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中小企業向けの補助金を申請から受給するまでの流れとその方法

2022年4月22日 / 資金調達

資金を調達する方法として、銀行から融資を受けるのではなく「補助金」を申請するケースも少なくありません。

補助金はそれぞれ目的・対象・仕組みなどが異なっており、申請するときには支援の対象となる経費や割合・上限額など確認しておくことが必要です。

また、返済不要の資金を調達できる方法ですが、審査があるため申請すれば必ず補助金を受け取ることができるわけではないことも認識しておく必要があります。

そこで、補助金を申請し受給できるまでのステップや、中小企業におススメの支援制度などについて紹介していきます。

補助金の目的

補助金は、国や自治体の目指す姿(政策目標)に合わせていろいろな分野で募集されています。

中小企業など事業者の取り組みを支援することを目的として資金の一部を給付する制度のため、補助金ごとの目的・趣旨を確認し事業とマッチする補助金を選ぶことが必要です。

そして申請すれば必ず支給されるわけではなく、全額補助されるわけでもありません。

融資を受けるときにも銀行などで審査が行われますが、補助金でも審査があります。

補助されるか、どのくらいの金額が支援されるかは、事前に行われる審査事後の検査で決まります。

前もって補助対象となる経費や補助の割合、上限額など確認しておくことも必要であり、原則後払いによる支給となることを踏まえた上で、先に立て替えるための資金はどうするか検討しておくことも必要となるでしょう。

補助金と助成金の違い

中小企業をサポートする返済不要の資金調達の方法には、補助金だけでなく「助成金」もあります。

どちらも国・地方公共団体・民間団体などから資金が支払われることとなり、原則、返済しなくてもよいお金が支給されます。

ただ、補助金予算が決まっているため最大何件までという決まりもあり、抽選や先着順である場合もあるなど、申請しても受け取ることができないこともあります

しかし助成金は厚生労働省が雇用を増やすことや人材育成を目的として実施しているため、受給要件を満たせばほぼ支給されます。

補助金のほうが助成金よりも受給できる要件が厳しいと感じる方もいるでしょうが、次のことを押さえた上で申請を検討するとよいでしょう。

  • ・補助金の特徴
  • ・補助金を申請するときの注意点
  • ・助成金の特徴
  • ・助成金を申請するときの注意点

それぞれ詳しく説明していきます。

補助金の特徴

補助金の主な特徴として挙げられるのは、

  • ・助成金より種類が豊富にあること
  • ・助成金より支給額が大きい制度が多い
  • ・経費の適用範囲が広い

などです。

補助金を申請するときの注意点

補助金の場合、公募年に数回のみという場合や、その期間も短いことがほとんどであることに注意しておきましょう。

また、事前に予算が決まっているため、申請しても高い倍率を切り抜けなければならないことも留意しておく必要があります。

さらに支給されるまで1年など時間がかかることや、補助率や上限金額が制度によって異なることも事前に確認しておきましょう。

助成金の特徴

助成金の場合、原則、通年に渡り申請できます。

業種や従業員数など、一定の条件を満たすことでほぼ支給される難易度の低さも特徴といえるでしょう。

助成金を申請するときの注意

人気のある助成金の場合、発表されてから2か月程度で受付が終了されることもるため、早めに申請したほうがよいでしょう。

ただ、自治体によって異なるものの、通常であれば年度末(3月末)まで受け付けている制度が多いといえます。

補助金の申請後受給できるまでの5つの流れ

補助金を申請した後、実際に資金を受け取るまでの流れは次の5つです。

  1. どの補助金に申請するか決める
  2. 補助金を申請する
  3. 採択事業者が決定される
  4. 事業をスタートする
  5. 補助金が交付される

それぞれの内容について説明していきます。

1.どの補助金に申請するか決める

補助金は国の政策・分野ごとに募集されるため、目的や仕組みが異なります。

そこでまずは、自社の事業とマッチする制度を探すことが必要です。

さらに1か月前後など申請期間が限定されること、募集期間や回数は補助金ごとに異なる点にも注意してください。

2.補助金を申請する

申請したい補助金を見つけた後は、制度ごとの公募要領・申請書を確認し、申請書を含む必要書類一式を事務局へ提出してください。主に必要となる書類は、申請書・事業計画書・経費明細書・事業要請書などです。

ただし補助金によって提出方法は異なるため、事前に確認しておきましょう。

3.採択事業者が決定される

採択事業者が決定されると、その結果が事務局から通知されます。

自社の事業が採択された場合には、補助金を受給するための交付申請が必要になり、申請が認められることで交付が決定します。

このとき必要となる書類は、選定結果通知書・補助金交付規程・交付申請書・交付決定通知書で、交付申請書・経費の相見積もりと合わせて提出しましょう。

4.事業をスタートする

交付決定された事業をいよいよスタートすることになりますが、もしも事業内容を変更しなければならないときには。必ず計画変更申請を提出するなど所定の手続を行うようにしてください。

