国・地方自治体・公共団体などが実施している補助金・助成金などの制度は、銀行など金融機関から融資を受けて資金調達するときと異なり、返済不要な資金を調達できます。
助成金や補助金で調達できる金額は、数十万円など少額のものから数千万円規模のものまで多種多様ですが、そのもらい方がよくわからず申請していない経営者もいることでしょう。
助成金は自治体などの受給要件を満たせば募集件数内で受け取ることができ、補助金は申請した企業を審査した上で支給対象が決まるなど、もらい方は異なります。
中小企業が助成金や補助金で資金調達できるように、成功に導くもらい方について解説していきます。
目次
助成金や補助金のもらい方を知りたいなら情報の収集から
助成金と補助金、どちらで資金調達する場合でも、申請書や事業計画書などを作成する必要があります。
まずは補助金と助成金について、できるだけ多くの情報を集めておくようにしましょう。
どちらも積極的に情報を開示しているわけではなく、気がついたときには公募期間が終了していることもあるからです。
本来ならもらえたはずのお金を受け取り損なわないためにも、
- ・助成団体が発行しているポスターや広報紙など
- ・社会福祉協議会やボランティア団体、市民活動センターの広報紙など
- ・社会福祉施設・機関、社会福祉協議会などの掲示板など
などで情報公開されていないか確認してみましょう。
中には毎年同じ時期に同じ内容で公募されていることも多く、どのような要件を満たさなければならないかもらい方についても記載されています。
なお、最新の補助金や助成金についての情報が掲載されている下記サイトなどを定期的に確認することをおすすめします。
助成金・補助金のもらい方で大切なのは制度の意図に合った提案ができているか
補助金や助成金などの制度は、設けられている目的があるはずです。
何のためにその制度が設けられているのか、資金を補助・助成する目的や意図を読み取り、その内容に沿った提案が必要といえます。
補助金や助成金は目的ごとに細分化されている
補助金や助成金は、制度ごとに目的が異なり細分化されています。
多くは公的資金=税金が使われることになるため、運用にあたり使途を明確化することが必要だからです。
業績が良好だから資金を支援する企業として選ばれるのではなく、補助することで社会などによい影響を与える可能性が高いから選ばれます。
補助金・助成金ごとの目的や意図を把握するため、募集要項を熟読することはもちろんのこと、過去の採択事例にも必ず目を通しておくようにすると採択されやすい事業の方向性を把握できるはずです。
わかりやすい申請書の作成を
補助金や助成金を申請するときには所定のフォーマットに従い申請書を作成・提出します。
一部の助成金などは申請書だけで採択可否が決まるため、誰が見てもわかりやすい書類を作成することが必要です。
業界特有の専門用語などを並べて記載しても、審査を行う担当者が業界用語まで把握できているとは限りません。
そのため申請書に事業内容など説明を記載するときには、誰が読んでも理解できるわかりやすい内容にする必要があるのです。
仮に専門用語など記載する必要があるときには、注釈や別添資料でその意味を理解できるようにしておいてください。
事業計画書は客観的な視点で具体的に記載を
補助金や一部の助成金では事業計画書を添付することが必要となり、審査でも判断基準の大きな目安になります。
投資家に出資してもらうときや銀行から融資を受けるときにも事業計画書は作成・提出する必要がありますが、補助金などの事業計画書の場合には客観性と具体性が強く求められます。
補助金などの財源は税金なので、単に熱意が伝わったという理由だけで拠出されることはありません。
あくまでも公平な目線で、なぜ補助金を受け取り使途に使用することで売上増加が見込まれるのか、その客観的な根拠が求められます。
具体的な計画がなければならないため、取引先やサービスの名称、時期や金額などが明確に記載されていることが望ましいでしょう。
客観性と具体性が認められれば、根拠が示されているため資金を拠出できると判断されやすくなります。
添付資料には細心の注意を払うこと
補助金や助成金を申請するときには、申請書・事業計画書・経費明細書・事業要請書などの書類が必要になります。
ただ、これらの書類だけでなく、事業内容をアピールするために別途資料を添付し提出したほうがよいでしょう。
また、同業他社数社の事例調査の結果や、市場のマーケティングに関するレポートなども加えて提出することもおすすめします。
調査方法は競合他社の状況を調査できるサービスの利用や、広告代理店の担当者から伝えてもらうなどいろいろな方法がありますが、結果をまとめて開示すれば客観性や具体性が認められやすくなります。
提供できる情報はできるだけ上積みすることで、より事業成長に見込みを感じてもらい、審査に通過する可能性も高くなると考えられます。
助成金や補助金のもらい方がわかっても一度しか申請できない?
たとえば補助金の審査は外部の税理士や中小企業診断士などの有識者が委託されて行っていますが、補助金ごとに3~4名の方が担当しています。
担当する方の半分は経営面、もう半分は技術面で点数をつけ、合計点の高かった企業から採択される流れとなります。
特定の税理士や中小企業診断士が継続して審査を担当すれば色々な弊害が生じることも考えられるため、不特定多数が審査を担当しますが、専門領域や得意な分野なども異なります。
同じ事業計画書だとしても、ある税理士が見たときには採択の対象と判断したとしても、別の税理士から見れば対象とは判断できないとする場合もあると考えられます。
採択は絶対評価ではなく相対評価により、合計点の高い上位から選ばれることを考えても、一度は審査に落ちたとしても別の機会に再度申請すれば採択される可能性もあるといえます。
助成団体や補助金の種類により、なぜ採択されなかったのかその理由を教えてくれる場合もあるため、二回目以降も募集が予定されているのなら再度チャレンジしてみるとよいでしょう。
補助金や助成金はいずれも後払い
仮に補助金や助成金で採択され、資金を受け取ることが可能となっても後払い方式であることは注意しておく必要があります。
すぐにお金を受け取ることができず、事業を行い報告書など必要書類などが提出された後、検査を受けてやっと受け取ることが可能です。
指定されている期間内に必要書類が提出できなかったなど、事務処理が完全でなければ受け取ることができない可能性もあり、一部の補助金や助成金では会計検査院の調査が入るため事務作業の内容次第で採択取消になることもあります。
補助金や助成金で採択されたとしても、日々の事務作業を徹底して管理し、不備などがないように適切に処理しておくことが必要です。
まとめ
補助金や助成金のもらい方はそれぞれ異なりますが、いずれにしても申請書や事業計画書など必要とされる書類を提出しなければなりません。
そして採択の対象となるためには、客観的な視点で具体性が認められることが必要なため、根拠を示す情報などは書類や資料など添付をしておきましょう。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、手元の資金が枯渇寸前という場合などもあるでしょうが、申請できる補助金や助成金は活用するべきです。
ただしどちらも後払いになるため、それまでの一時的な資金調達が必要なときには、保有する売掛金を現金化するファクタリングなど活用することをおすすめします。
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