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商工会が行う「経営改善普及事業」で支援してもらえることとは?

2022年4月14日 / 資金調達

地域の事業者が業種の隔たりを越え会員となり、互いの事業や地域の発展に向けて創業的に活動を行うのが「商工会」ですが、小規模事業者の経営改善普及に向けた事業も行っています。

商工会の「経営改善普及事業」は、小規模事業者の経営や技術も改善・発達を図ることを目的とした事業であり、資格を保有する経営支援員などが金融・税務・経営・労務など多岐に渡る相談・指導を行い地域活性化に向けた取り組みを実施していることが特徴です。

他にも商工会では、経営計画策定の支援を行い、売上増進をサポートする経営発達支援事業なども行っていますが、どちらも国と都道府県の補助金交付により秘密厳守・無料で支援されます。

そこで、商工会が行う「経営改善普及事業」ではどのようなことを支援してもらえるのか、その内容について紹介していきます。

商工会なら安心して相談できる理由

商工会の「経営改善普及事業」の対象となるのは小規模事業者ですが、「小規模事業者」とは商工会法で定めのある商工業者であり、常時使用している従業員数が20人(商業またはサービス業は5人)以下の事業者です。

経営について悩みを抱え、改善させるためにどうすればよいか相談したいけれど、相談料などが発生してしまうのでは…と不安を抱える小規模事業者も少なくないことでしょう。

大企業と異なり、資金力も大きくない小規模事業者にとって、できるだけ費用をかけずに相談したいと考えるのは当然のことです。

そのような場合でも、商工会の「経営改善普及事業」によるサポートであれば、無料で相談することができます。

商工会が行う「経営改善普及事業」の中で注目したい支援

商工会が行う「経営改善普及事業」であれば、無料で経営の専門家に相談することができます。

状況により企業訪問なども行われますが、対象となるのは各地域の商工会のあるエリアの事業者です。

確定申告や年末調整など、税務に関するアドバイスを受けることもでき、IT導入によるシステム化なども支援してもらえます。

また、会社経営では欠かすことのできない資金調達についての相談や、公的融資制度の紹介などにも対応しています。

サポートしてもらえる内容は、項目ごとに分けると主に次のとおりとなります。

  • ・税務…確定申告・年末調整・企業などの税務対策・複雑でわかりにくい税務に関するアドバイス
  • ・経理…IT財務会計システムによる効率化・元帳作成・記帳業務代行・「ネットde記帳」のサポート
  • ・融資…経営安定・向上に向けた資金調達に関する相談・融資の斡旋
  • ・労務…従業員の福利厚生など企業の労務面のサポート・労働保険の業務委託
  • ・創業・経営革新…起業や新事業を開拓する方に向けた専門家の派遣等支援
  • ・販路開拓…販路開拓・新分野進出を目的とした企業マッチング
  • ・情報化推進…経理のIT化・パソコンやインターネット活用による事業相談・アドバイス
  • ・講習会・研修会…必要な知識や技術を提供する講演会や研修会など各種開催

商工会が行う経営改善に向けた支援事業の内容

商工会が行う「経営改善普及事業」は、小規模事業者の経営改善や発達が主な目的です。

具体的に次のようなことを経営改善支援事業として行っています。

  1. 主任経営支援員の経営支援
  2. 講習会・研修会の開催
  3. 公的融資などの金融支援
  4. 税理士による税務・経理支援
  5. IT導入など活用支援
  6. 従業員の福利厚生を目的とした労働支援

それぞれどのような支援か、その内容を説明します。

主任経営支援員の経営支援

経営のことで悩んでいる小規模事業者に対し、商工会窓口で主任経営支援員などが相談を受け付け、適切なアドバイスを行っています。

定期的に地域の事業者を回る巡回支援も行い、専門分野ごとに上席専門経営支援員が支援に回るといった対応も行っているようです。

また、経営発達支援事業では、経営計画の策定支援に基づいた伴走型支援・売上増進をサポートしています。

今後は企業力をアップさせていきたいと考える事業者には、小規模事業者持続化補助金など積極的に実施するなど、様々な支援を行っているといえるでしょう。

講習会・研修会の開催

経営における必要な知識・技術など、様々な情報提供に向けて講習会や研修会などを開催しています。

公的融資などの金融支援

資金調達は事業を続ける上で欠かせないことですが、金利が安く担保や保証人など不要の公的融資など、金融支援やあっ旋も行っています。

たとえば「マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)」は、金融面でいろいろな制約のある小規模事業者に対し、商工会が推薦することで、無担保・無保証・低利の融資を受けることができる制度です。

常時使用する従業員が商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)なら5人以下、製造業などは20人以下であることに加え、商工会の経営指導を原則6か月以上受けることが必要ですが、運転・設備資金どちらも2千万円まで借りることができます。

また、マル経融資以外にも、小規模事業者に有利と考えられる融資制度を紹介してくれます。

たとえば日本政策金融公庫の次のような融資制度のあっ旋を行っているので、民間の銀行には相談しにくいという場合には問い合わせてみるとよいでしょう。

  • ・普通貸付
  • ・小規模事業者経営改善資金貸付
  • ・小規模事業者経営発達支援資金
  • ・セーフティネット貸付
  • ・新企業育成貸付
  • ・企業活力強化貸付
  • ・環境・エネルギー対策貸付
  • ・企業再生貸付
  • ・災害貸付・食品貸付
  • ・生活衛生貸付

など。

税理士による税務・経理支援

経営者の中には、簿記や財務の知識が豊富という方もいれば、営業活動は得意だけれど決算書の読み方すらわからないという方もいます。

税金の各種控除など知らない方や、そもそも白色申告や青色申告の違いがわからないなど、税務に関するいろいろな悩みを抱えていることもめずらしくありません。

そこで商工会では、帳簿の記帳方法や決算・申告の方法まで、適切にアドバイスを行っています。

決算や申告期になると税理士が専門相談員として無料の税務相談に応じるなど、専門家からアドバイスを受けることができるのもメリットです。

IT導入など活用支援

どのような業種でもIT化が進んでいますが、地域情報を発信し地域の活性化を目指すためにも、インターネットの導入やIT化、SNSの活用支援などを行っています。

従業員の福利厚生を目的とした労働支援

小規模事業者に雇用されて働いている従業員の福利厚生のために、

  • ・社会保険
  • ・労働保険
  • ・退職金

などの相談にも適切にアドバイスをしてもらえます。

たとえば社会保険は、すべての法人事業所と、常時5人以上の従業員を雇用する一般の個人事業所(飲食・サービス・農・林・漁業などは除く)が加入を義務付けられています。

従業員が5人未満の個人事業所の場合でも、一定の手続で認可を受ければ、健康保険・厚生年金を適用させることが可能です。

そして従業員を1人でも雇用する場合には、業種に関係なく労働保険に加入しなければならないとされています。

しかし労働保険の事務手続が面倒に感じることや、人手不足で事務処理にまで手が回らないというケースもめずらしくありませんが、商工会が運営指導する労働保険事務組合に事務委託し、代行してもらえます。

事務委託により事務処理が軽減されれば、労災保険に加入できない事業主や家族従事者も労災保険に特別加入できることもメリットです。

まとめ

商工会では小規模事業者を対象とした経営改善の普及事業を行っていますが、無料で相談できることがメリットです。

ただ、商工会だけでなく、たとえば資金調達の悩みを相談するファクタリング会社などでも、コンサルティング業務も行い事業者の様々な悩みに対応しているケースがあります。

相談も無料ででき、公的融資に限らず適切な資金の調達方法も提案してもらえるため、困ったときには相談してみてはいかがでしょう。

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赤字経営でも税金支払いは必須?利益が出ていなくても納めなければならない税金とは