補助対象となる経費の領収書や証拠書類など、すべて保管しておくことも必要です。

5.補助金が交付される

スタートした事業の内容や経費を報告し、正しく実施されたと認められれば、確定した保持金額が支払われます。

なお、事業終了後も5年間は、補助金の対象となる領収書や証拠書類を保管しておくことが必要となるため、廃棄しないようにしてください。

また、定期的な事業状況報告や収益納付なども必要になることがあります。

事業内容や経費などを報告するときには、実績報告書・経費エビデンス・請求書などが必要です。

補助金申請や活用する上での相談先

補助金の申請や活用について詳しく知りたいときには、

  • ・認定支援機関
  • ・よろず支援拠点

などに相談するとよいでしょう。

それぞれどのような機関か説明していきます。

認定支援機関

認定支援機関(認定経営革新等支援機関)とは、中小企業を支援するために必要な専門的知識や実務経験が認められ、認定を受けた税理士・税理士法人・公認会計士・中小企業診断士・商工会・商工会議所・金融機関などです。

よろず支援拠点

よろず支援拠点とは、中小企業や小規模事業者が抱える経営上の様々な悩みについて、何度でも無料で相談対応する国の設置した機関です。

なお、国の支援制度は、中小企業庁のミラサポPLUSの「制度ナビ」から検索できます。

自治体も含めた支援情報を探すなら、「J-NeT21支援情報ヘッドライン」で検索するとよいでしょう。

中小企業におススメの3つの補助金

中小企業・小規模事業者向けの補助金はいろいろな種類がありますが、

  • ・売上拡大
  • ・生産性向上
  • ・販路開拓
  • ・人手不足解消

など目的に合った制度を選ぶことが必要です。

種類の多い補助金の中でも、次の3つの制度は中小企業に多く活用されており、現在も公募中なので対象でるなら申請を検討するとよいでしょう。

  1. 小規模事業者持続化補助金
  2. IT導入補助金
  3. ものづくり補助金

これら3つの補助金は、「生産性革命推進事業」として通年公募となっていますので、それぞれどのような制度か簡単に説明します。

1.小規模事業者持続化補助金

持続的な経営に向けた経営計画に基づいて、小規模事業者などの地道な販路開拓や業務効率化の取り組みを支援することを目的とし、かかった経費の一部を補助する制度です。

たとえば次のようなケースで申請するとよい補助金といえます。

  • ・商品を宣伝したいとき
  • ・ホームページを開設したいとき
  • ・展示会を出店したいとき

2.IT導入補助金

中小企業・小規模事業者などが、自社課題やニーズに合ったITツールを導入するときの支援制度です。

日々の業務を効率化させたいといきや自動化するために必要なITツール導入を支援します。

たとえば次のようなケースで申請するとよいでしょう。

  • ・ITを導入し経営状況を見える化したいとき
  • ・ITを導入し業務を効率化したいとき
  • ・ITを導入し働き方改革したいとき

3.ものづくり補助金

中小企業などが生産性向上に向けて革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う設備投資を支援する制度です。

ものづくりやサービスの新事業を創出することを目的として、革新的な設備投資やサービスや試作品を開発することをサポートしてくれます。

たとえば次のようなときに申請するとよい制度といえるでしょう。

  • ・新事業に挑戦したいとき
  • ・生産ラインを増強したいとき
  • ・サービスの質を向上させたいとき

まとめ

中小企業や小規模事業者が活用できる補助金はいろいろありますが、制度ごとに目的や必要書類など異なるため、必ず事前に確認した上で申請するようにしてください。

また、補助金は後払いの精算方式で支払われるため、立て替えに必要な資金を準備しておくことも必要です。

もし補助金支給までの間の資金調達に困ったときには、売掛金を現金化するファクタリングなどもうまく活用することをおススメします。

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建築・建設会社が活用したい業界に特化した補助金・助成金制度とは?

2022年3月18日 / 資金調達

補助金や助成金などの制度は多種多様にありますが、建築・建設関係の会社などは業界に特化したものを選ぶとよいでしょう。

そこで、建築・建設関係の事業者が活用できる補助金・助成金制度について紹介していきます。

補助金・助成金・給付金の違い

返済不要の資金を調達できる制度には、

  1. 補助金
  2. 助成金
  3. 給付金

と種類があり、それぞれ次のような違いがあります。

補助金

補助金国や自治体の政策目標に合わせていろいろな分野で募集がされている制度であり、事業者の取り組みを支援するため資金の一部を給付します。

使用用途は制限されており、政策に沿った事業を開始するなど目的に一致していなければ、サポートされませんので注意しましょう。

予算や交付件数など決められているため、先着順で応募期間内に認定を受けることが必要になるなど、補助金により異なります。

ただ、申請書だけでなく事業計画書や複数の書類提出を求められるなど、審査のハードルも高めと認識しておいたほうがよいでしょう。

また、補助金は申請者が必要な費用を立て替え、後で領収書や支払い内容の確認できる書類を提出すれば、後払いで振り込まれる仕組みとなっています。

助成金

助成金は、

  • ・雇用関係(厚生労働省)
  • ・研究開発型(経済産業省)

に分類されますが、労働環境改善や人材育成などを目的としてお金が給付される制度です。

補助金のように厳しい審査はなく、要件に合致すれば受け取ることができますが、厚生労働省の助成金は社会保険に加盟していなければ支給されないため注意しましょう。

給付金

給付金とは、提示される条件を満たすときに国や自治体から支給されるお金で、要件を満たせば受給できます。

建設業に特化している補助金や助成金

返済不要の資金を調達するときには補助金や給付金がおススメですが、建設業に特化したタイプのものであればより活用しやすいといえます。

建設業に限らず利用できるものもありますが、特に建築会社や建設会社などが使いやすいように業界に特化した制度は次のとおりです。

  1. 人材開発支援助成金
  2. 人材確保等支援助成金
  3. 職場環境改善計画助成金(建設現場コース)

