「即日ご利用」「即日融資」「即日入金」など、非常に魅力的なキャッチフレーズを提示している金融商品は、数多く存在します。まるで金策に悩んでいる事業者を誘うかのようなうたい文句に、思わず利用を考えてしまう方も少なくないことでしょう。
しかし、このようなビジネスローンに安易に飛びつくのは非常に危険です。それぞれのデメリットや危険性を理解して、それでも必要な場合に検討することが理想的だと言えます。
そこで今回は、即日融資のデメリットやその危険性、万が一返せなくなったときの対処法についてお話ししていきます。安易な金策はご自身の事業にも悪影響を与えるため、ぜひ今回の記事を予備知識として役立て、今後の経営に活かしてください。
目次
1.即日融資の金利は10%以上がほとんど
まず、即日融資を提供しているビジネスローンは、ほとんどの場合で非常に高金利です。10~15パーセントが相場となり、月々の返済に加えられます。銀行融資の金利が2パーセント、創業融資が1パーセントからそれ未満、普通のビジネスローンが3~8パーセントだとすると、即日融資のビジネスローンがいかに高金利かがわかるでしょう。
「分割払いを使用するし、それほど金利を負担に感じることはないはず」と楽観視する事業者の方が少なくないものですが、それは非常に危険な考え方です。ビジネスローンに限らず通常のカードローンを使用した方ならご理解いただけるかと思われますが、金利の高さは返済の負担に直接つながるものです。利用前にはそれほど苦しいものではないと感じていても、後になって大変な思いをすることになります。
だからこそ、「即日融資」をうたうビジネスローンの利用は、軽はずみに手を出すべきものではありません。お金に困っているととにかく早めの対応をしてくれる業者に頼りたくなるものですが、困っているからこそ業者選びには慎重になりましょう。
即日融資と即日審査に注意!
「即日融資」と聞くと、あたかも申し込んだ当日に融資を受けられるものだと思いがちですが、実際にはそれほどスピーディーな入金は非常にまれです。
ビジネスローンも銀行融資と同様に、審査に合格する必要があるためです。審査自体には数日かかり、それから融資が実行されるのです。つまり、「即日融資」は「即日審査」との意味合いにも受け取れるので、そこで混乱してしまう事業者の方が少なくありません。
銀行の営業時間にとっても入金タイミングが左右されるため、申し込みから数日かかることを覚えておきましょう。当日に入金を確認するつもりが数日かかり、さらに高金利付きで返すことになるのはなるべく避けたいものです。だからこそ、業者選びには慎重になりましょう。
2.融資金額を返せなくなったら?
資金繰りに悩んでビジネスローンを利用し、返済ができなくなるケースがあります。事業再建のために利用したにもかかわらず返済に困るのは何とも皮肉なことですが、このような事態は決して避けられるものではありません。
ビジネスローンで返済の遅れが発覚すると、ローン会社から取り立てを受けます。従来、ビジネスローンは「商工ローン」とも呼ばれ、その取り立ての厳しさは社会問題として話題にされるほどでした。今では法規制が進んだために暴力的な取り立てができないようになっていますが、それでも社会的に厳しい処分を受けることは変わりません。
財産を差し押さえられるケースが多い
支払いの遅れが発覚すると、ローン会社は法律の範囲内での取り立てをおこないます。
基本的には、
・催促状の送付
・担保の競売
・残った借金の取り立て
・(それでも返済できない場合)裁判にて財産の差し押さえ
を受けることになります。不動産などの担保で解決すれば問題ありませんが、最悪の場合には裁判にて財産の差し押さえを受けることもあります。そうなると事業者の社会的な地位を落とすことにもなりかねません。
銀行では支払いの遅れや難航に対し、きちんと連絡さえすれば返済スケジュールの見直しや一時的なストップなどを提案してくれますが、即日融資をするようなローン会社ではそのような柔軟な対応は期待できません。それがビジネスローンのデメリットであり、危険性でもあるのです。
最悪の場合では倒産も
支払いの滞納や返済不能が発覚した場合、倒産に追い込まれるケースもあります。融資側としては事業者に倒産されることだけは避けたいものですが、これ以上無理が生じるのであれば仕方がありません。
倒産自体は事業者自身が判断することになります。倒産すると債務の免責が認められるため、滞納していた借金を返す必要がなくなります。事業者によってはメリットに思える判断ですが、その後の社会的地位に大きく影響することを忘れないでください。
金策のつもりで利用したはずが、思わぬトラブルでご自身の事業を脅かすことがないよう、即日融資系のビジネスローンには徹底的に慎重になりましょう。
3.融資返済ができないときの対処法
ローン会社からの取り立てや財産の差し押さえ、倒産など、ビジネスローンの利用にはさまざまなデメリットとリスクが伴います。事業者としてはこのような事態をなるべく避けたいものですが、突然思わぬトラブルが発生して返済不能になるケースがないとは言い切れません。
トラブルを未然に防ぐことはもちろん大事ですが、それと同時にもし起こってしまったらどうするか、その後の対応を考えておくことも同様に大事です。
「私的処理」「個人再生」が有効
「私的処理」や「個人再生」などの手段を使えば、自己破産や倒産を避けられるケースもあります。
財産を任意で売却して借り入れの返済に充てる「私的処理」や返済額の減額を申請する「個人再生」などが、この場合では有効になります。また、「債務処理」などの方法もありますので、ピンチになるのならぜひ検討してみましょう。
このような再建方法は、弁護士や行政書士などのサポートで実現できます。サポートを受けるには報酬を支払い必要がありますが、後払いや分割払いにも対応してくれるので、相談だけでも試す価値があります。ただし、こちらでもさらなる借金を作らないように気をつけておきましょう。
いざというときには弁護士に相談を
もともと顧問弁護士を雇用しているとこのような対応をスピーディーに受けられますが、起業して間もない個人事業主や中小企業の方にはハードルが高いことかもしれません。しかし、事前に相談しておくことで有益な方法を得られるケースも多いので、無料相談を受けてみることをおすすめします。
また、インターネット上では事業者と弁護士のマッチングサイトがあるので、それを利用してみるのもいいでしょう。地域や状況に合わせた弁護士を紹介してもらえ、現在のピンチを乗り越えるためのサポートを受けられます。そのような人脈を作っておくと後からずいぶんと楽になるので、試してみる価値は高いです。
「便利なものほど高くつく」とはよく言ったもので、即日融資のビジネスローンには多くの危険性が伴います。利用前には慎重な業者選びを徹底し、またビジネスローンを利用するほかに適切な方法がないかを調べておきましょう。どうしても融資金額の返済ができないようであれば弁護士などに対応し、取り立てや催促に臨むための準備をしておくことも大事です。
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