2022年4月11日 / 資金調達

会社を経営しているとき、黒字から赤字になれば利益がなく、税金も納める必要はないと考えるものでしょう。

しかし会社経営で支払う税金には、たとえ赤字だとしても納めなければならないものもあります。

そこで、赤字経営のときの税金の扱いや、利益が出ていなくても納めなければならない税金について解説していきます。

赤字でも納めなければならない税金と支払う必要のない税金の種類

赤字とは、決算で儲けを出すことができなかったときの状態であり、利益も所得もない状況を指しています。

ただし会社が納めなければならない税金には、

  • ・年度の所得により課税される税金
  • ・所得と関係なく課税対象となる税金

があります。

そのためたとえ決算書が赤字だとしても支払わなければならない税金があるということですが、

  1. 赤字でも納めなければならない税金
  2. 赤字なら納めなくてもよい税金

の2つに分けてそれぞれの税金の種類を解説していきます。

赤字でも納めなければならない税金

赤字でも納めなければならない税金とは、所得に関係なく一定の金額を納めなければならない「均等割」による税金が一般的です。

損失が発生し、たとえ利益(所得)が出ていなくても納めることが必要となりますし、モノを購入したときなどに支払う消費税なども該当します。

具体的には次のような税金です。

  1. 法人住民税
  2. 消費税

それぞれの税金について説明します。

法人住民税

法人住民税は、

  • ・法人税割
  • ・均等割

の2つで算出されます。

赤字であれば法人税割で課税額は発生しないものの、均等割分は納めなければなりません。

法人住民税の均等割の課税額は、資本金と従業員数により変わってくるだけでなく、自治体により課税条件が異なるなど注意が必要です。

消費税

消費税の課税対象となるのは、商品やサービスを購入した消費者であり、法人に限られません。

商品などを販売する法人では、消費者から消費税を預かって、申告により納めるという流れです。

そのため売上があれば消費者から預かった消費税を納めることが必要であり、たとえ赤字だとしても消費税を支払う義務は発生します。

ただし、経費として外注先などに支払った消費税のほうが多ければ、消費税を還付してもらうことができます。

なお、年間売上が1千万円未満の事業者や、事業を開始して2年以内の事業者は消費税が免税されるため、たとえ赤字でも黒字でも消費税を納める必要はありません。

赤字なら納めなくてもよい税金

会社の所得に対し課税される税金は、決算書で赤字がでれば納める必要はありません。

具体的には次のような税金が対象となります。

  1. 法人税
  2. 地方法人税
  3. 法人事業税

それぞれの税金がなぜ赤字なら課税対象とならないかについては、税額の算出方法が関係していますので、詳しく説明していきます。

法人税

法人税額は、会社の所得に対し一定の税率(事業税率)を掛けて計算する「所得割」という算出方法により決まります。

そのため赤字の場合には、納めなければならない税金も発生しないということです。

地方法人税

地方法人税は法人税額に対し10.3%をかけて税額を算出するため、赤字で法人税が発生しなければ地方法人税も納めなくてもよいということです。

法人事業税

法人事業税も法人税と同様に、所得に税率を掛けて算出するため、赤字であれば発生しない税金です。

赤字決算は損?それとも得?

会社経営では、売上を向上させ経費など支払いをできるだけ抑えることで、利益を生み黒字化させることができるでしょう。

しかし中小企業の多くは資金繰りが厳しい状況であり、新型コロナウイルス感染拡大やロシアのウクライナ侵攻などの影響で、赤字経営が続いています。

決算書が赤字であることはデメリットでしかないと考えるものでしょうが、税金を納めなくてもよいことはメリットと考え、あえて赤字決算を選択する経営者もいることでしょう。

確かに黒字決算なら、その年度の利益(所得)に対し課税される法人税を納めることが必要です。

収入が支出を下回り、損失が発生していれば法人税を納める必要はありません。

日本の中小企業の7割は赤字経営ともいわれているため、たとえ赤字だとしても手元の資金さえ枯渇させなければ倒産することもないですが、長期的な赤字はやはり解消するべきといえます。

法人税を免れることは赤字決算のメリットとしても、将来的な倒産リスク社会的な信用という面ではデメリットでしかありません。

赤字決算のメリットとデメリットについて、詳しく説明していきます。

赤字経営のメリット

会社経営で決算書が決算になったときには、主に次のようなメリットがあると考えられます。

  1. 法人税を納める必要がない
  2. 赤字を繰り越すことができる
  3. 法人税還付金を受け取ることができる

それぞれ詳しく説明します。

法人税を納める必要がない

会社は年に1度の決算により、1年間の法人税など申告をします。

1年間の課税所得に法人税率をかけて法人税額などを計算し、決算日翌日から2か月の間に納税することが必要です。

法人税率は自治体や中小法人かどうか、課税所得の金額などにより異なりますが、額などによって異なります。

ただし法人税は所得が出たときのみに課税されるため、赤字であれば利益が発生しておらず、法人税を支払う必要もありません

赤字を繰り越すことができる

決算で赤字が出たとき、余ったマイナス分は翌年度以降に繰り越すことができ、翌年度以降に発生した黒字額と相殺して将来の法人税を抑えることができます。

税務会計上での繰越欠損金という扱いであり、翌年以降が黒字になっても繰り越した赤字を課税所得から控除すれば、翌年度以降も法人税を納める必要がなくなる可能性もあります。

なお、平成30年4月1日以後開始の事業年度では、最大10年間の赤字繰り越しが可能です。

ただし資本金が1億円を超える法人は、赤字の発生した事業年度から各期控除可能とする金額に制限が設けられています。

資本金が1億円未満の中小法人であれば、黒字が出た期に繰り越しされた赤字を全額控除できます。

ただし繰越欠損金の控除は、欠損金が発生した事業年度に青色申告書を提出し、その後の各事業年度に連続して確定申告書を提出していなければならないため、忘れず申告手続を行いましょう。

法人税還付金を受け取ることができる

中小企業の場合、資金力が乏しく資本が充実しているとはいえないため、赤字が発生したときには前期に納めた法人税を還付してもらうことができます。

ただし還付の対象となるのは、前期に支払った法人税が上限であり、前期より前に納めた法人税まで戻してもらえるわけではありません。

さらに還付の対象となるのは、青色申告書を提出している資本金額が1億円以下の法人です。

前期が黒字で当期が赤字のときには、前期に青色申告書を提出していなければ還付の対象とならないので注意してください。

このように、法人税の優遇措置を利用するには毎年、青色申告書を提出しておくことが必要です。

赤字であれば法人税がかからないため、申告もしないでよいだろうと考えず、必ず申告手続は行うようにしてください。

また、たとえ赤字でも住民税の均等割りは、所得に関係なく資本金や従業者数に応じて課税される税金です。

そして資本金が1億円を超える法人の場合、たとえ赤字だった場合でも事業税がかかることになり、消費税の免税事業者でければ消費税も納めることが必要となります。

赤字決算のデメリット

赤字決算でもメリットはあると耳にすると安心する経営者もいるでしょうが、本来、会社を存続させるためには利益を出し続けることが大切です。

資金繰りも重要であることを考えれば、手元の資金を多く残すために支払う税金を抑えたいと考えるのは当然のことでしょう。

それなら赤字でもよいと考えがちですが、赤字決算になったときの次の2つのデメリットには注意しましょう。

  1. 銀行などの金融機関から信用がなくなる
  2. 長期化する赤字で債務超過になれば倒産リスクを高める

それぞれのデメリットについて説明していきます。

銀行などの金融機関から信用がなくなる

決算が赤字になったときの最大のデメリットとして挙げられるのは、銀行などの金融機関からの信用がなくなることです。

赤字になると銀行が行う企業の信用格付けが低下し、資金の貸し付けができないと判断され、融資を受けたくても断られてしまうことになるでしょう。

銀行から融資を受けることができなくなれば、資金調達の方法が限定されることになり、運転資金不足に陥り倒産リスクが高まります。

なお、たとえ赤字だった場合でも、次の赤字であれば信用格付けの正常先とみなされるため信用は低下しないと考えられます。

【一過性の赤字】

一過性の赤字の原因となるものは、

  • ・災害発生など外的要因
  • ・多額の設備投資
  • ・固定資産売却損の発生
  • ・滞留在庫の処理
  • ・役員退職金の支払い
  • ・リストラクチャリングコスト

