資金を調達することはM&Aにおいて欠かせない!その理由とは?
成長戦略で有効なM&Aを成功させるには、資金調達の問題を解消することが欠かせません。
M&Aで資金調達する方法は、直接金融と間接金融の2つに大きく分けることができますが、そもそもなぜ資金が必要になるのかご説明します。
日本で注目されはじめたM&A
M&Aとは「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」の頭文字を取った呼称であり、買収・合併・事業譲渡・会社分割・増資・株式譲渡など種類によっていろいろな方法が実施されます。
日本では経営者の高齢化や人材不足など、廃業という決断を迫られる問題を解決する手段として、M&Aがだんだんと注目を浴びるようになりました。
資金力のある企業だけでなく、小規模の企業や個人などがM&Aに乗り出すことも増えていますが、そのためには資金が必要です。
なぜM&Aでは資金調達が必要となるのか
M&Aで企業や事業を取得する場合、多くの方にとって資金面の問題が浮上してくるはずです。
買収や株式取得などを必要とするケースだけでなく、次のような理由で資金を調達することが必要となります。
買収資金
会社を買収するその背景には、
- 事業を拡大させ企業価値を向上させた
- 投資リスクを軽減させたい
といったことが理由として挙げられます。
事業を拡大させる場合は、会社の経営戦略やニーズに基づく企業を買収し、現在の弱点といえる部分を改善させたり強化させたりすることや多角化させたいといったことを望むからです。
そして投資リスクを軽減させるには、既存する事業を買収した方が、新しく事業を始め投資するより売上や利益などの動向を確認しやすいからといえます。
買収資金は現金で支払うことが多いですが、数百万円から数億円まで金額も幅広く、手元になければ資金調達しなければならなくなるでしょう。
諸経費の支払い
従業員の人件費やM&A実行で発生する交通費・宿泊費など、様々な経費も負担することとなります。
M&Aでの事業承継は株主総会が必要になるため、株主に対する会議室の配備費や交通費なども支払わなければなりません。
そもそもM&Aは中長期に渡り取り組んでいくことになるため、諸経費の負担が大きくなれば資金を調達しておくことが必要です。
税金の納税資金
M&Aで会社を買収すると、事業承継であれば相続税を引き継ぎの際に納めることが必要です。
相続税額は会社の価値により金額が変わりますが、規模の大きな会社であれば納税負担も重くなります。
相続税を納めることができなければ今後の経営に支障をきたす可能性もあり、M&Aの実行も白紙に戻ってしまうと考えられます。
そのため事業承継によるM&Aでは、納税資金の準備のために何らかの方法で資金を調達しておくことが欠かせないといえるでしょう。
M&Aの資金調達に活用できる制度
M&Aの資金調達に活用できるのが、日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」(事業承継資金)です。
事業承継を目的とした融資制度のように感じるでしょうが、用途は幅広く株式・営業権・事業用資産などの買い取りにも利用できます。
また事業承継やM&Aの後で必要となる資金には、
- 譲受けた事業を円滑に開始する運転資金
- 老朽化した設備を買い替えるための資金
- 事業承継やM&Aをきっかけに新規事業を始めるための資金
などが挙げられますが、これらの資金としても利用可能です。
事業承継する前段階で後継者を育成したり共に事業を磨き上げたりといった取り組みにおいて資金も必要となるため、うまく活用するとよいでしょう。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一時的に業況が悪化している場合には「新型コロナウイルス感染症特別貸付」も扱っているため、要件に該当するならこちらも利用するとスムーズな資金調達につながるばずです。