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法人として事業をスタートするときに活用できる助成金・補助金制度

事業資金2021/09/27

会社を設立し、法人として事業をスタートするときには多くの資金が必要となるため、助成金や補助金を活用できることが望ましいといえます。

法人として会社を設立する費用だけでなく、実際に開業した後の運転資金なども必要なので、手元の自己資金が少なければ助成金・補助金を有効活用するべきです。

創業期に活用できる法人向けの助成金・補助金は、どれも国や地方自治体によるものですが、どのような制度があるのかご紹介します。

 

そもそも助成金や補助金とはどのような制度?

助成金補助金と呼ばれる制度は、国や地方自治体などが公的資金を財源に資金を支援する仕組みとなっています。

法人として会社を設立し、創業したいけれど資金が十分でなければ、会社を立ち上げることも難しくなるでしょう。

仮に銀行などの金融機関から融資を受けようと考えても、実績のない会社に対し資金を貸し付けてくれるとは限りません。

そもそも資金を借入れるということは返済義務が発生しますが、助成金や補助金であれば返済義務のない資金を手に入れることができます。

 

助成金と補助金の違い

助成金と補助金はどちらも返済不要の資金を受け取ることができる制度ですが、違いはほとんどありません。

ただ、助成金は定められた要件を満たすことで給付されるのに対し、補助金は予算や最大件数などの決まりがあり抽選や早い者勝ちになることもあります。

公募期間も助成金は比較的長めですが、補助金では一定期間に絞られていることがあるため、最新の情報を常に入手することが望まれます。

 

創業で利用できる助成金・補助金とは

助成金や補助金を主催する団体として、

  • ・経済産業省
  • ・厚生労働省
  • ・地方自治体
  • ・民間団体・企業

などが挙げられます。

どの団体が主催する制度を利用するかによって、対象となる事業や法人、支援目的などが異なります。

創業の際に活用できる助成金・補助金として挙げられるのは、

  1. 創業助成事業
  2. キャリアアップ助成金
  3. 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)

の3つです。

それぞれどのような制度なのか詳しくご説明します。

 

①創業助成事業

東京都及び公益財団法人東京都中小企業振興公社では、都内創業予定者等に対し、創業初期の必要経費の一部を助成する創業助成事業を実施しています。

助成対象者は都内創業予定者または創業して5年未満の中小企業者で、次の申請要件を満たす個人または代表者の法人です。

なお、申請時点において個人事業主または法人登記上の代表者として、経営に従事している期間が通算5年未満でなければなりません。

主な申請要件は、次のいずれかに該当することが必要です。

  • ・TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了者
  • ・インキュベーション施設運営計画認定事業の認定施設の入居者
  • ・都内の公的創業支援施設入居者
  • ・東京都及び都内区市町村が行う創業を対象とする制度融資利用者
  • ・都内区市町村で認定特定創業支援等事業(産業競争力強化法)による支援を受けた方

助成対象経費の3分の2以内で、助成限度額は300万円までとなっています。

助成対象となる創業初期に必要な経費は、

  • ・賃借料
  • ・広告費
  • ・器具備品購入費
  • ・産業財産権出願・導入費
  • ・専門家指導費
  • ・従業員人件費

などです。

助成対象期間は、交付決定日から最長2年間で、令和3年9月1日~最長令和5年8月31日までを予定されています。

 

②キャリアアップ助成金

非正規雇用の従業員のキャリアアップに向けた制度がキャリアアップ助成金です。

非正規雇用の従業員を正社員に転換することや賃金規定の改定など、パターンごとに助成金額は異なります。

令和3年4月からは、

  • ・正社員化コース
  • ・諸手当制度等共通化コース(令和2年度における諸手当制度共通化コースの名称変更)
  • ・選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • ・短時間労働者労働時間延長コース

に関する要件の変更と、健康診断制度コースの諸手当制度など共通化コースへ統合、および障害者正社員化コースが新設されています。

正社員化コースなら、法人を設立するよりも前からアルバイトとして雇用していた従業員を、今後は正社員として迎えるときなどに使えます。

正社員化コースの場合、対象となるのは6か月以上雇用実績のある契約社員・パート社員を正社員に登用し、6か月継続雇用したときです。

支給金額は該当者1人につき最大72万円となります。

 

③地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)

中小機構と都道府県の公共団体・金融機関等が共同出資している独自の官民ファンドで、地域貢献性が高い新事業に取り組む中小企業者が支援の対象です。

ファンド運営会社(都道府県の中小企業支援機関など)に対象事業が採択されると、ファンド運用益から資金が助成されます。

各地の農林水産物や伝統技術を活用する商品開発・販路開拓の取り組み研究・商品開発や需要の開拓に係る費用などが助成の対象です。

なお、支給される金額は都道府県ごとのファンドにより異なりますので、事前に確認しておくようにしましょう。

 

助成金・補助金で資金調達するときの注意

助成金や補助金は返済義務のない資金を手にすることができるという大きなメリットがある反面、必要書類を揃える作業に手間取ることもあります。

また、労力をかけて書類を入念に準備したのに、採択されず資金を受け取ることができなかったという場合もあるため安心はできません。

そこで、助成金や補助金を申請し、資金調達を成功させるためには何に注意しておけばよいか確認しておきましょう。

主に注意したいことは、

  • ・メリットが大きい制度は倍率も高い
  • ・書類準備は丁寧・入念に行う
  • ・複数の制度から資金調達は不可となることが多い
  • ・ある程度自己資金の準備が必要

