえ赤字でも資金さえ枯渇しなければ、倒産することはなく事業を継続できるため、あきらめず資金調達することが必要といえます。

 

 

赤字の会社は銀行から資金調達ができない?

銀行から融資を受けて資金を調達する場合、必ず会社の決算書を提出するように求められます。

赤字決算ではまず審査に通らないと考えておくべきですが、決算書が赤字の場合でもすべてがネガティブな理由でマイナスになっているわけではありません。

たとえば創業したばかりの会社の場合、初期投資などの出費がかさみ、まだ実績が十分でないため赤字になっているケースなどです。将来的に黒字化させることが見込まれるなら、たとえ赤字でも融資を受けて資金調達できることもあります。

もし税金を納めたくないという理由で意図的に赤字を出している場合、その事実を金融機関の担当者に知らせたとしても融資は断られてしまいますので、決算書の操作はしてはいけません。

 

 

赤字の会社がスムーズに資金調達する方法

会社の決算が赤字だとしても、融資可否は金融機関により異なるためあきらめてはいけません。

都市銀行などから融資を受けることは難しくても、地方に密着した信用金庫や信用組合政府系金融機関である日本政策金融公庫からであれば借入れが可能なケースもあります。

特に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けるなど、特殊な理由で赤字になっているのなら、信用保証協会が別枠で保証してくれる「セーフティネット保証制度」も利用可能です。

融資を受けて資金調達できる会社とそうでない会社

起業したばかりの会社や災害などで突発的に赤字になった会社、資本金額が高く経営を続けられるだけの体力がある会社であれば、一時的な赤字とみなされ銀行から融資を受けて資金調達できる可能性も出てきます。

反対に融資を受けることが難しいのは、決算書の赤字が連続している会社や節税目的で故意に赤字決算している会社、借入れたお金の使途が運転資金という場合です。

資金調達の方法は銀行融資だけじゃない!

資金調達する方法は銀行融資だけではないため、赤字決算の会社でも活用できる方法はあります。

基本的に赤字決算では融資審査に通りにくくなるため、お金を借りずに資金調達する方法を検討するべきです。

この場合、売掛金を保有しているのなら、ファクタリング会社に売却し現金化するファクタリングを利用しましょう。

利用の際には手数料もかかりますが、取引先から回収するまで1~2か月待たなければならない売掛金を、早ければ即日現金化できることは大きなメリットです。

手元のお金がない状態で不安を抱えている会社の場合、もっと早く売掛金が入金されれば…と考えてしまうものですが、ファクタリングならお金を借りず資金調達できますのでうまく活用することをおすすめします。

資金調達不可を決める判断材料「融資の五原則」に沿った申し込みを!

銀行などからお金を借りるときには、金融機関でどのような基準で審査が行われ、資金を借りようとしている相手に何を求めているのか知るために「融資の五原則」を確認しましょう。

有利に融資を受け資金調達を成功させるにはこの五つ原則の内容を確認し、銀行側がどのような考えに沿って審査を進めていくのか把握しておくことが必要です。

そこで、これから銀行からお金を借りて資金を調達しようとする方のために、「融資の五原則」とはどのような考え方なのかご紹介します。

 

「融資の五原則」とは

融資を受けようと申し込みを行ったとしても、融資審査で資金を貸し付けてもよい相手だと認めてもらうことができなければ資金調達することはできません。

そこで、銀行が行う融資審査で基本となる考え方「融資の五原則」を把握しておき、それに沿った書類作成が必要です。

融資の五原則とは、

 

  1. 1.公共性の原則
  2. 2.健全性(安全性)の原則
  3. 3.収益性の原則
  4. 4.流動性の原則
  5. 5.成長性の原則

 

の五つです。

基本的に銀行の融資担当者はこの五つの原則を基準に、融資可否を判断していくこととなると認識しておきましょう。

1.公共性の原則

銀行から融資を受けるとき、その資金どこから来たお金かご存知でしょうか。

実は、銀行に預金した方の資金を集め融資を行っていますので、貸し付けを行う相手は健全な社会発展に役立つ公共性のある事業であること必要です。

法律を守らない違法行為を行っている会社や、反社会的勢力が関係する会社が融資を受け資金を調達すれば、資金を貸し付けた銀行は世間から非難を浴びることになるため公共性のある事業か重視されます。