などです。

いずれも次期以降は黒字化できることが見込まれるときに、一過性の赤字として認められます。

【創業したばかりであることが理由の赤字】

設立から5年以内で、合理的な事業計画で赤字計画されており、概ね5年以内に黒字化が見込まれ、売上・利益の実績が計画内容の一定水準に達しているときに認められます。

【返済能力に問題がないとされる場合での赤字】

会社に売却できる資産などがあるなど、返済能力に問題がないと判断できるときに認められます。

長期化する赤字で債務超過になれば倒産リスクを高める

決算書が赤字の状態が続いてしまうと、累積赤字の蓄積により、最終的に債務超過に陥る可能性が高くなります。

会社が抱える借金など負債の総額が、保有する資産の総額を越えている財務状態のことです。

債務超過に陥った場合、早期に解消しなければ倒産リスクを高めるため、赤字続であるとは倒産する危険性が高くなると留意しておきましょう。

赤字決算でも資金を調達することは必要!銀行に頼ることが難しいときの対策

赤字になると納めなくてもよい税金があることはメリットでも、資金の調達方法が少なくなることや、倒産リスクを高めることは大きなデメリットです。

銀行から融資を受けることができなくなれば、手持ちの資金も減少してしまうため、支払いに充てるお金がなくなってしまいます。

事業用の運転資金が確保できなくなれば、恒常的な赤字経営に陥ってしまうこととなり、最悪の場合倒産してしまうと留意しておくべきです。

赤字から脱却するためには事業の立て直しが欠かせず、そのためには運転資金が必要となります。

しかし赤字では銀行から融資を受けることができなければ、どのような方法で資金調達すればよいか悩んでしまう経営者もいるでしょうが、たとえば次のような方法があるので検討しましょう。

  1. 資本を増やして資金調達
  2. 資産を売却して資金調達

それぞれの方法について説明していきます。

資本を増やして資金調達

資本を増やすということは、新しく株式を発行するということです。

発行した株式を投資家に購入してもらうことによる資金調達の方法ですが、調達した資金は返済義務のないお金です。

返す必要のないお金を自由に事業に使うことができる方法であり、借金を増やさず手元の資金を増やすことができます。

ただし発行する株式の保有数により、現経営者以外の誰かが経営権を握ってしまう可能性があるため注意が必要です。

特に規模の小さな会社の場合、多額の資金が必要であることを理由に多く株式を発行してしまうと、株式比率を大きく下げる可能性があります。

資産を売却して資金調達

保有する資産などを売却して現金化する資金調達の方法です。

たとえば使っていない不動産や、付き合いで購入した有価証券など、眠っている資産を売ることで資金を調達します。

購入先が見つかればすぐに現金化できますが、不動産などは一定の時間がかかることもあるため注意してください。

また、資金調達できるのは売却する資産の価値までとなるため、資産価値を超える資金を調達することはできません。

資産には売掛債権なども含まれるため、売掛金などもその対象となります。

売掛金を売却し、現金化することをファクタリングといいますが、売却先となるのはファクタリングを専門とするファクタリング会社です。

ファクタリングもおススメの資金調達方法ですが、売却先となるファクタリング会社の信頼性や優良性をしっかりと見極めることが重要となります。

中には法外といえる多額の手数料を請求してくる悪徳な業者もあるため、もしも利用する際には複数のファクタリング会社から相見積もりなど取得し、比較・検討した上で選ぶようにしましょう。

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スムーズな企業経営に向けてコンサルタントに相談する会社のメリット・デメリット

2022年3月24日 / 資金繰り

会社経営していればいろいろなことがありますが、円滑に事業を進めていくためにはコンサルタントの力を借りたほうがよい場合も多々あります。

経営者が的確な判断を下すことができなければ、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうこととなるため、会社独自で問題解決しようとせずコンサルタントにも相談するとよいでしょう。

経営コンサルタントは、客観的な視点で会社が抱える問題点を追及し、改善に向けたヒントを与えてくれます。

そこで、経営コンサルタントを頼ることで会社にどのようなメリット・デメリットがあるのか解説していきます。

経営コンサルタントが行うこと

経営コンサルタントとは、クライアントが抱える経営の悩みや課題を解決するために、現状把握・分析・問題点抽出などを通じながら、適切に解決方法などを提案・アドバイスするプロフェッショナルです。

よりよい方向で経営を進めていくために、市場調査や情報収集なども踏まえながら適切な提案・アドバイスを行い、改善へと導きます。

ただし提案された改善策やアドバイスを実行するのは経営者であり、抱える課題を解決するためには経営者の行動力が重要であることは認識しておく必要があるでしょう。

経営コンサルタントの具体的な仕事内容

経営コンサルタントが行うのは、経営に関する会社が抱える問題点の洗い出しと明確化、そして解決に向けた戦略立案やアドバイスです。

具体的には、財務・会計・経営戦略・人事・営業・マーケティングなど幅広い分野に携わることとなります。

他にも従業員に対して行う能力開発セミナーの講師となるケースもあり、単なる経営アドバイスにとどまるのではなく、様々な課題を解決するサポートをしてくれる専門家といえます。

もしも事業が停滞しているときや競争力に欠けると感じるときには、今の経営戦略が正しいのか、見直し・策定など相談してみるとよいでしょう。

会社経営でコンサルタントを活用することの意味

会社経営でコンサルタントを活用することの意味は、社内・社外的に忙しい経営陣では気がつかない問題点を洗い出させることです。

もし気がついたとしても、解決に向けて何に取り組めばよいのかわからない場合もあるでしょう。

気がついていない問題点の洗い出しや、対応できていない課題に対する取り組みなどが、コンサルタントに相談することで解決につながります。

また、経営者は会社でも最高地位の立場にあるため、経営について問題や悩みを抱えていても相談する相手がいないこともめずらしくありません。

そこで、一人で悩む経営者のよき相談相手としてコンサルタントを頼れば、モチベーション維持・向上の観点でもメリットがあるといえます。

会社が経営コンサルタントを活用する目的として、主に次の5つが挙げられるでしょう。

  • ・会社経営に欠かせない管理・諸問題を解決したい
  • ・新ビジネスの機会を探し飛躍を目指したい
  • ・会社組織の目的・目標設定・達成に向けた支援を求めている
  • ・従業員や経営陣のモチベーションと業務効率を向上させたい
  • ・変革を実施して合理化や付加価値向上を目指したい

具体的な例としては、たとえば次のような悩みや問題を抱えているケースです。

  • ・社員の定着率が悪いため今の就業規則で対応できていない
  • ・新たな商材を発掘したものの未知の分野のため何を調査・分析すればよいかわからない
  • ・ISO対策や安全衛生対策を検討したいものの専門知識のある人材がいない
  • ・会社の方針を従業員に理解してもらえず実施できない理由を知りたい
  • ・借入金や補助金などで資金調達するための事業計画書が必要

実際、中小企業が抱える問題は多岐にわたるため、抱える悩みは上記の事例にとどまりません。

様々な問題を改善させるためには、多岐にわたる経営者が抱える悩みに真摯に向き合い、解決させてきた実績のある経営コンサルタントに相談することが重要です。

会社経営でコンサルタントを活用するメリット

会社経営の悩みをコンサルタントに相談することで、主に次のようなメリットがあります。

  • ・未然にリスクを察知できる
  • ・コンサルタントのノウハウやスキルを取り入れることができる
  • ・説得材料を揃えることができる

それぞれのメリットについて説明していきます。

未然にリスクを察知できる

会社内部にいればうっかり見落としてしまいそうな課題なども、経営コンサルタントに相談することで第三者の視点から状況を判断し適切なアドバイスがされるため、未然にリスクを察知できるメリットがあります。

