資金繰りはどのように改善すればよい?資金調達の前に原因を知ること!

2019/12/09
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「厳しい資金繰りで毎月悩みを抱える状態から解放されたい!」
「資金繰りを改善させるためにどうすればよいかわからない!」

 

など、資金繰りを何とかしたいと考えている経営者は少なくありません。もし資金が不足したときには、借り入れなどで資金調達することを考えるかもしれませんが、中小企業の場合、簡単に銀行から融資を受けることはできないことも多くあります。

 

そこで、銀行融資に頼ることなく、資金不足に陥らないためにはどうすればよいのか解説していきます。

 

資金繰りはなぜ悪化してしまう?

資金繰りを改善させたいと考える場合、なぜ資金が不足してしまうのか把握することが必要です。まずは理由を知ることでそこから改善策を検討することになりますが、主に次のようなことが資金繰り悪化の原因として考えられます。

 

資金繰り悪化の原因①キャッシュインが少ないこと

そもそも入ってくるお金が少ないのなら、資金繰りが悪化することは目に見えています。ではなぜお金が入ってこないのでしょう。売上が少ないのか、少ない場合には販売数や顧客数・リピート率に問題があるのか、販売する上での単価は適切かなど、理由は色々と考えられますので、販売戦略を立て直すことが必要になります。

 

資金繰り悪化の原因②キャッシュインまで時間がかかる

売上は上がっているのにキャッシュインが少ない場合、売掛金を抱え過ぎていないか確認してみましょう。売上を上げるためには、材料などを仕入れ製造することが必要ですが、それらにかかる費用は商品を販売して売上代金が入金される前に支払うことになります。

 

売上が計上され、売掛金が発生し入金されるよりも前に、仕入れや外注費、人件費、その他様々な経費の支払いが先に必要となることを理解し、納品から売上代金回収までのタイムラグが長くなるほど資金繰りは苦しくなると理解しておきましょう。

 

資金繰り悪化の原因③キャッシュアウトが多く発生している

入ってくるお金よりも出ていくお金のほうが多ければ、当然、資金繰りは苦しくなります。仕入れにかかる費用や外注費などが相場よりも高くないか、無駄な経費が発生していないか見直しが必要です。

 

資金繰り悪化の原因④経営者がキャッシュの流れを把握できていない

資金繰りが悪化してしまう原因は主に上記の3つですが、そもそも経営者がこのようなキャッシュの流れを把握できていないことが原因の場合もあります。

 

キャッシュフロー計算書や資金繰り表などを作成し、いつ、どのタイミングでいくら支払いに充てるお金が必要なのか、いつどの取引先の売掛金がいくら入金されるのか、キャッシュの流出入をしっかりと把握しておきましょう。

 

収益を向上させるために必要なこと

いくら出ていくキャッシュを抑えたところで、入ってくるお金が増えなければ資金繰りは改善されません。キャッシュインを増やすためにはまず収益を向上させることが必要となりますので、次に挙げることを実践していくようにしましょう。

 

利益計画を立てる

利益計画とは、売上高や費用の目標を立てて、目標利益を設定することです。目標利益を達成するために、どのくらい売上高が必要となり、費用としていくらまで使うことができるのか、具体的に考えることが必要です。

 

そのためには、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったPDCAサイクルで運用することを検討しましょう。

 

PDCAサイクルで運用する方法

PDCAサイクルで運用する場合、それぞれのプロセスで一般的に何を行うことになるのか知っておくようにしましょう。

 

まずPlan(計画)では目標を設定して実行計画を立てます。なぜその目標を立てるに至ったのか、どのような実行計画を立てるのか、仮説に立脚した論理的な内容でなければなりません。

 

そしてDo(実行)計画を実行し、Check(評価)で実行した内容の検証を行います。もし計画通りに実行できなかったなら、その理由を知るために要因分析を入念に行ってください。

 

最後にAction(改善)で検証した結果により、今後、どのような改善や対策を実行するべきか検討することになります。

 

まさに改善プロセスの作法ともいいかえることができる、基本的なフレームワークとして知っておくとよいでしょう。

 

すでにPDCAサイクルは実行していると思っても…

経営者の中には、すでにPDCAサイクルによる運用を実行している!という方もいるかもしれません。

 

しかし、実際にはPlanやDoまではできているのにCheckまでできておらず、それによりAcitonでのアイデアが浮かばないという場合もあるでしょう。

 

Checkに労力を費やし、次のステップであるActionでのアイデアを出すことにも時間がかかってしまうなど、回すペースが遅いのも問題です。

 

