実は危険?中小企業の資金調達で危ない行為を徹底解説!

2019/06/17
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会社は営利社団法人である以上、利益を得るために事業を営むことになります。大企業でも中小企業でも、利益を得るには、設備に投資を行い、商品を仕入れ、人を雇用するなど、様々な資金が必要となるでしょう。

そのための資金は利益から充てることができれば問題ありませんが、そうでない場合はどこから調達するのかが問題です。

特に大企業より資金面で体力の弱い中小企業の場合、当たり前のように資金の調達方法として使っている手法が、実はとても危険な行為である場合もあることを理解しておく必要があります。

 

銀行からの借り入れは当たり前の資金調達方法なのか

自己資金が十分になるのなら、わざわざ銀行から融資を受ける必要はないでしょう。お金を借りれば利息も発生しますので、無駄な費用を支払わないためには本来なら無借金経営が一番よいのかもしれません。

しかし企業を成長させるため、時には借金をしてでも資金を調達することが必要となる場面はやってきます。

昔も今も一般的な資金調達の方法として利用されているのが銀行からの借り入れです。融資を受けることにより、自己資金だけでは叶わない投資が実現でき、短期間で効率的に多くの利益を生むことに繋げることができるでしょう。

 

借りてまたすぐに借りる折り返し融資

順調に利益を生むことができれば、返済資金に充てることもできて何も問題がないように思うかもしれません。ただ、せっかく減った借入金残高を再度借り入れて元に戻す、折り返し融資を繰り返している場合はどうでしょう。

貸し付けたお金が正しく返済された実績が安心材料となり、銀行に再び融資の相談を持ちかけても応じてくれやすくなります。決算が終わった頃、1年の間に返済した分を再び借り直すことで、手元の資金は潤うでしょう。

 

折り返し融資に頼りきってしまうと…

基本的に折り返し融資により得た資金は、仕入から売上を回収するまでの時間のロスを埋めるための運転資金に使われることが多いでしょう。

ただ、借り入れた資金の返済分を利益でまかなえるくらいの売上があがっているのなら問題ありません。そうでない場合、売上分を回収し、新しい仕入れの支払い分に充てたり、従業員の給与や経費の支払いに充てれば、だんだんと運転資金も乏しくなっていくはずです。

銀行の融資における審査は厳しいので、もし返済できる見込みがないと判断されてしまった場合には貸し付けを行わなくなります。それまで折り返し融資でなんとか運転資金の準備はできていたはずなのに、今回は融資はできませんと断られてしまう可能性もあるということです。

 

●追加資料を要求される

決算書や直近の試算表以外に、業績予想などこれまでとは違う書類の提出を求められたとしたら、銀行は経営状態に不安を抱いている可能性があります。

追加資料を求められるのなら、銀行内で融資を行うと審査を前向きに進めているとも考えられます。ただ、毎回、折り返し融資を利用できているから、今回も間違いないと勝手に判断してしまうのは危険ということです。

 

●担保を要求されたり返済期間を短縮される

折り返し融資の金額はこれまでと同じ金額なのに、今回のみなぜか担保の差し入れを求められた場合、銀行は返済能力に不安を抱いているということです。

担保の差し入れを要求するということは、万一返済されなくなったときのための保全を増やしたいと考えているからなので、リスクが高い取引と判断されているといえるでしょう。

また、銀行は期間の長い融資はリスクが高いと判断するため、融資の返済期間を短縮するように要求された場合なども、倒産リスクを懸念されていると理解しておきましょう。

 

●金利が高く設定される

金利が高くなるということは、銀行内での格付けが変わっていることが考えられます。格付が変わる要因にはいろいろありますが、業績悪化や赤字により回復の目処が立っていない場合は要注意です。これまでより厳しい目線で見られていると認識しておきましょう。

 

社債の発行で資金を調達する方法は安全?