コンサルタントのノウハウやスキルを取り入れることができる

いろいろな会社と関わり実績を積んでいる経営コンサルタントなら、成功事例を踏まえたノウハウやスキルを取り入れることができます。

説得材料を揃えることができる

プロジェクトを進める上での社内の反対勢力を納得するとき、経営コンサルタントの過去の成功事例や最新情報などを使って、説得の材料を揃えることができます。

経営コンサルタントを活用するデメリット

ただし経営コンサルタントに相談することはメリットだけでなく、次のようなデメリットもあることを踏まえておく必要があります。

  • ・企業に即した提案でない可能性がある
  • ・ノウハウが蓄積されないこともがある
  • ・費用が発生する

経営コンサルタントの中には、一般的な知識に基づいた提案のみで実態に即した提案ができないコンサルタントもいます。

そもそも相談したコンサルタントの強みと会社の求めることが一致していなければ、企業に即した提案は望めないでしょう。

また、契約中は適切な対処ができていたとしても、ノウハウが蓄積されず継続的な成長につながらない場合もあります。経営コンサルタントに継続して頼れば費用も発生するため、経営者が与えられたノウハウを生かす努力をすることも必要です。

そもそも経営コンサルタントと契約すれば料金が発生します。相談後にすぐ状況が改善するとは言い切れないため、長期にわたる契約になれば負担する料金が重く感じることになります。

経営コンサルタントを利用した場合の料金体系

会社経営の悩みをコンサルタントに相談することにはいろいろなメリットがありますが、けっして無償で対応してくれるわけではありません。

そのため、もしも経営コンサルタントを利用したときにはどのような料金が発生するのか把握しておきましょう。

経営コンサルタントの契約形態と料金が発生するタイミングは主に次の3つに分かれています。

  • ・顧問契約による毎月の報酬
  • ・時間契約によるコンサルティング報酬
  • ・プロジェクト完了による成功報酬

それぞれ説明していきます。

顧問契約による毎月の報酬

顧問契約とは、特定業務のスキル・知見・ノウハウがある専門家の能力を企業経営に活用する目的で結ぶ契約です。

経営コンサルタントと顧問契約を結んだ場合、定期的なミーティングや取締役会議などにコンサルタントも同席することとなり、会社経営に関する助言や指導を行います。

中長期的に助言や指導が欲しいという場合には顧問契約がおすすめですが、毎月一定額を報酬として支払うことが必要です。

経営コンサルタントと顧問契約を結んだときに発生する毎月の報酬の相場は、月1~2回の会社訪問で10~50万円程度となっており、コンサルタントの保有する資格・スキル・依頼する会社の従業員数など事業規模により変わります。

時間契約によるコンサルティング報酬

時間契約とは、1時間または1日単位でコンサルティング報酬が発生することとなり、コンサルティング業界では一般的な契約形態といえます。

発生する料金の目安は、1時間あたり5千円~5万円、1日あたり10~50万円程度ですが、コンサルタントにより異なります。

プロジェクト完了による成功報酬

仕事が成功したときに発生する成功報酬では、プロジェクト完了を目的として契約するため、達成度などで報酬額が変わってきます

売上金額や利益の何割かを報酬として支払うケースが一般的ですが、注意したいのは契約期間中に利益を無理に伸ばし、中長期的に見れば会社にとってメリットがあるとはいえない戦略を勧めてくる悪質なコンサルタントもいることです。

評価基準の線引きができていなければ後でトラブルになると考えられるため、成功報酬による契約形態は少なくなっています。

まとめ

経営コンサルタントに会社経営における悩みを相談することで、何が原因か追究することができ、改善に向けた対策をとることもできるでしょう。

しかしコンサルタントは無償で対応してくれるわけではなく、仕事を依頼すればそれに伴い料金も発生します。

ただしコンサルティング業務も行うファクタリング会社なら、無料で相談に応じてくれるため、もし資金面も含めて悩みを抱えているのならファクタリング会社に相談してみてはいかがでしょう。

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会社経営に関する悩みや問題はその内容によってどこに相談するべきか

2022年2月28日 / 資金調達

会社の経営者が、どのようにこれから事業継続する上で意思決定すればよいかわからないというとき、抱える問題の内容によって誰かに相談したいと考えるものでしょう。

しかし経営において抱える問題はそれぞれであり、たとえば次のような内容を悩みとして抱えていることが多いといえます。

  • ・事務所の家賃や従業員の給与を支払うお金がない
  • ・借入金の返済資金に充てるお金がない
  • ・金融機関と話し合いがうまく進まない
  • ・仕入れ代金の支払い日が迫っているのに手元に現金がない
  • ・廃業を検討しているけれど手続方法や従業員はどうなるのか不安
  • ・ビジネスモデルを変えたいけれどどうすればよいかわからない
  • ・補助金や助成金を申請したいけれど方法がわからない

このような内容の悩みについて、誰に相談すればよいかわからないと頭を抱える経営者は決して少なくないといえます。

しかし、誰にも相談せずに放置していれば、会社経営に支障をきたすだけでなく内容によっては事業継続が厳しくなるとも考えられます。

そこで、経営についての問題や悩みを、その内容によって誰に相談するべきかについて解説していきます。

経営に関する悩みや問題に対する相談内容として多いのは4つ

経営のことで悩みや問題を抱えている経営者が誰かに助言やアドバイスを求めるとき、その相談内容として多く挙げられるのは主に次の4つです。

  1. 資金繰りの相談
  2. M&A・事業承継の相談
  3. 経営再建の相談
  4. 創業・起業の相談

それぞれどのような内容か具体的に解説していきます。

資金繰りの相談

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、資金繰りが行き詰まってしまうケースはめずらしいことではありません。

明確にいつ収束するのか先が読めず、売上低迷や需要の縮小などで資金繰りに頭を悩ませる経営者は多々います。

逼迫する資金繰りなどの内容について相談先として考えられるのは、

  1. 金融機関
  2. 税理士
  3. 資金調達をメインとするコンサルタント

の3つです。

金融機関

手元に現金がなければ今を乗り切ることはできず、廃業や倒産に追い込まれるリスクが高くなります。

そこで、経済産業省が支援している資金相談特設サイトなどを参考に、

  • ・日本政策金融公庫
  • ・商工組合中央金庫
  • ・信用保証協会

の各政府系金融機関に相談しましょう。

新型コロナウイルス感染症による影響を受けた中小企業・小規模事業者に対する融資の他、民間の金融機関から事業資金を調達するときに保証する制度など、相談に対応しています。

税理士

銀行など金融機関から融資を受けたいときや、助成金・補助金を申請したいけれど手続が煩雑で手間取っているという場合、税理士など専門家に相談するとよいでしょう。

  • ・資金繰り表作成による必要資金の計算
  • ・キャッシュフロー計算に基づいた予実管理
  • ・提出を求められている事業計画書の作成
  • ・返済条件変更のアドバイス

などの支援をしてもらえます。

他にも金融機関と面談するときにも同席してもらえることもあるなど、税理士によって提供するサービスは異なります。

税理士にも得意分野や対応しているサービスは異なるため、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトなどで税理士を探すときには、どこまで相談できるか事前に確認しておいたほうが安心です。

M&A・事業承継の相談

事業を引き継いでほしいと願っていても、後継者候補となる人材がおらず、廃業を選択するしかないといったケースも見られます。

このような場合、独立行政法人 中小企業基盤整備機構では、事業承継などについて様々な相談を無料で受け付けています。

中小企業診断士や金融機関に勤務していた方などの専門家が相談に応じてくれるため、事業承継や経営に関する適切な助言・アドバイスをもらえるでしょう。

また、弁護士や税理士など専門家と連携し、譲受候補となる企業などを紹介してもらえます。

スムーズに事業承継を進めるためには、法律や税務の内容に詳しい専門家に相談したほうが安心です。

後継者が不在という理由で廃業を選択するよりも前に、まずは中小企業基盤整備機構や、事業承継サービスを提供している事務所などに相談してみるとよいでしょう。

経営再建の相談

会社を倒産させたくないと考える経営者は、業績低迷を何とか食い止めるための施策を相談することになります。

この場合、再建を目指すことができるか弁護士に相談するとよいでしょう。

再建にはいくつか条件があるため、条件をクリアできるかによって再建を目指すことができるのか、または断念し整理するのか変わります。

経営再建ができる条件

経営再建するためにクリアしなければならない条件として、主に次のことが挙げられます。

  • ・資金繰りを予定通り返済し、新たな借入れなどで資金繰りのサイクルを回すことができるか
  • ・銀行など債権者に返済計画の見直しやリスケジュールに対応してもらうなど理解を得ることができるか
  • ・収益を生むことのできる柱となる事業は残し、不採算事業は撤退するなど選択と集中が可能か

