【2020.7】ファクタリングを利用するときに行われる債権譲渡登記とは?

2019/03/08
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ファクタリングで資金調達を行う場合、ファクタリング会社から債権譲渡登記の必要性について説明を受けることがあります。

ファクタリングで行う登記も通常の手続きと違いはなく、物や事実についての権利関係などを社会に公示するための制度であり、法務局で申請手続きを行います。

たとえば土地や建物の不動産を対象したものの他、人が亡くなったときに行う相続登記や会社設立の際の商業・法人登記など種類はいろいろです。

債権譲渡登記もその中の1つですが、ファクタリングにおいてなぜ必要な手続きなのか、手続きを行うことでデメリットはないかご説明します。

 

債権譲渡登記とは?

債権譲渡登記とは、債権を流動化する法人の資金調達の手法が多様化したことを背景として、債権が譲渡された事実を証明するために行われる登記です。

登記によって法的にその債権の所有者は誰なのかを証明することができるため、ファクタリング会社が安全に取引を行う上で必要な手続きの1つとされています。

 

法人のみが手続き可能

債権譲渡登記において債権の譲渡人となれるのは会社や企業など法人のみに限定されています。

個人がファクタリングを利用する場合には債権譲渡登記は行えないため、債権譲渡登記を必要としないファクタリング会社でなければファクタリングは利用できません。

また債権譲渡登記において譲渡される債権は、債権者が特定される指名債権であり、金銭の支払を目的とするものに限定されています。

 

申請内容の事実が記載される場所

債権譲渡登記が行われた債権については、債権譲渡登記ファイルに記録されます。

もともと債権譲渡登記は、中小企業などが債権を流動化させ、資金繰りを円滑にできるようにするため設けられた登記制度です。

ただ、緊急を要するときの保全に用いられることが多いことから、債権譲渡登記そのものが信用不安のシグナルとして見られる風潮があったことも事実です。そのため制度が施行されたばかりのときは、商業登記に直接その登記が行われていました。

しかし現在では情報開示が制限されるようになり、現在事項証明書(債権譲渡登記事項概要ファイル)と指定して申請しなければ閲覧できず、登記がなされていても譲受人の名前を情報として入手できる程度です。

 

将来債権に対しての手続きは注意

売掛先に将来発生する将来債権も登記することは可能ですが、将来債権を登記する手法は一般的には債権担保融資においてです。

万一銀行など金融機関に融資を申し込んだ場合、銀行では審査が行われますが、その過程において債権譲渡登記まで確認調査が入ることがあります。

将来債権に対する登記が行われていると、すでに債権が譲渡されていることで審査には不利に働いてしまう可能性が出てきます。

そもそもファクタリングは融資ではなく、売掛債権の売買であることで、銀行など金融機関からの融資における審査や評価にも影響を及ぼさないことがメリットです。もちろん借入れでないため返済負担に追われる心配もありません。

しかし将来債権に対する登記は、銀行など金融機関からは債権譲渡ではなく融資と受け取られてしまう可能性もあるため、銀行での評価に悪影響が及ぶデメリットとなる場合もあると留意しておいてください。

 

ファクタリングで債権譲渡登記を行う目的とは

債権譲渡登記とは、債務者が有する債権を、担保として債権者に譲渡することについて第三者に対抗要件とすることを可能とする登記です。

たとえば売掛債権譲渡合や売掛債権を目的とした質権設定を行うことを第三者に対抗するには、原則として確定日付のある証書で債務者に対して通知を行う、または債務者の承諾を得ることが必要です。

しかし法人が売掛債権を譲渡した場合や、売掛債権を目的とした質権設定を行った場合に限り、債権譲渡登記を行うことで第三者にその旨を対抗することが可能です。

また、ファクタリングの利用者がすでに売却した売掛金を別のファクタリング会社に買取りしてもらおうと持ち込んでも、登記が行われていればすでに売却済の債権であることを別のファクタリング会社に確認してもらえます。結果、二重譲渡という違法な行為はできないので、規制できる点もメリットです。

 