それぞれ詳しく説明していきます。

人材開発支援助成金

労働者に対して職業訓練を行ったときの賃金の一部を助成する制度が「人材開発支援助成金」です。

人材採用難で、自社内で人材育成することが必要となっていますが、職務に関係する専門知識や技能習得に向けた研修を行ったときの経費が助成されます。

令和3年度には建設事業主に向けた「建設労働者認定訓練コース(経費助成)」と「建設労働者認定訓練コース(賃金助成)」が設けられたため、建設業界に特化した制度といえます。

さらに令和4年度には、「特定訓練コース」「一般訓練コース」「特別育成訓練コース」などにコースに見直しが行われており、助成額や訓練施設など要件についても変更される予定なので注意しましょう。

  • ・特定訓練コース…正規雇用労働者を対象に生産性向上に資する訓練などを実施する場合
  • ・一般訓練コース…正規雇用労働者を対象に訓練を行う場合
  • ・特別育成訓練コース…非正規雇用労働者を対象に訓練を行う場合

助成額は従来まで時給制でしたが、以下のように定額制に変更されます。

  • ・特定訓練コース(認定実習併用職業訓練)…見直し前OJT1時間あたり665円(380円)→見直し後(令和4年度)1訓練あたり20万円(11万円)
  • ・特別育成訓練コース(有期実習型訓練)…見直し前OJT1時間当たり760円(665円)→見直し後(令和4年度)1訓練あたり10万円(9万円)

なお、OJT訓練指導者が1日に指導できる受講者は3名までです。

人材確保等支援助成金

従業員を定着させるために雇用管理改善や生産性向上などに取り組む企業に対し支給されるのが「人材確保等支援助成金」です。

今現場で働いている従業員に、退職することなくこれからも働き続けてもらうため、職場環境を改善させるときに活用できます。

人材確保等支援助成金には、

  • ・雇用管理制度助成コース(建設分野)
  • ・若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース
  • ・作業員宿舎等設置助成コース

の3つがあります。

このうち雇用管理制度助成コース(建設分野)は令和4年3月31日をもって廃止されることが予定されていますので、早めの申請が必要です。

ただ、新たに「建設キャリアアップシステム等普及促進コース(仮称)」が設置されることが予定されています。

新コースでは、

  • ・建設事業主団体のCCUS技能者登録料などの補助
  • ・CCUS登録など各種申請手続の支援
  • ・就業履歴を蓄積するカードリーダー導入などの支援

などが行われます。

新コースは建設労働者の入職促進と処遇改善を図るために取り組みを行う事業が対象です。

主な取り組みとして、

  • ・キャリアアップシステム(CCUS)
  • ・建設技能者の能力評価制度
  • ・専門工事企業の施工能力など見える化評価制度

などの普及・促進が挙げられます。

最大3千万円助成される制度なので、積極的に活用するとよいでしょう。

職場環境改善計画助成金(建設現場コース)

現在、従業員数50人以上の事業場にはストレスチェックと面接指導実施などが義務付けられています。

そこで、建設業の元方事業者がストレスチェック実施後の集団分析結果に応じて、専門家による指導に基づいた職場環境改善計画の作成・実施にかかった指導費用を助成するのが「職場環境改善計画助成金(建設現場コース)」です。

厚生労働省の産業保健活動総合支援事業の一環として実施されている制度で、専門家の指導費用として助成されます。

建設現場コースでは1建設現場あたり10万円が助成されますが、申請・受給は1度のみに限られますので、毎年要件を満たしていても再受給はできないので注意してください。

助成対象として満たす必要のある要件

職場環境改善計画助成金(建設現場コース)では、

  • ・労災保険の適用事業である
  • ・元方事業者および関係請負人の労働者数が常時50人以上の建設現場である

といった要件を満たすことが必要です。

対象となる取り組みの要件

職場環境改善計画助成金(建設現場コース)では、以下の取り組みが助成対象となります。

  • ・元方事業者の場合、ストレスチェック実施後の集団分析を実施している
  • ・元方事業者の場合、令和元年 10 月以降に専門家と職場環境改善に係る契約を締結している
  • ・令和元年 10 月以降、新しく建設現場を訪問した専門家から、ストレスチェック実施後の集団分析結果を踏まえた職場環境改善方法について指導を受けている
  • ・専門家の指導に基づいて職場環境改善計画を作成・実施している
  • ・専門家から職場環境改善計画に基づいた改善が実施されていることを確認してもらっている

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響などで、コロナ倒産してしまう建築会社や建設会社が少なくありません。

コロナ関連の補助金や助成金なども有効活用するとよいですが、コロナが収束した後のことも考え、建設業界に特化した支援制度も検討することをおススメします。

なお、補助金や助成金はどちらも後払いで支給される制度のため、一時的に手元の資金が必要です。

もしも補助金や助成金が支給されるまでの間、資金を調達しなければならないものの、負債を増やすことは避けたいというのならファクタリングを有効活用してみることをおススメします。

ファクタリングは売掛金を現金化する方法のため、借金を増やすことなく、決算書を汚さずにスムーズな資金調達が可能です。

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事業再構築補助金はマッチングサイトの立ち上げや開発でも活用できる?その方法とは

2022年2月18日 / 事業資金, 資金調達

事業再構築補助金とは、事業で必要な設備に対する支援を行う制度であり、マッチングサイトなどシステム開発においても活用できることが特徴です。

事業を実施するために必要とされる経費なども補助金の対象となるため、システムを構築するための費用なども返済不要の資金を使うことができるでしょう。

そこで、事業再構築補助金を活用してマッチングサイトを開発するにはどのようなことに注意すればよいのか、制度の内容も含め解説していきます。

事業再構築補助金とはどのような制度?