経営を再建することを断念した場合

経営を再建させたいけれど、自助努力では不可能という場合には、倒産手続をとることとなるでしょう。

倒産手続には、

  • ・裁判所を介して行う「法的整理」
  • ・債権者と直接交渉して行う「私的整理」

の2つがあります。

さらに法的整理として、

  • ・破産法に基づく破産手続
  • ・会社法に基づく特別清算手続
  • ・民事再生法に基づく再生手続
  • ・会社更生法に基づく更生手続

が挙げられます。

裁判所が手続に関与することとなるため、法的な強制力があることがメリットですが、時間やコストがかかります。

それに対し私的整理として挙げられる任意整理などの場合、債権者との交渉や協議で手続を進めるため、柔軟な内容で合意を得やすくなることがメリットです。

ただし裁判所を介さない分、強制力は弱まることと、債権者が必ずしも交渉に応じてくれるとも限らないことはデメリットといえます。

創業・起業の相談

事業を最初から立ち上げる創業や企業の相談については、民間のコンサルティング会社などに支援してもらったほうがよいでしょう。

国や自治体でも、創業・起業に対する支援は積極的に行っています。

ただし国や自治体の創業・起業支援は主に資金調達面でのサポートとなるため、具体的な事業の進め方などまでアドバイスしてもらえるわけではありません。

そのためえ民間のコンサルティング会社などのほうが、創業・起業のサポートをした実績なども多く、様々なケースにおいて対応してもらいやすいでしょう。

経営について相談するときに注意したい7つの内容

経営に関する悩みや問題を相談するときに、注意したいのは誰に何を相談するか事前に明確にしておくことです。

基本的には経営に関する専門家を相手にすることになるでしょうが、どの分野の専門家かによって対応できるか異なります。

また、対象となる業界など絞っているケースもあるため、有益な情報を得たいなら相談先の選択は重要といえるでしょう。

そのため、経営相談する相手を選ぶときには、主に次の6つに注意するようにしてください。

  • ①創業・起業する場合には対象となる業界について精通または熟知している専門家か
  • ②開業届・青色申告制度・決算業務など経営数値の知見がある専門家
  • ③創業・起業する場合で融資を受けたいときの支援サービスに詳しい専門家か
  • ④従業員の労務管理全般の知識があり情報提供や適切なアドバイスをしてくれる専門家か
  • ⑤M&Aなど検討している場合は、事業承継・事業売却・買収などに精通している専門家か
  • ⑥廃業など検討している場合には私的整理や法的整理に詳しい専門家か

専門家を選ぶときには、何を専門としているのか、事前に確認した上で適切な助言やアドバイスを貰えるようにしておきましょう。

悩みや問題の内容によって候補となる6つの相談先

抱える経営の悩みについて相談先を選ぶ場合、そもそも相談相手となる士業や専門家はどのようなことを得意とするのか知っておきましょう。

相談内容によって、独占業務としてその専門家でなければできない業務もあるため、相談する相手は間違わないことが大切です。

悩みや問題の内容によって候補となる相談先は主に次の6つです。

  1. 弁護士
  2. 税理士
  3. 司法書士
  4. 社会保険労務士
  5. 中小企業診断士
  6. 民間コンサルタント

それぞれどのような内容を相談できるか説明していきます。

弁護士

弁護士の場合、M&A・事業承継・事業再編・経営再建など、法的手続が関係することであれば全般に相談できます。

単に契約業務や法務業務について進めてもらえばよいと考えず、たとえば再建を断念したときに必要となる法的整理などは弁護士が担当することなります。

弁護士でない者は報酬を得る目的で法律事件に関する事務は行うことができません。

特にM&Aなど他社との合併や買収を検討するときには、法的トラブルが発生するよりも前に、弁護士に相談したほうが安心といえます。

なお、弁護士法人の場合には国税局などに届出を出すことで税理士業務も行うことができるとされているため、税務についても相談に応じてもらえる場合があります

税理士

銀行から融資を受けるときや助成金・補助金の申請に必要な各種書類の作成の他、税務申告書類の作成などについての悩みは税理士に相談しましょう。

税理士は税務のスペシャリストであり、資金繰り・M&A・事業承継などの相談にも応じてくれます。

特に銀行融資を受けるときに提出を求められる事業計画書については、適切な内容で作成できていなければ資金調達につながりません。

税務業務は税理士の独占業務であり、納税者に代わって税務申告・税務申告書類作成・書類提出・税務相談を提供できるのは税理士だけです。

司法書士

登記申請は司法書士の独占業務であるため、登記の専門家というイメージが強いですが、創業・起業なども司法書士に相談するほうがスムーズです。

司法書士の業務は多岐に渡り、

  • ・登記・供託手続の代理業務
  • ・裁判所・検察庁・法務局へ提出する書類の作成

などに関する相談にも対応しています。

社会保険労務士

就業規則や規程改定、助成金などの相談は社会保険労務士がよいでしょう。

また、労働保険や社会保険の手続に関する書類作成・提出などは、社会保険労務士の独占業務です。新型コロナウイルス感染症関連の助成金の申請代行も社会保険労務士の業務となっています。

働き方改革など叫ばれ、どの業界でも対応を迫られています。

労務管理や福利厚生、就労環境の整備などで悩みを抱えているときには、社会保険労務士に相談したほうがよいといえます。

中小企業診断士

経営診断や創業支援など、経営コンサルタント業として活躍できる唯一の国家資格が中小企業診断士です。

M&A・事業承継・創業・起業などの相談にも対応していますが、他の国家資格と異なるのは、独占業務がないということです。

経営学・マーケティング・財務・会計・経済全般・企業経営にかかわる法律など熟知していなければ合格できない国家試験であるため、特化できる独占業務はないものの、特定のジャンルではなく多面的に分析ができる専門家と考えておいたほうよいでしょう。

会社経営において、課題抽出と解決方法を分析してほしいという場合には、中小企業診断士に相談することをおススメします。

民間コンサルタント

民間のコンサルタントにも会社経営の悩みを相談することはできます。

たとえば資金調達に関する内容の悩みについて、対応してくれるコンサルタントを探しているという場合、優良なコンサルタントを見極めることができなければ悪徳な業者に騙されてしまい反対に高額な手数料を搾取されてしまう可能性もあります。

民間のコンサルタントは先に述べたような資格を保有しているわけではないこともあるため、相談先として選ぶときには次のことに注意しましょう。

数字ばかりにとらわれず選ぶ

インターネットに公式サイトを開設しているコンサルタントの場合、ネット上にたとえば【支援成功率99%】という高い実績をアピールしてあっても、成功の可能性が高い経営者者に対してのみ支援しているとも考えられます。

過剰な数値を公表し、顧客を誘おうとしているケースも考えられるため、具体的な支援事例やサポートした顧客から得たアンケートなど掲載しているか確認しておくようにしましょう。

資格や肩書きに惑わされない

コンサルタントのプロフィール欄に、税理士・中小企業診断士・ファイナンシャルプランナーなどの資格や肩書きがあれば安心してしまいがちです。

ただし、資格があるからコンサルタントとして優秀とも限らず、分析が得意とも言い切れません。

特にコンサルタントの専門とされる中小企業診断士は独占業務がありませんが、それは資格がなくてもコンサルティング業務の対応は可能であることを意味するとも考えられます。

