資金繰りの重要性の把握を!資金ショートさせない適切な管理方法を解説

2021/03/12
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たとえ利益を生んでいる企業だとしても、資金繰りの重要性を把握しておかなければ倒産してしまうことがあります。

損益計算書では利益が出ているのに事業を続けることができなくなる黒字倒産に陥らないためには、資金繰りの重要性と適切な管理方法を確認しておきましょう。

 

資金管理を適切に行うことの重要性が高い理由

事業などの元手となる金銭「資金」といいますが、会社経営では営業活動や設備投資、経費の支払いなどに充てる目的で保有しておくべきお金です。

そして「資金繰り」とは、「資金」を調達・運用することですが、保有するお金の流れを把握し、不足が生じないように調整することを指しています。

資金繰りが悪化した状態とは、支払期日に必要なお金が手元になく、支払いに行き詰る「資金ショート」していることをあらわします。

資金ショートで会社は取引先や取引銀行から信用を失うなど、危機的な状態となってしまうでしょう。

いずれ早く支払ってほしいという催促に対応できなくなり、最終的には利益が出ていたとしても手元の資金不足で会社は倒産してしまうため、適切な管理の重要性がとわれるといえます。

 

重要性の高い資金繰りをうまく行うために

企業経営で重要性の高い資金繰りをうまく行うためには、現金や預金が増えるタイミングと減少するタイミングを事前に確認しておき、不足が生じる場合にはいつ資金調達するべきか把握しておくことが必要です。

しかし、実際には資金繰りがうまくいかず、黒字倒産してしまう企業も少なくありません。

 

黒字倒産を防ぐための資金繰り方法

日本の商取引における企業会計は発生主義が原則であり、会社の収益や費用は会計上の事実が発生したときに認識することとなり、現金の出入りとは関係しません。

商品やサービスを販売したり提供したりしたときに「売上」を計上しますが、代金は後払い「掛け売り」が一般的なので、「売掛金」が発生します。

仕入れの際にも同じく、材料など購入したその場で代金を支払わず、後日払いとなるため「仕入」計上と同時に「買掛金」が発生することになります。

現金の出入りはないのに収益や費用は先に認識することになれば、収益から費用を引いた「利益」と手元の「現金」は一致しません

売上は上がり利益は出ていることばかりにとらわれれば、手元の資金が不足しつつあることに気がつかず、資金がショートしてしまうこともあります。

このような状況を防ぐためにも、「資金繰り表」を作成し適切な管理を行っていきましょう。

 

資金繰り表による管理とは

「資金繰り表」とは現金の収支をまとめた表のことですが、実際の現金の出入りや取引内容を記録するだけでなく、将来発生する入出金も記載しておくことで資金調達のタイミングを把握できます。

決算書の1つである「キャッシュフロー計算書」と同じでは?と思う方もいるでしょうが、確かに資金の動きを確認できることは共通しています。

ただ、キャッシュフロー計算書は過去のお金の流れにより、資金が増減した原因を確認するためのものです。それに対し、資金繰り表は将来手元のお金が不足しないようにすることを目的としていることが大きな違いといえます。

 

資金繰りを失敗する理由

なぜ、資金繰りを上手く行うことが出来ない企業が後を絶たないのでしょうか。

それは、「資金」と「利益」の違いをはっきりと認識しないまま、何となく資金繰りを行っていることが理由の一つと考えられます。

「資金」とは、今すぐに仕入れ代金や人件費、経費の支払いなどに使えるお金であり、現金や普通預金などのことです。

売掛金や受取手形などの「売掛債権」は、資金には含まれませんが、利益には含まれます。ただし売掛債権は数か月か待てば入金されるものの、すぐに手元の資金が増えるわけではありません。

また、現金一括で設備を購入し数年間に渡り減価償却している場合には、手元の資金は減らず利益が減ることもあります。

いずれにしても手元のお金と損益計算上の利益は一致しないことを認識しておくことが必要です。

 

資金繰り表で管理することのメリット

このように、決算書の一部である損益計算書の売上や利益にばかりとらわれてしまうと、手元の資金がいつの間にか不足してしまうことになりかねません。

もちろん、売上や利益を向上させることは大切ですが、せっかく事業が順調で業績が伸びていても資金ショートで黒字倒産すれば本末転倒です。

そもそも損益計算書の利益には、まだ入金されていない売掛金などの売掛債権や、現金を減少させない減価償却費なども含まれています。

実際に手元にどのくらいのお金が残るのか、損益計算書だけで把握することはできません。

利益と手元のお金のズレを明確にしながら資金繰り管理を行うには、実際に現金に動きがあったタイミングを記帳する資金繰り表の活用が必要といえます。

そこで、資金繰りの重要性をより知っておくために、資金繰り表を作成することのメリットをお伝えします。

 

経営不安を解消できるメリット

企業経営において持続的に成長していくことを望むのなら、設備投資や人材雇用などを強化していくことが欠かせません。

しかしどちらも投資するお金が必要であり、どのくらいの金額をいつまでに準備するべきか把握しておくことが必要です。

中には投資により手元の現金が不足してしまい、資金繰りが悪化しないものだろうか…と不安になる経営者もいることでしょう。

しかし、設備投資や人材雇用でどのくらいの資金増減に影響があるのか、お金の流れを明確に把握できれば不安は解消されるはずです。

お金の流れを把握するために必要なのが「資金繰り表」であり、作成することで現在だけでなく将来的な資金の流出入まで予想することができます。

 

資金調達において重要性の高い書類として活用

繁忙期になれば、想定していたよりも仕入れ量が増えてしまい、そのためのお金も必要になることはあります。

その際、資金不足が予想されるのなら資金調達することが必要ですが、仕入にかかる費用とその時期を資金繰り表に落とし込んでおきましょう。

銀行融資で資金調達するのであれば、事前に銀行へ資金繰り表の内容を伝えておくと、資金を必要とする時期に追加融資の提案をしてもらえる可能性も高まります。

銀行も実際に資金繰り表を確認しながら利益を生むポジティブな融資か判断できますし、積極的に対応しやすくなるでしょう。

運転資金の波も把握できるため、短期で借入れする当座貸越なども有効活用しやすくなります。

 

まとめ

経営者の中には、資金の流れは頭の中にしっかりたたきこんであるため、わざわざ資金繰り表を作成する必要はないと考えている方もいるかもしれません。

しかし本業に忙しい経営者が、数か月先の資金の流れを正確に把握しておくことは容易とはいえないでしょう。

誰が見ても資金の流れをすぐに把握できる資金繰り表を作成しておくことで、うっかり忘れていたというミスを防ぎ、資金ショートをなくすことができます。

会社経営で重要性が高いことは、売上や利益を向上させることの他、手元の資金を枯渇させないことです。

仮に黒字ではなく赤字で経営を続けていたとしても、手元の資金が底をつかなければ会社は倒産しません。反対に、利益を生み黒字で経営していても、手元のお金がなくなれば黒字倒産してしまいます。

資金繰りを適切に行うためにも、必ず資金繰り表を作成し、今だけでなく将来的な現金の流出入まで予測し記載しておくようにしましょう。

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