法人向け融資と繰り上げ返済の関係性|すべきor避けるべき?

2018/07/19
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法人向けの融資受けようと計画している経営者は多いのではありませんか。しかし借りることだけを考えても始まりません。返済もセットで考えていかなければなりません。返済できる金額のみを借り入れる、ということが大事になってくるわけです。

そこで今回注目したのが法人向け融資における繰り上げ返済です。繰り上げ返済は自社に余裕がある時に行える返済方法となっているのです。メリットも有るのですが、問題点も指摘されています。

こちらでは法人向け融資における繰り上げ返済を徹底解説します。

そもそも繰り上げ返済とは

・毎月の返済金以上に返済を実施すること

毎月の返済額は決まっていると思います。
50万円であれば、その50万円の中に元本返済分と利息の支払い分が含まれています。繰り上げ返済はその毎月の50万円を超える返済を行うことを指しているのです。厳密には毎月の返済額よりも1円でも多く返済すれば繰り上げ返済と呼ばれます。

繰り上げ返済は何も法人向け融資だけで行われているわけではありません。個人向け融資や担保系の融資でも繰り上げ返済は実施されているのです。

繰り上げ返済のメリットとは?

・返済総額が少なくなる

繰り上げ返済には、前述したように借金の元金を少なくする効果があります。
そもそも利息については、借金の元金にかかってくるのです。要は少しでも早く元金が減れば、それだけ支払う利息金は少なくなります。

特に法人向け融資に関しては数百万円や数千万円、銀行融資などとなると億単位の融資になることも珍しくありません。金利の支払額もかなりの高額になる可能性が高いわけです。

仮に繰り上げ返済を利用して少しでも早く返済が終われば、支払総額は少なくなります。会社の負担が少なくなるわけです。

・繰り上げ返済をするもしないも自由である

繰り上げ返済は利用者に認められている権利です。
余裕があるのであれば繰り上げ返済をしても構いません。一方で余裕がなければ繰り上げ返済を利用する必要はないのです。

繰り上げ返済を行うか行わないかの選択権は自社にあります。無理をする必要はまったくありません。

繰り上げ返済の問題点とは?

・銀行の態度を硬化させる可能性あり

繰り上げ返済は利用者に認められた権利と述べました。しかし貸し出す側としては、繰り上げ返済を利用してほしくない事情があります。そもそも金融機関は貸し出すことによってどの程度の利益が獲得できるのかを前もって見積もっています。繰り上げ返済をされてしまえば、その見積もりどおりにはいかなくなってしまうのです。

本来であれば10年や15年で返済してもらえれば、10年から15年は一定の利息を得られることになります。しかし繰り上げ返済をされてしまい、5年や6年で完済されてしまえば利益は当然少なくなってしまいます。

金融機関としては予定していた収益が得られなくなってしまい困ってしまうのです。

予定と狂ってしまうので、他の顧客でカバーしなければなりません。融資担当者の業務が多くなり、嫌な気持ちを持たれてしまう可能性もあります。

要は繰り上げ返済をしてしまえば、融資担当者との関係にヒビが入ってしまうことも考えられるのです。

特に絶対に行ってはならないのが、融資担当者に断りなく繰り上げ返済を実施してしまうことです。融資担当者としては青天の霹靂状態になってしまい、上司から注意を受けてしまいます。「顧客管理ができていない」と見られてしまうからです。

どうしても繰り上げ返済をするのであれば、前もって融資担当者に話を通しておきましょう。そして融資担当者から、まずは支店長や上司などに話がいっている状態にしておくのです。そうすると金融機関側としても、スムーズに対応できるようになります。

【繰り上げ返済をするために定期預金を解約するのは危険!】
繰り上げ返済をするためには一定の資金が必要になります。そこで預金を解約して繰り上げ返済に当てる、ということを行ってしまう企業もあるのです。「問題ないのでは?」と思う方もいるかも知れませんが、これが大問題です。

銀行側としては、貸し出しによる収益も大事ですが預金による元手の確保も重要です。双方ともに目標額というものがあります。よって仮に繰り上げ返済と同時に預金を解約してしまえば、金融機関としては双方の目標額に問題が発生することになるのです。

定期預金は一定期間銀行に預けられているはずの資金です。銀行としてもその資金を運用して収益を上げているはずです。しかし解約されてしまえば、運用資金が目減りしてしまう恐れもあります。

銀行にとって「定期預金の解約」+「繰り上げ返済」は最悪の行為です。繰り上げ返済をする時には定期預金には手を付けないでください。

仮に銀行側に大きなダメージを与えるようなことがあると、今後の借り入れは難しくなります。銀行側が優良な顧客ではないと判断して、貸出条件を厳しくしてくる可能性が高いのです。

・会社の資金がなくなってしまう可能性がある

企業の中には、無理をしてても借入金を減らしたい、と考えているところもあります。たしかに債務が増えていると、少しでも減らして健全な状況にしたい、ということはあるでしょう。しかし資産には限度もあります。繰り上げ返済をしたいがために、現金の多くを投入してしまえば、資金がショートする恐れもあるのです。

企業がまっとうな経営をしていくためには、一定額の現金を会社内に確保しておいかなければなりません。急な支払いが発生することも考えられるからです。資金がショートしてしまえば、銀行に対して不渡りを出してしまうかもしれません。一定期間内(6ヶ月以内)に不渡りを2回出してしまえば取引停止です。事実上の倒産となってしまうので注意しなければなりません。

繰り上げ返済をする場合には、今後のキャッシュフローを予測しておきましょう。現金があまりにも減りすぎるようであれば、繰り上げ返済を見送る、ということも大事な経営判断の一つです。

・繰り上げ返済には手数料が発生することも

契約内容にもよりますが、繰り上げ返済を利用する時には手数料が発生することもあります。要は少額の繰り上げ返済だと、かえって損してしまうことも考えられるのです。

繰り上げ返済手数量は数万円程度に設定されていることが多くなっています。

繰り上げ返済したことによりどれだけの利息の支払額を下げられるのかを確認してください。繰り下げ返済手数料を下回っているのであれば意味がありません。

借り換えは問題ないのか?

・大問題である

借り換えほど金融機関側にダメージを与えるものはありません。
確かに金利が低い融資先を見つけたら借り換えを利用したくなる気持ちはわかります。しかし借り換えは繰り上げ返済どころではありません。基本的には一括返済となります。予定していた収益が一切得られなくなってしまうのです。

借り換えをするのであれば、融資を受けていた金融機関とは縁が切れると思ってください。絶対に今後の借り入れができなくなるわけではありませんが、融資先としての信頼を失ってしまう行為なのです。良い条件での借り入れは難しくなるので、長くその金融機関と付き合っていきたいと考えているのであれば借り換えは避けましょう。

金利の引き下げ交渉も考えよう

何も繰り上げ返済だけが返済を有利にするわけではありません。
要は金利が下がれば金利の支払額も少なくなるのです。そこで繰り上げ返済ではなく金利交渉に切り替える判断もおすすめです。

交渉なので必ずしも対応してもらえるとは限りません。しかし双方が納得のいく結果が得られるケースもあり、繰り上げ返済よりも関係性を悪化させないで済む可能性が高いのです。

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