2.安全性の原則

銀行は社会性の高い機関のため、融資先は健全な事業活動を営んでいることが必要と考えられます。

そして貸し付けた資金はもともと預金者が預けたお金のため、確実に回収できなければなりません。

信用力に不安のある相手に資金を貸し付けるのであれば、担保や保証といった保全を行った上で融資を実行します。

融資相手が特定企業や業種に偏らないようにすることも、安全性を高めることの1つです。

キャピタルゲインを狙った投機家や、短期間で煩雑に売買を行う事業者の場合、リスクの高い相手とみなすこととなるでしょう。

健全な経営者に融資を受けてもらうことを基準に審査を行います。

3.収益性の原則

公共性の高い機関である銀行も、営利目的で運営しているため、経営維持には利益を追求することとなります。

収益を増やすためには、貸出利率を高くする、または貸出量を増やすことを検討するでしょう。

それも踏まえて銀行は、資金を貸し付ける相手の信用力や、差し入れてもらう担保や保証などに応じ、リスク負担を割り出した上で貸出金利に反映させていきます。

公共性や安全性を重視した審査が行われるものの、利潤を追求する営利企業の一面もあると認識しておきましょう。

4.流動性の原則

融資期間は、預金期間に見合う期間で設定することが必要です。

融資を受けるときの資金の源は銀行へ預金した方のお金ですが、普通預金などは預金者から申し出があればすぐに引き出し可能としておく必要があります。1~2年程度の定期預金も普通預金と同様に、運用できる期間は短くなると考えられるでしょう。

このように銀行が短期で調達した資金は短期融資で運用することとなり、長期により調達した資金は長期融資で運用することで、資金の調達と運用のバランスが取れます。

5.成長性の原則

銀行が貸し付けた資金は、融資先が成長・発展することに役立つこと、そして銀行などの金融機関も成長・発展にも役立つものでなければなりません。

銀行がお金を貸し付け、それにより融資先の事業が健全に成長できるかという観点で確認が行われます。

融資先の事業は銀行の成長と考えれば、赤字を埋めたいという目的で融資を受けたいと考えても、融資審査をクリアすることはできないといえるでしょう。

 

まとめ

銀行から融資を受けるのなら、融資の五原則を把握しておき、何を融資担当者に説明すればよいかまとめておきましょう。

そして融資の五原則は、

 

  • 安全性の原則…銀行が融資した資金は確実に回収可能と認められること
  • 公共性の原則…銀行が融資した資金の目的が社会的ニーズに合致したものと認められること
  • 収益性の原則…銀行が融資することで適正な利益を確保できると認められること
  • 成長性の原則…銀行が融資した資金により、融資先の事業成長が見込めること
  • 流動性の原則…銀行預金の大半は短期資金のため、資金調達と運用のバランスを取ることが必要であること

 

という考え方になっています。

銀行から融資を受けて資金調達するのなら、この五つの原則に留意した融資書類の準備を行うことが必要です。

これらは銀行などの金融機関が、融資を受けてもらう相手としてふさわしいか判断する基準となる考え方ですので、理解しておくことで融資交渉を有利に進めることも可能と把握しておきましょう。

補助金や助成金で資金調達するときに気をつけておきたいこととは?

資金を調達するときに、国や自治体が運営している補助金や助成金を活用しようと考える経営者は少なくありません。

補助金も助成金も返済不要の資金を調達できるため、支給されればメリットは高いといえます。

そこで、補助金や助成金で資金調達するとき、どのようなことに気をつけておけばよいのかご説明します。

 

補助金や助成金などの制度が設けられている理由

補助金や助成金などの制度は、中小企業の振興・技術振興・起業促進の他、地域活性なども目的としています。

たとえば補助金の多くは経済産業省や厚生労働省などが主体となっていますが、女性・若者・シニア層などの活躍や起業などを支援するものも設けられています。

補助金と助成金のどちらで資金調達する場合でも、申請すればすぐにお金が支給されるわけではなく、一定の条件を満たさなければなりません

しかし支給されれば返済義務のない資金を調達できるため、銀行融資でお金を借りたときのように返済に追われるといった心配はないことがメリットです。

利用しやすい補助金や助成金もあるため、制度を活用するかしないかで事業の成功を左右する場合もあると認識しておくとよいでしょう。

 

