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起業家に向けた創業支援の補助金や助成金のメリットとデメリットとは

資金調達2021/11/29

起業するときには資金を調達することが必要ですが、創業支援の補助金を活用する方法などもあります。

融資を受けて資金を調達すれば返済しなければなりませんが、創業支援の補助金や助成金なら返済不要のお金を集めることができます。

ただ創業支援用を含めた補助金や助成金は数千種類あるともいわれており、どれを活用すればよいかわかりにくいと感じる方もいることでしょう。

そこで、創業するときに支援してくれる補助金や助成金など、どれを選べばよいのかおすすめの制度をご紹介します。

 

補助金や助成金はどのような制度か

補助金や助成金は、返済不要の資金を受け取ることができる制度ですが、どちらも同じ制度ではありません。

共通しているのは、直接・間接的に公益上の必要があると判断されたとき、交付される給付金のことです。

補助金は、国や自治体が目指す姿(政策目標)に合わせて色々な分野で募集されており、事業者の取り組みを支援するため資金の一部を給付する制度を指しています。

助成金の場合は、要件を満たせば受給可能となる可能性が高い制度であり、大きく分けると厚生労働省の雇用関係の助成金と、経済産業省の研究開発型の助成金に分類されます。

補助金は採択の件数や金額が決まっているものが多いため、申請しても受給できるとは限らないことが特徴です。

そして申請期間についても、助成金は随時または長期に渡る期間が設けられているのに対し、補助金は公募期間が比較的短期なので最新の情報を常に入手する必要があります。

どちらも新しい制度ができたり従来まであった制度がなくなったりなど、入れ替わりもあるため活用できる補助金や助成金を見つけたときには、積極的に申請したほうがよいと考えられます。

いずれにしても補助金や助成金で資金調達できた場合、原則、返済の必要がない資金を事業に活用できることは大きなメリットとなるでしょう。

 

補助金や助成金などの制度がある理由

国や自治体が助成金を設けているのは雇用を増やしたいからです。

企業で働く従業員の賃金が高くなったりスキルアップしたりなど、実現させるための制度として設けています。

補助金の場合は、企業の事業拡大やDX推進など生産性を拡大させることや、成長し収益をあげ税収を高めることを目的に設けているといえるでしょう。

受給できる金額が大きい補助金の場合、長期的に会社が成長できることを示す事業計画か、その中身が重視されます。

 

創業支援の補助金・助成金は全部で4つ

補助金と助成金、どちらも国や自治体、民間企業などが用意しているものがいろいろありますが、たとえば厚生労働省系の制度だけでも20種類以上あります。

どの補助金や助成金を活用するべきか迷ったときには、要件などに合致する制度を探し申請することが必要です。

そのとき、要件に合う種類のものを探そうとせずに、要件に合わせて事業を再設計していくことを検討しましょう。

補助金や助成金などは目的によって制度が異なります。

たとえば、

  • ・生産性を高めることを目的とするもの(IT導入補助金)
  • ・販路を拡大させることを目的とするもの(ものづくり補助金)

など種類が分かれており、最近では新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業に向けた補助金なども用意されるようになりました。

そして創業を支援する補助金や助成金も、種類や目的はいろいろありますが、主に次の4つに分類されます。

  • ・経済産業省系の制度
  • ・厚生労働省系の制度
  • ・自治体が独自に行っている制度
  • ・民間や団体が行うもの

それぞれどのような補助金や助成金があるのか、簡単に紹介していきます。

 

経済産業省系の補助金制度

経済産業省系の補助金は、

  • ・起業促進
  • ・地域活性
  • ・女性・若者の支援
  • ・中小企業振興
  • ・技術振興

などを目的とした制度が多いといえます。

それぞれの募集要件を満たし、審査を通過しなければ返済不要の資金は調達できません。

採択される確率は補助金によって異なるものの、年に数回に分けて募集することもあり、期の始めのほうが採択率は高めの傾向です。

後半は予算も関係するため、より審査が厳しくなると認識しておき、早めに申請したほうが選ばれやすくなります。

経済産業省系の補助金制度には、

  • ・ものづくり補助金
  • ・事業再構築補助金
  • ・IT導入補助金
  • ・事業承継・引継ぎ補助金

などがありますので、それぞれの内容を説明していきます。

 