新型コロナウイルス感染拡大の影響は長期化しているといえ、当面の売上や需要の回復が見込めないケースは少なくありません。

そこで、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に変化する経済社会に対応していくため、中小企業などが事業再構築させることを支援するために設けられたのが「事業再構築補助金」です。

  • ・新分野展開
  • ・事業転換
  • ・業種転換
  • ・業態転換
  • ・事業再編

など、思い切った事業再構築に意欲を持って取り組む中小企業などの挑戦を支援する制度といえるため、マッチングサイトを開発する際にも有効活用するとよいでしょう。

事業再構築を通じ、中小企業などが事業規模を拡大させることができれば、たとえば海外展開強化や市場規開拓など成長率を高め、経済を回すだけでなく雇用も生むことができるでしょう。

事業再構築補助金で満たさなければならない要件

事業再構築補助金で補助を受けるためには、次の①②のいずれの要件も満たすことが必要です。

①2020年4月以降の連続する6か月間が、

  • ・任意の3か月の合計売上高が2019年または2020年1月~3月の同3か月の合計売上高と比べて10%以上減少していること
  • ・2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意で選んだ3か月の合計売上高が2019年または2020年1月~3月の同3か月の合計売上高と比べて5%以上減少している

などの状況であること

②経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を、認定経営革新等支援機関などと共同で策定すること

補助される金額

事業再構築補助金で補助される金額は、複数設けられた「枠」と、中小企業者と中堅企業者かによって次のように異なります。

通常枠(中小企業者・中堅企業等)

  • 【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
  • 【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
  • 【従業員数51人以上】100万円~8,000万円

大規模賃金引上枠(中小企業者・中堅企業等)

  • 【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円

卒業枠(中小企業者等)

  • 6,000万円超~1億円

グローバルV字回復枠(中堅企業等)

  • 8,000万円超~1億円

緊急事態宣言特別枠(中小企業者・中堅企業等)

  • 【従業員数5人以下】100万円~500万円
  • 【従業員数6~20 人】100万円~1,000万円
  • 【従業員数21人以上】100万円~1,500万円

最低賃金枠(中小企業者・中堅企業等)

  • 【従業員数5人以下】100万円~500万円
  • 【従業員数6~20 人】100万円~1,000万円
  • 【従業員数21人以上】100万円~1,500万円

補助される割合

事業再構築補助金の補助率についても、複数設けられた「枠」と、中小企業者と中堅企業者かによって次のように異なります。

通常枠

  • 中小企業者等…2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
  • 中堅企業等…1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

大規模賃金引上枠

  • 中小企業者等…2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
  • 中堅企業等…1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

卒業枠

  • 中小企業者等…2/3

グローバルV字回復枠

  • 中堅企業等…1/2

緊急事態宣言特別枠

  • 中小企業者等…3/4
  • 中堅企業等…2/3

最低賃金枠

  • 中小企業者等…3/4
  • 中堅企業等…2/3

第5回公募で見直しされた項目

事業再構築補助金は、第5回公募の申請受付を2022年2月17日18時から開始しています。第5回公募では、主に次の項目について見直しが行われているため確認しておきましょう。

新事業売上高10%要件の緩和

3~5年間の事業計画期間が終了した後に、事業再構築により新規で取り組む事業の売上高が、総売上高の10%以上となる事業計画を策定することを求めている要件は、付加価値額の15%以上でも認められることとなりました。

また、売上高が10億円以上の事業者で、事業再構築を行う事業部門の売上高が3億円以
上の場合は、その事業部門の売上高10%以上でも要件を満たすこととなっています。

補助対象経費の見直し(貸工場・貸店舗等の賃借料)

補助事業実施期間内に工場・店舗などの改修を完了させ、貸工場・貸店舗などから退去することを条件とし、貸工場・貸店舗などの賃借料も補助対象経費として認めることとなりました。

なお、一時移転に係る費用(貸工場などの賃借料・移転費など)は補助対象経費総額の1/2が上限となります。

農事組合法人の対象法人への追加

事業再構築に一定のニーズがあると踏まえ、農事組合法人も対象法人に含めることとなりました。

事業再構築補助金をマッチングサイト開発に活用する方法

事業再構築補助金をマッチングサイト開発でどのように活用できるのか考えたとき、次の費用が対象となると考えられます。

  • ・建物費(建物の建築・改修・撤去や賃貸物件などの原状回復費用)
  • ・機械装置・システム構築費(設備・専用ソフト購入費用またはリース代など)・クラウドサービス利用費・運搬費
  • ・技術導入費(知的財産権導入にかかる経費)・知的財産権等関連経費
  • ・外注費(製品開発に必要な加工・設計など)・専門家経費(ただし応募申請のとき事業計画作成にかかった費用は含まない)
  • ・広告宣伝費・販売促進費(広告作成・媒体掲載・展示会出展にかかった費用など)
  • ・研修費(教育訓練費・講座受講など)

