販売先が倒産した場合に備えることができる売掛債権保証とは?

2019/06/14
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近年、中小・零細企業の倒産件数は増え続けていますが、これは本来受け取るはずだった回収費用が回収不能状態に陥ることが大きな要因となっています。

回収不能となった売掛債権の金額が大きいほど、経済資源に乏しい中小・零細企業には致命的な打撃となり、経営を続けることができず連鎖倒産に陥ってしまうのです。

このような状況に陥らないために、経営リスクに合わせ売掛債権が保証されればよいのに…と思うかもしれませんが、売掛金を保証するサービスは存在します。

 

売掛債権保証とは

売買契約において、販売先に対する売掛金が倒産などの理由で未回収になった場合、たちまち回収できなくなることを防ぐサービスです。

もし販売先が支払不能になった場合、事前に設定した保証金額を支払ってもらえるので、事業拡大のために一貫してリスク管理を導入したいときなどによいでしょう。

貸し倒れが発生したときの備え以外にも、リスク許容力に限界を感じ、収益機会を逃しているためリスク許容力を拡げたいという場合や、得意分野に経営資源を投入したい場合など、中小企業が抱える経営課題に対応できます。

 

売掛債権保証の特徴

与信限度額に保証極度額を上乗せすることにより、回収に対する不安を抱えることなく売上を増やすことができるでしょう。なお、販売先ごとに保証極度額の設定が行われるので、信用状況を判断する材料としても活用できるサービスです。

 

新たに取引を始めるときや単発の取引でも有効

はじめて取引を行う際には、販売先の与信判断に困ることもあるでしょう。その場合、保証を確保できるので新規でも安心して取引ができますし、急な大口の注文でも売掛金の貸し倒れを防ぐことが可能となります。

 

無駄な保証料が発生しない

個別の販売先に対する実際の売掛債権額に保証料が設定されるので、希望する販売先の債権だけに保証をつけることができます。無駄な保証料は発生せず、保証料率も販売先のリスクに応じた設定となるので安心です。

 

販売先に保証が設定された通知は行われない

保証の依頼に基づいた与信調査が行われますが、あくまでも側面調査のため販売先に直接ヒアリングを行うなどはありません。保証が設定されたことが知らされることもないので、販売先に知られることなく利用することができます。

 

売掛債権保証の流れ

保証を依頼すると、販売先に対する調査が実施され、保証できるか審査されます。まずは保証してほしい販売先を決めることからはじめましょう。

 

どの販売先を対象として保証してもらうか決める

たとえば売掛債権の残高が平均300万円以上ある販売先のうち、業績が悪くなった様子がある場合や、よくない噂など風評が悪化しているなど、不安を感じる取引を対象にピックアップしていきます。

 

売掛債権のいくらまで保証してもらうか

保証してほしい販売先を決めたら、どのくらいの金額に保証をつけるのか決めます。自社の売掛債権残高のピークや平均などを参考に決めていくなら、事前に売掛債権の動きや残高を把握しておくことが大切です。

 

販売先の支払い状況を確認

すでに売掛債権に遅延が発生していると保証を依頼しても引き受けてもらえない可能性があります。遅延が発生していたのに虚偽の申告で発生していないことにして無理に引き受けてもらっても、いざというときに保証されなくなってしまえば支払った保証料が無駄になりますので注意してください。

 

売掛保証を導入する予算

サービスを利用する上で、どのくらい予算を使うことができるか考えてみましょう。現在、1年を通して使用している調査や債権管理、回収にかかる費用、未回収が発生している金額など、保証を導入したときにかかる費用を比較してどちらが得か判断します。

 

売掛債権保証の対象となる債権

売掛債権保証を利用できる債権とは、商品やサービスを販売・提供したことにより発生した売掛債権手形債権です。貸付金債権や融通手形は対象に含まれません。

これらの債権のうち、保証開始日以降に債権が発生して、さらに保証期日までに保証履行条件に該当することが必要となります。

そのため、保証開始日までに債権が発生している場合や、保証期間が終了した後で債務不履行となった場合、債務不履行となった後や保証期間終了後に債権が発生した場合は保証対象にならないということです。

 

保証が履行されるための条件

販売先が経営悪化などにより、破産手続や民事再生手続、会社更生手続、特別精算開始の申立を行った場合、また、手形が不渡りになったなど、倒産事由に該当した場合が対象です。ただ単に未納である場合に保証されるわけではありません

 

売掛債権保証を利用したいケース

売掛債権を保証してもらえるといっても、具体的にどのような状況で利用すればよいのかわかりにくい場合もあるかもしれません。そこで、具体例を挙げてご説明します。

 

販路を拡大させて売上向上を狙いたい場合

売掛債権保証を利用するとよい事例として、たとえばこれまでは個人対象だったものを法人にも販路を拡大させたいというケースなどです。

法人に販路を拡大されたことで注文が全国から殺到し、喜びもつかの間、どのような会社か把握できず高額取引を持ちかけられても契約を結んでよいか判断がつかないものです。

このような場合、新規の取引に対して売掛債権保証をつけることにより、安心して取引を行うことができます。

 

販売先の要望にこたえやすくしたい場合

これまで取引相手が新規の場合は前金か代引きで対応していたものの、経理の都合上、掛け取引でないと困るといわれた場合などです。

安全性を確保するため取引を断わり続けてしまうと、相手が上場企業や大手などの場合、商売の広がりを狭めてしまうことになります。

このような場合、新規の販売先すべてに保証をつけることで、債権を保全するだけでなく、売上増大や取引先拡大にもつながりやすくなります。

販売先の調査や債権回収にかかるコストを削減させながら、相手の要望にこたえやすくなることはメリットといえるでしょう。

 

保証されなかった場合はどうなる?

万一の際にも保証した会社が売掛金を支払ってくれるので、財務状況やキャッシュフローを安定させることに繋がります。

ただ注意しておきたいのは、販売先の信用力によっては希望する金額が出ないことがある点です。また、保証を利用しても実際に保証されるのは販売先が倒産などに至った場合のため、単に売掛金が未回収で遅れているだけでは保証を受けられないことも理解が必要となります。

販売先が倒産せず、保証されなかった場合でも、支払った保証料は返還されないので、掛け捨ての保険に加入する感覚で利用することになるでしょう。

 

買取ファクタリングとあわせて検討を!

もし販売先が倒産してしまったら…このようなリスクを回避する上で売掛債権保証は安心を得るために利用できるサービスです。

ただ、もっと気軽に未回収リスクを回避するサービスのほうが利用しやすいという場合もあるかもしれません。このような場合には、買取ファクタリングを検討してみるとよいでしょう。

買取ファクタリングは、保有する売掛債権をファクタリング専門業者に売却するという形で、資金を得る方法です。

手数料は発生しますが、実際に受け取る予定だった売掛金から手数料分が差し引かれ、期日より先にその代金を受け取ることができます。

売掛債権保証と大きな違いは、入金期日までまたずに代金を受け取ることができる点です。期日の到来までに発生する様々な支払いに対応できる方法なので、早く資金を調達したいという場合には買取ファクタリングのほうが有効といえるでしょう。

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