適切にPDCAサイクルで運用するためには、継続的に4つのサイクルを回し、連続してフィードバックできる体制を構築することが必要といえます。

 

売掛金回収に時間がかかるのは問題

利益計画を立て、PDCAサイクルで適切な運用を行い、収益は向上させることができたとしても、計上された売上が回収できず売掛金のまま残っていたら資金繰りは改善されません。

 

売掛金の回収率を高めるためには、返済遅延が発生したときにすぐ督促することが必要ですし、継続して督促し続けることが必要です。

 

日本の商取引では掛けによる契約がほとんどなので、売上と同時にキャッシュは入金されません。後日まとめて請求し、入金されるまでの間は売掛金として計上されることになります。

 

未回収の売掛金が残ったままでは、仕入れ代金や経費の支払いに充てるキャッシュを準備することができず、何らかの方法で資金調達することが必要となるでしょう。

 

もし売上代金が入金されるまでの期間が長期に渡る契約になっている場合には交渉などで見直しが必要ですし、未回収の売掛金は早期に支払ってもらうように督促を行うようにしてください。

 

なぜ売掛金を入金してもらえないのか

取引先が売掛金を入金しない理由は、

  • ・販売した商品や提供したサービスに納得していないから
  • ・手元に資金がなく支払いができないから
  • ・期日を単に忘れているから
  • ・請求書が届いていないから

などいろいろ考えられます。

 

もし単に期日を忘れている場合や、何らかの手違いで請求書が届いていないだけなら、再度請求を行うことで支払ってもらうことができるでしょう。商品やサービスに満足していないことが理由なら、納得してもらえる交渉が必要となります。

 

もっとも問題なのは、取引先が資金難に陥っているなど、手元に支払いに充てる資金がない状態であることです。ただ、いくら手元に資金がないとはいえ、倒産していないのならまったくキャッシュを持っていないわけではないはずです。

 

期日に入金されないときは督促を繰り返すこと

もし限られたキャッシュが手元にあるとしたら、頻繁に請求してくる取引先や支払い先などを優先して支払うことを考えるでしょう。

 

そのため、売掛金が期日に入金されない場合には、いずれ支払ってもらえるだろうと放置してしまわず、繰り返し督促を行うことが必要です。継続的に連絡することを続ければ、後回しにされることなく先に支払わなければと意識付けることができるでしょう。

 

取引先の信用調査や与信管理を徹底させること

取引先が売掛金の支払いを期日通りに行えないのは、そもそも支払い能力が低い状態だからです。契約当初は資金繰りも良好で、支払い能力は十分だった場合でも、継続して事業を営む中、何かをきっかけに資金難に陥ったり、資金不足で資金繰りが悪化してしまうこともあるかもしれません。

 

そこで、経営状態が悪化していないか、十分に支払い能力のある状態かなど、取引先の状況を定期的に確認するようにしましょう。

 

状況を確認する場合には、直接取引先と接触する機会の多い営業担当者から情報を入手したり、民間の信用調査会社のデータなどを参考にする方法が利用できます。

 

これらの与信管理は融資を行う金融機関などは当たり前に行っていることなので、一般的な企業でも、取引を行う相手の信用調査や与信管理は必要なのです。

 

もし取引先の経営状態が悪化、または経営難に陥っているという場合には、取引量を制限したり、現金取引や前払い取引への変更、取引そのものを停止することなど検討が必要となります。

 

一定基準を設け、その基準をクリアした取引先とだけ取引を継続するようにするなど、自社ルールを設定することも検討しましょう。

 

大口の取引先の与信状況は特に注意

信用調査や与信管理は、新規と既存の取引先、どちらにも必要ですが、特に大口の取引先はより注意が必要です。1社のみの取引に頼っているなど、売上の多くを占める取引先がある場合には、もしその取引先が倒産してした場合、発生している売掛金は回収不能の不良債権となってしまうでしょう。

 

取引先の経営状態は変化するものと理解し、特に大口の取引先については定期的な確認が必要となります。

 

未入金が続く場合は商品やサービスの販売・提供を即時停止

もし取引先に、支払いを少し待ってほしい、次月まとめて支払うとお願いされたらどうするでしょう。付き合いが長い取引先であれば、今回だけなら…と支払いを待つことを選択するかもしれません。

 