ただし、一過性の支出が補助対象経費の大半を占めているときには事業の支援を受けることはできず、中長期的で必要とされる費用に対する補助と理解しておきましょう。

人材育成のための研修費や、対面式からオンライン式へとシフトさせるシステム構築などは認められると考えられます。

事業再構築補助金の「中小企業等事業再構築促進事業の活用イメージ」では、オンライン化についての事例も多く掲載されており、次のようなケースが対象とされています。

  • ・喫茶店のテイクアウト販売システム導入
  • ・居酒屋のオンライン注文導入
  • ・ヨガ教室を対面式からオンライン形式へ
  • ・タクシーで食料宅配を開始

さらに対象として該当するかは、

  • ・これまで提供したことのない新サービスを投入しているか
  • ・既存設備でサービス提供できる取り組みではないか
  • ・競合他社の多くがすでに手掛けているサービスではないか

などを満たすことも必要となるようです。

マッチングサイトの種類ごとに補助金を活用するイメージ

マッチングサイトにも色々な種類がありますが、たとえば求人・人材派遣系のものもあれば、教育・習い事系や企業同士をつなげるものなど様々です。

求人・人材派遣系のマッチングサイトなら、オンラインで仕事を探している方と人材を求めている企業をマッチングさせます。

教育・習い事系のマッチングサイトの場合、学習塾の授業を対面ではなくオンラインで行ってほしいと希望する方と塾を結び付けるケースなどです。

また、顧問になってくれる士業を探している方や、新規取引先開拓を検討している企業、建設や運送関連のものなど専門性の高いマッチングサイトもあります。

オンライン上で必要とする相手を探し、依頼後に代金の支払いまで完結できるシステムが開発することは、コロナ禍の需要にマッチしているといえるでしょう。

今後、コロナが収束した後も、アフターコロナ時代に突入するため、しばらくは対面ではなくオンラインでのやりとりや取引に対するニーズは高いままと考えられます。

もしマッチングサイト開発など検討しているのなら、事業再構築補助金もうまく活用するとよいでしょう。

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ウィズコロナで活用したい法人・個人向けの5つの助成金・補助金制度

2022年1月31日 / 資金調達

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、様々な業種や産業に及んでいるといえますが、個人や法人が活用できる国の助成金・補助金もあります。

コロナ禍で厳しい状況にあるときにこそ、返還する義務のない国からの資金を助成金・補助金で受け取ることができれば、手元のお金を増やすことができます。

すでに公募中で締切間近のものもあれば、まだ受付が開始されていないものなど、助成金・補助金それぞれの内容を確認しておくようにしてください。

そこで、ウィズコロナで活用したい、法人・個人向けの5つの助成金・補助金制度について紹介していきます。

個人事業主・法人向け【事業再構築補助金

新型コロナウイルス感染拡大により、様々な影響が及んでいますが、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会変化に対応するにはいろいろな取り組みが必要となります。

そこで、新分野展開・業態転換・事業または業種転換・事業再編など、思い切った事業再構築を意欲的に取り組む中小企業を応援しようとできたのが「事業再構築補助金」です。

事業再構築に取り組む場合、上限1億円・最大2/3(中堅は1/2)で補助されます。

緊急事態宣言の影響により、令和3年1月~8月のいずれかの月売上が30%以上減のときには、補助率が3/4(中堅2/3)に引き上げられ、上限1,500万円となります。

事業再構築補助金(通常枠)の内容は以下のとおりです。

  • 補助対象者:補助対象となるのは次の要件を満たす個人事業主・小規模事業者・中小企業・中堅企業・企業組合などです。
  1. 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意で選んだ3か月の合計売上高が、2019年または2020年1~3月(コロナ以前)の同3か月の合計売上高と比べたとき10%以上減少していること。さらに2020年10月以降の連続する6か月間のうち任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比べたとき5%以上減少していること。
  2. 事業再構築に取り組むこと
  3. 認定経営革新など支援機関と事業計画を策定すること

  • 補助金額:中小企業100万円以上8,000万円以下・中堅企業100万円以上8,000万円以下
  • 補助率:中小企業2/3(6,000万円超の場合1/2)・中堅企業1/2(4,000万円超の場合1/3)
  • 対象経費:建物費・建物改修費・賃貸物件などの原状回復・設備費・システム購入費・外注費(加工・設計など)・研修費(教育訓練費など)・技術導入費(知的財産権導入にかかる経費)・広告宣伝費・販売促進費(広告作成・媒体掲載・展示会出展など)等

なお、次の申請の受付は2022年2月中旬に開始されることが予定されています。

個人事業主・法人向け【雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)

