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ファクタリングは法律上どのような扱いの取引?貸金業に該当するのか

ファクタリング2019/04/03

事業資金を調達する場面において、様々な方法から何を用いるのか選ぶことになります。その中で、ファクタリングを用いた資金調達方法が、今、中小企業の間で注目されています。

ファクタリングは、企業などが保有している売掛債権をファクタリング専門業者に売り、入金予定の期日までに現金に換える仕組みです。

ここで気になるのは、法律上、ファクタリングは貸金業に該当するのかという部分かもしれません。

そこで、ファクタリングは法律上どのような扱いの取引なのか、もし利用するときには何に注意すればよいのかご説明します。

 

ファクタリングで資金調達をするメリットとデメリット

まず、ファクタリングが貸金業に該当するのかより前に、ファクタリングとはどのような仕組みで、利用することによりどのようなメリットやデメリットがあるのか確認しておきましょう。

 

ファクタリングで資金調達を行うメリット

ファクタリングは売掛債権を売却することで資金を得る手法ですので、長期化している売掛債権の回収期間を短縮させることができます。結果として、資金繰りを改善させることに繋がり、売掛債権の回転率も改善に繋がるので財務内容が良好となります。

さらに、他にもファクタリングで資金調達を行うメリットとして、次のような事柄が挙げられます。

 

●貸し倒れリスクを軽減させることが可能

売掛債権を確実に回収していくためには、売掛先ごとの売掛債権を管理することが必要です。売掛先によって支払いサイトは異なる場合など、それぞれの期日に合わせて請求書を発送し、もし期日に入金がなければ督促を行うなど、いろいろな手間がかかります。

さらに、売掛債権が貸し倒れしてしまわないためにも、売掛先の与信管理も正確に行なっていくことが求められます。

回収期間が長い売掛債権を保有していると、入金予定となる期日までに売掛先の経営状況が悪化し、代金すべてを回収できなくなる可能性も否定できません。

これらの売掛債権に対する貸し倒れリスクについて、ファクタリングなら軽減させることが可能です。

 

●ファクタリングでオフバランス効果

オフバランスとは資産を圧縮させることですが、資産である売掛債権を現金化させて債務を返済することにより、貸借対照表の資産の部と負債の部の両方が圧縮されることになります。

 

ファクタリングで資金を調達するデメリット

ファクタリングで資金を調達するメリットはいろいろありますが、その一方でデメリットといえる部分もあるためその内容を把握しておきましょう。

 

●ファクタリング手数料など費用がかかる

ファクタリングを利用する場合、ファクタリング専門業者に対して支払う手数料が発生します。

また、ファクタリング取引に売掛先も含める場合、売掛先企業に売掛債権を売却する事実を通知して承諾を得る必要があり、売掛先企業とファクタリング専門業者間でも契約を結ぶことも必要です。

売掛先を取引に挟まない場合には、債権譲渡登記を行うことを求められる場合もあるため、余計な費用や手間がかかります。

 

ファクタリング手数料に上限はあるのか

銀行やノンバンクなどから借り入れを行う場合には金利が発生しますので、無償でお金を借りることができるわけではありません。

発生する金利は、お金を貸し出す金融機関が抱えるリスクを回避するためのものでもあるため、ファクタリングも同様に手数料という形でファクタリング専門業者がリスクヘッジをしています。

ただ気になるのは、ファクタリングで発生する手数料に上限が設けられているかでしょう。もしファクタリングが貸金業者であれば、利息制限法の範囲内でファクタリング手数料が設定されることが必要になります。

 

手形貸付や手形割引などの法律上の扱い

ファクタリングは売掛債権のうち、売掛金の売買により資金を調達する手法です。同じ売掛債権には受取手形がありますが、この受取手形を担保として融資を行う手形貸付の場合は金銭消費貸借契約に該当するため、利息制限法が適用されるとされています。

さらに貸金業法では、手形割引や売渡担保など、これらに類する手法による金銭交付や金銭授受の媒介も対象としているので、手形割引も貸金業法の規制を受けると考えられます。

それなら売掛金を取り扱うファクタリングも貸金業法の規制を受けるのではないか?と思うかもしれませんが、貸金業法は一般消費者と企業間の取引(BtoC)を想定した上での法律です。

そのため、企業間取引(BtoB)で利用されるファクタリングは、貸金業法の規制や管轄には含まれないといえるでしょう。

 

ファクタリングを規制する法律は存在しない?

ファクタリングは貸金業法の法律の規制は受けないので、ファクタリングで発生する手数料も利息制限法も縛りは適用されないといえます。

ファクタリングは貸金行為ではないのなら、出資法の制限を超えた手数料が設定されたとしても法律上は問題ないということです。

一部のメディアや弁護士事務所などでは、ファクタリングそのものが違法行為といった見解を示している場合がありますが、ファクタリングは違法行為ではありません

単にファクタリングを利用する上で設定される手数料や掛け目、割引率を規制する法律が存在しないだけです。

 

法律で規制されないからこそ優良な業者選びが重要

不動産や自動車などの売買でも、買い手と売り手の双方が合意すれば取引価格は自由に設定できますが、売掛金の売買取引を行うファクタリングでも同じことがいえます。

だからこそ、ファクタリングを利用するときには、相場を大きく逸脱するような手数料設定の悪徳業者を利用しないように注意が必要ですし、なるべく利用者に費用や手間をかけさせない信用取引を重視したサービスを提供してくれるファクタリング専門業者を選ぶことが大切だといえるでしょう。

 

ファクタリングを利用する上で絶対に注意しておきたいこと

ファクタリングは、貸金業登録のような制度もなく、設定される手数料などにも上限が設けられているわけではありません。ファクタリングそのものを規制する法律がないことを利用し、通常では考えられないような多額の手数料を設定する悪徳業者も潜んでいますので注意が必要です。

一方、ファクタリングで売掛債権を譲渡する側も、債権の二重譲渡は行うべきではないと認識しておく必要があります。ただ、法律では債権の二重譲渡は禁止されていません。もしファクタリングを利用する会社が、複数のファクタリング専門業者に対して同じ売掛債権を持ち込み、現金化することも不可能ではないということです。

このような売掛債権の二重譲渡を防ぐため、売掛債権がファクタリング専門業者のものであると第三者に主張する対抗要件として、債権譲渡登記が行われています。

 

個人は法律上、債権譲渡登記は不可

そのため、2社間ファクタリングにおいては、債権譲渡登記を行うことが条件となっていることがほとんどですが、法律上、個人は債権譲渡登記を行うことができません

個人がファクタリングで資金を調達する場合には、売掛先にも通知を行う3社間ファクタリングでの利用に限られてしまうことになってしまいますが、やはり売掛先に余計な勘ぐりをされたくないという理由で3社間ファクタリングを希望しないケースも多々あるでしょう。

ただ、ファクタリング専門業者の中には、2社間ファクタリングでも債権譲渡登記を行わず、留保という形で対応してくれる場合がありますので探してみましょう。

 

まとめ

ファクタリングそのものを規制する法律は存在しませんが、利用する上で設定される手数料などには相場があります。その相場を大きく上回る手数料を請求された場合、悪徳業者である可能性が極めて高いため、騙されないように注意が必要です。

もしファクタリングで資金調達を行うのなら、複数社から見積もりを取得し、発生する手数料やサービス内容などを確認した上でどのファクタリング専門業者に依頼するか決めるようにしましょう。

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