抱える問題について高い知識や実績があるコンサルタントか、資格や肩書きだけに惑わされることなく、選ぶようにしてください。

専門家とのネットワークを築いていることが大切

今抱えている問題を解決に導いてくれるコンサルタントか、必要なときには各種専門家とつなげてもらえるネットワークがあるかについても重視しましょう。

専門家とのネットワークがなければ、専門家ごとの独占業務に対応してもらうことが必要となったとき、別途業務を依頼する専門家を探さなければならなくなります。

独自で解決しようとせず、専門家とのネットワークなどを有効活用してくれるコンサルタントのほうが安心です。

まとめ

経営者の抱える悩みは多岐に渡りますが、その内容によって相談先は異なります。

相談する相手を選んでしまうと、問題解決まで時間や手間が余計にかかることになる場合や、間違った判断をしてしまう可能性を高めます。

もし誰に相談してよいか迷ったときには、今抱えている悩みや問題を洗い出し、何を解決させたいのか明確にした上で、相談先を選ぶようにしてください。

なお、ファクタリング会社などがコンサルティング業務を兼務しているケースでは、無料相談に対応してもらえることが多いといえます。

特に資金調達の悩みについては、最適な方法など提案されるため、ファクタリング会社も相談先の候補として検討することをおススメします。

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戦略コンサルタントと経営コンサルタントの具体的な違いとは?

2022年2月17日 / 資金調達

企業経営のアドバイザーとして活躍する専門家には、「戦略コンサルタント」と呼ばれる人もいれば「経営コンサルタント」もいますが、両者の違いは何なのでしょう。

実はコンサルタントにはいろいろな仕事がありますが、企業経営に関するアドバイザーとして代表的な役割を担うのが「戦略コンサルタント」と「経営コンサルタント」であり、明確な違いについて定義などもありません。

ただ、業務や仕事内容・クライアントなどによって「戦略コンサルタント」か「経営コンサルタント」か違いがあることが多いといえるため、その区別について説明していきます。

経営コンサルタントの主な仕事とは

「経営コンサルタント」とは、クライアントが競争で生き抜くための経営戦略などをコンサルティングしていく専門家です。

クライアントが抱える経営上の問題全般について、まずは経営者からヒアリングを行い、問題点を分析して解決策を提示します。

経営コンサルタントの場合、専門とする分野は「経営」や「経済」に関することなので、たとえば次のようなときに相談する相手といえます。

  • ・新年度から新たに事業を立ち上げたい
  • ・業績を向上させるため既存の事業を整理したい
  • ・海外進出する上での事業拡大計画を立てたい
  • ・他企業とM&A(買収・合併)する際のアドバイスが欲しい
  • ・コスト削減に向けたリストラや減給などを検討したい

そのため経営コンサルタントとして活躍できる人材とは、社会経済に精通し、経営・雇用・法律などについて幅広い知識を保有する方といえます。

経営コンサルタントが取引する相手は、主に中小企業や個人事業主などであり、経営・人事・財務などに総合的にアドバイスすることが可能な知識がなければ務まりません。

経営コンサルタントの専門分野は主に4つ

経営コンサルタントに明確な定義はないものの、聞き取った問題について分析し、解決策を提示できる能力が求められます。

ただ専門的な部分に違いがあり、次の4つの経営コンサルタントに分けられることもあります。

「経営戦略」の経営コンサルタント

企業の経営戦略に関するコンサルティングを専門として行うのが「経営戦略」の経営コンサルタントです。

「戦略コンサルタント」として、採用や育成ルートを分類していることもありますが、仕事内容は同じといえます。

社会経済・景気変動・企業の経営に関する知識などが必要とされ、他の会社とのM&A(買収・合併)や海外進出などの事業計画に関するアドバイスができる能力も求められます。

「財務」の経営コンサルタント

企業の「財務」を専門としてアドバイスする経営コンサルタントであり、税金・法律に関して豊富な知識を有していることが求められます。

節税対策や補助金・助成金、その他の資金調達などを提案することも主な仕事です。

「人事」の経営コンサルタント

企業の「人事」を専門としてアドバイスする経営コンサルタントで、労務・雇用などに関する専門的な知識が求められます。

採用活動におけるアドバイスや就業規則の見直し、残業削減に向けた提案などを行います。

「マネジメント」の経営コンサルタント

「マネジメント」分野を専門とする経営コンサルタントで、会社の業務の流れを確認し、コスト削減しながら業績を向上させることに向けたアドバイスができる知識が求められます。

経営コンサルタントの業務の5つの流れ

経営コンサルタントは、クライアントの実態や問題点を把握し、改善させるための最善策を検討します。

そして問題解決に導いていくことを役割としますが、主に次のような業務の5つの流れとなっています。

①ヒアリング

まずはクライアントから直接話を聞いて、今どのような問題を抱えているかヒアリングします。

経営者からヒアリングする以外にも、社員などから話を聞くこともあります。

②診断

業務効率化や合理化などを目指す企業に対し、実態の調査と問題点を診断します。提供された情報だけで診断が難しいときには、独自に調査を行うことも行います。

③分析・提案

ヒアリングで情報を得て会社の実態を確認後、問題点を洗い出してその解決に向けた提案や改善案を検討します。

さまざまな仮説を立てながら、最も効果的な方法は何か検討し、クライアントとともに問題解決に向けて動いていきます。

④評価

問題の解決策を提案するだけにとどまらず、実績向上に向けて効果があったのか、対策実行後に振り返り評価していきます。

もしも結果を得ていなければ、再度、新たな対策を検討・提案・計画の見直しを行います。

⑤情報提供

国内外の情勢や業界の動向だけでなく、法改定や規制の見直しに関することなど、知識として得た情報を提供し、今後の企業経営に役立ててもらうことも必要です。

戦略コンサルタントとは

戦略コンサルタントと呼ばれる専門家は、コンサルティング事業会社(コンサルティングファーム)に所属していることが多いといえます。

企業から受けた相談に対し、課題解決や事業発展に向けたサポートを行います。

コンサルティングにも事業領域や得意分野など違いがあるといえますが、戦略コンサルタントの場合は企業の経営戦略を練る専門家として仕事をすることが特徴です。

経営コンサルタントのクライアントは中小企業や個人事業主であるのに対し、戦略コンサルタントの場合は取引先が大企業となることも違いといえます。

他企業とのM&A(買収・合併)のサポートや海外進出に向けた事業計画に関してのアドバイスなども、経営コンサルタントより多いといえます。

まずは経営コンサルタントで経験を積み、その後、戦略コンサルタントとして働く方もいます。

経営に関する最高峰の資格といえる「MBA(経営学修士号)」を取得している戦略コンサルタントもいるなど、高い専門的知識を保有する人材でなければ務まりません。

企業課題を解決する提案を行う専門家

戦略コンサルタントは、企業の経営層が抱える課題解決に向けた対策や方法を提案することが主な仕事です。

中長期で事業計画を立てたり新規事業を立案したり、マーケティング戦略や海外進出に向けた取り組み、人材や会計などの相談まで多岐に渡り様々な支援を行います。

業界での立ち位置や客観的評価も含め、調査やヒアリングを行いますが、経営陣だけでなく従業員やステークホルダーまでインタビューを行っていきます。

調査により内外で得た情報を統合・分析・検証し、企業にとって最もよい対策や方法を提案することになります。

戦略コンサルタントと経営コンサルタントの違い

戦略コンサルタントと経営コンサルタントは、似ているものの厳密には違いがたくさんあります。

戦略コンサルタントの場合、クライアントの要望に対して、目的達成に向けた取り組みやその手順・期間など具体的なソリューションで提案を行います。

まずは枠組みを作ってから、セットアップしていくプロデューサーのような存在といえるでしょう。

経営者と協力しながら、企業の「戦略」を決定していくコンサルタントといえます。

それに対し経営コンサルタントは、計画の大枠といえる戦略を実行できる段階まで具体化し、システム構築と運用に向けた戦術を決定していきます。

企業の内側に入り込み、社内で戦略を浸透させていき、実際に実行するまで指揮・サポートするディレクターのような存在といえるでしょう。

どちらも企業経営を改善させるための専門家であることに違いはありませんが、対象となるクライアントや役割など異なる部分があると理解しておいてください、

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新型コロナが与える「人材派遣業」の経営と動向への影響とは?