銀行融資ではなく、類似した方法として社債を発行する企業もあります。社債とは、株式会社が資金を得る手段として、投資家から資金を募るときに発行する証書のことで、株式とは異なる性質のものです。

株式により投資家は株価変動により利益を得たり配当金を受け取るメリットを得ます。企業も投資家により出資を受けた形となるので、返済義務はありません。

一方、社債は債券なので、決められた期限を迎えた場合には投資金額と利息を投資家に返済することになります。

ただ、銀行からの借入金なら毎月返済していかなければなりませんが、社債なら満期を迎えるまで元本は返済しなくてもよいので、資金の調達には適していると考えられます。

 

返済しなければならないことに変わりはない

すぐに返さなくてもよいだけで、結局は返済負担を負うことに変わりありません。返済できなければ破綻することとなり、仮に上場会社なら上場は廃止され、持っている株は無価値となります。

借入金や社債を返済できるだけ利益が上がっていれば問題ありませんが、業績が低迷している中で社債を発行することは資金の調達方法として適しているとはいえないでしょう。

 

増資は「希薄化リスク」による株価下落に注意

上場企業で見かけるのが増資による資金調達です。新しく株式を発行して投資家に購入してもらい資金を得ます。

増資により最も注意しておきたいのは希薄化リスクです。増資をしたことで1株あたりの当期純利益などが減少してしまうリスクを指します。

仮に発行済株式数が100万株あり、当期純利益が1億円の企業があったとします。

この場合の1株あたり当期純利益は、

「1億円÷100万株=100円」

です。

ではこの企業が新たに25万株、株式を増やした場合はどうでしょう。発行済株式数は100万株から125万株になるので1株あたり当期純利益は、

「1億円÷125万株=80円」

と、100円から80円減少します。

1株あたりの当期純利益が減少するということは、株価収益率も上昇するため、株価は下落します。長期に渡り株主だった方からすれば、価値の低下は喜ばれるものではありません。

 

場合によっては経営権を揺るがされることもある

そして、株の所有率が変わることも注意が必要です。企業とは関係のない投資家に株式を売却できる第三者割当増資を行うと、会社に関係のないのに経営に対して発言権を持たれてしまい、事業が成立しなくなる可能性も出てきます。

 

ノンバンクからの資金調達は果たして危険なのか

ひと昔前までは、ノンバンク=危険というイメージが強かったのは、利息制限法ではなく出資法を基準とした貸し付けを行う貸金業者により、個人が次々と自己破産などに追い込まれた事実があるからでしょう。

ただ、現在は貸金業法により利息制限法の上限金利と出資法の上限金利の間にあったグレーゾーン金利というものは廃止され、貸金業法により利息制限法を超えた貸し付けは禁止されています。

そのためノンバンクが行う事業者向けのビジネスローンなどは、審査が銀行融資などよりも甘く、迅速に対応してくれるという面で急いで資金を調達しなければならないタイミングにも対応できるなど利用する中小企業も少なくありません。

 

ノンバンクからの借り入れは高い金利はツキモノ

ただ、どうしても銀行や信用金庫、信用組合などから融資を受けた場合よりも金利が高めです。銀行が行う貸し付けの原資となるのは預金者から預け入れられたお金ですが、ノンバンクは預金を行わない金融のため、銀行などから低金利で融資を受け、その資金を貸し付けの原資としています。

そのため銀行から融資を受けたときに発生する利息以上の金利を設定しなければ元を取ることはできず、さらに収益をあげるためには高い金利で貸し付けを行うしかない状況です。

ノンバンクによっては即日融資を可能にするなど、資金を調達するまでのスピードという部分ではメリットが高いですが、長期に渡り借り続けてしまうと金利負担が重くなり、資金繰りは悪化してしまいます。

あくまでも売掛金が入金されるまでの間に一時的に借り入れるといった程度に留めておく必要があるでしょう。

 

まだまだ馴染みの少ないファクタリングは安全な資金調達の手法?