補助金と助成金の目的とその意義

地域産業育成・発展や経済発展を主な目的とし、国の政策目標を達成するために取り組んだ事業者を支援するお金が「補助金」です。

「助成金」も国の施策推進に伴うものですが、主に労働環境や雇用に関することを目的としています。

 

補助金よりも助成金のほうが資金調達しやすい

補助金も助成金も国や自治体が交付しますが、受け取る側にしてみればどちらも同じと感じることでしょう。

しかし補助金と助成金の難易度を確認すると、助成金の方が受給しやすいといえます。

いずれにしても補助金と助成金は後払いとなるため、まずは必要な経費は負担しておき、後で支給してもらう形です。

また、補助金は公募制なので1年の間に数週間から1か月程度を基準として応募期間が設けられています。基準を満たす場合でも、審査に落ちることもあるため、必ずしもお金を受け取ることができるとはいえません

それに対し助成金は毎年など随時募集していることが多く、基準を満たしていれば高い確率で審査に通るため比較的受給しやすいといえます。

 

補助金や助成金で資金調達するメリットとデメリット

補助金や助成金のメリットは、先にも述べたとおり銀行融資などと異なり、返済義務のない資金が入金されることです。

また、株式を発行するときのように配当などもないため、受け取ったお金を事業に使うことができます。

デメリットとして挙げられるのは、申請において必要書類の準備が面倒である点と、やはり完了後の後払いであることです。

お金が必要というタイミングですぐに受け取ることができず、一旦は立て替えて支払わなければなりません。

また、審査に通らなければ立て替えた費用分の資金が戻ってくるとも言い切れないこともデメリットといえるでしょう。

そして支給されたお金を決められた目的通りに使ったことを報告する義務もあるため、いろいろと面倒に感じてしまう経営者もいるようです。

 

補助金・助成金は早めの申請を

補助金で資金調達しようと考え申請した場合でも、審査に通らなければ支給はされません。定員などもあるため、応募期間まで時間があるとのんびりしていると、定員を満たし途中で打ち切られる可能性もあります。

できるだけ早めに申請をしたほうがよいですが、いずれの場合も必要書類提出後に採択されるか結果を待たなければならないため、資金調達までは時間がかかると認識しておきましょう。

 

まとめ

国や地方自治体の補助金や助成金は、要件を満たせば支給されるものもあれば、公募形式のものなどいろいろです。

いずれも返済不要の資金調達が可能となるため、どのような種類の制度が今設けられているのか確認し、要件を満たすものがあればどんどん活用していきましょう。

ベンチャー企業の資金調達は容易ではない!難易度が低めの方法とは?

事業成長のためには資金調達が必要ですが、ベンチャーやスタートアップ企業の場合、その難易度はけっして低いとはいえません。

その理由としてベンチャーやスタートアップ企業の場合には十分な実績がないことなどが挙げられますが、中には比較的難易度が低めの資金調達方法もあります。

そこで、ベンチャー企業などが資金調達するときに選びたい、中難度の方法から難易度低めの資金調達方法までご紹介します。

 

ベンチャーが検討しやすい難易度の資金調達の種類

そもそも資金調達とは、会社を経営する上で必要となる資金を外部から確保することです。

その種類は、アセットファイナンス(資産)・デットファイナンス(負債)・エクイティファイナンス(純資産)と大きく3つに分けられます。

アセットファイナンス資産を売却して現金化する方法であり、デットファイナンス負債を増やす(=お金を借りる)方法です。

そしてエクイティファイナンスは出資してもらうなど、純資産を増やすことで資金を得ることを指しています。

この3つの方法のうち、ベンチャーが検討しやすい難易度の資金調達方法はそれぞれ以下のとおりです。

アセットファイナンスでベンチャーが検討しやすい難易度の資金調達手段

アセットファイナンスは資産を現金化させて資金調達する方法ですが、ベンチャー企業でも売掛金を保有していれば利用できるのがファクタリングです。

取引先に商品代金などの請求をしており、入金待ちとなっている売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却し、現金化させることで資金調達できます。

