資金調達のタイミングは重要!倒産後でも調達は可能なのか

2021/02/08
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企業経営を続ける上で必要なことは資金を枯渇させないようにすることですが、手元のお金が不足した状態で調達しなかった場合、いずれ会社は倒産してしまいます。

ただ、倒産を回避するには資金調達のタイミングも重要といえますが、具体的にいつ実行すればよいのでしょう。

そして万一会社が倒産してしまった後でも、もう一度企業経営をはじめるなら資金は調達できるのか、コロナ禍の今だからこそ把握しておきましょう。

 

そもそも倒産とはどのような状態のこと?

会社が倒産してしまうことは、コロナ禍の今、めずらしいことではなくなったといえます。ただ、そもそも「倒産」とはどのような状態になっていることを指しているのか、なぜその状況に陥るのか確認しておきましょう。

まず「倒産」とは正式な法律用語ではないものの、企業が債務を支払うことができなくなった状態や、経済活動を正常に続けることが難しくなった状態を指しています。

負債総額が資産総額を上回る債務超過により債務の支払いができなくなることや、手形の決済ができず不渡りとなり銀行取引が停止してしまうなどの状況を意味する言葉です。

会社が倒産に至る法的な手続きには、破産・特別清算・和議・会社整理・会社更生などいくつか種類がありますが、これら法定倒産処理手続きはそれぞれ債務者と債権者の利害調整手段が定められています。

 

業績が上がらなければ倒産?

会社が倒産してしまうのは、手元の資金が枯渇してしまうからで、業績が上がらなかったからというわけではありません。

もちろん、業績が上がらなければ利益も生むことがなく、赤字が長く続いた状態のままではいずれ倒産することとなるでしょう。

ただ、赤字が続けば会社は必ず倒産するのかといえばそうではありません。売上が好調で利益も増えており、黒字が続いていたとしても、資金の調達がうまくできず倒産してしまうこともあります。

倒産を防ぐために大切なことは手元のお金を枯渇させないことのため、赤字を回復させようと損益計算書の収益にばかり気を取られないようにしてください。

 

資金調達のタイミングを間違えてしまうと

いつどの売掛先から売掛金が入金され、反対にいつどの仕入れ先に買掛金を支払うことが必要か、しっかり把握できていなければいざというとき資金不足が発生します。

うっかり忘れていた!という支払いに充てる資金が手元になく、明日までに準備しなければならない!と、急いで銀行に資金の借入を申し出てもまず応じてもらえません。

銀行から融資を受けるには、申し込みを行うための書類の準備が必要ですし、審査にもかなり時間がかかります。

手元の資金を枯渇させないためには、資金を必要とするタイミングで不足が生じないように管理することであり、資金繰りを悪化させない経営が必要です。

 

資金調達のタイミングを見逃さないために

明日まとまったお金が必要!といったギリギリのタイミングで資金調達しようと考えても、銀行が即日融資に応じてくれるとは考えにくく、間に合わなくなってしまいます。

後になって慌てないためにも、資金繰り表を作成しておくことは欠かせません。

半年くらいまで先の現金の流出入の予定を資金繰り表に記載し、いつどの支払いが必要となるのか、反対にいつ売上代金を回収できるのか把握しておきましょう。

将来の資金繰りを見ながら、現状維持のままで支払いに行き詰ることはないかなど見直してみましょう。

もし将来的に資金が不足することが予想される場合には、事前に資金を調達しておくことが必要です。

適切なタイミングで必要な金額の資金を調達することが必要ですが、まずは月商(1年間の売上高÷12か月)分の現金を常に保有しておける資金繰りを目指しましょう。

いずれは月商の3か月分の現金を常時保有できるようになれば、安全な経営が可能となる理想的な資金繰りを実現させることができます。

 

資金調達を間違う会社は倒産する可能性も高い

すでに銀行から融資を受けているのに、前回の借入れから月日が経過していないのにまたすぐに同じ銀行にお金を借りたいと銀行に申し出る…。

このような会社は、銀行から計画性がないと判断されることになります。

民間の銀行では、最低でも次の融資まで6か月という期間は空けるべきとしており、政府系金融機関の日本政策金融公庫は1年空けなければ審査対象とみなされません。

お金を借りて資金調達するときには、借りたお金を何に使うのか、どのように返済原資を生み出し返していくのか計画を立てます。

そのためにも資金繰り表や返済計画表の作成は必須となり、資金不足となる時期の3か月前には銀行に相談を持ち掛けておくという流れとなるでしょう。

しかし銀行に融資相談を持ち掛ける期間があまりに詰まっている場合、資金や返済の計画そのものに誤りがあるとみなされてしまうこととなり、適切な計画を立てることのできない会社にお金を貸したいとは考えないはずです。

結果、銀行から融資を受けて資金調達できず、資金不足も解消されずに倒産してしまうというケースもあると留意しておくべきでしょう。

 

会社が倒産してしまうことを防ぐための制度

会社が法的倒産という状態にあるとみなされるのは、再建型の会社更生法と民事再生法、清算型の破産や特別清算などが挙げられます。

たとえば事業再生という選択をした場合には、資金繰りを改善して過去の負債を圧縮し会社を再建することが可能となります。法人格はそのままで事業を続けることも可能です。

会社が健全経営だとしても、取引先が倒産したことにより連鎖倒産という危機に直面することもあります。今は新型コロナウイルス感染症の影響により、取引先が突然倒産してしまうこともめずらしくないため、このいつ起きるかわからない不測の事態に備えることも必要となるでしょう。

 

活用したい「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)」

中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)は、このような不測の事態に直面した中小企業に対し、迅速に資金を貸してくれる共済制度となっています。

