分かりづらい!売掛金と未収収益の違いを徹底解説

2018/06/19
Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter

経理をする時に頭を悩ませてしまう問題があります。
その一つが「売掛金」と「未収収益」です。基本的には同じような取り扱いを受けてしまいがちなのですが、結論から言えば同じものではありません。扱いは別であるべきなのです。

こちらではそもそも売掛金と未収収益はどういったものであるかを解説します。さらに売掛金と未収収益の違いについても明らかにします。

個人事業主の方や法人経営者の方の中には、経理の専門知識がなくても経理をせざるを得ない、というケースもあるでしょう。この機会に売掛金と未収収益の違いをはっきりとしておきませんか。

 

売掛金とは?

・本業によって得られたものであり、後日に支払いが来る債券のこと

販売業であれば、商品を販売したと気に発生する可能性があるもののことを指しています。
製造業であれば、部品や製品を製造して販売した時に発生する可能性のあるものを指しています。

しかし本業で得られる対価ですが、必ずしも売掛金になるわけではありません。現金での決済となることもあるでしょう。手形を受け取る場合もあるかもしれません。
要は本業によって得られるべき対価で、現金や受取手形などで受け取っていないものを売掛金として取り扱うことになるのです。

そもそも企業間の取引のほとんどは掛取引となっています。現金取引となってしまうとかえって手間がかかります。そこで月に1回程度の処理で済むように掛け取引を実施しているのです。企業にもよりますが会社の売上のほとんどを売掛金として一時的に受け取って後日決済している、というケースが多くなっています。

・決済の期日は関係なし

売掛金に関しては「流動資産」に分類されるため、短期間で決済されるもののことを指しているのではないか、と思っている方が多くなっています。
しかし短期で決済される売掛金についても、基本的には流動資産として取り扱いするのです。

ちなみに売掛金の決済日に関しては、1ヶ月から2ヶ月以内であることが多くなっています。それ以上の期間となってしまうとキャッシュフローに問題が発生する可能性もあるので、入金サイトを短くするなどの対策が必要になってきます。
最近ではファクタリングを利用して早めに売掛金を現金化する対応策を採用する会社も出てきました。

・売掛金の仕訳について

以下の条件で仕訳の実例を掲載します。

・5月18日に家具店が150,000円の家具を販売し、6月30日に全額振込があった

5月18日の仕訳:(借方)売掛金 150,000円 (貸方)売上 150,000円
6月30日の仕訳:(借方)普通預金 150,000円 (貸方)売掛金 150,000円

家具店が家具を売却したので、本業での収益ということになるので「売掛金」を利用することになります。販売時に全額現金を受け取っていれば売掛金は発生しないことになります。借方は現金となり売掛金は発生せずに仕訳は完了となるわけです。

 

未収収益とは?

・本来の営業活動に関わる役務を提供する取引に関連している
・すでに提供した役務に対してまだ支払いを受けていない
・後払いなどの理由があり支払期日が到来していない

上記の条件をクリアしたものを未収収益としています。かなり複雑でなので、実例をあげたほうがわかりやすいかもしれません。

例えば賃貸借契約をしている場合の受け取り地代家賃が該当します。
すでに不動産を貸しているのですが、期日が来なければ支払いがない、というケースもあるでしょう。1年間に渡り土地を貸すとします。そして契約が満期終了した時に全額支払われる、という契約をしていると未収収益が発生します。契約途中に決算期がくれば、その時までに発生している収益を計上しなければなりません。そこで未収収益、というものを利用することになるわけです。代金は受け取っていないので、代わりに「未収収益」という感情を利用するわけです。
長期契約をするような営業を行っている場合には未収収益は発生しやすくなります。

他にも貸金業などをおこなっている場合には、受取利息も未収収益とされる場合があります。さらにコンサルティング業なども長期の契約になりやすいので、その受取手数料の中でまだ受け取りがされていないものがある場合にも発生します。

・決済の期日によって固定資産とされたり流動資産とされたりするのか?

決済の期日には影響を受けません。未収収益に関しては必ず流動資産となります。

短期的な未収収益も長期的な未収収益も流動資産とされます。その理由として振替があるからです。決算日に未収収益を計上し、期首に振替を実施して一旦未収収益をゼロとします。そして支払期日に支払いを受けた仕訳を実施するわけです。

・未収収益の仕訳について

以下の条件で仕訳の実例を掲載します。

・5月1日よりビルのオフィスを月額1,000,000円で貸し出す賃貸契約を実施した。支払い期日は毎年5月1日(後払い)である(決算期は4月1日から翌年3月31日)。

3月31日の仕訳(決算日):(借方)未収収益 11,000,000円 (貸方)受取家賃 11,000,000円
4月1日の仕訳(期首):(借方)受取家賃 11,000,000円 (貸方)未収収益 11,000,000円
5月1日(支払期日):(借方)普通預金 12,000,000円 (貸方)受取家賃 12,000,000円

未収収益については以上のような仕訳を実施します。入金はまだされていませんがすでにサービスを提供しているので、決算日にはその時までに発生している収益を計上しなければなりません。いっぽうで期首になると、実際には収益は受け取っていないので振り替えます。ゼロとして、再び支払期日に対応することになるのです。

ちなみに未収収益に関しては必ずしも計上しなければならないものではありません。ケースバイケースで計上していくものなのです。

例えば金額的に確約されているものではないものについては計上しないで、実際に入金された時に処理することも可能とされています。

 

売掛金と未収収益の違い

・財務諸表上は同じ扱いである

売掛金も未収収益に関しても、「資産」に分類されます。
資産は「固定資産」と「流動資産」に分類されるわけですが、双方ともに流動資産に分類されます。

財務諸表上については同じ取り扱いを受けることになるわけです。

だからといって混同すべきものではありません。売掛金の条件と未収収益の条件は異なっているからです。

売掛金の条件に当てはまるのか、それとも未収収益の条件に当てはまるのかを前もって確認してください。

・販売における違いあり

売掛金については販売時にも発生します。販売業をしている場合には、基本的に売掛金取引となるわけです。
一方で未収収益は販売時には発生しません。未収収益は継続した役務を提供する取引で発生するもの、とされているのです。

もちろん本業でサービス業をしているのであれば、役務の提供でも売掛金処理がされることはあります。要は薬務の提供においては、売掛金も未収収益も発生します。しかし販売では売掛金が発生しますが、未収収益では発生しません。

・仕訳に違いあり

売掛金については決算を跨いだとしても特に処理を行うことはありません。財務諸表に売掛金が計上されているので、決算後に入金されたら売掛金をマイナスして処理をすればよいのです。仕分けの作業としては複雑なものではありません。

一方で未収収益に関しては、期末に未収収益を計上します。そして期首に未収収益を振り替える作業をしなければなりません。仕訳としては多少複雑なので気をつけましょう。

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter