売掛債権は債権譲渡と担保融資のどちらで資金調達したほうがよいか

資金調達アイミツの基礎知識

買い物をして商品を受け取ると、その代金はその場で支払うでしょう。しかし、企業間の取引ではその限りではなく、商品を納品したときには代金を受け取らず、後日請求書を発送して1~2か月先に代金を支払ってもらう掛け取引が一般的です。

ここで発生するのが売掛金という売掛債権ですが、代金が入金されるまで期間が長いとその間の支払いができなくなってしまうかもしれません。そこで、売掛金などを債権譲渡し、資金を調達する方法が近年中小企業などで多く活用されています。

また、債権譲渡という形以外にも、担保に差し入れいて融資を受ける方法もありますが、どちらの方法で資金を調達したほうがよいのでしょう

 

売掛債権を債権譲渡するのはファクタリング

掛け取引において、基本的にその支払いサイトは納入先である売掛先に合わせることが多くみられます。

もし、月末締め翌々月末払いという支払いサイトであれば、商品を月の初めに納入すると3か月近く入金されない期間が発生してしまいます。

しかし、その間には材料や製品などを仕入れた代金などの支払いが発生することになるため、運転資金が不足する可能性も考えられるでしょう。

このような、商品やサービスを顧客に対して販売したけれどまだ支払いがなされていない売掛債権は、増えすぎれば資金繰りに悪影響を及ぼします。

そこで、債権譲渡という形で売掛債権を売却し、入金の期日を早めるファクタリングが注目されはじめているのです。

借金を増やさないから返済負担も負わない

売上があがれば利益も増えていきますが、それはあくまでも会計処理上での話です。売上がいくらあがっても、売掛金を回収して現金化させなければ、企業は資金不足に陥り最悪の場合倒産してしまいます。

事業が好調で波に乗っていれば、注文も増えていくでしょうが、そのためには新たな材料や製品の仕入れが必要となり、その代金を支払うことができる状況であることが重要となります。

もし、手元の資金が不足していれば、運転資金を調達することが必要となりますが、借金を増やしてもその後の返済資金に苦労してしまうかもしれません。

しかし、もともと入金される予定だった売掛金を早めに現金化するファクタリングなら、借金を増やすこともなく、資金繰りを改善させることが可能です。

 

売掛債権を担保に融資を受けるのはABL(売掛金担保融資)

売掛金を担保として金融機関から融資を受けることをABL(売掛金担保融資)といいます。

注意しておきたいのは、ABLは償還請求権があるという点です。もし担保に差し入れていた売掛債権が回収不能状態に陥れば、その責任を負わなければなりません。

対するファクタリングの場合は、償還請求権のないノンリコースによる利用を提供している優良なファクタリング会社も存在します。

申し込みを行ったときに実施される審査においても、ABLは融資を利用する会社の信用力が重視されるのに対し、ファクタリングでは売掛先企業の信用力を重視するため、審査のハードルも大きく異なるといえるでしょう。

 

ノンリコースのファクタリングでリスクを負うのは誰か

償還請求権のないノンリコースによるファクタリング契約の場合、その損失はファクタリング会社が負うことになります。

利用する側としては貸し倒れリスクを負うことがないので、万一という場合でも安心して利用できることが大きなメリットです。

ただその分、手数料は高めに設定されているケースもあります。ファクタリングにおける手数料は、ファクタリング会社によって取り決めが異なるため、複数社から相見積もりを取得して比較した上で検討することが望ましいといえます。

 

ファクタリングを利用するなら複数社から相見積もりを!

ファクタリングは売掛金を債権譲渡という形でファクタリング会社に売却し、早期に現金化することで資金を調達する手法です。

その際、ファクタリング会社に対して手数料が発生しますが、この手数料は、売掛先企業の信用力や、契約方法、売掛債権の金額、登記の有無など、償還請求権以外にも様々な項目で手数料は変わってきます

信頼できるファクタリング会社を見つけるためにも、いろいろなファクタリング会社から見積もりを取得してみることをおすすめします。

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事業者必読!ビジネスを助ける「資金シミュレーション」とは

事業資金

事業を始めるうえでもっとも気にかけなければいけないものと言えば、必要な費用とその使い道です。特に最近では「起業ブーム」の勢いの強さを受けて、ビジネスに挑戦する起業家が急増していますが、実際の金銭感覚に無頓着であるゆえに倒産や廃業を強いられるケースが少なくありません。せっかく起業を決意したからには着実な金銭感覚を身につけ、ご自身の事業を問題なく運営していきたいものですね。

いかなるビジネスにおいても、資金を予測するシミュレーション能力が必要になります。そこで今回は業種ごとにおける資金の相場や使い道、融資を受ける場合の返済シミュレーションなどについてお話ししていきます。また、シミュレーション能力を身につけるためにできることもお伝えしていきますので、ぜひ地道な経営のためにお役立てください!