さらにファクタリングを利用することで、取引先から入金を待つ間に資金繰り悪化リスクが発生しそうなときにも、その危機を回避できることがメリットです。

ファクタリングを利用すると、取引先に売掛金を売却したことを知られるのではないか?と不安を感じるベンチャー企業もあるでしょうが、2社間ファクタリングであれば取引先を介さず契約できます。

急いで現金を必要とするときや銀行融資などの審査に通らないときでも、柔軟な審査により早ければ即日資金を調達できるため、ベンチャー企業にとって難易度の低い手法として検討しやすいといえます。

デットファイナンスでベンチャーが検討しやすい難易度の資金調達手段

デットファイナンスは負債を増やし資金調達する方法であり、わかりやすく言えば金融機関からお金を借入れることで手元の資金を増やすことを指しています。

お金を借りるということは、借りたお金(元本)だけでなく、設定された金利に伴い発生する利息も支払うことが必要です。

融資を受けて資金調達する場合、公的融資と民間融資のいずれかを選ぶこととなりますが、ベンチャー企業が民間銀行から融資を受けることは難易度高めです。

信用金庫・信用組合などであれば積極的に相談に応じてもらいやすいこともありますが、公的融資である政府系金融機関からお金を借りる方法のほうが難易度は低めといえます。

政府系金融機関は政府が出資・運営しているため、中小企業や個人事業主にも積極的に事業資金の貸付を行っています。

特に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」であれば、無担保・無保証人で融資を受けることができ、融資限度額も3千万円(運転資金は1,500万円)まで借りることができるため検討しやすいでしょう。

ノンバンクのビジネスローンならさらに難易度が低いけれど…

ビジネスローンは中小企業や個人事業者向けの無担保融資であり、担保や保証人など不要となるケースも多く、銀行や日本政策金融公庫などの審査が通らない場合でも利用できることがあります。

ただし審査の難易度が低い反面、設定される金利が高く、長期に利用してしまうと資金繰りが悪化してしまいます。一時的な利用に留めるなど、うまく活用するようにしてください。

 

エクイティファイナンスでベンチャーが検討しやすい難易度の資金調達手段

株式を交付し資金調達する方法がエクイティファイナンスですが、投資家に出資してもらう方法なので返済義務のないお金を手にすることができます。

貸借対照表上でも資本(純資産)を増やすことができるため、自己資本比率を上げ経営上の安定度も高まることがメリットといえるでしょう。

ベンチャー企業の場合、成長率を高く見込めるスタートアップなどに出資し上場後に資金回収を狙うベンチャーキャピタル(投資会社)に投資してもらう方法などもあります。

また、将来成長が見込める企業に資金面などの支援を行うエンジェルと呼ばれる個人投資家から出資を受ける方法もありますが、いずれも難易度は低いとはいえません。

最近ではインターネットを介し、不特定多数の方たちから少額資金を集めるクラウドファンディングなどが注目されており、難易度としてはベンチャーキャピタルやエンジェルよりも低めです。

ただしいずれの方法も返済不要の資金を受け取ることとなるため、低い難易度で簡単にお金が集まるわけではないと認識しておくべきでしょう。

 

まとめ

会社経営に必要な資金を集める方法は難易度が高いものから低いものまで様々ですが、実績が十分でないベンチャーやスタートアップにとっては至難の業と感じてしまうことでしょう。

しかしベンチャー企業などでも比較的難易度低めと感じられる方法も少なくありませんし、国や地方自治体などが制度として設けている補助金や助成金なども利用できるケースもあります。

会社を立ち上げたのに手元の資金が枯渇してしまえば倒産することになってしまいますので、必要な資金が尽きてしまわないように難易度の低い方法を選び、資金調達していくことをおすすめします。

ファクタリングで資金調達する手続きは本当に安心できるもの?その実態を徹底解説!

ファクタリングで資金調達するとき、その手続き方法で迷いが生じることがあります。資金調達の方法といえば、銀行からの借り入れなどが一般的なため、ファクタリングの手続きといっても具体的に何をすればよいかわからないという方はめずらしくありません。

そこで、ファクタリングを使って資金調達する場合、どのような手続きを行うのかご説明します。

 

ファクタリングとは?

