なぜ売掛金が会社の資金繰りに大きな影響を与えるのか?

2018/07/07
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売掛金は多くの会社が取り扱っている資産の一つです。貸借対照表では流動資産に分類され、キャッシュフローにも大きな影響を与えるものとなっています。

会社の資金繰りに対して売掛金は密接に関連しています。
なぜ売掛金は会社の資金繰りに大きな影響を与えるのでしょうか?

こちらでは資金繰りと売掛金の関係性に注目します。

 

売掛金は売上の中心である


・企業間取引の多くは売掛金で行われている

企業間取引の多くが現金で行われていれば、そもそも売掛金は存在しません。しかし1回の取引事に現金決済をするのは手続きが大変なことになってしまうのです。そのたびに現金のやり取りをすることになるので、会社の業務を増やしてしまうことになります。

一方で売掛金取引であれば、現金のやり取りは月に1回程度となります。手間がかからなくなるので、売掛金決済が中心となるわけです。

ここで注目してほしいのが、「売上=即入金ではない」ということです。売掛金として一時的に決済され、後に現金として入金されてきます。実はこの仕組が会社の資金繰りの大きな影響を与える原因となっているのです。

・売掛金は入金されてはじめて資金として利用できる

売掛金は持っていたとしても何の利用もできません。売上があったのに、キャッシュとして会社に入ってきてはいないので利用ができないわけです。
売掛金は決済日が来て現金化されてはじめて会社の資金として利用できることになります。このことが資金繰りに大きな影響を与える原因となっているのです。

 

売掛金が確実に入金されるわけではない

・貸し倒れるケースもある

売掛金ですが、100%入金されるのであれば特に大きな問題はありません。100万円の売掛金が発生し、期日に100万円がしっかりと入金されれば会社としても資金繰りが急激に悪化することはないのです。

しかし売掛金が期日にしっかりと入金されるかは、その時になってみなければわかりません。
取引先の都合もあるので、資金が足りなくて入金が後回しにされてしまう恐れもあります。10日や20日遅れただけでも、会社の資金計画には大きな問題が発生してしまうわけです。

最悪の場合は取引先が破綻して、売掛金が入金されない、というケースでしょう。そもそも取引先が倒産する、ということはなかなか予測できるものではありません。多額の売掛金があるのに倒産されてしまえば、大きなダメージを負うことになるのです。
ある程度の資産がある会社であれば回収できるかもしれません。しかし資産がないからこそ倒産に至るわけです。回収は期待できません。

売掛金は貸倒れてしまう可能性があるからこそ、会社の資金繰りに影響を与えるわけです。

 

売掛金の入金と買掛金の支払いバランスが資金繰りに大きな影響を与える

・支払いが先にくると資金繰りは悪化する
・入金が先にくると資金繰りは改善する

会社では売上は売掛金として後に受け取ることになります。
一方で仕入先などへの支払いに関しては買掛金として後に支払うのです。

問題となってくるのは売掛金がいつ入金をして、買掛金をいつ支払うのか、という部分です。

当たり前ですが入金よりも出金が先に来てしまえば資金繰りは悪化します。一方で入金が先に来て、後から買掛金を支払うのであれば対応できるはずです。

入金サイトと支払いサイトというものがあるわけですが、基本的な考え方として「入金サイトは短く、出金サイトは長く」といった考え方があります。逆に「入金サイトが長く、出金サイトが短い」という状況は避けなければなりません。資金繰り悪化の原因となってしまいます。

理想的な入金サイトと出金サイトですが、「入金サイトは1ヶ月間、出金サイトは2ヶ月間」というものです。入金が先に来て出金があとになってくるので、仕入れコストの支払いを売上からも対応できることになります。資金繰りの悪化を抑制させることにつながるわけです。

特に資金繰りが悪化しやすいのが、急激な売上の伸びを見せたときです。売上が伸びるということは仕入れにコストが掛かります。その上で出金が先に来てしまえば、資金がショートしてしまう恐れもあります。いわゆる「黒字倒産」といった事態が起こってしまう可能性も出てきてしまうのです。
前述した入金サイトが早ければ、急激な売上の伸びにも対応できます。会社として攻めの経営もできるようになるわけです。

・入金サイトと出金サイトは変更できるのか?

変更することは可能です。
しかし取引先の承諾を得なければなりません。拒否をされてしまえば変更できないのです。

そもそも取引先の資金管理の問題もあります。取引先としても、同じように「入金サイトは短く、出金サイトは長く」と考えています。よほど立場的に上でなければ、交渉に応じてはくれないかもしれません。

ただし資金繰りを改善させる一つの方法となるので、相談くらいは持ちかけても良いでしょう。「入金を早めて欲しい」「支払いを遅らせて欲しい」といったことを提案してみるのです。

【入金サイトを強引に短くする方法もある】
ファクタリングや手形割引を利用します。
双方ともに売掛金と受け取り手形を期日前に現金化する手法となっているのです。最短即日現金化もできるので、余裕がない資金繰りの悪化の場合にも十分に対応できます。

ただし双方ともに手数料が発生するので、満額を手にできません。

 

売掛金は管理が必要である


・多くの取引先を抱えている場合は売掛金を管理しなければならない

取引先の会社が少なければ、売掛金の管理はそれほど複雑ではありません。
会社ごとに売掛金の額と期日も簡単に確認できるでしょう。

問題となってくるのは取引先が10社以上になるようなケースです。多くの取引先を抱えるようになると、売掛金を一つ一つ管理できていないこともあります。実は売掛金が管理できていない、という状況も資金繰りを悪化させる原因となってくるのです。

例えば売掛金を管理していなければ、期日が来ていることに気づかないこともあるでしょう。売掛金の期日が来ていることに気づけなければ回収活動もできません。入金が遅れていることに気づけば、取引先に連絡を入れることも可能です。さらに督促をすることも可能なのです。
注意してほしいのが売掛金の時効です。一定期間(1年間から5年間程度)を過ぎてしまうと時効になってしまい、売掛金を回収できなくなってしまいます。
売掛金の期日を定期的にチェックできるような体制づくりをしておきましょう。おすすめとなってくるのが、取引先ごとに売掛金を管理する、ということです。売掛金の額と期日を取引先ごとに管理していれば、遅れにもすぐに気づけるはずです。

・効率的な売掛金の管理方法とは?

会計ソフトを利用するのが最も簡単です。
ある程度の規模の会社であれば会計ソフトを利用していると思うので、そちらを有効活用してください。

会計ソフトで売掛金を得意先ごとに補助科目を作成していきましょう。そして入金があれば入力していくなどすれば、売掛金の残高が確実に管理できるようになります。
取引先が20社から30社程度までであれば、会計ソフトによる管理が最も効率的でしょう。

仮に50社や100社との取引がある、といった大規模な会社であればエクセルなどを利用して管理する方法もあります。販売管理ソフトやクラウド会計サービスも選択肢の一つには入ってくるでしょう。
中小企業であれば一般の会計ソフトの利用で十分です。

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