建設業界の大手から中小への下請構造が資金繰り悪化の原因に!改善方法とは?

2021/01/15
Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter

建設業では、工事全体を総合して管理・監督する大手企業などの元請の下に、施工・管理・労務提供を担う下請企業で形成されています。

下請企業も1次・2次だけにとどまらず、さらにその下に3次・4次…と続く重層下請構造となっており、下位層に位置するほど大手元請と違って資金繰りを悪化させやすいのが建設業界の特徴といえるでしょう。

従来から建設業は日本社会と経済を支えている重要な存在であり、最近では東京オリンピック需要などで大手のみならず好業績も記録されていましたが、新型コロナウイルスの影響でその状況も一変しています。

そこで、建設業で下請として働く企業は大手元請と違いなぜ資金繰りが悪化しやすいのか、改善させる策などをご説明します。

 

なぜ建設業界は大手から中小という下請構造が基本に?

もともと建設業界では、スーパーゼネコンと呼ばれる大手企業でも自らが技能者を雇用し、直用という形で仕事を行っていました。

しかし時代に流れによって、職人を自らが雇うのではなく、下請に外注することが増えたといえます。

大手元請から1次下請に外注され、さらに1次下請から2次下請に…と外注化が進んだことにより、現在では1次下請の企業に技術者はいても技能者は雇っていないケースも少なくありません。

この背景には建設業で求められる技術が専門分化したことが挙げられます。

必要とする技術に特化した会社が増えていったことに加え、事業量の変化の安全弁を確保するため下請に業務を発注するようになりました。

過去に起きたバブル崩壊やリーマンショックなどは建設業界にも大きな影響を及ぼしましたが、これらのよる景気悪化で事業量が減少していったことも重層化を進行させたといえます。

 

大手が建設業界特有の事業の不安定さを補うため

建設工事は現場ごとに仕事を行う一品発注の形となっているため、施主から依頼がなければ仕事もありません。

さらに依頼された建築物などが完成すればその仕事は終了となるため、継続的取引ではないことも特徴です。

仕事を請け負う受注者側が仕事量を調整することは難しいため、大手では正社員として雇用する人材を最低限に抑え、建設業界特有といえる事業の不安定さを外注に発注することで補っているといえます。

 

中小の建設業者でも事業継続にコストはかかる

大手元請から1次下請に、1次下請から2次・3次へと次々に業務が外注されることで、1つの建設工事の現場には多くの建設会社が関係することになります。

重層下請構造の下位層に行けば行くほど規模の小さな会社が多くなり、現場で関係する社数も増えていきます。

大手でも小規模でも事業を続ける上では販管費や営業費が発生していくこととなり、特に2次や3次などの下請業者は仕事を見つけるために受注活動を続けていくための資金が必要です。

 

大手元請と下請は資金力が大きく異なる

建設業で元請の立場となる大手企業と、下請として働く中小企業の場合、まず資金力が大きく異なります。

たとえば民間工事の場合にはテン・テン・パー(手付金10%・中間金10%・竣工後80%)という支払い条件が提案されることもあり、規模の大きな商業施設や大手工場の建設などでは手付金や中間金も支払われず、最終的にすべて報酬を受け取るのも竣工引き渡しから半年後になるなど支払い条件が良好とはいえない契約も存在します。

このような支払い条件でも仕事を受注しようと思えば、十分な資金力が必要であり、大手企業でなければ耐えることはできません。

元請になるには資金力が十分であることが前提となるため、いくら高い技術力を持っていてもかなわないということになります。

これは元請から下請に業務が外注されることも同じで、資金力が十分でないほど2次・3次…と下位層に位置することになってしまいます。

 

建設業の資金繰りは下位層に位置するほど厳しいものに

民間工事などの場合には、施主から仕事を引き受けた元請に対し報酬が支払われるまで時間がかかりがちです。それにより、元請から1次下請に対する報酬も遅くなり、さらに1次から2次へと下位層に位置する建設業者への支払いも遅れていくことになります。

請け負った工事が完成してもすぐに報酬が支払われるわけではないため、特に中小企業などは入金があるまでの期間に耐え続けることができる資金を確保しておくことが必要です。

 

中小の建設業者が頼っている資金調達先とは?

中小の建設事業者に関わらず、資金調達先として真っ先に思い浮かぶのは銀行だといえます。

ただ銀行にも都市銀行・地方銀行・信用金庫や信用組合などいろいろ種類がありますが、最近では資本金5千万円を超える企業などの資金調達先が少しずつ変化しているようです。

もともと小規模の建設業者などは都市銀行を資金調達先として頼ることは少ないですが、中規模の建設業者から都市銀行から資金を調達するケースも増え、信用金庫や信用組合から資金調達する割合を落として地方銀行に依存する企業も増えています。

資本金が10億円以上の大手と呼ばれる規模の大きな建設業者の約半数は都市銀行を資金調達先としていますが、中小の建設業者の多くは地方銀行・信用金庫・信用組合などを資金調達先として頼りにしている状況です。

しかし昨今ではデジタル化推進金融の多角化により、これまでの銀行をメインとした金融システムも変化しています。

この変化の影響を真っ先に受けるのは地方銀行のため、地方銀行再編の波により数が減少していることに注意が必要です。

実際、地方銀行は2000年から2019年の間に19行減少しており、銀行そのものの資金繰りが厳しくなったことで合併やホールディングスを形成しています。

地方銀行再編の波が今後加速していけば、中小の建設業者が頼りにする相手がいなくなってしまう可能性も出てきます。

この銀行再編の波は地方銀行だけでなく、信用金庫や信用組合にも及んでおりその数も実際に減少しています。

中小の建設業者は銀行ばかりを資金調達先として頼りにするだけでなく、多様化させていくことを検討していかなければならないといえます。

 

中小の建設業者に求められる資金調達先の多様化

今後、地方銀行などの数がますます減少する可能性も考えれば、資金調達先を多様化させておくことは必要不可欠です。

仮に取引先の銀行の資金繰りが厳しく、合併などの問題を抱えていたとしたら、これまではスムーズに審査が通っていたとしても突然融資が下りなくなることも考えられます。

借入ができなくなるわけではなかったとしても、融資額の減少や審査において追加書類を求められ想定していたより時間がかかるといった案件も出てきてしまう可能性はあります。

このような場合に備えて、銀行から融資を受ける以外の資金調達方法に目を向けておけば、いざというときのリスクヘッジにつながります。

 

まとめ

建設業の資金繰りは重層下請構造の下位層に位置するほど厳しくなります。大手と違って中小の建設業者は、銀行以外の資金調達先にも目を向けておくことが今後は必要不可欠となるでしょう。

資金調達する方法は、銀行からの借入以外にも、たとえばビジネスローンなども挙げられます。ただ、ビジネスローンはお金を借りやすい反面、金利が高く設定されてしまい完済しにくいことが特徴です。

また、利用してしまうと銀行融資の審査にも影響するため、銀行から融資を受けにくくなってしまうのもデメリットです。

このようなときには、保有する売掛金を現金化させるファクタリングを検討してみるとよいでしょう。

ファクタリングは売掛金を売却し、期日よりも先にその代金を受け取る方法であり、早ければ即日手元のお金を増やすことができます。

貸借対照表にも影響しないため、銀行融資の審査においてデメリットになることもありません。緊急で資金調達しなければならないときにも有効な手法です。

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter