【ファクタリングの基礎】ファクタリング会社から他社を紹介されたら利用するべき?避けるべき?
資金調達にファクタリングを利用しようと専門業者に申し込みを行ったら、なぜか他のファクタリング会社を紹介されてしまった…。このような場合、安心してファクタリング会社からの紹介を受けてよいものか迷ってしまうものです。
しかし、銀行に借り入れの申し込みをして他の銀行を紹介してもらうことなどありえないように、本来なら競合他社であるファクタリング会社を紹介されることはないはずです。
そこで、もし、ファクタリングを利用する上で他のファクタリング会社を紹介されるのはどのような理由が関係しているのか、注意しておきたいことなどご説明します。
ファクタリングを申し込んだらなぜ他のファクタリング会社を紹介される?
ファクタリング会社も慈善事業ではなく、営利目的で営業している以上、利用を希望する方から申し込みがあれば自社で引き受けたいと考えるものです。
しかし、わざわざ他社を紹介するには何か原因があるはずですが、その理由として考えられるのは次のような内容です。
申し込んだファクタリング会社では審査に通せないから
申し込みを行ったファクタリング会社では、審査基準をクリアできず引き受けができない場合、審査が甘い他のファクタリング会社を紹介して、紹介先から紹介料を得るというケースが考えられます。
最初に申し込みを行ったファクタリング会社は紹介先から紹介料を受け取ることができ、紹介を受けたファクタリング会社は顧客を獲得できるという点で、双方にメリットがあります。
継続利用の際に審査が通らなくなってしまったから
ファクタリング会社によっては独自の取り決めにより、初めてファクタリング利用することについては問題ないけれど、2回目以降の利用はできないという場合もあります。
また、続けて利用できるファクタリング会社の場合でも、継続利用は6か月までなど取り決めや制限が設けられていることもあるため、ファクタリングを希望しても利用できない場合もあるようです。
このように利用期間に制限を設けている理由は、たとえば延々とファクタリングにより資金調達し続けてしまうことにより、売掛債権を先払いで受け取る状態が続いてしまうからです。
それによっていつまでたっても資金繰りは改善されなくなり、場合によっては倒産するリスクを高めてしまいます。
ファクタリングを利用するには手数料もかかりますので、本来受け取ることができる売掛金よりも少ない金額を前倒しで受け取り続けることは、資金繰り改善ではなく資金不足を招くことに繋がりやすくなるわけです。
そこで、初回のみ利用可能というファクタリング会社の場合、2回目の申し込みが行われた時点で他社を紹介されるという流れになります。
リスクを回避しながら紹介料は受け取ることができるという点で、紹介したファクタリング会社にはメリットがあるのでしょう。
同じグループや同じオーナーが運営するファクタリング会社である場合
銀行融資とノンバンクからの借り入れを比較するとわかりやすいですが、銀行から資金を借りることができれば金利は低く設定されますが、その分、審査が厳しくなってしまいます。
しかしノンバンクからの借り入れなら審査のハードルが低いので比較的借りやすいですが、その分、金利は高めです。
ファクタリングも同様に、手数料を低く設定するためにはしっかり審査を行い、安心できる取引であることをファクタリング会社に確認してもらうことが必要となります。
そのため、審査のハードルが低いファクタリング会社ほど、手数料は高めに設定されることになるでしょう。
この一般的な考え方を利用し、同じグループや同じオーナーが経営する複数のファクタリング会社で審査のハードル基準に差を設け、それぞれが紹介し合う形で顧客を逃さない対応を取っている場合もあるようです。
ファクタリング会社から他社を紹介されも利用しないほうがよい?
ファクタリング会社が別のファクタリング会社を紹介する理由をみて分かるように、紹介された先でファクタリングを利用してしまうと高い手数料が設定されがちです。
多くはもともと申し込みを行ったファクタリング会社での審査基準をクリアできないことが理由であるため、審査の甘いファクタリング会社で利用可能となれば当然、手数料は割高になることが考えられます。
これが最初の紹介先でファクタリングを利用できればまだよいほうで、紹介された先からまた別のファクタリング会社を紹介されるという可能性もあるのです。
そうなるとファクタリング会社を紹介されるごとに手数料はどんどん割高となり、十分な資金調達に繋がらなくなってしまう可能性が高まります。
ファクタリング会社のたらい回しのような扱いになる可能性もありますので、資金に困っているとしても安易に紹介を受けないことが重要です。
自分でどのファクタリング会社を利用するか選べなくなる
本来、ファクタリングを利用するときには、自分でいくつかの業者を比較・検討することが一般的です。
複数自分で選んだファクタリング会社から見積もりなどを取得し、会社の信頼性や実績、対応、買取金額の高さや手数料の安さ、資金調達までのスピードなど、比較する上で必要ないくつかの項目を比べながら最終的にどの業者か選ぶことが多いでしょう。
しかし、ファクタリング会社から他社の紹介を受けることになれば、どのような会社でサービスや対応などの内容を確認できないまま利用することになってしまいます。
紹介を受けることで断りにくくなってしまう
仮に複数のファクタリング会社から見積もりを取得し、自分でファクタリング会社を決めて依頼するのなら、選ばなかったファクリング会社には「見積もり内容のよかったところに決めました」と、断りやすいはずです。
しかしファクタリング会社から紹介を受けてしまうと、断れば紹介してくれた担当者の方に迷惑がかかるのでは…?と感じてしまい断りにくい心理状態になってしまいます。
紹介先のほうが手数料は割安ということはまずない!
もしかしたらファクタリング会社から紹介してもらった業者のほうが手数料は割安かもしれない…と、淡い期待を抱いてしまうかもしれませんがそのようなことはありません。
先にも述べた通り、ファクタリング会社が他社を紹介する理由は、自社の審査基準に合わないからであり、紹介先はさらに審査の柔軟なファクタリング会社であるからです。
審査のハードルが低い分、手数料は割高となるでしょうし、ファクタリング会社同士で発生する紹介料分、手数料は高めの設定になることが予想されます。
紹介料は紹介を受けた先のファクタリング会社の収益から支払われることになるので、手数料に上乗せされれば実際は利用者が負担することになってしまいます。
ファクタリング会社を装うヤミ金業者や悪徳業者に騙される可能性も!
ヤミ金業者などは、お金を借りたいという方に簡単に融資を行います。いざ返済期日に返すことができない利用者に対して、返済期日のタイミングには「利息だけ支払ってくれればよいから…」と善良なフリをし、元金はそのまま据え置くことを勧めます。
場合によっては追加融資も応じてくれるなど、資金調達に困っている方にとって救いの手のような対応をしてくることが特徴です。
しかし、一定期間に渡り同じことを繰り返した後、突然、「これ以上の融資はできない」と断ってきます。その上、それまで据え置いていた元金まで早急に返すように返済を迫ってくるのです。
当然、どこからも融資を受けることができずヤミ金業者から借り入れをした利用者が、まとめて借りたお金と法外な利息を返済することはできないでしょう。
そのような状態を理解した上でヤミ金業者は、「それならここに連絡してみてはどうだろう?」と、他の金融業者を紹介してきます。このとき、新しいヤミ金業者を紹介するための紹介料も直接請求されることになってしまうのです。
もし紹介を受ければ、元のヤミ金業者から借りたお金を別のヤミ金業者で借りて返すことになるので、いつまでたってもヤミ金業者との関係を絶つことはできなくなってしまいます。
この流れは、ファクタリング会社を装うヤミ金業者でも同様に行われるので、十分注意が必要です。
そもそもファクタリングという業界は、明確な法規制がなされておらず、設定される手数料も双方が合意すればたとえ法外なものでも成立してしまいます。
資金に困り果てた状態で、提示された手数料があまりにも高すぎると感じたとしても、すぐに資金調達しなければならないという場面ではそのまま契約してしまうかもしれません。
怪しい業者と関わりを持たないためにも、安易に紹介を受け入れないようにしてください。
ファクタリング会社から他社を紹介された時はどうすればよい?
では実際にファクタリング会社を紹介されたらどうすればよいのかというと、適切といえるのは紹介そのものを断ることです。
もし申し込みをしたファクタリング会社から売掛債権の買い取りを断られてしまったら、自分で他のファクタリング会社にアプローチしてみましょう。
ファクタリング会社を選ぶときに、複数から見積もりを取得し、その中の1つに申し込みをしたのなら、その他の候補に問い合わせてみます。
一旦ファクタリング会社の紹介を受けてしまうと、後でやっぱり断りたいと思っても言いにくくなる可能性もありますので、提案されたときにすぐ「自分で他のファクタリング会社に問い合わせてみます」と、伝えることをおすすめします。
他のファクタリング会社を選ぶために
もともと複数社から見積もりを取得して比較・検討した結果、選んだファクタリング会社に申し込みをしたものの断られてしまった…という場合でも、他のファクタリング会社なら取引に応じてもらえる可能性もあります。
ファクタリング会社の中には、買い取る売掛債権に下限を設けている場合もあるので、一定金額に達していない売掛金は買い取ってもらえないこともあるのです。
また、法人のみ対応可能という場合もあるので、個人事業主の方がファクタリングを利用するのなら、法人以外でもOKという業者を探すことが必要になります。
そこで、再度ファクタリング会社を比較・検討するために、利用する上での条件で対応してくれそうな複数のファクタリング会社から見積もりを依頼してみましょう。
ファクタリング会社を選ぶポイント
相見積もりにより、どのファクタリング会社の手数料が最も安いか、という部分に注目してしまいがちですが、手数料だけでなくこれまでの実績や個人事業主まで対応しているか、少額債権でも買い取り可能かなども確認するようにしてください。
相見積もりを簡単に取得するために
ただ、複数のファクタリング会社に直接問い合わせをして、そこから見積もりを取得する作業は想像しているよりも大変です。
手間や時間もかかるので、急いで資金を調達したいという場合などに複数社にアプローチすることは難しいと考えられます。
そこで、複数のファクタリング会社から一括で見積もり取得できるアイミツサイトなどを有効活用することをおすすめします。
優良で安心して利用できるファクタリング会社を複数ピックアップした上で相見積もりを取得できるので、一社ずつに見積もりを依頼するよりも効率的です。