ファクタリング(Factoring)は、売掛金の買取りを専門とする業者などに売掛債権を譲渡し、早期に現金化させる資金調達の方法です。

そのため主な手続きは、ファクタリングで資金調達する利用者とファクタリング会社とで売買契約を結ぶことになります。

売掛金は商品やサービスを納品したり提供したりしても、その代金は後払いという場合に発生する債権です。

取引先から代金が入金されるのは30~60日後となるため、その期間に資金管理に失敗すれば支払いに充てるお金が足らなくなることもあるでしょう。

そのようなとき、ファクタリングの手続きで将来入金予定の売掛金を現金化させれば、手元の現金を増やし資金繰りを改善させることができます。

 

ファクタリングの手続きは融資を受けるときと異なる

資金調達する手続きの種類は、たとえば投資家に出資してもらう方法や株式を増資する方法、社債発行や銀行・公庫からのローンなどいろいろあります。

ベンチャー起業の開業タイミングや事業継続を目的としてなど、資金調達の目的やお金を必要するまでの期間などにおいてどの方法を選ぶのか、申請手続きなどは異なってくるはずです。

その中でもファクタリングは売掛金の売買のため、申し込みを行っても信用情報機関にその履歴が記録されることはありませんし、負債を増やさないので決算書を汚すこともありません。

そしてファクタリングの審査でも、利用者の信用力は重視されないことがポイントです。重視されるのは売掛金の対象となる取引先信用力なので、決算書が赤字でも税金を滞納していても資金調達の方法として手続きすれば利用できます。

 

ファクタリングで資金調達するまでの手続きの流れ

ファクタリングで資金調達する際、その手続きや流れは主に次のとおりです。

1.ファクタリング会社に相談申し込み

まずはファクタリング会社に、電話やメール、インターネット公式サイトの相談フォームなどを使い資金調達の相談をします。取引先に対し発行した請求書をもとに、申し込みを行いましょう。

 

2.審査中に必要な書類を準備しておく

提出した請求書などをもとにして、ファクタリング会社で審査が行われます。

ファクタリング会社により必要となる書類は異なりますが、主に2~3期分の決算書や取引履歴の確認できる通帳の写し、取引先との基本契約書や請求書・発注書などが必要となることが多いようです。事前に準備しておくとスムーズな契約手続きにつなげることができます。

 

3.売掛金の買い取り

請求書をファクタリング会社が買取可能と判断されれば、契約手続きを経て最短即日買取代金が入金されます。取引先から期日に売掛金が入金され、ファクタリング会社が入金分を回収し、取引は終了です。

 

ファクタリングの審査手続きで重視されるのは?

審査では取引先の信用力が重視されますが、利用者の信用力がまったく影響しないわけではありません。ファクタリングには2社間と3社間があり、どちらで契約手続きを進めるかによって利用者の信用力の重要度は異なります。

まず3社間ファクタリングでは、取引先に対しファクタリング会社から債権譲渡に関する通知が行われ、承諾を得る手続きが必要です。

そして売掛金の支払い期日には、取引先からファクタリング会社に直接支払いが行われますので、ファクタリング会社も安心して契約できることでしょう。

しかし2社間ファクタリングでは取引先への通知はされず、承諾を得ることは行いません。そのため期日に売掛金の入金を受けるのは利用者となり、取引先から回収すると同時にファクタリング会社に売掛金を振込む作業が必要です。

ここで注意したいのが、売掛金を回収した段階で利用者が資金難に陥っているケースです。支払いに充てるお金が手元になければ、本来ファクタリング会社に振込まなければならない売掛金をそのまま使い込んでしまう可能性も否定できません。

そのため2社間ファクタリングでは、利用者の信用力も加味した上で総合的に審査が行われると認識しておいたほうがよいでしょう。

 

ファクタリングで資金調達する際は対面が原則?

