黒字でも資金繰りに気をつけなければならない理由と対策法

2018/07/08
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黒字であれば資金繰りは問題ない、と思っている方も多いと思います。しかし必ずしも黒字であれば資金繰りが良いわけではありません。黒字であったとしても資金繰りが悪化する恐れもあるのです。

こちらでは黒字でも資金繰りが悪化するケースを紹介します。
さらに資金繰りを悪化させないための対策方法についてもお伝えします。

業績が良いからといって気を抜かないでください。黒字ということで慢心していると足元を救われることにもなりかねません。

 

黒字でも資金繰りが悪化するケースとは?


・急激な売上増

売上がアップすれば、会社としては利益が出ることになります。キャッシュもたくさん入ってくるので資金繰りが悪化することはない、と思っているのではありませんか?

しかし現金が入ってくるまでには時間がかかってきます。売上があっても直ぐに現金で会社に入ってくるわけではありません。売掛金や受取手形といった売上債権がまず入ってきます。さらに1ヶ月から3ヶ月後になってやっとそれらの売上債権が決済されて入金されてくるのです。

基本的にビジネスに関しては、まずは仕入れます。そして売却するわけです。最初にキャッシュが出ていき、後からキャッシュが入ってくる、といった構造になっています。

いつも一定の売上があれば仕入量も一定になります。毎月1,000万円で仕入れて1,500万円で売却していたら、資金は着実に増えていくことになるでしょう。

しかし急激に売上が伸び、仕入量を増やしたとします。3,000万円で仕入れを行ったとしても、ここから1ヶ月から3ヶ月に関してはいつもと同じ1,500万円が入ってくることになるのです。要は出ていくお金のほうが多くなってしまうので、業績は良かったとしても資金繰りが悪化してしまいます。

特に気をつけるべきは「繁忙期」と「閑散期」がある会社です。売上に大きな波がある会社では、黒字であったとしても出金と入金に大きな波があるので黒字でも資金繰りが悪化しやすいわけです。

前もって会社に資金を留保しておくなどの対策も必要になってくるでしょう。

・売上債権の入金が遅れたりなかったりしたケース

売上があったとしても入金がされなければ資金繰りは改善しません。
売掛金や受取手形は、将来的にお金を払うことを約束したものとなっているわけです。しかし必ずしも入金するわけではありません。取引先の都合によっては、入金が遅れてしまうこともあるでしょう。貸し倒れといった最悪の事態を招くことも考えられるのです。

会社としても一定の貸倒れには覚悟していると思います。しかしメインとしていた取引先が破綻するようなことになれば、一気に資金繰りが悪化する可能性もあるのです。

売上債権の入金の遅れや貸倒れ、というものに関しては注意しなければなりません。貸倒れ率が高い、という会社は何かしらの問題が隠れている可能性もあるのです。取引先の業績の確認に力を入れましょう。

・自社の資金のみで設備投資をしてしまったケース

設備投資には高額な資金が必要になることもあります。
中小企業であったとしても、数千万円から数億円の設備投資になることもあるのです。

自社の資金だけで賄えればそれに越したことはありません。しかし資金繰りの観点からすると、無理をして自社の資金だけで設備投資をするのはかなり危険なのです。

前述したように、設備投資をするとなると高額の費用がかかってしまいます。それだけの資金が会社から一気に無くなることを指しているのです。そのような状況のときに少しでも仕入れ金額が高くなったり貸倒れが発生したりすれば、黒字であったとしても資金がショートするかもしれません。設備投資が原因の資金繰りの悪化が発生してしまうのです。

設備投資については自社以外の資金も利用する、ということも考えておきましょう。

 

資金繰りの悪化を防ぐ方法とは?


・将来の資金繰りを予測すること

資金繰り表を作成してください。
直近の資金繰りだけではなく、数カ月後までの資金繰り表を作成することも忘れてはなりません。

資金繰り表を作成することで、どれだけの資金が入ってきてどれだけの資金が出ていくのかもよくわかります。いつ資金が枯渇するのかもわかるので、資金調達のデッドラインも見えてくるわけです。

さらに資金繰り表を作成することで、会社としてどこに問題を抱えているかがわかります。

単純に営業に問題がある場合もあるでしょう。一方で投資(設備投資や有価証券などの取得)したものに負担がかかっている、ということも見えてくるのです。さらに資金調達をおこなっていた場合には、その返済金が負担になっている、ということも資金繰り表を作成すればわかってくるはずです。

資金繰り表を作成する時には、営業・投資・財務に分けてチェックしてください。会社の問題点が浮き彫りになるはずです。

・本業と関わりのない資産はなるべく持たない

資産を持つということは、その資産を得るために資金を利用している、ということになります。例えば1,500万円の有価証券を取得するためには1,500万円が必要になるのです。それだけの資金が会社からなくなることになるので、資金繰りに大きな影響を与えるわけです。

もちろん有価証券のように流動性の高いものであれば、比較的早い段階で現金化できます。資金繰りが悪化すれば、すぐに現金化して対処すればよいのですが、想定外の時に現金化すれば有価証券売却損が発生してしまいます。業績にマイナスの影響を与える可能性もあるので注意しなければなりません。

会社の経営を少しでもシンプルにするためにも、本業に関わり合いのない資産の獲得は控えるべきです。資金的に余裕がある会社であれば問題ありませんが、それほど余裕が無い場合にはかえって自分の首を絞める事にもなりかねません。

・取引先を格付けしておく

不良債権化しないように対処します。
売掛金や受取手形は信用取引で発生するものです。要は相手を信用しているんで、後払いに応じる、というわけです。

しかし売掛金や受取手形の入金率は100%とはいきません。状況によっては貸倒れが発生するのです。

その対策方法として注目してほしいのが、取引先の格付けです。取引先を格付けしておくことで、不良債権化したとしてもある程度影響を抑えられるのです。

要は格付けごとに取引量を設定するのです。良い格付けの会社に関しては、高額の取引も問題ありません。貸倒れになる可能性が極めて低いからです。
一方で格付けの低い会社に関しては取引量をセーブします。もし貸倒れたとしても、会社としてのダメージは少なくなります。

・入金サイクル・出金サイクルを工夫する

入金サイクルを出金サイクルよりも早めてしまう、といった方法があります。
基本的に仕入れにかかった費用の支払いのほうが先に来て、売上はあとに来ます。しかし入金サイクルと出金サイクルを調整できれば、入金が先に来て出金が後に来る、といった事もできるのです。

ただし入金サイクルの変化や出金サイクルの変化に関しては、取引先と交渉しなければなりません。交渉の結果、受け入れられない、といったケースも有るのです。交渉は取引先との信頼関係も関わってくるので難しいこともあるでしょう。

・在庫管理を行うこと

在庫の量が多すぎてしまうのは問題です。仕入れ費用もかかっています。さらに在庫の管理費用までかかってしまいます。

在庫に関しては量を少しでも減らしましょう。管理する在庫量が減れば、それだけ資金をかけずにすみます。

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