決算書の数値をわざとマイナスする企業がある理由とは?

企業経営を行う上での成績表である決算書。その決算書がマイナスであるよりは、プラスであるほうがよいでしょう。

ただ、企業によってはわざと決算書をマイナスにして存続を維持させようとする場合もあるようです。ではなぜこのようなことを行うのか、その内容を説明します。

決算書がマイナスをあらわす要因とは

決算書は貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書で構成されます。売上を向上させ利益を生み出そうとしても、帳簿上はマイナスを表示してしまうことがあります。

業績が悪化しているからマイナスを示すのではなく、たとえば企業したばかりのときなどは初期費用が多くかかるため赤字になりやすいといえます。

事業を続けている間にも、買掛金として計上している未払い分があるのなら、取引先に相談して伝票を削除してもらい赤字を防ぐこともできます。しかしそのような帳簿上の調整を行わずに、決算書はマイナスのままのほうがよいという企業も少なくありません。

決算書が赤字のメリット

法人の場合、年度ごとに決算処理を行い、課税所得金額に法人税率を掛けて法人税額を算出しますが、所得が出ずにマイナスであれば税負担を抑えることができます。さらにそれだけではなく、赤字であることで次のようなメリットが挙げられます。

最長9年まで欠損金の繰り越しが可能

また、決算書がマイナスの場合には、差し引きして残った損失分を繰越欠損金として翌年以降に繰り越し、翌年度以降の課税所得から控除することが可能となります。

繰越欠損金は最長9年まで繰り越すことができるので、翌年度以降に黒字が出ても欠損金として計上することで節税対策に繋げやすくなるのです。

法人税を還付してもらうことも可能に

事業を続ける上で黒字のときもあれば赤字のときもあるでしょう。企業の決算書が黒字から赤字に転落すると、一気に財務状況が厳しくなることで黒字のときに支払った法人税を戻して欲しいと思うかもしれません。

このような場合、資本金1億円以下で青色申告書による確定申告を行っている場合、欠損金の繰り戻し還付という制度で払い戻してもらうことができます

欠損金の繰り戻しによる還付を利用する場合の注意点

欠損金の繰り戻しによる還付の対象となるのは法人税のみで、法人事業税や法人住民税は還付してもらえません。また、税務調査が入る可能性が高くなる点にも注意してください。

なお、法人住民税については繰越控除という減税処置を適用させることができます。欠損金の繰り戻しによる還付は前期に納付した法人税を戻してもらえる制度ですが、法人住民税の繰越控除は翌期以降の住民税を減額してもらう制度です。

欠損金の繰り戻しによる還付で法人税の還付をしてもらった場合、法人税が還付された状態で算出した額で住民税の欠損金が翌期以降に繰り越されます。

翌期以降に住民税の納税義務が発生しても、欠損金が繰り越されているので充当した上で住民税が計算される流れです。

決算書がマイナスであることでデメリットもある

当然ながら、決算書が赤字であるということは企業の状態が良好でないことを示します。世間からの風あたりが厳しくなったり、銀行からの融資を受けにくくなってしまうでしょう。

銀行の融資における審査では、決算書の内容に基づいて行われるため、マイナスであることが節税対策に繋がったとしても資金調達の場面で不利になることは覚悟しておいてください。

まとめ

わざと決算書の数値をマイナスにするメリットは節税対策に繋がることです。しかし、赤字であることで資金の調達がしにくくなるデメリットもありますし、会社の社会的な信用度も低下するので取引にも支障をきたすと考えておきましょう。

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