連鎖倒産により経済状況が悪化しないよう、中小企業倒産防止共済法に基づいて、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

中小機構とは経済省参加の独立行政法人であり、創業支援・事業支援・販路拡大などのほか、倒産状況に陥らない専門家の派遣に人材育成などを行っているので安心して相談できることでしょう。

 

会社が法的倒産の「破産」を手続きするとどうなるか

会社の法的倒産の1つである「破産」とは、資金繰り悪化や債務超過により負債を返済できなくなったとき、保有している資産で支払いを行うことを指しています。

破産により会社が保有する資産はすべて失われることとなり、法人格も消滅します。

個人の自己破産はその後の生活を新たに立て直すことを目的としているため、生活に必要な財産は手元に残すことが可能です。

しかし会社の破産は法人格そのものが消えてなくなるため、財産の一部を残すことは認められていません。

 

経営者も同時に自己破産してしまう?

会社が破産しても、経営者も自己破産しなければならないわけではありません。

しかし中小企業の経営者は、銀行からお金を借りて資金調達するときには経営者個人が保証していることが多いといえます。

個人保証をつけて銀行から融資を受けた場合、仮に会社が破産などにより倒産すると、経営者も自己破産に至ることがほとんどです。

 

自己破産とはどのような手続き?

自己破産とは、支払うことのできない債務を免除してもらう手続きのことで、生活に必要とされる最低限の自由財産以外は処分することとなります。保証人になっていない限り、家族にも迷惑がかかることはなく、家族がローンを組むときにも特に影響が及ぶこともありません。

 

自己破産後に再度会社の設立は可能?

経営していた会社が倒産(破産)してしまい、それに伴い経営者も自己破産に至ったとします。

しかしその後、再び会社を設立したいと考えたとき、はたして可能なのでしょうか。

結論からお伝えすると、けっして容易ではないものの不可能ではありません

自己破産をした方が会社を設立するときの公的支援などもありますので、うまく活用することで再び法人を立ち上げ会社経営も夢ではないでしょう。

 

自己破産した経営者が会社を設立するときの注意

自己破産した後で再度会社を設立することには法的に問題はありません。旧商法では破産者は取締役の欠格事由であり、借金がなくなるまで会社の取締役になることはできませんでした。しかし中小企業の経営者の多くは会社の債務を個人保証しており、自己破産した場合でも再び参入できるようにと、2006年に施行された会社法でこの欠格事由は削除されています。

ただし自己破産した方が会社を設立するときには、次のことに注意しておくようにしてください。

 

資格の制限を受けることもある

自己破産の手続き期間中は、士業・宅地建物取扱業・旅行業・貸金業・建設業など一部資格が制限されることになります。業界によっては代表者が自己破産したことで、許認可の欠格事項に該当することもあるため、注意してください。

 

融資を受けることができなくなくなる

自己破産した場合、それ以後約10年は信用情報機関に事故情報として登録されるため、事業資金の借入れはできなくなってしまいます

店舗や事務所なども借りることができなくなり、設備などリースしたくても審査に通らないという可能性も出てきます。

資金調達を自力でできなくなってしまうため、会社設立や経営に必要な運転資金をどのように調達するべきか考えておくべきです。

 

会社が倒産した後に再び設立するには

もし会社が倒産し、経営者も自己破産した後で、再度会社を立ち上げたいという場合には次の方法で問題をクリアしましょう。

 

自己資金を十分に蓄え設立

自己破産した後でも自己資金を十分に蓄えた後で会社を設立すれば、多額の融資を必要とせず会社の設立は可能です。

 

会社の代表は他の人に任せる

事故情報から記録が消され、銀行などから資金を借入れできるようになるまで、代表者は親族などに任せる方法もあります。

 

公的支援を利用

日本政策金融公庫・信用保証協会・商工組合中央金庫などでは、事業に失敗して自己破産に至った経営者でも、再度会社を立ち上げることへ特化した融資制度を設けています。

たとえば日本政策金融公庫の「再挑戦支援資金」では、融資限度額7,200万円(運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金20年・運転資金7年でお金を借りることができます。

融資を受けるには要件を満たし、審査に通らなければならないため必ず利用できるわけではありませんが、検討してみるとよいでしょう。

 

ファクタリングなら利用可能

ファクタリングはお金を借りて資金を調達するのではなく、保有する売掛金を売却し現金化するサービスです。

そのため自己破産後に会社を設立し、事故情報が消えるまで融資を受けることはできなくても、信用力の高い売掛先の売掛債権を保有していれば資金調達が可能となります。

ファクタリングも審査がありますが、売掛先の信用力が重視されるため、資金調達に活用する価値は高いといえるでしょう。

 

まとめ

会社が倒産してしまうと、それに連動して債務を保証している経営者まで自己破産してしまうケースは少なくありません。自己破産で資産もなくなり、以後10年は銀行からの借入れなどはが難しくなってしまいます。

もし再度法人を設立し、会社経営したいと考えるのなら、会社倒産後に自己資金を十分蓄えておいで再チャレンジするとよいでしょう。他にも公的支援制度もありますし、会社設立後にファクタリングなどで資金調達することもできます。

もちろん未然に会社が倒産しないように、手元のお金を枯渇させない資金調達が大切ですが、どのタイミングで実践すればわからないときには利益が十分出ているときを目安としましょう。

お金に困っていないのに融資を受けることやファクタリングで売掛金を現金化させることに意味があるのか?と感じるかもしれません。

しかし借りることができるときに多く融資を受け、売掛金の貸し倒れになるリスクを防ぐことで資金不足を回避させることもできます。

安全な資金繰りを行うことができるように、月商の3か月以上のお金を常に保有しておけることを目指していきましょう。

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