中小企業は売掛債権を多く保有しているため、はその売掛債権を流動化させて資金を調達することを推奨しています。その売掛債権の流動化の方法の1つとしてあげられるのがファクタリングです。

ファクタリングは企業が保有する売掛債権を、ファクターと呼ばれるファクタリング専門業者に売却し、決済期日よりも前に現金化させる方法です。

まだまだ馴染みは少ないといっても、少しずつ国内の中小企業では資金の調達方法として浸透しつつありますが、人気が高まってきた理由として審査の柔軟性、資金調達までのはやさ、返済負担を負わない点があげられます。

売掛代金を先に受け取る形となるので当然融資を受けるわけではなく、そもそも受け取る予定だったお金を前倒しで入金してもらえることが特徴です。

 

ファクタリングが注目されるようになった理由

中小企業の信用力が低下していることで手形取引は減少しました。手形取引が減少するその一方で、中小企業は融資に対して依存し過ぎており、資金を調達する手段は金融機関からの融資と位置付けられている状況です。

ただ、融資を受けるためには経営力や信用力、担保や保証などの設定など、様々なハードルをクリアしなければならず、実際に融資が実行されるまで時間がかかります。さらに必ずしも融資が行われるとも限らず、申し込みはしたけれど審査が通らず断念せざるを得ない中小企業も少なくありません。

資金調達の問題を解決する選択肢が、融資だけではリスクが大きく、今後の商取引に支障をきたす可能性も高いといえるでしょう。

そこで商取引により発生する売掛債権を早期に資金化させることで資金調達するファクタリングが注目されるようになったわけです。

 

ファクタリングの具体的な取引方法

ファクタリングは、入金期日を迎える前の売掛債権(売掛金)を、ファクタリング専門業者が買い取って、利用者に買取代金を支払います。

これで売掛金が実際に入金となる前に現金化されるわけですが、現金化された後、売掛先から売掛代金が入金されたとき、ファクタリング専門業者がその代金を回収する流れです。

融資ではないので担保や保証は必要ありませんし、行われる審査も利用者ではなく売掛先の信用力が重視されます。

信用力の高い売掛先の売掛金があれば、創業して間もないベンチャー企業でも、季節的な要因や景気の影響を受けやすい企業などでも利用できます。

 

ファクタリング専門業者を装う悪徳業者に注意!

ファクタリング事業は融資を行う取引ではないことで、国の許認可や登録制度などはなく、参入障壁が低いことで上場企業や大手企業が新規に参入し増え続けています。売掛金を資金化する資本力と査定力があれば、新規で参入することは比較的容易だからです。

ここで注意したいのは、参入障壁が低いことで悪徳な業者が中には混ざっているという点です。ファクタリングを利用する中小企業の多くは、資金を緊急的に準備したいというケースであることを利用し、法外な手数料を搾取しようとする悪徳業者が存在します。

 

●悪徳業者の手口とは

その手口はとにかく甘い言葉で誘惑して信頼を得ようとする方法で、信頼してもらえたと確信した後、本来なら存在しない名目の費用を請求したり、見積もり段階とは異なる高い手数料を契約ギリギリのタイミングで提案してきたりします。

急いで資金を調達しなければならない場面で、何か変だと気がついてもそのまま契約してしまう企業もあるようです。

表向きはインターネットのホームページや電話口の対応など、善良なフリをして対応してきます。しかし会社情報を開示しようとしなかったり、なぜか面会はせず電話口だけで取引を行おうとする場合は危険な証拠です。

また、掲載されている所在地に事務所や店舗が存在しないというケースもあるので、ファクタリングで資金を調達するなら必ず信頼できるファクタリング専門業者に依頼するようにしてください。

 

まとめ

中小企業が資金を調達する方法はいくつかあります。しかし、何も危険はないと、当たり前のように行っていることが実は今後の事業継続を揺るがす問題に発展することもあります。

手元の資金がショートしてしまわないようにすることは大切なことですが、調達しても資金繰りが改善されなければ意味がありません。自社にとってどの資金調達の方法が最も適しているか、再度しっかり検討してみてください。

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