下請けが抱える元請けからの売掛金回収問題を解決する方法とは?

下請けとして建設業を営むなら、元請けからの売掛金の存在が重要となります。立て替えた資材代金や工事代金などが元請けから入金されないと、その間に発生する様々な支払いに行き詰ることとなるため速やかな対応が必要です。

ただ、建設業界は元請けの下に下請け、さらに孫請けといったピラミッド型の請負い構造が構築されているため、元請けに強い姿勢で支払いを請求できないケースもみられます。

ではどのようにして、元請けから早期に売掛金を回収するようにすればよいのでしょう。

 

違法に売掛金を先延ばしにする元請けも存在する

元請けの建設業者に下請けが資材代金や工事代金の請求を行っても、違法に支払いを先延ばしにするケースもあるようです。

しかし、元請けからの売掛金が回収できなければ、下請けは様々な代金の支払いができなくなり倒産してしまう可能性も出てきます。

そこで、売掛金を請求しても無視されたり、期日を守ってもらえず支払いを延ばされたりする場合には、建設業界に強い弁護士債権回収を依頼するといったことも検討が必要となるでしょう。

 

依頼するなら建設業界に精通した弁護士へ

弁護士なら誰でもよいわけではなく、建設業は特殊な商習慣や法規制などが存在するため、建設業界に精通した弁護士に依頼したほうがスムーズです。

 

違法な業者なら行政への通報も視野に

そもそも元請けは建設業法を遵守しなければならず、工事を依頼する際には書面で契約を交わすことも規定されています。もし請負いの際に契約書が交わされていないなら違法な取引となりますし、契約内容を元請けが勝手に追加や変更することもできません。

すでに完成している工事の引き渡しが行われているのに、代金を下請けに支払われないことは建設業違反の可能性が高いため、行政に通報することも視野に入れた対応が必要となるでしょう。

 

最終的には訴訟が必要に

最終的には訴訟により、強制執行などの手続きが必要となる可能性があります。弁護士に依頼することで、売掛金を確実に回収できることが期待できますが、多額の弁護士報酬が必要になり、回収まで数か月単位の期間が必要になるかもしれません。

すぐに売掛金を回収しなければ支払いができず倒産してしまうという状況の中で、弁護士費用の負担や回収までの期間が追い打ちをかけることとなり、事業を継続できなくなる可能性も出てくるでしょう。

 

元請けとの関係が悪化する可能性も

訴訟を起こすことで元請けとの関係も悪化することが予想されますので、一社に依存した取引を行っている場合はいずれにしても仕事がなくなる可能性も出てきます。

ある程度資金面に余裕がある場合や、他にも頼れる元請けがあるという場合で、断固として入金を渋る元請けと戦う意思があるのなら、弁護士に依頼するという方法を選択しましょう。

 

訴訟は避けたい!その場合はファクタリングが有効

では立場的に元請けに売掛金の請求が難しいという場合にはどうすればよいでしょう。

この場合、売掛金をファクタリング会社に売却して現金化させるファクタリングという方法が考えられます。

 

手数料はかかっても弁護士報酬よりは格段に安い

ファクタリングの場合、ファクタリング会社に支払う手数料はかかりますが、弁護士に対する報酬よりは格段に安く、即日現金化できるケースもあるので急いで資金が必要という場合にも対応可能です。

 

財務状況に不安がある企業でも利用可能

融資ではないことで、担保や保証人も必要とせず、仮に赤字決算や税金滞納など財務状況に不安がある場合でも利用できます。

というのも、ファクタリングの申し込みを行った場合にも、借り入れ同様に審査が行われますが、重視されるのは売掛先の信用力です。

期日にしっかり売掛先から売掛金を回収できるかが重要になるので、利用する建設業者の財務状況はそれほど重視されません。

 

もしファクタリングで元請けから売掛金を回収するなら

元請けと争うことなく、穏便に売掛金を回収したいなら、ファクタリングという方法も選択肢の1つとして検討してみましょう。

ただし、保有する売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらえるかは別の話です。審査により、信用力が低い売掛先だと判断されれば、売掛金は買い取ってもらえない可能性もありますし、買い取ってもらえるとしても手数料が高めに設定される場合もありますので、その点は理解しておくことが必要です。

また、ファクタリング会社もたくさんありますので、複数社から相見積もりを取得し、どこに依頼するのか決めるようにしてください。

黒字倒産を防ぐにはキャッシュフローを改善させる経営が重要!

決算書上は利益が出ているのに倒産してしまう企業もありますが、その一方で赤字決算なのに倒産せずに事業を続けることができている企業も存在します。

キャッシュフローを改善させなければならないと悩んでいた企業なのに、なぜ倒産しないのだろうと疑問を感じる場合もあるでしょう。

これは、会計上の収益と費用が現金の入出金と一致していないことを理由としていますが、キャッシュフローが改善できていないとこのような減少が起きてしまいます。

企業が生き残り健全な経営を続けるためには、キャッシュフローを改善させプラスを維持することが欠かせません。

そこで、黒字倒産が起きる理由やキャッシュフローを改善させるために重要なことをご説明します。

 

黒字なのに倒産する企業がある理由

損益計算書上は黒字だから何も問題ないと安心している企業もあるようですが、会計上の売上(収益)は商品やサービスを販売・提供した時点での計上です。

この代金が回収されているかは別問題で、入金されるまで2か月ほどの期間があいてしまうことが一般的であることを認識しておきましょう。

その一方、材料や製品などを仕入れるための代金、従業員に対する給料などは売上による代金を回収する前に支払うことになります。

このような売掛金などの関係により、会社の売上高と手元の現金が一致しないことが、黒字でも倒産してしまう要因です。

損益計算書の利益にばかり目を奪われるのではなく、その差により手元のお金が不足するリスクを認識し、キャッシュフローを改善させる努力をしていきましょう。

 

改善できなければ倒産?