雇用調整助成金は、雇用保険適用事業所が労働者に対し、休業手当の取り決めを行っているときにその支払いを国が助成する制度です。

新型コロナウイルス感染症の影響で、事業活動の縮小を余儀なくされ、従業員の雇用維持を図るため支払った休業手当など一部を助成します。

また、労働者を出向させて雇用を維持したときのも支給の対象です。

雇用調整助成金の「特例」は、

  • ・原則的な措置
  • ・地域特例
  • ・業況特例

の3つに分かれます。

なお、この特例措置は令和4年3月31日までとなっています。

原則的な措置

  • 対象になる事業主:新型コロナウイルス感染症の影響で売上が前年同月比5%以上減少している雇用保険に加盟している者
  • 助成対象の労働者:雇用保険被保険者・被保険者でないパート・アルバイト
  • 助成率:中小企業4/5(解雇を行わなかった場合9/10)・大企業2/3(解雇を行わなかった場合3/4)
  • 助成上限金額:1日あたり13,500円

地域特例・業況特例

  • 地域特例で対象になる企業:「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」の対象地域の企業で、知事による基本的対処方針に沿った要請に基づき営業時間の短縮などに協力する場合
  • 業況特例で対象になる企業:売り上げ高等の生産指標を、直近3か月間の月平均値と前年同期または前々年同期の月平均値を比べて30%以上減少した全国の企業
  • 助成率:中小企業4/5(解雇を行わなかった場合10/10)・大企業4/5(解雇を行わなかった場合10/10)
  • 助成上限金額:1日あたり15,000円

法人向け【産業雇用安定助成金

新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動を一時的に縮小することを余儀なくされ、在籍型出向で労働者の雇用を事業主が維持するときには、出向元と出向先の事業主に出向にかかった賃金や経費の一部が助成されます。

産業雇用安定助成金で支給対象になる「出向」

  • ・新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動を一時的に縮小せざるを得なくなった事業主が、雇用維持を図ることを目的に実施する出向
  • ・出向期間が終了した後は、元の事業所に戻り働くことが前提である出向
  • ・資本的・経済的・組織的に関連性がなく独立性が認められる企業への出向(出向元と出向先が親会社と子会社間の出向でない、または代表取締役が同一人物の企業間の出向でないなど)
  • ・出向先で別の労働者を離職させるなど玉突き出向ではない出向

産業雇用安定助成金で支給対象になる「事業主」

支給対象となる事業主は、

  • ・新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動を一時的に縮小せざるを得なくなり、労働者の雇用維持を目的に在籍型出向で労働者を送り出す出向元事業主
  • ・上記の出向の対象となった労働者を受け入れる出向先事業主

です。

産業雇用安定助成金で支給対象になる「出向労働者」

支給対象になる出向労働者は、

出向元事業所で雇用される雇用保険の被保険者で、「出向」を行った労働者です。

ただし次のいずれかに該当する方は対象にはなりません

  • ・出向開始日前日まで出向元事業主に雇用保険被保険者として雇用された期間が6か月未満の方
  • ・解雇を予告されている方や、すでに退職願を提出した方、事業主から退職を勧奨され応じた方
  • ・日雇労働被保険者の方
  • ・併給調整の対象になる他の助成金などの支給対象の方

出向運営経費の助成率

出向運営経費として、

  • ・出向元事業主・出向先事業主が負担する賃金
  • ・教育訓練・労務管理に関する調整経費

など出向中にかかる経費の一部が助成の対象です。

助成率は、

  • ・出向元が労働者の解雇など行っていない場合:中小企業9/10・中小企業以外3/4
  • ・出向元が労働者の解雇など行っている場合:中小企業4/5・中小企業以外2/3

です。

出向元・出向先の合計である上限額は、1日あたり12,000円となっています。

出向初期経費に対する助成額

出向初期経費として対象になるのは、

  • ・就業規則・出向契約書の整備にかかる費用
  • ・出向元事業主が出向に対し事前に行う教育訓練
  • ・出向先事業主が出向者受け入れのために機器・備品整備など出向成立にかかる措置

などを行ったときで、出向元と出向先それぞれに助成されます。

  • 助成額:1人あたり10万円
  • 加算額:1人あたり5万円(出向元事業主が雇用過剰業種の企業や生産量要件が一定程度悪化した企業の場合において、労働者を異業種から受け入れるとき対象)

個人事業主・法人向け【小規模事業持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)

小規模事業者が、経営計画・補助事業計画を作成し、感染拡大防止を目的とした対人接触機会減少と事業継続の両立の取り組みに対し支給される補助金が「小規模事業持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)」です。

補助の内容は以下のとおりとなっています。

  • 補助対象となる者:小規模事業者
  • 対象となる事業:ポストコロナを踏まえ、新しくビジネス・サービス・生産プロセス導入などに取り組み、感染拡大防止と事業継続を両立させることを目的とした対人接触機会減少の対策へ前向きに投資する事業
  • 補助金額:100万円
  • 補助率:3/4
  • 対象となる経費:機械装置等費・広報費・展示会など出展費(オンライン展示会などに限る)・開発費・資料購入費・雑役務費・借料・専門家謝金・設備処分費・委託費・外注費・感染防止対策費(感染防止対策費は補助金総額の1/4・最大25万円を上限とします。ただし緊急事態措置に伴って特別措置を適用する事業者の場合には、感染防止対策費の上限を補助金総額の1/2(最大50万円)へ引き上げが可能ですが、補助上限額100万円に上乗せさせるわけではなく、感染防止対策費のみ補助対象経費に計上した申請はできませんので注意してください。

小規模事業持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)の第6回受付は2022年3月9日(水)17時となっています。

個人向け【新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」は、働き先が時短営業などを行ったため、勤務時間が短くなってしまった方やシフト日数が減ってしまった方も申請できる制度です。

