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新型コロナが与える「人材派遣業」の経営と動向への影響とは?

資金繰り2022/01/19

新型コロナウイルスの影響は様々な業界に及んでいますが、「人材派遣業」も他人事とはいえない状況で、経営のも大きく関係することとなりました。

売上回復に向けた活動など今後の舵取りを検討しなければならない中、難しい経営状況が続いている人材派遣業などは、どうすればよいかわからなくなってしまいます。

そこで、コロナ禍で人材派遣業界の動向はどのように変わるのか、人材派遣会社の経営者は今後、どのような事業戦略を立てていくべきか解説していきます。

コロナショックによる「雇用」への影響

新型コロナウイルスの影響で膨大な被害を受けたのは、

  • ・インバウンド消費
  • ・宿泊
  • ・レジャー
  • ・飲食

など、主に人的接触のある産業です。

そして大きく影響を受けた産業の雇用・就業にも被害が出ているといえるでしょう。

時短影響や営業自粛により、休業や退職しなければならない人が増えてしまいました。企業側も、様々な助成金などを活用しながら、雇用を維持しようと努力している傾向が見られます。

しかし長期化するコロナ禍で、今後は耐えることができない産業や企業が増えていくとも考えられており、実際にコロナ関連倒産する企業は増えているといえるでしょう。

2021年10月時点の完全失業率は2.7%で、たとえば新型コロナウイルスの影響が明確にあらわれてきた2020年4月と比較しても、0.1ポイント近く「悪化」している状況です。

コロナ禍による「人材派遣」の問題

総務省の調査によると、2020年4月分の正規職員・従業員数は、前年同月比では63万人増加していました。

しかし非正規職員・従業員数は97万人大幅に減少しています。

この減少している人数を業界別に確認すると、

  • ・製造業(34万人)
  • ・宿泊業・飲食サービス業(30万人)
  • ・卸売業・小売業(22万人)
  • ・生活関連サービス業・娯楽業(12万人)

と、いずれもコロナ禍の影響を大きく受けた産業ばかりです。

非正規従業員の2万人ほどは、2021年6月に入ってから解雇や雇い止めされたといわれており、特に「製造業」などは派遣切りが問題になりました。

製造業の場合、自動車関連の仕事なども含め、3か月契約で期間工を雇用していることが一般的です。

いつ収束するか明確ではない新型コロナの影響により、生産活動が完全に正常化する見込みもいつになるかわからず、今後も派遣契約が更新されないといった可能性もあると留意しておくべきでしょう。

ポストコロナの「人材派遣業」の在り方とは

ではポストコロナにおいて、人材派遣会社にはどのようなことが求められるのでしょう。

人材派遣会社は、専門の業種や高いスキルを保有した人材を派遣できるように、そして人材派遣以外の新規事業開発なども必要になると考えられます。

既存の事業を継続させるだけでなく、新規事業とのシナジー効果を生み出すことにより、アフターコロナにおいても事業は活性化されるはずです。

そこで、ポストコロナの人材派遣会社は、経営において短期と長期の2つの目線で先を見通すことが必要です。

たとえば足元の求人倍率は減少している場合でも、そのような状態はいつまで続くかわかりません。コロナ禍の影響をどのようにクリアしておくのかなど、短期的な視点を持つことも重要となります。

そして長期的に見たときには、少子高齢化が進むことでだんだんと労働者人口は減少し、人手不足による求人倍率の上昇も予想されます。

そのときに競合とどのように戦い、差別化により成長していくのかという部分も検討しておかなければなりません。

ポストコロナにおいて、人材派遣業界で今後注目されると考えられるビジネスモデルは主に次のとおりです。

  • ・伸びている業種の「目利き」と「特化」するビジネスモデル
  • ・「人材シェアリング」による人材活用を行うビジネスモデル
  • ・「ダイレクトリクルーティング」で人手不足解消できるビジネスモデル

それぞれ詳しく説明していきます。

伸びている業種の「目利き」と「特化」するビジネスモデル

新型コロナウイルスの影響は人材派遣業だけでなく幅広い業界に打撃を与えました。

しかしその一方で、ほとんど影響を受けなかった業界も存在します。

たとえばコロナ禍による巣ごもり需要に対応できた業種、介護・医療など人口構造に依存する業界などが挙げられます。

むしろコロナ禍が追い風になった業種や、外部の環境の影響を受けにくい業種などは、業績が下落するどころか上昇しているため人手が不足している状況ともいえるでしょう。

デジタル関連業界・介護・医療業界などの領域などがその例ですが、それらの業界を強化した人材派遣を行うことにより、コロナ禍でも安定した売上を確保できます。

コロナ禍で採用活動を控える企業も少なくありませんが、医療・物流・運輸などの業界や、ECサイトや通信関連などの業界は、緊急事態宣言が解除された後で採用活動を活発化させていました。

人材派遣業界の場合には景況や移動制限などによる採用の鈍化が影響しましたが、在宅勤務に移行する流れを受けてニーズの高まったIT人材などを中心に派遣すれば、追い風を受けることができるとも考えられます。

「人材シェアリング」による人材活用を行うビジネスモデル

宿泊・飲食・娯楽サービスなど、個人に向けたサービス提供する産業では、大幅に人手が余るといった傾向も見られました。

しかしその一方で、食品スーパー・宅配デリバリー・農業などの人手不足は加速しています。特に農業は、コロナ禍で外国人技能実習生が入国しなくなったことも影響しているといえるでしょう。

そこで、一時的に雇用過剰になっている産業から人手不足の産業に、人材をシェアリングする仕組みを作るといったビジネスモデルも考えられます。

人材を「シェア」する仕組みであり、業績が大幅に下がり人手が過剰になっている宿泊・外食・娯楽サービスの人材を、需要が増加しているスーパーマーケットや宅配デリバリーにシフトさせる仕組みです。

人材派遣会社が、「人手が余っている企業」と「人手が足りていない企業」をマッチングさせる仲介役となり、雇用の問題を解決させていくことも必要となるでしょう。

仲介したときに一定の手数料を徴収することで、人材派遣会社の収益を増やすことができます。

人材をレンタルする仕組みを作り促進されることにより、雇用を維持することが困難な企業でも、将来の事業再開に向けた人材確保が可能となります。

人材派遣会社としてのネットワークをうまく活用し、人材の流動性を高めていける仕組みを構築してみることも、アフターコロナにおける人材派遣業界での生き残りをかけた方法の1つとして検討してみてはいかがでしょう。

「ダイレクトリクルーティング」で人手不足解消できるビジネスモデル

人材ビジネスを長期的に見れば、雇用市場は人手不足といえます。

その人手不足の状況で人材派遣会社が業績を向上させていくためには、自社の抱える派遣社員の数も必要であるため、人材募集力が問われることとなるでしょう。

人材募集力を高めるために、注目したいのが「ダイレクトリクルーティング」です。

「ダイレクトリクルーティング」とは、他社の媒体に頼ることなく、Webマーケティングと自社の採用サイトを活用して人材を採用する方法を指しています。

人手不足が続くアフターコロナ時代でも、採用コストを低く抑え、多くの求職者にアプローチが可能となるため、派遣社員の数を十分確保することにつながるでしょう。

まとめ

コロナ禍で大きな影響を受けた人材派遣業ですが、アフターコロナでも生き残りをかけた経営方針を打ち出すことが必要です。

売上回復に向けた今後の舵取りについて、どのような事業戦略を立てていくべきか、紹介した方法なども参考に検討してみてください。

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