持続化給付金は本当に中小企業を救う手立てとなる?支給される要件とは

新型コロナウイルス感染症拡大によって、当初は営業自粛などの影響により売上が低迷してしまった中小企業も少なくありません。その中小企業の事業継続を支えるためには、再起の糧となるお金が必要ですが、注目されるのが持続化給付金です。

ここ最近では持続化給付金の不正受給などの話題がニュースで取り上げられるなど、いろいろと問題になっていますが、本来はコロナ禍によるダメージを受けた中小企業や個人事業主を助けるための制度です。

事業全般に幅広く使うことができる給付金制度ですが、本当に給付金が中小企業を救う手立てとなるのか、支給されるための要件などについて解説していきます。

 

持続化給付金の支給対象となるのは中小企業など

まず初めに、持続化給付金をめぐっては不正受給が後を絶たず、全国で逮捕者が相次いでいることを留意しておくべきです。

持続化給付金の不正受給が起きてしまいやすい理由として、受給資格となる売上の数字を操作しやすい点が挙げられます。

給付金支給対象となるのは、

というすべてを満たす事業者です。

資本金10億円以上の企業を除いた中小法人などが対象で、医療法人・農業法人・NPO法人など会社以外の法人でも幅広く対象です。

個人事業者でもフリーランスを含め対象であり、雇用契約によらず業務委託契約などで事業活動から収入を得て、確定申告をしている方でれば対象に含まれます。

 

中小企業に支給される金額はいくら?

さらに給付される金額は、200万円を超えない範囲で対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入から、対象月の月間事業収入を12倍した金額を差し引いたものとされています。

計算式であらわすと、

給付額(上限200万円)=対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入-対象月の月間事業収入×12

となります。

対象月とは月間事業収入が前年同月比50%以下となる月として任意で選択した月のことです。2020年1月から12月までの間で事業者が選ぶことができます。

 

なぜ不正受給が起きやすいのか?

受給資格の有無や受給金額を左右するのは対象月の売上ですが、対象月の売上として計上しなければならない金額をずらし、縮小させて受給資格を得たり受給金額を膨らませたりできます。

確定申告で昨年の売上を膨らませることも、売上はなかったのに立てることもできるので、この不正な手口で満額受給する悪質なケースも存在するようです。

持続化給付金は申請が簡単

持続化給付金は法人であれば事業概要説明書、個人事業主なら確定申告書などに加え、売上減少を証明できる売上台帳や本人確認書類などを準備すれば申請可能です。

その方法もインターネットを使う内容となっていますが、これはできるだけ迅速に資金不足で困っている方に受給してもらうことを目的としています。

しかしこの申請の簡素化が不正受給を増やす要因となってしまいました。

不正受給による申請アドバイスを行い、実際に支給された後で成功報酬を受け取る指南役の甘い誘いに乗ってしまった不正受給者もいるようですが、絶対に不正は行わないようにしてください。

もし不正受給してしまうと…?

持続化給付金はそもそも1度のみ申請可能とする制度ですが、会社経営者が持続化給付金を受け取った後、再度フリーランスとして二重申請するといった事例もあるとされています。

しかし新型コロナの影響により打撃を受け資金難に陥っている事業者を救済するための制度ですので、国もこのまま黙ってみているわけにはいきません。

実際、経済産業省は中小企業庁内に複数の専従者を配置して不正受給を本格的に調査しているとしていますし、審査を強化しすでに支給が終わっている申請も不正の有無を洗い出しているようです。

特に今年初めて確定申告した申請を重点に置いて調査すると考えられるため、不正しやすくても発覚しやすいと認識しておくべきでしょう。

不正が発覚すれば受け取ったお金を返還するだけでなく、受給の翌日から起算し年3%の金利がプラスされた金額の20%上乗せ分を請求されます。

悪質なケースは社名や氏名が公表され、刑事告訴詐欺罪として懲役刑に罰せられる可能性も出てきます。社会的信用の失墜は避けることができず、その後の事業や人生に影を落とすことになりますので不正受給は行わないようにしてください。

 

証拠書類などに関して設けられた特例制度

直前の事業年度の確定申告の申告期限前という場合や申告期限延長などの理由で、対象月の直前の事業年度の確定申告書類の控えが準備できない場合でも、次の書類を代替の証拠書類として提出できれば持続化給付金の申請も可能とされました。

証拠書類としては、

が必要です。

この場合の給付額は、

給付額(上限200万円)=対象月の属する事業年度の2つ前の事業年度の年間事業収入×対象月の月間事業収入

で計算します。

 

2020年に設立した中小企業でも申請対象となる特例

2020年に会社を設立した中小企業でも、2020年4月以降に新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで設立した日の属する月から3か月平均の事業収入に比べ、50%以上事業収入が減少した月が存在するのなら申請可能です。

この場合の持続化給付金は、

給付額(上限200万円)=2020年1月から3月の間の事業収入の合計÷法人設立月から2020年3月までの月数×6-2020新規創業対象月の月間事業収入×6

で計算した金額が支給されます。

 

持続化給付金は中小企業にいつ支払われる?

持続化給付金を申請した場合、内容に不備等がなければ2週間程度で口座に振込入金されます。

確認した結果、申請内容が給付要件を満たさないという場合には給付されません。

確認が終了後に通知が発送されますので、その内容が給付通知か不給付通知か確認するとよいでしょう。なお、通知が到着するよりも前に振込されることもあるようです。

申請に不備があるときはもちろんのこと、不備がなくても一部の特例で申請したときには給付まで時間がかかることもあるようなので、早めの申請が望ましいといえます。

 

持続化給付金を申請できるのはいつまで?

持続化給付金は令和2年5月1日から令和3年1月15日までの受付となっており、オンラインによる電子申請の送信完了締め切りも令和3年1月15日の24時までとなっています。

手続きや申請方法などで不明な点ながあるとき、

問い合わせ電話予約窓口は0120-279-292または03-6832-6631

相談受付時間帯は8:30~19:00(土曜日・祝日を除く)

となっています。

もし受給できる可能性があるのなら、手続きなど窓口に相談してみるとよいでしょう。

また、中小企業などに向けた家賃支援給付金などもありますが、こちらの相談窓口とは別になっていますので間違わないようにしてください。

 

まとめ

持続化給付金は新型コロナで業績が悪化してしまった中小企業や個人事業主への救済措置ともいえる制度ですが、想定していなかった売上減少で資金難に陥っている企業にとっては非常にありがたい給付ともいえます。

しかし本来であれば給付金の対象ではない不正受給なども相次いで発覚していますので、提出された証拠書類などに不審な点がみられれば調査を行うこともあるようです。

仮に調査結果で不正受給と判断されれば、延滞金が加えられた金額を返還しなければならなくなり、企業名の公表や刑事告発の対象にもなってしまいます。

騙す意図がなくても結果として不正とみなされればペナルティを課せられることも考えられますし、支給された場合でも受け取った給付金は課税対象となるお金ですのでその点も注意が必要です。

資金繰りに苦しむ中小企業を助ける手立てとなるのかは受け取った給付金の使い方次第ともいえますので、うまく活用していくことをおすすめします。

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