ファクタリングで資金調達するとき、契約する際には対面となることが多いですが、ファクタリング会社の多くが東京に本社を構えているため遠方の場合には一苦労という場合もあるようです。

郵送などで対応可能とするファクタリング会社もあれば、最近では新型コロナウイルス感染症の影響で電子契約などを導入する業者も増えてきました。

ただ売掛金の額面が大きい契約の場合、一度も会わず締結することは利用者にとってリスクが高すぎますし、ファクタリング会社にとっても不安な取引となってしまいます。

そのため基本的には面談を行い、対面で契約を結ぶ形にしているファクタリング会社がほとんどです。

また本社は東京でも全国に支社や営業所を複数設け、全国対応可能としているファクタリング会社もあります。全国対応可能な業者であれば、地方の事業者でも安心してファクタリング手続きを行うことができるはずです。

 

資金調達の契約手続きの際に注意したいこと

ファクタリングで資金調達することは初めてという場合、目の前に契約書を提示され一通り読んでみたものの、内容が理解できないこともあるでしょう。

この場合、理解できない文言や言葉、内容は必ず担当者に説明してもらうことが必要です。

何度も質問を繰り返すと不快な思いをさせてしまうのでは…といった余計な配慮は必要ありません。

契約書は専門的な用語が使われていることもありますし、難しい言葉が並んでいるため理解できないのは当然です。ましてや初めてファクタリング契約を結ぶという場合、手続きにおいて不明なことが出てくるのは当たり前といえます。

しかも個人との契約においては様々な法律で消費者保護の規定が設けられているものの、法人同士の契約においてはしっかり法律で保護されているといえません。

法人は事業のプロであるため、そのプロ同士が契約を結ぶのなら自身がリスク回避できるだろうという考えが前提にあるからです。

自らが自社を守るためにも、契約内容はしっかりと確認した上で契約を結ぶ手続きを行うことが大切です。後で知らなかったでは済まされないと留意しておきましょう。

 

契約書類の控えは資金調達において必ず受け取ること

さらに重要なのが、ファクタリング契約の手続きにおいて発行される契約書の控えは必ず受け取っておくということです。

契約書類の控えを渡してもらえない場合、契約内容に利用者にとって不利な条項などが盛り込まれていたとしても、後で確認することはできません。

仮に何らかのトラブルが発生したときにも、どのような契約を結んだのか証拠として残すことができますので、必ず契約書の控えは受け取るようにしてください。

 

債権譲渡登記を必要とする契約手続きの注意点

2社間ファクタリングで資金調達する場合、その手続きにおいて債権譲渡登記が必要とファクタリング会社から伝えられることがあります。

債権譲渡登記は東京法務局でのみ受付となるため、ファクタリング会社の多くが東京に本社を設けています。

債権譲渡登記とは売掛金(売掛債権)を譲渡し、債権者が変更されたことを法的に証明するために行われる手続きです。

第三者が譲渡済の売掛金を勝手に差し押さえてしまう行為や、二重に譲渡することが行われれば大きなトラブルになるため、登記という手続きを使い第三者に対抗する形を整備するため行われます。

債権譲渡登記を可能とするのは法人間の取引のみなので、個人事業主がファクタリングで資金調達する際には手続きできません。そのため2社間ファクタリングで債権譲渡登記が必ず必要というファクタリング会社の場合、個人事業主は2社間で契約できないということになります。

 

登記後の資金調達には大きなリスクが…

債権譲渡登記の概要は、法務局で手続きすればだれでも確認できます。

とはいえ取引先が自社の売掛債権の権利者が誰か、わざわざ確認に行くことは考えにくいため、知られてしまうリスクはほとんどないと言ってよいでしょう。

ただ銀行など金融機関に融資を申し込んだ場合、審査において債権譲渡登記の有無は必ず確認されます。そのため融資の申し込み審査において不利になってしまうため、その点は留意しておくことが必要です。

さらにファクタリング会社の中には将来発生する将来債権を登記していることもありますが、これは債権担保融資の手法です。

融資だと受け取られてしまえば銀行の審査において悪影響を及ぼすこととなるため、注意しておいてください。

 

まとめ

資金調達にファクタリングを活用する場合、その手続きでいろいろと不安になることもあるでしょう。

しかし売掛債権を使った資金調達は、経済産業省中小企業庁も推奨しているなど、不動産担保に依存しすぎない方法として今後さらに期待されています。

それでもファクタリングを利用することを取引先に知られ、よほど資金繰りが厳しいのか…と風評被害につながるリスクを恐れ活用しにくいと感じている経営者もいることでしょう。