企業が倒産してしまう状態とは、支払わなければならない債務を自己資金でまかなうことができず、さらに支払いに充てる資金も調達できず経営が行き詰まった状態を示します。

その後、銀行取引停止処分を受ける、または裁判所に破産手続きを申請するといったことで、事実上の倒産に至ります。

売掛金や手形など、売掛債権が回収できず仕入れ代金や経費などの支払いに充てるお金がなくなれば、資金ショートしてしまい倒産してしまうということです。

特に手形は現金として入金されるまでの期間が長いので、多く保有してしまうと資金繰りは悪化しやすくなります。そのため最近では手形による企業間取引は少なくなり、同じ売掛債権でも掛け取引が主流となりました。

ただそれにより、売掛金が多く発生するようになっており、手形ほどではありませんが回収までの期間に資金繰りが悪化しやすい環境を作っています。

大切なのは手元のお金を枯渇させないために増やすことと、キャッシュフローを改善させることですので、未回収の売掛金や手形を保有しすぎないようにしましょう。

 

キャッシュフローで把握できることとは

企業が注視しておきたいキャッシュフローとは、売掛金の入金や経費などの支出といったお金の流れのことで、キャッシュフローがマイナスにならないように改善させることが重要です。

売上が増えればいずれは入金が増えますし、コスト削減によって支出を抑えることもできます。売上増加や費用削減により利益は増加するので、一般的にはキャッシュフローも改善するでしょう。

ただ売上が増えればその分、生産しなければならない商品の数も増加するので、仕入れ量も大きくなってきます。

せっかく売上が伸び順調に事業が進んでいる中で、仕入れ代金や経費の支払いができなくなれば黒字のまま倒産してしまうのです。

反対に売上が低迷しているのに在庫ばかりが増えてしまっても、保管・管理や人件費にコストがかかりキャッシュフローを悪化させます。

借入金が増えすぎても利息負担は増えますし、取引先からの代金の支払いに手形が多く用いられていると、現金を手にするまで時間がかかりやはり資金繰りに影響すると認識しておくべきです。

 

損益計算書上の利益の違い

把握しておきたいのはキャッシュフローと利益との違いです。収益は入金、費用は支出と深い関係がありますが、それぞれ計上するタイミングの違いを理解しておくべきです。

売上は商品を出荷したタイミングで計上するので、この時点で利益は増えます。ただ、売上に対する代金が回収されるのは支払サイトを経過した数か月後です。

それぞれのタイミングの間に発生する支払いに不足が生じことになるので、キャッシュフローを悪化させない、むしろ改善させるために管理を行うことが重要といえるでしょう。

 

赤字でもキャッシュフロー次第では倒産しない

黒字なのに倒産してしまう企業がある一方、赤字なのにずっと倒産せず事業を継続できている企業もあります。

いくら損益計算書上は赤字でも、手元に支払いに充てるだけの資金があれば企業は倒産することはありません。

そのため倒産してしまわないためには、現金資産や流動性の高い資産を多く保有すること、融資を受ける際に担保として差し入れるだけの価値の高い資産を持っておくことなどが必要です。

ただ、事業を営む目的は利益を出すことなので、ずっと赤字状態のままではいずれ倒産してしまうかもしれないと留意しておくべきでしょう。

 

改善させるために必要なこととは?

毎月家計の収支を家計簿などで管理することで、無駄な出費によるお金の流出をなくし、貯蓄を増やすことが可能になるなどお金の流れを改善させることができます。同様に事業を営む上でも、流出するお金と流入するお金の流れ=キャッシュフローを改善させ、現金が不足しない財務管理を行うことが必要です。

そして経営においてキャッシュフローを改善させるためには、仕入れ代金の支払いはできるだけ先延ばしにして、売上代金はなるべく早く回収することが重要となります。

支払いを少し待ってほしいと取引先に交渉し、快く応じてもらえれば何も問題ないでしょう。しかし実際には取引先の都合もあるでしょうし、無理にお願いしてしまうとよほど経営や財務状況が悪化しているのだろうと勘繰られてしまう可能性もあります。

もし未回収の売掛金を多く保有していて、代金が入金されるまでの間の支払いに充てる資金不足に悩んでいるのなら、その売掛金を早期に現金化できるファクタリングを検討してみてはいかがでしょう。

まとめ

銀行から借入したくても、たとえばリスケ中の場合やカードローンを利用しすぎており、審査で通らないという場合もあるでしょう。しかしファクタリングなら、このような場合でも利用可能となると考えられます。

ファクタリングという方法であれば、手元の売掛金を減らすこととなり、現金が増えるためキャッシュフローは改善しやすくなります。

ビジネスや営業で、いくら売上を増やすことができ、儲けがでていたとしてもその代金が手元に届かなければ意味がありません。

キャッシュフロー改善で大切なのは売掛債権を未回収のまま保有しすぎないこと、手元のお金を増やすことと認識しておいてください