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売買代金の受け取り方法の違い|売掛金と受取手形について

資金繰り2018/08/23

売買代金を受け取る方法としては、まず思い浮かぶのが現金でしょう。小売業などを行っている会社であれば、基本的にものが売れれば現金が入ってくることになるわけです(最近ではクレジットカードや電子マネー決済も多くなり、小売業であったとしても必ずしも現金決済のみが行われているわけではありません)。

しかし企業間取引を行う場合には、現金決済となることはほとんどありません。現金決済をしてしまうと、その都度キャッシュを出し入れさせなければなりません。経理業務が非常に煩雑になってしまうわけです。そこで売買代金の受け取り方法として売掛金や受取手形を利用することになるのです。売掛金や受取手形を利用することで、現金の出し入れの回数を少なくできます。

こちらでは売掛金と受取手形のそれぞれの特徴を明らかにします。そのうえで売掛金と受取手形の違いを徹底解説します。

中には売掛金と受取手形を同じようなものと思っている方もいるかも知れません。もちろん売買代金を後で受け取る、というところは一緒です。しかしその中身は大いに異なっているわけです。

起業を考えている方は必見です。

売買代金の受け取り方法その1|売掛金とは?

・クライアントから支払われる権利(口約束)

掛け取引でやり取りされるものとなっています。簡単に言ってしまえば口約束のようなものであり、法律が関わってくるものではありません。仮に支払わなかったとしても、法律的に罰せられることはないのです。

売掛金は信用を元にして実施されます。信用できる取引先だからこそ、売掛金という法律によって拘束力がほとんどないようなものが利用できるわけです。

支払期日であったり支払い義務の拘束力であったりがあまりないので、基本的には信頼できる相手以外に掛け取引をおこなってはなりません。しかし実態としては、信用に関係なくほとんどの取引先と掛け取引を行っているケースが多くなっているわけです。

・売掛金の会計処理について

売掛金は比較的早い段階で入金が期待できるものとなっています。基本的には売上発生から30日から60日程度で入金される予定になっているわけです。

すぐに入金が見込める債権となっているので、基本的に流動資産として会計上処理されることになります。流動資産は基本的に1年以内に現金化されるものを計上するところであり、売掛金はその条件を満たしているわけです。

・売掛金の入金における法律

企業間の約束となるので、お互いに同意をすれば売掛金の入金は6ヶ月後でも12ヶ月後でも構いません。しかし「下請代金支払遅延等防止法」という法律には以下のように記されています。

【役務の提供を受けた日から60日以内で、かつ出来る限り短い期間内】

要は入金については60日以内が望ましく、しかも出来る限り短い期間内が適当である、としているのです。よって多くの企業は60日以内に入金がされるように対応しています。

売買代金の受け取り方法その2|受取手形とは?

・銀行で特定日にお金と交換してくれる証券のこと

売掛金は口約束と言いましたが、受取手形は全く異なっています。契約となっているので、支払期日をしっかりと守らなければなりません。

受取手形は銀行で決済されるものとなっており、期日に対応できなければ大変なことになってしまうのです。

ちなみに手形を利用するためには銀行で当座預金を開設する必要があります。当座預金から支払いが実施されるからです。

・受取手形の会計処理

会計処理に関しては売掛金とほぼ一緒となっています。
受取手形も基本的には1年以内に現金化されるものなので、流動資産に計上されることになるのです。

・受取手形の入金における法律

手形法という法律があります。非常に厳しい内容の法律となっているので、必ず守らなければなりません。

手形は銀行が振り出すので、手形の期日に仮に対応できないようなことがあれば銀行取引が停止されてしまうのです。企業が銀行と取引できなくなればどうなるでしょうか?通常の業務はできなくなります。銀行を介した取引もできなくなってしまうわけです。事実上の破綻といっても良い状況になってしまうのです。

厳しい法律が設定されている受取手形を用いた取引は「確実性の高い取引方法」と言えるわけです。

売掛金と受取手形の違いとは?

・支払期日に違いあり

・売掛金の支払期日・・・60日以内であること
・受取手形の支払期日・・・60日を超過しても構わない

売掛金による取引に関しては、支払期日の基準が「下請代金支払遅延等防止法」によって定められています。60日以内であることが望ましいとされているのです。

よって掛取引をしている企業の多くは、支払期日を取引日から30日から60日に設定しているのです。例えば「月末締め翌月末払い」や「月初締め月末払い」の設定となっています。

一方で受取手形は支払期日を縛るような決めごとは基本的にはありません。特定の日を設定することで、その日に手形の支払いが実行されることになるのです。ですから支払期日に関しては60日を超過しても構わない、といった特徴があるわけです。

売掛金を受け取ると支払いが早く行われ、受取手形を受け取ると支払いが遅く行われる、ということになります。キャッシュフローの改善ということを重要視しているのであれば、入金がゆっくりである受取手形ではなく売掛金を利用する、ということも考えておきましょう。

・支払いの信用に違いあり

・売掛金の信用度・・・低い
・受取手形の信用度・・・高い

売掛金に関しては、ここまで述べてきたように口約束による取引に用いられるものです。法律的な拘束力も弱いので、信用度はかなり低くなっています。入金がされない、ということも考えられるわけです。

受取手形に関しては法律による強い拘束力があるので、信用度は極めて高いです。そもそも仮に手形の支払いができないような状況になってしまえば、受取手形先は銀行取引ができなくなります。倒産をする確率が高いわけです。

倒産するようなリスクを犯してまで受取手形の入金を拒む企業は基本的にはありません。支払いの確実性、という面では受取手形が勝っているわけです。

・資金調達方法に違いあり

・売掛金による資金調達・・・担保型融資、売却(ファクタリング)
・受取手形による資金調達・・・手形割引、手形貸付

売掛金も受取手形も期日が来なければ入金してもらえません。その間に会社の資金繰りが悪化する、ということも考えられるわけです。よってそれぞれの債権を利用した資金調達法を把握しておく必要があるのです。

売掛金による資金調達法には売掛金担保融資とファクタリングがあります。
売掛金担保融資は、その名のとおりに売掛金を担保に入れて借り入れを行います。売掛金という担保が入るので、高額な借り入れができる可能性もあるわけです。

ファクタリングは売掛金の売却を指しています。ファクタリングについては償還請求権がないので、仮に支払われなかったとしても自社で返済しなくてもOKです。非常にリスクの低い資金調達法となっています。

受取手形による資金調達法ですが、まずは手形割引があります。手形を業者に売却して資金を得ることになるので、ファクタリングと似ています。しかし手形割引については償還請求権があります。手形の支払いがなければ、自社で対応しなければならない、といったリスクがあるので注意しましょう。

手形貸付は手形を担保にして融資を受ける方法となります。担保があることにより審査難易度が下がるわけです。

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