しかし、このような取引を一度行ってしまうと、また資金繰りが厳しくなったときに同じ要求をされる可能性もありますし、次月まとめてと言っていたのにさらに翌月に引き伸ばされる可能性もあります。そうなると取引先の資金繰り悪化の影響を受けてしまい、自社も資金不足状態に陥ることとなるでしょう。

 

売掛金の入金に遅れが出ている理由が、単に期日を忘れていた、請求書が届いていないという理由以外の場合、商品やサービスの販売や提供も停止するべきといえます。

 

請求書は即時発行すること

多くの場合、商品やサービスを販売・提供してから請求書を発行するまでのサイクルとして、月末締め翌月末払い、または月末締め翌々月末払いになっていることでしょう。

 

月末はどの企業でも締めの作業などがあるため、請求書の入金処理を後回しにされることも考えられます。そこで、なるべく早く手元に請求書が届くように、請求書は締めが終わった段階で即時発行して送ることを心掛けるようにしてください。

 

入金が遅れたら遅延損害金も請求する

売掛金を期日どおりに払ってもらうためにも、もし期日より支払いが遅れた場合には遅延損害金を請求する旨を最初の契約段階で契約書に明記しておきましょう。契約書に明記しておいた上で、実際に遅延が発生したときに、最初に定めた遅延損害金と本来の請求金額を請求します。

 

遅延損害金が発生してしまうことを取引先が認識しておくことで、早く支払わなければ!と意識させることができるでしょうし、無駄な費用は負担したくないと早めに支払いを行うようになるはずです。

 

設定する遅延損害金は、公正取引委員会が取り決めた下請代金支払遅延等防止法第4条の2の規定を参考にするとよいでしょう。それによると、下請代金の支払遅延に対する遅延利息は、年14.6パーセントとするとされています。

 

相殺できる買掛金はないか確認を

もし未入金の売掛金が発生した場合、その取引先に対する買掛金がないか確認することをおすすめします。買掛金がある場合には、未入金の売掛金と相殺できないか交渉してみるとよいでしょう。

 

相殺で処理をするのなら、互いに売掛金や未払金の金額を確認し、当事者同士で相殺したことが把握できるよう領収書を発行し保存することが必要です。

 

請求しないと時効が成立する可能性も!

また、売掛金は未回収のまま放置していると、取引先から支払いを後回しにされやすくなる他、時効が成立して請求できなくなる可能性もあります。

 

売掛金は商行為によって発生するので一般的には商法により5年で消滅時効となりますが、商法以外の法令により5年より短い時効の定めがある場合には、5年より短い消滅時効となります。

 

1年で時効となるのは、旅館の宿泊料や飲食店の飲食代などで、2年で時効となるのは商品や産物の代価(売買代金)に関する請求権、理美容店のサービス料や学習塾などの授業料など、さらに3年で時効となるのは工事の代金や医師の診療代などです。

 

ただ、2020年4月1日からは改正民法による時効が適用されますので、

  • ・債権者が権利を行使することができることを知った時から5年
  • ・債権者が権利を行使することができるときから10年

のうち、いずれか早いタイミングで時効となります。

 

売掛金の回収を短期化する方法も検討を

売掛金を回収するまでの期間が長めに設定されている場合には、取引先に交渉することも方法の1つです。ただ、一度決めた支払いサイトを変更することは容易なことではなく、さらに短期化してほしいと依頼することで資金繰りが悪化している状態にあると知られる可能性もあります。

 

もし経営状況が悪化している企業だと判断されてしまうと、その後の取引量を制限されるなど不利な条件で取引を続けなければならないかもしれませんし、場合によっては取引を停止される可能性も出てきます。

 

このような場合、取引先に相談せず売掛金の回収を早期化することが可能となるファクタリングの活用を検討しましょう。

 

ファクタリングとは

ファクタリングとは、保有する売掛金をファクタリング会社に売却し現金化させることで資金調達が可能となる方法です。

 

手数料は発生しますが、即日現金化が可能になるなど急な資金需要にも対応できることが大きなメリットですし、融資を受けて資金調達するのではないので借金を増やさず、返済負担に追われる心配もありません

 

売掛金の未回収、長期化する回収期間は、資金繰り悪化の大きな要因となりますので、これらを解決させる手法として検討してみることをおすすめします。

 

まとめ

資金繰りを改善させるために必要なことをご説明しました。もちろん、売上や収益を向上させることは必要ですし、収入が増えなければいくら経費削減などで支出を抑えても手元に十分なキャッシュを残すことはできません。

 

そのため、今何が原因で資金繰りが悪化しているのか再度現状を見直し、改善させるために何を行うべきか確認してください。

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