相見積もりの上手な取り方とは?マナーやテクニックを解説

相見積もりは、契約条件を比較するために欠かせない手段です。

資金調達はもちろん、システム導入や社内設備の購入など、相見積もりを駆使する機会は多いかと思います。

ところがこの相見積もり、実際にチャレンジすると予想外の事態が起きるケースも…。

相見積もりを取ったは良いが、あとで契約変更を迫られたり、追加料金を請求されてはたまったものではありません。

そこで今回は、そんな相見積もりに対してマナーやテクニックからアプローチ。ほんの少しの工夫で、割安内容や正確性の高い見積もりを手にする方法を紹介します。

品質の良い見積の取り方とは?

質の良い見積とは、精度が高く信頼できる内容の見積もりです。

精度が低く価格変更を迫られたり、業者側にとって有利な条件を前提とした見積もりでは、いくら比較しても無意味そのもの。

「安いと思って相見積もりで絞り込んだのに、実は悪徳業者同然の条件だった…」という被害事例も存在します。

自社が理想とする条件を引き出すためには、こうした事例を意識して、見積もりの取り方に対するリテラシーが欠かせません。

相見積もりの上手な取り方1:条件を統一する

相見積もりは、均一条件での取り方が重要です。

ファクタリングなど資金調達の見積もりでは、取引金額の大きさや取引形態の違いに加えて、取引対象となる会社の信頼性など、様々な条件により手数料が変動します。

そのため、相見積もりを取る時は必ず「伝えるべき条件の統一」を行いましょう。

事前に取引したい債権の情報を整理することをオススメします。

手数料変動の主な要件
〇 取引債権の金額
〇 取引形態の種類
〇 取引先業者の信頼性

(相場や取引形態の種類については、別のコラムをご参照下さい)

相見積もりの上手な取り方2:他社でも見積もりを取っていると伝える

申込時に、「相見積もりを取りたい」と伝えましょう。

多くの業者は通常、自社の利益を考慮して見積書を提出します。ところが、お客さんが相見積もりを求めてるとなると話は別。

ファクタリング業者にしてみれば、相見積もりで他社と競う事になるため、見積もり段階から成約に向けて勝負しなくてはなりません。

そのため、たった一言「相見積もりを取りますよ」と伝えるだけで、提示される見積もりの条件は期待できるものになるでしょう。

相見積もりの上手な取り方3:不明点について質問する

不明点に質問することも、取り方として重要です。

見積もり書や契約書には様々な注意書きが書かれていることがありますが、これらをスルーしてしまう方は意外に多いもの。

ファクタリングは自由で便利な資金調達を可能にする反面、法律による規制が少なく、顧客保護が十分ではありません。

そのため、見積もり書や契約書に記載されている項目については、忘れずに「質問」するクセをつけましょう。

見積もり書にありがちな自社に不利な取引条件

〇 償還請求権やリコース特約 → ファクタリング会社が資金を回収できない場合、自社が一部負担を背負う。

〇 掛目や買取可能額 → 債権の全額ではなく一部のみを買取るため、本来の調達希望額に届かないことも。

〇 消費税 → ファクタリングは非課税。悪徳業者のみ不当に課税する。

〇 担保や保証人 → ファクタリングは債券売買。担保や保証人は通常必要としない。

悪徳業者の中には、これらの特約を前提or除外した見積もりを提示して候補に残り、後になって追加料金などの形で請求するケースも。

資金を必要としている期日が迫っている場合、もはや時間的な事情から断ることはできません。

相見積もりの上手な取り方4:料金以外の部分を見る

ビジネス契約は条件だけでなく、相性も大切です。

実際にファクタリング会社を訪問して、人間としての相性を確かめるのも1つの手段。担当者とのやり取りを通じて、

〇 身なりや言動は信頼できるものか?
〇 見積もり内容に対しての説明は丁寧か?
〇 交渉にはどの程度前向きか?

などをチェックして回ると良いでしょう。

また、理由も無く面談を断る場合、特定の事務所やオフィスを持たない悪徳業者の可能性も考えられます。

相見積もりの上手な取り方5:相見積もりを使って交渉する

相見積もりを使った交渉も、テクニックの1つです。

全体的に好ましい条件だがあと一歩…という状況では、思い切って担当者にお願いしてみると良いでしょう。

交渉の仕方は人それぞれですが、下記の様なものが当てはまります。

〇 即決することを条件に緩和を願い出る
〇 他社と比べて減額して欲しい部分を指摘する
〇 複数名で交渉に携わる

(具体的な個別交渉テクニックは、別のコラムをご参照下さい)

交渉はとにかく、具体性が欠かせません。

更に言えば、ただ何となく安くしてほしいと伝えるよりも、具体的な方が効果的。

他社の見積もりを参考にした上で「高いと感じている部分」を指摘したり、10%を9%に引き下げて欲しいなど「具体的な希望額」を指定することが重要です。

相見積もりはマナーも重要!

相見積もりを取る時は、マナーの順守が重要です。

これは手間をかけて見積もり書を作成してくれた業者への謝意を示す意味もありますが、それ以上に交渉を円滑に進めるためと言う意味合いが強いでしょう。

日本社会は、常にコスト面の利だけを重視する社会ではありません。

申込の際の何気ない言動や態度、担当者の性格や相性など、様々な要素が見積もり額に影響を及ぼします。また、相見積もりの場合は「他社と比べる際の姿勢」も大切です。

ちょっとした気遣いで交渉が円滑に進むなら、それはまさに願ったり叶ったり。

マナーは進んで守ることで、多くの利点を生み出します。

相見積もりのマナー1:他社の名前を出さない

他社の社名を出して比較する行為は、大きく心証を害します。

相見積もりなので比較検討は行うべきですが、名前は伏せたまま進めましょう。

条件交渉において他社見積もりを提示する必要がある場合は、見積もり書のコピーを取り企業名などを黒塗りするなどの配慮を見せると好印象です。

これは自社の情報管理体制のアピールにも繋がります。

相見積もりのマナー2:期限や予算を指定する

相見積もりを取る時は、期限や予算は必ず指定しましょう。

必ず応じてもらえるとは限りませんが、自社が望んでいる条件を掲示することで、業者側は見積もり書の制作指針を定めることができます。

また、自社側にとっては最初からムリな業者との交渉を省けるなど、省力化メリットが得られます。

もちろん、指定した期限で受諾しておきながら、遅れてしまう業者と交渉する余地はありません。

相見積もりのマナー3:誠意を持って対応する

あらゆる交渉において、誠意を欠かすことはできません。

見積もりを求める時や受け取る時、更には契約が成立した時や条件が合わず断る時まで、「感謝の意」を示すことを忘れずに。

自社はお客さんの立場ではありますが、同時に資金を提供してもらう側でもあります。

相見積もりや交渉を通じて、「条件を良くして」お願いをしている立場なので、それらの点を自覚して立ち振る舞いを取りましょう。

このように、効果的な相見積もりを得るためには、マナーを踏まえた上でテクニックを駆使する必要が求められます。

特にマナーに関しては要注意。普段はマナー意識の高い方でも、資金調達に迫られた時は焦りから失念してしまうケースが少なくありません。

落ち着き円滑な交渉が進むように、注意して相見積もりを取りましょう。

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