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資金を調達の方法として融資を受けることを検討する場合の極意

資金調達2019/07/25

会社経営など、ビジネスにおいて資金を借り入れで調達することは必ずしも必要なことなのか、疑問を感じる経営者も少なくありません。借金を悪いことと捉え、敬遠する経営者もいることでしょう。

しかし、事業を営む上では融資などに頼ったほうがよい場面もありますので、融資を受けて資金を調達する極意をご説明します。

 

借入先は銀行融資だけではない

中小企業が民間の銀行に借り入れの申し込みを行っても、審査の段階で断られてしまうこともめずらしいことではありません。

ただ、借入先は銀行以外にも日本政策金融公庫など政府系の金融機関もありますし、銀行から融資を受けるなら信用保証協会からの保証を付けて利用する方法もあります。

たとえば日本政策金融公庫の創業融資は、金利は1%強と低金利であり、返済期間も長期で設定できること特徴です。

調達した資金を事業に使って利益を出せば、利益から金利による負担した分を手元に残すことができるでしょう。利益の半分を返済に、残りの半分を蓄財していくことで、保有する資金にも余裕が生まれます。

 

たとえ追加で融資を受けることになっても

借金をするとき、金利が低ければ利益の一部を蓄財していくことは可能です。しかし、金利が高く、返済額が利益額を上回ってしまうと、一時的に手元の資金は増えたように感じるだけで、実際には資金を減少させることになるでしょう。

ただ、利益を出し続けていれば、銀行は貸し付けを行います。低金利で銀行から融資を受け、少なくなった資金を補てんし、利益により返済し続ければ資金繰りは悪化することはないはずです。

そのためにはまず、利益を出すために創業融資など低金利の融資制度を上手く活用することも必要であるといえるでしょう。

 

銀行に資金を貸し付けても大丈夫と思ってもらうために

銀行から融資を受ける場合には、何を目的とした資金なのか、返済に充てる財源はどこからねん出していくのか明らかにすることが必要です。

利益を出すことに資金を使い、返済する財源もあることを一定の根拠によって説明できなければ、銀行はお金を貸そうとはしないはずです。

そこで、借りた資金でより大きなキャッシュインを生み出すことを説明できるように、担当者が理解しやすいシナリオを構成しておく必要があります。

 

具体的で問題のない物語を作成しておくこと

例えば商品の仕入れに資金が必要とするなら、仕入れた商品が売れ売掛金が発生し、入金されるまでの流れを具体的に描写します。

在庫や設備に転じ、そこからどのくらいのキャッシュを生みだすことに繋がるのか、物語りのように資金の流れを説明できるようにしておくことが求められます。

なお、そのシナリオが過去の実績から問題ないことを根拠づけることも必要でしょう。

銀行に貸し付けをおこなっても大丈夫だと思ってもらうために、貸し付けた資金がそれ以上のキャッシュを生み出すことに繋がるまでのプロセスを明確にすることが重要になります。

資金を調達することでビジネスを拡大できるのか、納得してもらうためには自然なお金の流れを示すシナリオが必要と理解しておきましょう。

 

銀行は苦手!ではいつまでも融資は受けられない

経営者の中には銀行が苦手という方もいます。しかし、担当者と連絡をとろうとせず、十分な情報を提供しない状態では信頼関係を築くことができません。

決算書だけを渡し、たいした説明もしないのは、単に説明方法がわからないのか、それとも評価を下げることを口走ってしまうことを恐れてしまうのか、理由は人それぞれです。

ただ、いずれにしても銀行を恐れ、情報を提供しようとしない行為は、銀行から融資を受けることから遠ざかることに繋がってしまいます。

銀行融資を成功させる確率は、どれだけ情報を提供するのか、その量に比例します。決算書をただ渡すだけではなく、その概況を説明することも必要なのです。

 

具体的にどのような説明が必要か

前期と今期の決算内容を比べながら、なぜ数値が変わったのか、その背景を理解してもらうことが求められます。

決算書が赤字を示す場合には、一過性のものならその理由を文章などにまとめ、担当者に渡すことも必要となるでしょう。

その他、情報として銀行の担当者に提供したい内容は次のとおりです。

  • ・最新の業績が確認できる月次決算
  • ・資金の流れを示す資金繰り表
  • ・将来の収益力を示す経営計画
  • ・安定した経営力を示す技術や販売力、市場動向、沿革、資産の含み益、経営者の財産目録など

 

銀行の担当者に味方になってもらうために

提供する情報量が増えれば、銀行の担当者も経営者の味方になろうと思ってくれるでしょう。

何のために資金を必要とするのか、十分に返済能力があるか把握しやすくなるので、上司にその内容も説明しやすくなるからです。もちろん、親密に経営者との関係を築くことができるので、好感を持ってもらいやすくなることも関係します。

新たな融資や融資額の増加で会社内の評価を上げることができる銀行の担当者は、将来性の見込める企業に多く融資を行い、自らの評価も上げたいと考えるものでしょう。

十分な担保もないのに、よくこのくらい大きな金額の融資を受けることができた!と感じられるその背景には、情報提供をしっかり行っていたということもめずらしくないのです。

ただ、何でも情報を提供すればよいわけではなく、自慢話や夢物語を語り続けても意味がありません。現状について客観的に判断できる情報を濃密に提供することを心掛けてください。

 

赤字でも評価が下がるとは限らない!

決算書が赤字になったときには、銀行からの評価はそれまで正常先だったとしても、一気に要注意先に転落してしまいます。

ただ、金融庁の金融検査マニュアルでは、たとえ赤字でも次のケースにおいては正常先とみなすとされているので、必ずしも評価が下がるわけではないと知っておきましょう。

 

赤字が一過性である場合

固定資産を売却したことや滞留在庫の処理したこと、役員退職金や事業構造の再構築に費用がかかったことにより、その赤字が一時的な要因によるもので、翌期以降は黒字にできるとされる場合。

 

創業による赤字

法人を設立して5年以内など、当初から事業計画で赤字が計画されていた場合には、5年以内に黒字化できると見込まれれば問題ありません。なお、売上や利益の実績が計画の7割を達成していることが必要です。

 

余剰資金や資産を所有しているため債務返済能力に問題がない場合

会社に余剰資金が多くある場合や、会社または経営者に十分な資産があるので、売却すると返済資金に充てることができる場合には、債務を弁済する家で問題がないと判断されます。

 

経営計画を作成して説明できるような準備を

恒常的な赤字であれば懸念されても、一過性なものであり、なぜ赤字になったのかその理由が明確ならば問題ないとされることが多いということです。

ただ、一過性のものでも何の説明もなく放置していれば要注意先と評価を下げる可能性があるため、経営計画を作成し説明することが必要になります。

単に口頭で説明するのではなく、しっかり経営計画として書面上で説明できるようにしておきましょう。

 

まとめ

たとえ赤字でも、売れ筋商品や利益がでている顧客や部門など、どこかに強みとしてアピールできるポイントがあるはずです。

その強みが健全で利益を出せているのなら、総合的には赤字だったけれど次年度からは黒字化できることを立証することを行います。

融資を受けて資金を調達することにより、キャッシュフローが十分に回ることをアピールすることで、引き続き追加融資に繋がることもありますし、評価を下げることはないといえます。

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