資金繰り改善には入金と出金のタイミング確認以外に予測が重要

2019/02/27
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材料や製品などを仕入れたときには、その支払いを期日通りに行う必要がありますが、中小企業の多くは、多かれ少なかれ、資金繰りに頭を悩ませているようです。

売上に対する代金が約束通りに売掛先から支払われなければなりませんし、入金される予定まで間がある場合には、その期間中の運転資金がどのくらい必要か予測して準備することも必要です。

資金計画が予定通りに進んでいるか確認するためにも、資金繰り表を作成して管理することを徹底していきましょう。

 

資金繰り表で予測できること

資金繰り表は月ごと、または日ごとに管理していくこととなります。

単に入出金を把握するのではなく、どのタイミングで資金が不足する可能性があるのか事前に予測することが必要です。

もし資金繰りが悪化していると感じるなら、問題点をみつけて解決するための資金調達方法を検討することも求められます。

 

将来的な資金繰りを予測するために

資金繰りが悪化している原因を追及するのなら、決算書のうちの1つであるキャッシュフロー計算書をベースとした資金繰り表を作成するとわかりやすいでしょう。

キャッシュフロー計算書は、一定の会計期間におけるキャッシュの増減について、営業活動、投資活動、財務活動という3つの区分によりあらわします。

資金繰り表でも同じように、営業、投資、財務という3つの収支に分けて集計していきましょう。

営業収支は本来の事業活動によって得た儲けともいえる本業による収支、投資収支は固定資産の購入や売却を含む投資活動に関しての収支、財務収支は借り入れによる資金調達や返済に関しての収支を示します。

 

資金繰り表で確認するポイント

資金繰り表を作成したら、次の項目を確認していきましょう。

 

営業収支はプラスを示しているか

本業で得た資金の収支をあらわす部分ですので、最も重要な項目と理解しましょう。

税金や社員に対する賞与などを支払う月はマイナスをあらわすことがあるかもしれませんが、3か月から1年などの一定期間でみたときにはプラスをあらわすことが求められます。

営業収支がプラスにならない場合、設備投資を行うことや銀行融資などを検討することは難しいといえます。

プラスになると予測していても、売掛金の入金が予定通りに入金されなかったり、予定外の出費などでマイナスになってしまうこともあるため、マイナスを吸収できるだけの現預金残高が求められると理解しておいてください。

 

営業収支を上回る借入金返済が発生していないか

現預金残高には問題がなくても、営業収支を上回る借入金の返済額が存在することで毎月の収支はマイナスとなります。

この状態が続けば現預金残高は不足する可能性が高くなりますので、借入金返済額を上回る営業収支を確保できる資金繰りが求められます。

しかし資金繰り改善のために金融機関から借り換えなどを検討したくても、思うように借り入れができない場合も考えられます。

その場合、銀行に返済条件を変更してもらうリスケジュールなども検討しながら、返済額を営業収支内でおさめることができる方法を考えましょう。

 

資金繰りが悪化している場合の改善方法

 

資金繰り表で資金管理を行う上で、資金不足が予測される場合にはなぜそのような状況に陥っているのかまずはその原因を探しましょう。

もし売掛金の回収や支払条件に問題があると考えられるのなら、取引先ごとの条件を再度確認していきます。

一度、決定して長期間継続されている取引先との条件を再度見直すことは簡単ではないと思うかもしれません。しかし、明らかに不利な条件で取引しているのなら、条件を変更してもらえないか交渉することも必要です。

ただし、交渉を行うことで自社の信用が脅かされることが予測されるなら、ファクタリングなどで支払いサイトを短期化させることなども方法の1つとして検討してみましょう。

 

取引先の信用管理も重要

中小企業の多くは長年、地元企業と親身に付き合っていることなどもあり、新しい販売先を開拓することや売上増加の実現などで頭を抱えているケースも少なくありません。

しかし、いくら長い付き合いがあるからといって、信用面に不安のある取引先と付き合いを続けることは、不安な売掛債権を増加させるだけでなく不良債権化するリスクと常に背中合わせの状況を抱えることとなります。

取引先が倒産すれば、それに連鎖して自社の経営も脅かされる状況となる可能性がありますので、取引先の信用管理を定期的に行うことが必要です。

営業担当者に取引先の情報を入手するように促すだけでなく、売掛先の信用力が審査の対象となるファクタリングを利用することでも確認することができます。

 

在庫管理の厳格化

 

資金繰りを改善させるなら、在庫を抱え過ぎないようにしてください。卸売業や製造小売業などの場合、在庫をどのように調整するかによって資金繰りが大きく変わります。

需要が多様化することにより、多くの在庫を抱えることもあるかもしれません。しかし仕入れてから売れるまでどのくらいの時間がかかるのか、しっかり現状を把握して維持するためのコストを予測しなければなりません。

在庫管理を徹底すれば、売れ筋商品に的を絞りこむことができるようになるでしょうし、実際にどのくらいの時間があれば売れるのか予測が付きやすくなるため、過剰在庫を抱えることを防ぐことにも繋がります。

仕入れの量やタイミングが適正化されれば、資金繰りも改善されるでしょう。

 

●適正な在庫状況か確認する方法

たとえば3期程度の決算書や試算表を用いて次の回転期間を算出してみましょう。それにより、回収・支払条件が悪化していないか、適正な在庫が継続できているか確認することができます。

 

【売上債権回転期間=売掛債権÷平均月商】

売掛金などの売掛債権の回収までにどのくらいの期間がかかっているのか確認するための指標です。

長期化している場合には、回収が遅れていたり、場合によっては回収できない状態になっている可能性もあります。

 

【仕入債務回転期間=仕入債務(買掛金など)÷平均月商】

仕入債務が月商の何か月分なのか、どれくらいの期間で決済しているかを確認します。短期であるほど資金繰りは悪化しやすくなるといえるでしょう。

 

【棚卸資産回転期間=棚卸資産÷平均月商】

棚卸資産が月商の何か月分保有されているかを示します。売掛債権の回転期間と同じく、長期化すると資金繰りが悪化しやすくなると理解しておきましょう。

 

固定費の見直し

いくら売上を向上させ、早期に売掛金を回収できるように努めても、経費などが多く発生していれば資金繰りは悪化します。

特に家賃などの固定費は見直しを行い、削減が徹底できていない部分は改善させていきましょう。

相場は下がっているのに、高いままで設定された賃料を支払っている場合などもありますし、接待交際費や広告宣伝費など、本当に売上増加に貢献できているのか予測と検討が必要です。

もし人件費を削減する場合には、社員のモチベーションを低下させないためにもまずは身を切る覚悟で役員報酬から削減することが求められます。

 

設備投資のタイミングに注意

事業を営んでいれば、機械や設備などに対する投資が必要なタイミングは必ず出てきますが、多額の資金を必要とするために銀行融資に頼ることが一般的です。

しかし、多額の資金を銀行融資で準備し、設備投資を行ったのにそれに見合う売上や利益が獲得できなければ資金繰りを大きく悪化させることとなります。

もし設備投資を検討するときには、投資によってどのくらいの売上や利益を獲得できるのか予測し、営業収支なども加味しながら慎重に検討することが必要です。

 

まとめ

事業を継続する上で資金繰りを悪化させないことは重要なことですが、そのためには資金繰り表を作成して収支管理を徹底させることが求められます。

資金繰り表での収支管理は、単に入金や出金を確認するだけでなく、どうすれば資金繰りが改善されるのか、運転資金を必要とするタイミングや金額を予測していくことが大切です。

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