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廃業する事業者が急増中!新型コロナで迫られる事業承継はどのように進めるか

事業資金2021/09/29

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの中小事業者が打撃を受けてしまい、事業承継するのか廃業するのかといった選択を迫られています。

東京商工リサーチによるコロナ関連破綻件数はすでに2000を超えており、2020年に休業・廃業・解散した企業は過去最多といえる約5万件でした。

「このまま事業を続けても、将来の展望を描くことができない」
「後継者候補も見つからない」

様々な問題を抱えた中でコロナ禍が追い打ちをかける結果となり、親族ではなく第三者への事業承継を進める経営者も少なくありません。

M&Aなどによる事業承継がその例として挙げられますが、平時ではないコロナ禍では、地域経済や雇用を支えてきた資源を新たな受け皿にどのように橋渡しするかが課題となるでしょう。

そこで、新型コロナで中小企業が事業承継を迫られているとき、どのように進めていくべきなのかご説明します。

 

コロナ倒産や廃業をなくすことが重要

「これほどよい店をつぶすわけにはいかない!」

と、後継者不在で廃業を決意した老舗飲食店を引き継ぎ、古くからある文化を残しながら事業を続けている大手飲食店などもあります。

しかしこのような事業承継が進むケースは少数で、経営者の高齢化で第三者に事業承継を希望していても、引受先が見つからず廃業を迫られるといったケースも少なくありません。

最近では買い手側と売り手側をマッチングするM&A仲介サイトなども増えているため、地元の実情に精通した金融機関なども橋渡しとしての役割が期待されています。

日本の企業のほとんどが中小企業のため、日本経済を支える存在が廃業や倒産してしまい、なくなってしまうことは避けなければならないからです。

 

後継者が決まっているならタイミングを逃さないことが重要

すでに後継者が決定しており、事業承継のタイミングにするか迷っていた企業にとっては、コロナ禍の今がそのタイミングとも考えられます。

一時的に企業価値が落ち込むと株価の評価額も低くなるため、後継者に株式承継しやすくなるからです。

ただ、コロナ禍で企業の業績が悪化しており、将来の先行きを見通せなくなっている状況で事業承継を進めることには不安を感じることでしょう。

実際、このような不安が事業承継のブレーキになっている企業も多いようですが、すでに経営者の高齢化が進んでいる企業は、事業承継のタイミングを延期すると時期を逃す可能性もあります。

その結果、廃業せざるを得ないリスクを高めると留意しておくべきです。

 

ポストコロナ時代に向けた事業承継が必要

ポストコロナ時代を展望したときには、従来までの事業のやり方では通用しなくなる可能性があります。

これまでと大きくやり方を変えなければならないと考えられますが、新たな経営者に任せるときが来たと考え、事業承継を決断することもできるでしょう。

コロナ禍という最悪の有事をきっかけに、ピンチをチャンスに変え、経営者を世代交代することで革新的なビジネスモデルが次々に生まれる可能性もあります。

新型コロナウイルス感染拡大はいつ収束するのか明確にはわかりませんが、コロナ禍は事業承継の絶好のタイミングと捉え、ビジネスモデルに変革をもたらせるべきです。

 

コロナ禍での事業承継はどの方法がベストか

事業承継にも種類があり、誰を後継者として事業を引き継いでもらうかにより、対策や考え方も変わってきます。

20年以上前の事業承継といえば、中小企業ではそのほとんどである85%が親族内承継で、親族外承継は15%でした。

しかし最近では親族内承継が35%、親族外承継は65%とその割合が逆転傾向にあります。

親族外承継の1つにM&Aがあげられますが、コロナ禍で経済・社会が代わり厳しくなった経営状況の中、後継者に事業を引き継いでもらうことは不幸なことではないかと判断する経営者が増えたことも背景にあるといえるでしょう。

さらに戦略の1つとして、コロナ禍が収束した後の経済回復と人材確保、サプライチェーンの内製化などの観点からむしろ今の経済状況はプラスととらえる経営者もいます。

そのためM&Aで買収することを決断する企業も増えていますが、実際には株式の引き継ぎや経営権の委譲など、何から手をつければよいのか優先順位も判断がむつかしいようです。

 

事業承継とは経営権と財産権の承継を行うこと

事業承継とは、

  • ・経営権
  • ・財産権

2つを引き継ぐことです。

中小企業の経営者は、株主としての議決権とマネジメントを進める立場として会社を経営します。

また、株式には財産権という側面があるものの、中小企業の株式は現経営者の相続発生時に資金化できない財産として財産分与や納税問題で頭を悩ませることになります。

後継者に株式を継承するときタイミングとは、現経営者が退任することに対し役員退職金を支払ったことで株価を下げたときが多いといえます。

しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響による不況の中で株価を考慮するなら、先に後継者へ株式を継承した後で、後継者に経営を委譲することもできるでしょう。

後継者が現経営者と協力しながら既存の事業をどのように立て直していくのか、新規で事業を進めていくのか経験するきっかけとなるはずです。

 

経済不況によって自社株にはどのような影響があるのか

中小企業の株価の算定方法は、類似業種比準価額と純資産価額をミックスして評価します。

純資産価額過去から積み上げた利益によるため調整が困難なこともありますが、類似業種比準価額市場株価と自社の業績により変動します。

リーマンショックのときと新型コロナウイルス感染拡大期の市場株価は、約7~8割程度にまで下落しています。

業績悪化や不況で市場株価が下落すれば、株価視点で見ると保有する財産価値と株価も低くなることを示しているため、これまでであれば後継者に株式を継承したくても株価が高く難しかったケースでも株式承継を進めやすくなると考えられるでしょう。

 

株式継承の注意点

現経営者が事業のマネジメントを続けながら後継者に株式継承を進めてしまうと、議決権は後継者が保有することとなるため、安心して経営できなくなる可能性もあります。

議決権を50%超で保有した場合には役員の解任権を得るため、後継者から現経営者が解任されてしまうリスクも高まるでしょう。

経営権を確保しておく対策としては、種類株式を発行したり属人的株式で後継者に継承する株式を無議決権にしたり、議決権を制限するといった方法もあります。

ただ、想定通りに株式継承ができなくなったときにトラブルが発生することもあるため、事業承継については慎重に、専門家に相談しながら進めたほうが安心です。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、このまま事業を続けても…と考える経営者が廃業してしまうケースは増えています。

コロナ関連倒産の件数も増えているため、もし後継者がいないのならM&Aを含めた第三者への事業承継を検討しましょう。

ただ、すでに後継者が決まっていていつ事業承継すればよいか判断がつかず迷っているのなら、今がそのタイミングを考えるのも方法の1つです。

業績悪化やコロナ不況で市場株価が下落することで、保有する株価も低くなれば、株価が高く後継者に株式継承ができなかった場合でも手続を進めやすくなると考えられます。

いずれにしても会社を廃業を選択しなければならなくなることや、倒産に追い込まれることのないように、スムーズに事業承継を進めることができるよう準備しておきましょう。

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