新型コロナウイルス感染症や、それによる「まん延防止」の措置の影響で、休業の対象となったものの休業手当を受けることができなかった労働者に対し、支給されます。

支給の対象となる方

支給の対象となるのは、中小企業と大企業、それぞれ雇用されている会社によって異なります。

中小企業に雇用される方

令和3年4月1日から令和4年3月31日までに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業主から休業を伝えられ、休業に対する休業手当を受け取っていない方が対象です。

大企業に雇用される方

大企業に雇用されるシフト制労働者(労働契約上、労働日が明確でないシフト制・日々雇用・登録型派遣で雇用されている方)で、令和3年4月1日から令和4年3月31日までに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業主から休業を伝えられ、その休業に対する休業手当を受け取っていない方が対象です。

「休業」とは

事業主が所定労働日に労働者を休ませることであり、次のケースも対象となります。

  • ・時短営業などの影響で勤務時間が減少し、1日4時間未満の就労になったとき(本来の1日の勤務時間が8時間から3時間に変更されたときなど)
  • ・月の一部分が休業になったとき(週の勤務日数が減少したなど)

特例で支援金・給付金の対象となるケース

日々雇用やシフト制で勤務している場合でも、更新が常態化しているケースで、申請対象月に事業主が休業させたことに労使の認識が一致しており、支給要件確認書が作成できていれば支援金・給付金の対象です。

また、次のケースに該当するときには、支給要件確認書が作成されず休業の事実が確認できなくても、休業の対象として取り扱われます。

  • ・労働条件通知書に「週○日勤務」など、勤務日について具体的な記載がある場合や、申請対象月のシフト表が作成されている場合で事業主とその内容に誤りがないことの確認が取れる場合
  • ・休業が開始される月より前に発行された給与明細などから、6か月以上の間、原則月4日以上勤務していたことが確認でき、新型コロナウイルス感染症の影響がなければ申請対象月も従来の勤務を続けさせていたという意向が事業主に確認可能な場合

支給額の算定方法

支給額は、以下の算定方法で計算されます。

休業開始前賃金日額=申請対象となる休業開始月前6か月のうち任意の3か月の賃金の合計額)÷90
支給額=休業開始前賃金日額×80%×{(各月の休業期間の日数)-(「就労等した日数」と「労働者の事情で休んだ日数」の合計)}

「休業前賃金日額×80%」の上限

  1. 令和3年4月1日~令和3年4月30日までの上限…11,000円
  2. 令和3年5月1日~令和3年12月31日までの上限…9,900円
  3. 令和4年1月1日~令和4年3月31日までの上限…8,265円

なお、②③については、「緊急事態措置」または「まん延防止等重点措置」の実施区域の知事から要請を受け、営業時間短縮などに協力する飲食店などは11,000円になります。

休業支援金・給付金の申請について、厚生労働省から事業主に協力が依頼されています。

事業主の場合、休業手当の支払いは雇用調整助成金を活用できますが、休業手当の支払いが困難なときには、従業員が直接申請できる制度のため、周知や申請に協力するように心がけましょう

まとめ

新型コロナウイルス感染症は、変異株があらわれるなど、いつ収束の目途が立つのか先行きが見えない状況です。

そのような中で事業を続け、窮地を乗り切るためにも、国が準備している助成金・補助金は有効活用していきましょう。

なお、締切が近い制度については、申請に間に合うように手続が必要です。

数回公募のある制度などは、まだ募集されていない場合もあるため、情報を入手し申請に遅れないように注意しておくようにしてください。

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雇用調整助成金で対象となる事業者や満たさなければならない条件とは?

2021年12月17日 / 資金調達

「雇用調整助成金」とは、一時的に休業したときや教育訓練・出向などで労働者の雇用維持を図る事業者に対し支払われる助成金ですが、対象となる事業者や満たさなければならない条件などがあります。

新型コロナウイルス感染拡大においても注目されるようになったのが雇用調整助成金ですが、具体的にどのような事業者が対象となり、支給される条件として何を満たす必要があるのか解説していきます。

雇用調整助成金の特徴と満たさなければならない条件

雇用調整助成金とは、景気変動や消費動向の変化などで事業を縮小しなければならなくなったものの、休業・教育訓練・出向といった雇用調整を行うことで従業員の雇用を守る事業者に対し支給される助成金です。

コロナ禍よりも前からあった制度ですが、通常の制度よりも新型コロナ対象の制度のほうが条件など緩和されています。

そこで、

  • ・従来からある「雇用調整助成金」
  • ・「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」の内容と支給条件

の2つについてそれぞれ説明します。

従来からある「雇用調整助成金」の内容と支給条件

従来からある「雇用調整助成金」は、たとえば経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされたものの、雇用維持を図るため休業したときにはその休業手当を助成する制度となっています。

受給するための条件

「雇用調整助成金」を受給するための条件として、次のいずれも満たすことが必要となります。

1.雇用保険の適用事業主である
2.売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3か月間の月平均値が前年同期比で10%以上減少している
3.雇用保険被保険者数および受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標が、最近3か月間月平均値で前年同期比10%を超え4人以上増加していない(中小企業以外は5%を超え6人以上増加していない)
4.次に実施する休業・教育訓練・出向のいずれかの雇用調整が定められた一定基準を満たしている