手続きの事実は売掛先にバレないのか

債権譲渡登記は、一般的に周知されている不動産登記や商業・法人登記とはまったく異なる登記です。ファイルに掲載されるだけで、通知されることはありません

不動産登記などの場合、その不動産に抵当権が設定されていれば、誰が抵当権者なのか何を保全する目的で抵当として不動産が差し入れられているかその情報を登記簿上で把握できます。不動産が売却され所有者が変更されたとなった場合なども、その履歴を閲覧することも可能です。

詳細な情報まで第三者に知られてしまうことがデメリットやリスクとなる場合もありますが、債権譲渡登記の情報は法務局で閲覧することはできても、譲渡人の商号や売掛先の情報などの記載はされていません。

公開される記録から、誰が誰に債権を売り渡したのかまで明らかにされないことが大きな違いです。

詳しく追及して調べれば、譲渡された登記の詳しい内容まで閲覧することもできる可能はあります。

しかし売掛先がわざわざその事実を法務局に調査に行くことはまず考えにくいため、債権譲渡の事実が売掛先に知られてしまう可能性は限りなく低いといえるでしょう。

 

別途費用が発生すれば手数料は高くなる

ファクタリングを利用する際には、ファクタリング会社に支払う手数料が発生します。この手数料をファクタリング会社が計算するときには、すべて儲け分として設定するのではなく、様々な諸費用も含むこととなります。

手数料(諸費用)には、債権譲渡登記にかかる印紙代・登記申請を依頼する司法書士への報酬・交通費・紹介料などが含まれるため、目安としては10~15万円程必要です。

売掛金の額面から手数料分が差し引かれ入金されることになるため、ファクタリング利用者が受け取ることのできるお金は減ってしまい、十分な資金調達につながりにくくなるでしょう。

債権譲渡登記が必要な場合には、手数料の多くを登記費用が占めることになるため、負担の大きさに不満も募りやすくなります。そのためファクタリング会社の中でも登記なしで契約してくれる柔軟な会社を探すことで、手数料削減に繋がり十分な金額を調達可能となるはずです。

 

債権譲渡登記を必要としないファクタリング会社とは

債権譲渡登記を行わないファクタリング会社なら、未登記で留保するという状態になります。ただし登記申請書類と債権譲渡通知書は作成されることになり、原本をファクタリング会社が保管するという形が一般的です。

仮に売掛金が期日通りに支払われなかった場合、行使する目的で一旦は保管する形となりますが、無事に売掛先から回収された売上代金がファクタリング会社に支払われれば書類は返還されます。

その他にも内容証明郵便などで通知することにより、債権譲渡登記は行わない形で対抗要件を確保するファクタリング会社もあるため、対応はいろいろといえるでしょう。

いずれにしても債権譲渡登記を行わないでファクタリングを利用できれば余計な費用が発生しませんし、確実に売掛先に債権譲渡の事実を知られるリスクを回避できます。

 

3社間ファクタリングなら不要

債権譲渡登記は、売掛先にファクタリングの事実を承諾してもらう3社間ファクタリングであれば行われないことがほとんどです。

3社間ファクタリングとは、ファクタリングを利用する会社とファクタリング会社、それに加え売掛先も加わる形となる契約方法です。

売掛先に売掛債権が譲渡される事実を通知し、その同意を得た上でファクタリングを行います。そのため、債権譲渡登記を行うことなくファクタリングを利用することが可能です。

しかし、信頼関係や信用取引を重視する中小企業において、売掛先に売掛債権を譲渡することを知られてしまうことは最も避けたいことでしょう。

ただ売掛債権を譲渡して資金を調達しなければならないのかという正当な必要性と、経営の安全性を売掛先に納得してもらうことにより、売掛先からの信用を失うことなく3社間ファクタリングを利用することも可能です。

 

まとめ

現在、民間のファクタリング会社で実施されているのは2社間ファクタリングであり、その多くは債権譲渡登記を必要としています。

売掛先に売掛債権が譲渡される事実を知られることはないとしても、登記にかかる費用で手数料が増えることは避けたいと考えてしまうものでしょう。

ただ、ファクタリング会社によっては、売掛債権が譲渡された証明として、内容証明郵便の通知で済ませ、登記は行わないという対応をしてくれるところもあります。

債権譲渡登記にかかる登記費用や費用を削減することができるので、なるべく費用を抑えるためにもそのように柔軟な対応を可能とするファクタリング会社を選ぶことをおすすめします。

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