2022年1月19日 / 資金繰り

新型コロナウイルスの影響は様々な業界に及んでいますが、「人材派遣業」も他人事とはいえない状況で、経営のも大きく関係することとなりました。

売上回復に向けた活動など今後の舵取りを検討しなければならない中、難しい経営状況が続いている人材派遣業などは、どうすればよいかわからなくなってしまいます。

そこで、コロナ禍で人材派遣業界の動向はどのように変わるのか、人材派遣会社の経営者は今後、どのような事業戦略を立てていくべきか解説していきます。

コロナショックによる「雇用」への影響

新型コロナウイルスの影響で膨大な被害を受けたのは、

  • ・インバウンド消費
  • ・宿泊
  • ・レジャー
  • ・飲食

など、主に人的接触のある産業です。

そして大きく影響を受けた産業の雇用・就業にも被害が出ているといえるでしょう。

時短影響や営業自粛により、休業や退職しなければならない人が増えてしまいました。企業側も、様々な助成金などを活用しながら、雇用を維持しようと努力している傾向が見られます。

しかし長期化するコロナ禍で、今後は耐えることができない産業や企業が増えていくとも考えられており、実際にコロナ関連倒産する企業は増えているといえるでしょう。

2021年10月時点の完全失業率は2.7%で、たとえば新型コロナウイルスの影響が明確にあらわれてきた2020年4月と比較しても、0.1ポイント近く「悪化」している状況です。

コロナ禍による「人材派遣」の問題

総務省の調査によると、2020年4月分の正規職員・従業員数は、前年同月比では63万人増加していました。

しかし非正規職員・従業員数は97万人大幅に減少しています。

この減少している人数を業界別に確認すると、

  • ・製造業(34万人)
  • ・宿泊業・飲食サービス業(30万人)
  • ・卸売業・小売業(22万人)
  • ・生活関連サービス業・娯楽業(12万人)

と、いずれもコロナ禍の影響を大きく受けた産業ばかりです。

非正規従業員の2万人ほどは、2021年6月に入ってから解雇や雇い止めされたといわれており、特に「製造業」などは派遣切りが問題になりました。

製造業の場合、自動車関連の仕事なども含め、3か月契約で期間工を雇用していることが一般的です。

いつ収束するか明確ではない新型コロナの影響により、生産活動が完全に正常化する見込みもいつになるかわからず、今後も派遣契約が更新されないといった可能性もあると留意しておくべきでしょう。

ポストコロナの「人材派遣業」の在り方とは

ではポストコロナにおいて、人材派遣会社にはどのようなことが求められるのでしょう。

人材派遣会社は、専門の業種や高いスキルを保有した人材を派遣できるように、そして人材派遣以外の新規事業開発なども必要になると考えられます。

既存の事業を継続させるだけでなく、新規事業とのシナジー効果を生み出すことにより、アフターコロナにおいても事業は活性化されるはずです。

そこで、ポストコロナの人材派遣会社は、経営において短期と長期の2つの目線で先を見通すことが必要です。

たとえば足元の求人倍率は減少している場合でも、そのような状態はいつまで続くかわかりません。コロナ禍の影響をどのようにクリアしておくのかなど、短期的な視点を持つことも重要となります。

そして長期的に見たときには、少子高齢化が進むことでだんだんと労働者人口は減少し、人手不足による求人倍率の上昇も予想されます。

そのときに競合とどのように戦い、差別化により成長していくのかという部分も検討しておかなければなりません。

ポストコロナにおいて、人材派遣業界で今後注目されると考えられるビジネスモデルは主に次のとおりです。

  • ・伸びている業種の「目利き」と「特化」するビジネスモデル
  • ・「人材シェアリング」による人材活用を行うビジネスモデル
  • ・「ダイレクトリクルーティング」で人手不足解消できるビジネスモデル

それぞれ詳しく説明していきます。

伸びている業種の「目利き」と「特化」するビジネスモデル

新型コロナウイルスの影響は人材派遣業だけでなく幅広い業界に打撃を与えました。

しかしその一方で、ほとんど影響を受けなかった業界も存在します。

たとえばコロナ禍による巣ごもり需要に対応できた業種、介護・医療など人口構造に依存する業界などが挙げられます。

むしろコロナ禍が追い風になった業種や、外部の環境の影響を受けにくい業種などは、業績が下落するどころか上昇しているため人手が不足している状況ともいえるでしょう。

デジタル関連業界・介護・医療業界などの領域などがその例ですが、それらの業界を強化した人材派遣を行うことにより、コロナ禍でも安定した売上を確保できます。

コロナ禍で採用活動を控える企業も少なくありませんが、医療・物流・運輸などの業界や、ECサイトや通信関連などの業界は、緊急事態宣言が解除された後で採用活動を活発化させていました。

人材派遣業界の場合には景況や移動制限などによる採用の鈍化が影響しましたが、在宅勤務に移行する流れを受けてニーズの高まったIT人材などを中心に派遣すれば、追い風を受けることができるとも考えられます。

「人材シェアリング」による人材活用を行うビジネスモデル

宿泊・飲食・娯楽サービスなど、個人に向けたサービス提供する産業では、大幅に人手が余るといった傾向も見られました。

しかしその一方で、食品スーパー・宅配デリバリー・農業などの人手不足は加速しています。特に農業は、コロナ禍で外国人技能実習生が入国しなくなったことも影響しているといえるでしょう。

そこで、一時的に雇用過剰になっている産業から人手不足の産業に、人材をシェアリングする仕組みを作るといったビジネスモデルも考えられます。

人材を「シェア」する仕組みであり、業績が大幅に下がり人手が過剰になっている宿泊・外食・娯楽サービスの人材を、需要が増加しているスーパーマーケットや宅配デリバリーにシフトさせる仕組みです。

人材派遣会社が、「人手が余っている企業」と「人手が足りていない企業」をマッチングさせる仲介役となり、雇用の問題を解決させていくことも必要となるでしょう。

仲介したときに一定の手数料を徴収することで、人材派遣会社の収益を増やすことができます。

人材をレンタルする仕組みを作り促進されることにより、雇用を維持することが困難な企業でも、将来の事業再開に向けた人材確保が可能となります。

人材派遣会社としてのネットワークをうまく活用し、人材の流動性を高めていける仕組みを構築してみることも、アフターコロナにおける人材派遣業界での生き残りをかけた方法の1つとして検討してみてはいかがでしょう。

「ダイレクトリクルーティング」で人手不足解消できるビジネスモデル

人材ビジネスを長期的に見れば、雇用市場は人手不足といえます。

その人手不足の状況で人材派遣会社が業績を向上させていくためには、自社の抱える派遣社員の数も必要であるため、人材募集力が問われることとなるでしょう。

人材募集力を高めるために、注目したいのが「ダイレクトリクルーティング」です。

「ダイレクトリクルーティング」とは、他社の媒体に頼ることなく、Webマーケティングと自社の採用サイトを活用して人材を採用する方法を指しています。

人手不足が続くアフターコロナ時代でも、採用コストを低く抑え、多くの求職者にアプローチが可能となるため、派遣社員の数を十分確保することにつながるでしょう。

まとめ

コロナ禍で大きな影響を受けた人材派遣業ですが、アフターコロナでも生き残りをかけた経営方針を打ち出すことが必要です。

売上回復に向けた今後の舵取りについて、どのような事業戦略を立てていくべきか、紹介した方法なども参考に検討してみてください。

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「商工会議所」と「商工会」の違いとは?対応可能な経営相談・支援制度について