  1. 休業の場合…労使間協定で所定労働日の全一日に渡り実施される(雇用保険被保険者であるすべての従業員について一斉に1時間以上実施されるものでも可)
  2. 教育訓練の場合…休業の場合の基準を満たし、教育訓練の内容が職業に関する知識・技能・技術の習得・向上を目的もので、当該受講日には業務に就かないもの(本助成金の対象となる教育訓練は除く)
  3. 出向の場合…対象期間内に開始され3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰する

5.過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新しく対象期間を設定する場合には、直前の対象期間の満了日翌日から起算して1年を超えている

受給できる金額

雇用調整助成金の受給額は、

  • ・休業を実施した場合…支払った休業手当負担額に下記の助成率を乗じた額
  • ・教育訓練を実施した場合…賃金負担額の相当額に下記の助成率を乗じた額+1人1日1たり1,200円

休業・教育訓練の場合には、対象となる初日から1年間で最大100日分、3年間で最大150日分受給が可能です。出向であれば最長1年間の期間中は受給することができます。

  • ・休業を実施したときは休業手当・教育訓練を実施したときは賃金相当額
  • ・出向したときは出向元事業主の負担額のそれぞれに対し、対象労働者1人あたり8,265円を上限として中小企業2/3・中小企業以外1/2を乗じた金額

「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」の内容と支給条件

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)とは、新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動の縮小を余儀なくされたものの、従業員の雇用維持を図るため労使間協定に基づき「休業」を実施する事業主に対し手当などの一部を助成する制度となっており、「出向」についても支給対象です。

支給対象となる事業主の条件

新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置において、次の条件を満たすすべての業種の事業主が対象です。

  • ・新型コロナウイルス感染症の影響で経営環境が悪化し事業活動の縮小を余儀なくされている
  • ・最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している(比較対象とする月の柔軟な取り扱いあり)
  • ・労使間協定に基づき休業など実施し休業手当を支給している

助成対象となる労働者の条件

雇用保険の被保険者である従業員に支払う休業手当などを助成する制度のため、雇用保険被保険者の労働者が対象となります。

なお、学生アルバイトなど雇用保険被保険者ではない従業員への休業手当は、「緊急雇用安定助成金」の助成対象となり、雇用調整助成金と同様に申請可能です。

助成できる金額と助成率・支給限度日数

助成できる金額は、

平均賃金額×休業手当等の支払率×助成率

で計算します。

なお、平均賃金額の算定は、おおむね20人以下の小規模の事業所への特例措置もあります。

そして中小企業とは次の条件に該当する企業のことです。

  • ・小売業(飲食店含む)…資本金5,000万円以下または従業員50人以下
  • ・サービス業…資本金5,000万円以下または従業員100人以下
  • ・卸売業…資本金1億円以下または従業員100人以下
  • ・その他の業種…資本金3億円以下または従業員300人以下

中小企業の判定基礎期間の初日ごとの助成額と助成率は以下のとおりとなっています。

●令和3年5月~12月

  • ・原則的な措置…助成率4/5(9/10)・助成額13,500円
  • ・業況特例(売上高など生産指標が最近3か月平均で前年または前々年同期比30%以上減の事業主)…助成率4/5(10/10)・助成額15,000円
  • ・地域特例(緊急事態措置の対象区域またはまん延防止等重点措置の対象区域で、都道府県知事による要請などを受け営業時間短縮などに協力する事業主)…助成率4/5(10/10)・助成額15,000円

●令和4年1月・2月(予定)

  • ・原則的な措置…助成率4/5(9/10)・助成額11,500円
  • ・業況特例(売上高など生産指標が最近3か月平均で前年または前々年同期比30%以上減の事業主)…助成率4/5(10/10)・助成額15,000円
  • ・地域特例(緊急事態措置の対象区域またはまん延防止等重点措置の対象区域で、都道府県知事による要請などを受け営業時間短縮などに協力する事業主)…助成率4/5(10/10)・助成額15,000円

●令和4年3月(予定)

  • ・原則的な措置…助成率4/5(9/10)・助成額9,000円
  • ・業況特例(売上高など生産指標が最近3か月平均で前年または前々年同期比30%以上減の事業主)…助成率4/5(10/10)・助成額15,000円
  • ・地域特例(緊急事態措置の対象区域またはまん延防止等重点措置の対象区域で、都道府県知事による要請などを受け営業時間短縮などに協力する事業主)…助成率4/5(10/10)・助成額15,000円

令和3年12月までの原則的な措置では、

  • ・令和2年1月24日以降の解雇などの有無
  • ・判定基礎期間末日の労働者数が各月末の労働者数平均4/5以上か

で判断します。

地域・業況特例では、

  • ・令和3年1月8日以降の解雇などの有無

で判断します。

令和4年1月からの原則的な措置では、

  • ・令和3年1月8日以降の解雇などの有無
  • ・判定基礎期間末日の労働者数が各月末の労働者数平均の4/5以上か

で判断します。

地域・業況特例では、

  • ・令和3年1月8日以降の解雇などの有無

で適用する助成率が決定します。

助成金の支給限度日数は原則、1年間100日分・3年で150日分となっていますが、緊急対応期間中である令和2年4月1日~令和3年12月31日までに実施した休業については、原則の支給限度日数とは別途支給を受けることが可能です。

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