1.いくら必要?あなたの事業資金をシミュレーション

「将来カフェを始めたい」「旅行ビジネスを試してみたい」など起業を夢見る方は急増していますが、そのような方に限って実現スピードが遅く、夢を語っているだけにしか感じられない側面があることも事実です。

その理由の一つとして、「開業のために必要な金額を知らない、もしくは知ろうとしていない」というものがあります。事業を始めるにはある程度多額な資金が必要となるため、それを直視するのが難しいことはうなずけますが、必要金額を知らなくてはいつまでも行動できないばかりです。

そこで今回は、主な業種における必要資金をご紹介しますので、ご自身の開業資金の参考にしてみましょう。

 主な業種における開業資金の相場

カフェ:100万円~1,000万円
飲食店:100万円~1,500万円
サロン:40万円~5,000万円
美容室:500万円~3,000万円
学習塾:100万円~1,000万円
病院・クリニック:1,000万円~1億円以上
歯科医院:2,000万円~2億円
その他店舗:10万円~500万円
士業事務所:50万円~1,000万円

こうして見ていくと、若い方に人気のカフェや飲食店だけでも、最低でも100万円かかることがわかります。それに加えて当面の運転資金も必要になるため、起業前に十分な費用の用意が不可欠になります。

ネットショップや情報教材ビジネス、フリーランスなどでは開業資金や運転資金を持たずに始められますが、生活の安定のためには早い段階で事業を成功させなければなりません。いずれにせよ、将来性が見えないなかでの安易な起業は危険です。

何に使う?開業資金の内訳とは

このように実際の数値を上げていくと、予想以上に大きな出費に驚く方も少なくないことでしょう。しかし、実際にこれだけの費用が必要であることには変わりなく、その使い道は確かに存在しています。ここで、開業資金の内訳をチェックしていきましょう。

店舗、テナント、事務所

実店舗やテナント、事務所を構えて事業を始める場合、土地代や敷金・礼金などがかかります。これらの費用は開業資金のうちでもっとも大きな比率となります。

自宅兼店舗として営業する場合や居ぬき物件を得る場合には、土地代を大きく節約できることもあります。

設備

店舗や事務所内に設置する、事業に必要な設備にも費用が掛かります。病院であれば医療機器、カフェや飲食店ならば本格的なキッチンが必要不可欠です。これらの設備は一度購入したらそのままではなく、経年劣化に応じて買い替えることもあるので、そのたびに費用をようしなくてはなりません。

備品

仕事に使うパソコンやインターネット回線、文房具なども必要です。また、チラシや購入者への手紙を送るうえでの用紙、広告費なども備品に含まれます。これらの出費は繰り返し行われるものなので、それに応じた資金が必要であることは言うまでもありません。

商品の仕入れ

小売店であれば商品、病院であれば薬剤、飲食店であれば食材など、ビジネスやサービスを提供するうえでは仕入れが必要になります。オンライン上での店舗展開となるネットショップでも同じことで、例えば「ドロップシッピング」を利用すれば仕入れのコストを大幅に下げられますが、それでも先払いの出費が求められます。

こうして見ていくと、多くの事業にはまとまった資金が必要になることがわかります。開業の意思があるのなら必要資金を確認し、着実な資金確保に努めましょう。

2.融資を受けるなら知っておきたい、「返済シミュレーション」

開業資金とは少し話がそれますが、融資を受ける際の「返済シミュレーション」も、事業者にとって大事なポイントです。事業を運営するなかで多くの方が融資を検討しますが、その際に十分な返済能力を示す必要があるためです。

融資金額の目安となるシミュレーターを活用しよう

融資を受けるときには、金融機関に返済計画を説明します。ここで計画通りに返済ができれば問題ありませんが、なかには無理な返済計画を立てて支払いできなくなるケースもあります。そのようなリスクを避けるためにも、シミュレーターで融資額と返済計画を前もって想定しましょう。

インターネット上で「返済シミュレーター」と検索すれば、シミュレーションの画面があるページにヒットします。そこで借入希望金額と返済期間などを入力すれば、金利と合わせて月々の返済がいくらになるのかがわかります。数値を見て無理そうであれば調整すると、ご自身で実現可能な返済スケジュールを見つけられるので、ぜひ試してみましょう。

銀行から融資を受けたのに返済ができない場合は、次の融資を受けられなくなります。場合によっては自己破産を強いられるケースもあるので、融資を受ける前に適正金額と無理のない返済計画を算出しましょう。

3.初心者必読!「資金繰り表」でシミュレーションに強くなろう

事業を円滑に運営していくためには必要な資金をどのように把握し、リスクやトラブルを未然に防げるかが大きな焦点となりますが、先の予想は決して容易なものではありません。数多くの実績と経験を持つ事業者でさえ、突然のハプニングで資金を失うケースさえあるのです。

しかし、資金繰り表を作成しておけば先のトラブルを大幅に軽減できます。

月ごとに確認する「月次資金繰り表」はマスト

月ごとの資金状況を細かに確認できる「月次資金繰り表」を、必ず用意しましょう。営業収支や利益、支出などを一括管理できるので、ご自身の事業がどのような状態にあるのかを確認できます。

また、1年ごとにデータをまとめておくと売り上げが良い月・悪い月がわかるので、閑散期が来ても落ち着いていられるようになります。資金繰り表自体はインターネット上でダウンロードできるので、この機会にぜひ活用しましょう。

日ごとの「日繰り表」も要チェック!

月次資金繰り表は事業者にとって必須ポイントですが、それだけでは不十分な場合もあります。特に資金繰りの悩みを抱えている場合、取引先からの支払いにばらつきがある場合には、日ごとの資金状況を確認できる「日繰り表」も用意しましょう。

日々の預金残高の変動をチェックすることにより、不必要な出費を避けられるようになります。このようにご自身の事業の金銭的な問題をしっかり見ていくと、金銭感覚はもちろん安定した経営基盤の構築にも役立つので、ぜひ押さえておきましょう!

「シミュレーション」は一見非常に難しい作業のように思われますが、日々の業務をしっかり細かくこなしていけば、十分にリスク回避できるだけの能力が身に付きます。また、ご自身の事業にとっての大きな助けとなるでしょう。事業を始めるのであればこれらのポイントを確実に押さえ、さらなる成功に役立てていきましょう!

 

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