この場合ファクタリングで資金調達するまでの手続きとして、取引先に説明を代行してくれたり利用者に同行してくれたりなどサポート体制を徹底しているファクタリング会社もあるため、信頼できる業者選びは重要ということです。

当サイトでは優良で信頼できると評判のファクタリング会社を複数ピックアップし、利用者にとってメリットのある資金調達手続きにつながる一括見積もりを行っています。

必要項目を複数入力していただければ、安心して契約手続きしていただける複数のファクタリング会社から見積もりを取得できますので、簡単に相見積もりを行いたいときにぜひ活用ください。

持続化給付金は本当に中小企業を救う手立てとなる?支給される要件とは

新型コロナウイルス感染症拡大によって、当初は営業自粛などの影響により売上が低迷してしまった中小企業も少なくありません。その中小企業の事業継続を支えるためには、再起の糧となるお金が必要ですが、注目されるのが持続化給付金です。

ここ最近では持続化給付金の不正受給などの話題がニュースで取り上げられるなど、いろいろと問題になっていますが、本来はコロナ禍によるダメージを受けた中小企業や個人事業主を助けるための制度です。

事業全般に幅広く使うことができる給付金制度ですが、本当に給付金が中小企業を救う手立てとなるのか、支給されるための要件などについて解説していきます。

 

持続化給付金の支給対象となるのは中小企業など

まず初めに、持続化給付金をめぐっては不正受給が後を絶たず、全国で逮捕者が相次いでいることを留意しておくべきです。

持続化給付金の不正受給が起きてしまいやすい理由として、受給資格となる売上の数字を操作しやすい点が挙げられます。

給付金支給対象となるのは、

  • 新型コロナウイルス感染症の影響で1か月の売上が前年同月比50%以上減の場合
  • 2019年以前から事業収入を得ており、今後も事業継続の意思がある場合
  • 法人であれば資本金額または出資総額が10億円未満または常時使用する従業員数が2千人以下の中小企業である場合

というすべてを満たす事業者です。

資本金10億円以上の企業を除いた中小法人などが対象で、医療法人・農業法人・NPO法人など会社以外の法人でも幅広く対象です。

個人事業者でもフリーランスを含め対象であり、雇用契約によらず業務委託契約などで事業活動から収入を得て、確定申告をしている方でれば対象に含まれます。

 

中小企業に支給される金額はいくら?

さらに給付される金額は、200万円を超えない範囲で対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入から、対象月の月間事業収入を12倍した金額を差し引いたものとされています。

計算式であらわすと、

給付額(上限200万円)=対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入-対象月の月間事業収入×12

となります。

対象月とは月間事業収入が前年同月比50%以下となる月として任意で選択した月のことです。2020年1月から12月までの間で事業者が選ぶことができます。

 

なぜ不正受給が起きやすいのか?

受給資格の有無や受給金額を左右するのは対象月の売上ですが、対象月の売上として計上しなければならない金額をずらし、縮小させて受給資格を得たり受給金額を膨らませたりできます。

確定申告で昨年の売上を膨らませることも、売上はなかったのに立てることもできるので、この不正な手口で満額受給する悪質なケースも存在するようです。

持続化給付金は申請が簡単

持続化給付金は法人であれば事業概要説明書、個人事業主なら確定申告書などに加え、売上減少を証明できる売上台帳や本人確認書類などを準備すれば申請可能です。

その方法もインターネットを使う内容となっていますが、これはできるだけ迅速に資金不足で困っている方に受給してもらうことを目的としています。

しかしこの申請の簡素化が不正受給を増やす要因となってしまいました。

不正受給による申請アドバイスを行い、実際に支給された後で成功報酬を受け取る指南役の甘い誘いに乗ってしまった不正受給者もいるようですが、絶対に不正は行わないようにしてください。

もし不正受給してしまうと…?