2022年1月14日 / 事業資金

経営者の中には、いろいろな方面から相談に応じ支援してくれる「商工会議所」と「商工会」について、違いがよくわからないという方もいることでしょう。

「商工会議所」と「商工会」は、どちらも企業が抱える経営に対する悩みの相談に応じてくれる機関というイメージがありますが、特徴など異なります。

そこで、「商工会議所」と「商工会」の違いと、経営に対して相談できることや支援してもらえることについて解説していきます。

「商工会議所」と「商工会」の違い

「商工会議所」と「商工会」は、名称は似ていますがそれぞれ次のような違いがあります。

まず「商工会議所」とは、地域の商工業者の世論を代表して、商工業振興に力を注ぎ国民経済を健全に発展させるための地域総合経済団体です。地区内での商工業について、総合的な改善発展を図り、社会一般の福祉増進に資することを目的としています。

対する「商工会」は、地域の事業者が業種に関係なく会員となり、互いの事業発展や地域発展に向けて総合的な活動を行う団体です。国や都道府県の小規模企業施策・中小企業施策を実施する機関でもあり、中小企業を含む小規模事業者を支援する様々な事業を実施しています。

「商工会議所」と「商工会」の違いをまとめると以下のとおりです。

  • ・根拠となる法律 : 商工会議所:商工会議所法 商工会:商工会
  • ・管轄する官庁 : 商工会議所:経済産業省経済産業政策局 商工会:経済産業省中小企業庁
  • ・管轄地域 : 商工会議所:市の区域(特別区をふくむ) 商工会:町村の区域
  • ・事業内容 : 商工会議所:地域の総合経済団体として、中小企業支援から国際的な活動を含めた幅広い事業を行う 商工会:中小企業施策、とくに小規模企業施策に重点を置く
  • ・団体数 : 商工会議所:515商工会議所(2020年4月時点) 商工会:1,649商工会(2020年4月時点)
  • ・会員数 : 商工会議所:122万事業者(2021年3月現在) 商工会:78万事業者(2020年4月時点)
  • ・会員企業の規模 : 商工会議所:約8割が小規模事業者で、商工会とくらべて中堅・大企業の割合が高い 商工会:地区内の小規模事業者が中心で、9割を超える会員が小規模事業者

もともとは事業者を支援するために「商工会議所」が設立されましたが、設けられたのは市部だけでした。そのため商工会議所が設立されなかった町村区域に、新しく「商工会」が設けられています。

このことから、「商工会議所」と「商工会」の「管轄」する地域が重なることはないといえます。

さらに「商工会議所」は事業者支援以外にも国際的な活動も行うなど事業の幅が広いことが特徴ですが、「商工会」は小規模事業者支援に注力していることも違いとして挙げられます。

「商工会議所」と「商工会」で共通しているのは「目的」「原則」「役割」

「商工会議所」と「商工会」は似ているようでいろいろな違いがありますが、「目的」「原則」「役割」では共通している部分もあります。

主に「商工会議所」と「商工会」で共通する「目的」「原則」「役割」はそれぞれ次のとおりです。

「商工会議所」と「商工会」で共通する「目的」

「商工会議所」と「商工会」が団体を設立した「目的」は、それぞれが適用される法律で次の規定がされています。

  • ・商工会議所は、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする(商工会議所法6条)
  • ・商工会は、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、あわせて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする(商工会法3条)

このように、どちらの法律もほとんど意味は同じであるため、「目的」は共通していると考えられます。

「商工会議所」と「商工会」で共通する「原則」

「商工会議所」と「商工会」の「原則」も実は共通しています。

それぞれ適用される法律は上記のように異なりますが、次の3つはそれぞれの法律で規定されているからです。

  • ・営利目的としてはならないこと
  • ・特定の個人または法人、その他団体の利益を目的とした事業を行ってはいけないこと
  • ・特定の政党のために利用してはならないこと

「商工会議所」と「商工会」で共通する「役割」

「商工会議所」と「商工会」は、

「中小企業や小規模事業者のために、秘密厳守・原則無料で経営相談などを行う」

「役割」も共通しています。

地域の中小企業・小規模事業者にとって、経営についていつでも気軽に相談できる「かかりつけ医」としての役割を担っており、それぞれが様々な相談・支援制度を設け事業者をサポートしているといえるでしょう。

「商工会」で相談できることと利用できる支援制度

商工会では、金融・税務・経理・経営など様々な問題について、次のような窓口相談・巡回相談などを行っています。

経営相談・支援

経営の悩みを抱える事業者に、法律や税金など専門家や経営指導員などが様々な課題についてアドバイスを行っています。

商工会の窓口だけでなく、定期的に地域を巡回しアドバイスするなど、窓口を訪問しなくてもよいのはメリットといえるでしょう。

税務相談・経理指導

青色申告制度や適用できる控除などの他、帳簿の記帳方法や決算・申告の方法などの相談にも応じています。

また、決算や申告期になると、税理士が専門の相談員として無料税務相談に応じてくれます。

金融相談・斡旋

金融や信用保証に関する相談・斡旋なども行っています。

商工会の推薦を受け、日本政策金融公庫から無担保・無保証・低利でお金を借りることができる「マル経融資」など、事業資金の調達にも活用できます。

取引・販路開拓支援

インターネットを活用した企業情報など、地域の色々な情報を発信し、ビジネスチャンス拡大や地域活性化に向けた支援も行っています。

労務相談

企業に勤務している従業員の福利厚生のため、社会保険・労働保険・退職金などの相談に応じています。

連鎖倒産防止相談

商工会連合会に設置した「経営安定特別相談室(倒産防止特別相談室)」では、倒産リスクのある中小企業から事前相談を受け、見込みがあると認められる企業に対し関係機関の協力を得ながら再建に向けた方途を講じています。

倒産防止が難しいと判断できる企業に対しても、円滑に整理を図るなど相談に応じてもらえます。

分野別専門家派遣(エキスパートバンク事業)

依頼された相談に対し適切な専門家を選定して、原則1テーマ1回、弁護士・税理士・公認会計士・弁理士・中小企業診断士・技術士など無料で派遣してくれます。

「商工会議所」で相談できることと利用できる支援制度

企業経営に関しての様々な課題を解決させるため、ビジネスサポートデスクを設置し無料相談を受け付けています。

商工会議所で相談できることは主に次のとおりです。

「資金調達」についての相談

商工会議所から推薦を受け、無担保・無保証で融資を受けることができる「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」や、会員に限定したローン制度など資金ニーズに対して相談に応じています。

専門家による「窓口専門相談」

抱える悩みについて、弁護士・税理士・社会保険労務士・弁理士・ITコンサルタントなどの専門家に無料相談が可能です。

そのため経営指導員による一般経営相談だけでなく、専門的な知識が必要な内容でも対応してもらえます。

海外取引や海外進出などに向けた「海外展開支援窓口」

海外企業と取引を検討している中小企業や、現地に進出したいと考えている中小企業などを支援するため、海外ビジネスの経験が豊富なコンサルタントが無料で相談に応じ支援してくれます。

M&Aや従業員承継など事業承継に対する相談

事業承継の悩みを抱える中小企業のM&Aなどについて支援してくれる公的相談窓口で、実務に精通した専門家が対応してくれます。

倒産防止や経営再建について「経営安定特別相談」

中小企業の倒産を未然に防ぐため、経営に見込みがあると判断されれば倒産回避の方法を提案してもらえます。見込みがない場合でも、円滑な整理を図る倒産防止特別相談事業が行われるため安心です。

商工調停士・弁護士・公認会計士・企業再建コンサルタントなどの専門家が無料で相談に応じてくれます。

創業・起業支援

商工会議所では独立創業・起業を目指すときの支援も行っており、様々な創業・起業の課題について対応してもらえます。

創業セミナーや創業ゼミナール、創業者交流会なども開催されているため、創業準備にも役立てることができるでしょう。

また、信用保証協会の保証料が割引される「創業融資保証制度」もあるため、色々な支援を受けることができます。

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