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者による生産性向上に向けた革新的サービスの開発や試作品開発、生産プロセスの改善などを行うことを目的とした設備投資を支援するための制度です。

  • 補助金額…100~1,000万円
  • 補助率…中小1/2・小規模2/3

となっており、補助金額が大きいため挑戦してほしい補助金です。

 

事業再構築補助金

新型コロナウイルス感染拡大による影響が長期化し、売上回復が当面の間期待しにくい中で、経済社会の変化に対応する中小企業を支援するために設けられた制度です。

補助金額は次の通りとなっています。

[通常枠] 中小企業者・中堅企業などどちらも
従業員数20人以下 100万円~4,000万円
従業員数21~50人 100万円~6,000万円
従業員数51人以上 100万円~8,000万円

[大規模賃金引上枠] 中小企業者・中堅企業などどちらも
従業員数101人以上 8,000万円超~1億円

[卒業枠] 中小企業者など 6,000万円超~1億円

[グローバルV字回復枠] 中堅企業など 8,000万円超~1億円

[緊急事態宣言特別枠] 中小企業者・中堅企業などどちらも
従業員数5人以下 100万円~500 万円
従業員数6~20 人 100万円~1,000 万円
従業員数21人以上 100万円~1,500万円

[最低賃金枠] 中小企業者・中堅企業などどちらも
従業員数5人以下 100万円~500万円
従業員数6~20 人 100万円~1,000万円
従業員数21人以上 100万円~1,500万円

補助率は次のとおりです。

[通常枠]
中小企業者など2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

[大規模賃金引上枠]
中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

[卒業枠]
中小企業者等 2/3

[グローバルV字回復枠]
中堅企業等 1/2

[緊急事態宣言特別枠]
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

[最低賃金枠]
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

 

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者などが自社の課題やニーズに合うITツールを導入するための経費の一部を補助する制度です。

業務効率化や売上向上を支援する制度であり、補助対象となる経費は次のとおりとなっています。

ソフトウェア費・導入関連費・低感染リスク型ビジネス枠(特別枠C・D類型)はハードウェアレンタル費なども対象

補助金の上限額・下限額は30~450万円となっており、補助率は1/2~2/3以内です。

日本ではDXが進んでいない現状があり、デジタル化や自動化により働き方改革を進めることで、労働環境改善・生産性向上・賃金アップなども期待できます。

DX推進は費用面で二の足を踏みがちですが、IT導入補助金で対応できれば安心です。

 

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継をきっかけに新たな取り組みなどを中小企業などや、事業再編・事業統合に伴って経営資源を引継ごうとする中小企業などを支援するための制度です。

地域経済に貢献する中小企業が、事業承継をきっかけに新たな取り組みを行うときに支援してもらえます。

補助金額は、

  • ・経営革新の場合…補助上限400~800万円(上乗せ額200万円)
  • ・専門家活用の場合…補助上限400万円(上乗せ額200万円)

となっています。

 

厚生労働省系の助成金制度

厚生労働省系の助成金は、

  • ・雇用促進
  • ・労働者の職業能力向上

などを目的とした制度です。

ある程度まとまった資金を調達できる制度ですが、制度ごとに設けられた要件を満たすことで採択されることはメリットといえるでしょう。

基本的には雇用に関する支援制度なので、創業するときに人を雇う予定があるときには内容を把握しておいたほうがよいと考えられます。

厚生労働省系の助成金制度には、

  • ・キャリアアップ助成金
  • ・人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
  • ・中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

などがあるため、それぞれの内容を説明していきます。

 

キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、有期契約労働者・短時間労働者・派遣労働者など、非正規雇用労働者が企業内でキャリアアップすることを促進するための制度です。

コースはいくつかに分かれており、

  • ・正社員化コース
  • ・障害者正社員化コース
  • ・賃金規定等改定コース
  • ・賃金規定等共通化コース
  • ・選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • ・短時間労働者労働時間延長コース

などがあります。

 

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

人材確保等支援助成金は、雇用管理制度を導入することで雇用管理改善を行い、離職率を低下させることへ取り組んだときに助成する制度です。

従業員の働きやすい職場づくりを促進する制度といえますが、助成内容によって次の5種類に分かれます。

  • ・諸手当等制度
  • ・研修制度
  • ・健康づくり制度
  • ・メンター制度
  • ・短時間制社員制度(保育事業主のみ)

 

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

これから創業・起業する人や事業を開始して間もない法人事業主・個人事業主が活用できるのが中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)です。

中高年齢者(40歳以上)の方が事業運営に必要な従業員を雇用したとき、必要となる費用を助成金として支給します。

  • 起業者が高年齢者(60歳以上)の場合…助成金の上限200万円・補助率2/3
  • 起業者が上記以外(40歳~59歳)の場合…助成金の上限150万円・補助率1/2

 

自治体が独自に行っている制度

市区町村など自治体が独自に行う制度にも補助金や助成金はあります。

自治体が行う支援制度の目的は地域内の産業振興などが多いため、創業支援についても補助金や助成金を実施していることは少なくありません。

ただ、積極的に支援制度を準備している自治体もあれば、そうでない場合もあるため、事前の確認が必要です。

東京都を例にしてあげると、次のような創業支援の制度があります。

 

(東京都)創業助成事業

東京都で創業5年未満、または創業・起業を計画している場合に応募できる事業です。

賃借料・人件費・広告費など、最大300万円・補助率2/3で補助してもらえます。

 

民間や団体が行うもの

公共機関以外にも大手の民間企業が実施する制度もあれば、財団や政府系金融機関など公的機関の制度もあります。

創業を検討している起業家に向けた補助金や助成金をうまく活用することで、ビジネスチャンスを逃すことはなくなるでしょう。

ただし民間の実施する創業支援の対象として採択されるのは、優秀なビジネスプランを起業家なので、簡単に選ばれるわけではありません。

事業計画に自信がある!という場合には、探してみるとよいでしょう。

 

補助金や助成金で創業支援の資金を調達するときの注意点

補助金や助成金で創業支援の資金を調達する場合、原則として返済不要の資金を受け取ることができるのは大きなメリットといえます。

しかし注意しておきたいのは、補助金と助成金、どちらも後払いでお金を受け取ることができるという点です。

補助金や助成金で採択されたとしても、申請後すぐにそのお金が入金されるわけではないため、一時的に立て替える資金が必要となります。

ただ、補助金申請が認められたときには、その補助金を担保に日本政策金融公庫など政府系金融機関からお金を借りることが可能となることは多いといえます。

補助金を受け取るまでの期間、融資を受けて補填することはできるでしょうし、補助金と融資を融合させ活用することは一般的な方法です。

 

補助金や助成金を受け取るまでの流れに注意

たとえば200万円を上限とした補助金の申請を行い採択され、補助金を広告費用や販路開拓などに充てたい場合でも、実際にそれらの経費を支払いその内訳を報告した後で補助金が支払われます。

さらに補助金や助成金の経費として認められる使い道は事前に決められていることが多く、どのような用途でも認められるわけではありません。

雇用を目的とした助成金についても、実際に決められた期間雇用された後で助成金が支給されるため、前払いで受け取り雇用した従業員の給料に充てるといったことはできなくなっています。

補助金・助成金はスピード感のある資金調達の方法とはいえないため、創業のスタートダッシュが重要といえるタイミングでは、一時的な資金の補填用の資金調達方法も検討することが必要です。

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