資金調達法として注目を集めるファクタリングですが、売掛金を早期に受け取るタイプの資金調達法となっています。将来的に受け取れる可能性が高いお金を満額ではありませんが早く手に入れられるわけです。そこで考えなければならないのが時間価値となります。
時間価値とは、いま受け取れるお金と将来受け取れるお金の価値は一緒ではない、と考えるものです。要は、お金は受け取るタイミングによって価値が変わってくる、ということになるのです。
こちらではファクタリングと時間価値について徹底解説します。
資金調達法であるファクタリングは時間価値の観点からもおすすめなのでしょうか?
目次
ファクタリングは時間価値の観点からもおすすめ!
・早期に現金を受け取ることで様々な応用ができるようになる
売掛金は入金までに時間がかかってしまいます。売上が発生してから1ヶ月後や2ヶ月後、場合によっては3ヶ月程度かかってしまうこともあるのです。
本来はその場で売上が発生しているので現金が受け取れるはずですが、企業間取引の多くは掛売りとなります。現金で受け取りができなければ、売上があったとしてもすぐに現金としての利用はできなくなります。本来使えるはずのお金が使えない状態となっているわけです。
ファクタリングを利用すれば、最短即日で入金してもらえます。お金をすぐに利用できる状態になるわけです。1ヶ月から2ヶ月前に入金されるとなれば、そのお金を1ヶ月から2ヶ月早く利用できることになります。
売上が良い時であれば、仕入量を増やせるでしょう。仕入量が増えればより売上が多くなって、会社の経営にとってプラスになります。
売掛金を早期に現金化することで設備投資が早くできれば、その設備投資資金も早く回収できるようになるわけです。
会社により多くの利用しやすい資産である「現金」があることで、企業としての選択肢も増えます。そもそも売掛金の早期現金化であるファクタリングは運転資金を得るためだけに利用されるのではありません。さまざまな目的として利用されているものなのです。
時間価値という観点からもファクタリングはおすすめである、ということは実際に利用した経験がある方であれば知っていることです。
そもそも売掛金には利息はつかない!
・売掛金は時間価値的に損していることになる
銀行にお金を積んでいれば利息が付きます。近年の金利を考えると本当に僅かではありますが、要は今の100万円と1ヶ月後や2ヶ月後の100万円では根本的に価値が異なってくるわけです。今の100万円のほうがもちろん価値は高い、ということになります。
一方で売掛金はどうでしょうか。
売掛金は受け取りまでに数ヶ月かかってしまいますが、売掛金の額は増えません。利息は発生しないのです(※売掛金の入金が遅れた場合には金利が発生することもある)。
額面に記された金額をそのまま期日に受け取ります。
例えば200万円で商品を売却したとします。現金決済をしてくれればその場で200万円を受け取ることになるので時間価値は高くなります。いっぽうで売掛金を2ヶ月後に200万円を受け取る場合には、その場で現金決済したケースを比べると時間的価値が低いことになります。
その場で受け取る200万円と将来受け取る200万円では価値が異なっているからです。
考えてみましょう。即日200万円を受け取り、金利10%で貸付を行ったとします。2ヶ月間で約3万3,000円もの金利が発生することになるわけです(200万円×10%÷(2ヶ月÷12ヶ月))。要は他の事業にその資金を利用すれば、一定期間後には利益を上げているかもしれない、ということになるわけです。
今回はお金を貸したことを想定としましたが、一般的な事業であれば利益率は20%や30%のケースもあるでしょう。利益率が30%で2ヶ月にて1回転すると想定すれば、2ヶ月早く200万円を受け取るだけで60万円もの利益の差が生まれることにもなるのです。
売掛金の入金をただ待っている、ということは時間的価値から見るとかなりの損をしているのがよく分かるのではありませんか。
資金のリスク的な観点も重要
売掛金はリスクが高い資産です。
売掛金は期日に必ず入金されるもの、と思っている方も多いでしょう。しかし売掛金は必ずしも入金されるわけではありません。入金されないこともある、極めてリスクが高い資産なのです。
資金管理の面からも大量の売掛金を抱えている、ということは危険以外の何物でもありません。
売掛金があまりに多くある企業は、入金が遅れている、と考えられるわけです。回収活動に力を入れていないケースもあるでしょう。結果的に貸し倒れが発生してしまうことも考えられ、資金ショートが起こりやすいと判断されてしまいます。融資を受けるときなどに不利になってしまうこともあるのです。
・ファクタリングとリスク管理
ファクタリングに関してはここまで時間価値からおすすめしてきましたが、リスク的な観点からもおすすめです。
ファクタリングは早期に売掛金を売却して現金化することを指しているので、時間価値を高めることができます。そのうえリスク自体を低減できる、との効果も期待できるわけです。
ファクタリングを利用すれば、売掛債権をファクタリング業者へ売却することになります。要は売掛金が入金されなかったとしてもダメージを負うことはなくなるのです。入金されなければファクタリング業者が痛みをおうことになります。
厳密にお話すると、償還請求権が関わってきます。ファクタリング取引の多くは償還請求権がありません。償還請求権がないということは、売掛先が売掛金を支払えなかったとしても、依頼側に請求がこない、というシステムになっています。売掛金が支払われなかったとしても、自社が回収する必要がないわけです。
※稀に償還請求権があるファクタリング取引もあるので、契約する前にかならず確認しておきましょう。
時間価値を重視するなら現金決済を増やそう
前述したように企業間の取引の多くは売掛金や受け取り手形を利用します。現金決済にしてしまうと、手続きが煩雑になってしまうのです。
売掛金や受取手形であれば、お金の出入りが月に1回となるので管理しやすくなります。
しかし売掛金や受取手形による取引ばかりを行ってしまうと、時間価値の問題も生じてしまいます。リスクも発生してしまうのです。
すべての取引を現金決済にはできません。取引先にも負担をかけてしまうからです。しかしすべての取引を売掛金や受取手形で行うのはかなり危険でしょう。一部を現金決済に切り替える、というのはどうでしょうか。
もちろん単に現金決済にするのではありません。現金決済にする代わりに一部の割引に応じるのです。時間的価値を考えると、一定の割引には応じられるでしょう。
例えば「現金決済に応じてくれたら5%割引きますよ」といった提案を実施するのです。取引先としてもマイナスの提案ではありません。もしかすると一部の取引を現金決済に切り替えてくれるかもしれないのです。
10%を超えるような割引に応じるのは難しいですが、時間価値や経営状況などから見てどのくらいの割引であれば対応できるのかシミュレーションしてみましょう。
現金決済の量を増やすことが、あなたの会社の資金繰りを改善する一つのきっかけになるかもしれませんよ。
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