持続化給付金はそもそも1度のみ申請可能とする制度ですが、会社経営者が持続化給付金を受け取った後、再度フリーランスとして二重申請するといった事例もあるとされています。

しかし新型コロナの影響により打撃を受け資金難に陥っている事業者を救済するための制度ですので、国もこのまま黙ってみているわけにはいきません。

実際、経済産業省は中小企業庁内に複数の専従者を配置して不正受給を本格的に調査しているとしていますし、審査を強化しすでに支給が終わっている申請も不正の有無を洗い出しているようです。

特に今年初めて確定申告した申請を重点に置いて調査すると考えられるため、不正しやすくても発覚しやすいと認識しておくべきでしょう。

不正が発覚すれば受け取ったお金を返還するだけでなく、受給の翌日から起算し年3%の金利がプラスされた金額の20%上乗せ分を請求されます。

悪質なケースは社名や氏名が公表され、刑事告訴詐欺罪として懲役刑に罰せられる可能性も出てきます。社会的信用の失墜は避けることができず、その後の事業や人生に影を落とすことになりますので不正受給は行わないようにしてください。

 

証拠書類などに関して設けられた特例制度

直前の事業年度の確定申告の申告期限前という場合や申告期限延長などの理由で、対象月の直前の事業年度の確定申告書類の控えが準備できない場合でも、次の書類を代替の証拠書類として提出できれば持続化給付金の申請も可能とされました。

証拠書類としては、

  • 2事業年度前の確定申告書類の控え、または税理士の署名押印済の前事業年度の事業収入証明書類(2事業年度前の確定申告書類の控えを提出した場合は、給付金の算定も2事業年度前と比較して行うものとする)
  • 対象月の月間事業収入が確認できるもの
  • 通帳の写し

が必要です。

この場合の給付額は、

給付額(上限200万円)=対象月の属する事業年度の2つ前の事業年度の年間事業収入×対象月の月間事業収入

で計算します。

 

2020年に設立した中小企業でも申請対象となる特例

2020年に会社を設立した中小企業でも、2020年4月以降に新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで設立した日の属する月から3か月平均の事業収入に比べ、50%以上事業収入が減少した月が存在するのなら申請可能です。

この場合の持続化給付金は、

給付額(上限200万円)=2020年1月から3月の間の事業収入の合計÷法人設立月から2020年3月までの月数×6-2020新規創業対象月の月間事業収入×6

で計算した金額が支給されます。

 

持続化給付金は中小企業にいつ支払われる?

持続化給付金を申請した場合、内容に不備等がなければ2週間程度で口座に振込入金されます。

確認した結果、申請内容が給付要件を満たさないという場合には給付されません。

確認が終了後に通知が発送されますので、その内容が給付通知か不給付通知か確認するとよいでしょう。なお、通知が到着するよりも前に振込されることもあるようです。

申請に不備があるときはもちろんのこと、不備がなくても一部の特例で申請したときには給付まで時間がかかることもあるようなので、早めの申請が望ましいといえます。

 

持続化給付金を申請できるのはいつまで?

持続化給付金は令和2年5月1日から令和3年1月15日までの受付となっており、オンラインによる電子申請の送信完了締め切りも令和3年1月15日の24時までとなっています。

手続きや申請方法などで不明な点ながあるとき、

問い合わせ電話予約窓口は0120-279-292または03-6832-6631

相談受付時間帯は8:30~19:00(土曜日・祝日を除く)

となっています。

もし受給できる可能性があるのなら、手続きなど窓口に相談してみるとよいでしょう。

また、中小企業などに向けた家賃支援給付金などもありますが、こちらの相談窓口とは別になっていますので間違わないようにしてください。

 

まとめ

持続化給付金は新型コロナで業績が悪化してしまった中小企業や個人事業主への救済措置ともいえる制度ですが、想定していなかった売上減少で資金難に陥っている企業にとっては非常にありがたい給付ともいえます。

しかし本来であれば給付金の対象ではない不正受給なども相次いで発覚していますので、提出された証拠書類などに不審な点がみられれば調査を行うこともあるようです。

仮に調査結果で不正受給と判断されれば、延滞金が加えられた金額を返還しなければならなくなり、企業名の公表や刑事告発の対象にもなってしまいます。

騙す意図がなくても結果として不正とみなされればペナルティを課せられることも考えられますし、支給された場合でも受け取った給付金は課税対象となるお金ですのでその点も注意が必要です。

資金繰りに苦しむ中小企業を助ける手立てとなるのかは受け取った給付金の使い方次第ともいえますので、うまく活用していくことをおすすめします。