の4つです。

それぞれ詳しくご説明します。

 

メリットが大きい制度は倍率も高い

助成金や補助金制度は返済義務がないというメリットがある反面、募集の間口が広く高額な資金が支給される制度などは、人気が高く応募が殺到しやすいといえます。

そのため倍率が高くなり、採択される可能性が低くなってしまうことがデメリットですが、まずは事業計画をしっかり立て支援する価値のある法人だと認めてもらうことが大切です。

 

書類準備は丁寧・入念に行う

助成金や補助金の申請においては、

  • ・事業計画書
  • ・収支計画
  • ・申請書類

など、複数の書類を用意することが必要です。

多岐に渡る書類を単に揃えればよいだけでなく、高い倍率を勝ち抜くためにも事業の将来性や価値を認めてもらえるアピールができる書類の作成が必要となります。

どの書類も準備まで時間と労力がかかりますが、専門家にも相談しながら丁寧に作成しましょう。

 

複数の制度から資金調達は不可となることが多い

助成金・補助金の財源は税金ですので、複数応募してもすべての申請が通り、資金を調達できるということは少ないといえます。

特に対象となる同一の経費に対する複数の助成を受けてしまうと、実際に拠出した経費よりも受給額が多くなり、助成金や補助金で儲けが出ることになってしまいます。

そのようなことのないように、厳格にルールが規定されていますので、その定めに従う必要があります。

複数の制度に同時に申請することはでき、申請に必要な書類も共通するものが多いので、実際に採択されてからどの制度を活用するか選ぶとよいでしょう。

 

ある程度自己資金の準備が必要

助成金や補助金で必要な資金をすべて賄いたいという方もいるでしょうが、あくまでも不足分を補うという考え方の制度なので、ある程度の自己資金も必要です。

たとえば補助金なら、実際に使った経費を申請し、後で資金を受け取るという流れになります。後払い方式であるため、立て替える資金がなければ事業運営は不可となるでしょう。

助成金についても同様に後払いが基本なので、まずは手元に自己資金を準備しておくようにしてください。

 

助成金や補助金は課税対象となるのか

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、助成金や補助金を有効に活用したという企業なども少なくありません。

しかし助成金・補助金・給付金などは、種類によって課税関係が異なるため、課税の取り扱いについて把握しておきましょう。

新型コロナウイルス感染拡大により設けられた制度や特例措置は、

  • ・持続化給付金
  • ・家賃支援給付金
  • ・休業・時短要請協力金
  • ・雇用調整助成金
  • ・小規模事業者持続化補助金
  • ・特別定額給付金

などがあります。

それぞれの課税の取り扱いについてご説明します。

 

持続化給付金・家賃支援給付金・休業・時短要請協力金

新型コロナウイルス感染拡大防止のために、国・都道府県が営業活動を自粛するように要請したことで、緊急経済対策として事業者を支援する制度として設けられたのが持続化給付金です。

事業者に対し、売上減少など一定要件を満たしたときに、法人最大200万円・個人事業主最大100万円が給付されました。

そして、店舗や事務所など賃料負担を軽減するために設けられた制度が家賃支援給付金です。売上減少など一定要件を満たすことで、法人最大600万円・個人事業主最大300万円が給付されました。

さらに都道府県などが出した休業や時短などの要請に応じ、施設を使用停止したり営業時間を短縮したりなど、協力した事業者に対し支給されるのが休業・時短要請協力金です。

これら給付金・協力金の税金の扱いは、法人であれば法人税個人事業主なら所得税課税対象です。

消費税の課税対象にはなりませんが、収益として計上する時期支給決定があった日の属する事業年度ですので、忘れないようにしましょう。

 

雇用調整助成金・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

新型コロナウイルス感染症とまん延防止措置の影響で、休業した事業者や労働者に対し準備された助成金です。

雇用調整助成金は平時でも活用できる制度ですが、特例措置として新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動を縮小し、従業員の雇用維持を図るため労使協定に基づき休業を実施するときに最大日額 15,000円が支給されます。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は、休業させられた中小企業の労働者が休業手当を受けることができなかったとき、最大日額 11,000円支給される内容となっています。

雇用調整助成金は事業主に対して支給される制度なので、法人であれば法人税個人事業主なら所得税課税対象です。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は労働者に直接支給されますが、雇用保険臨時特例法を根拠に所得税非課税の扱いとなっています。

なお、どちらも消費税の課税対象ではありません。

雇用調整助成金支給決定時の属する年度に収入として計上しますが、

  • ・事業主が労働者に休業手当を支給し所定の手続きをした年度
  • ・支給決定時の属する年度

の2つが異なるときには、労働者に休業手当を支給し所定の手続きをした年度に計上してください。

 

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とはもともとある制度で、

  • ・働き方改革
  • ・被用者保険の適用拡大
  • ・賃上げ
  • ・インボイス導入

などに対応するため、小規模事業者などが取り組む販路開拓の取り組みにかかる経費の一部を補助する制度として活用されています。

新型コロナウイルス感染拡大により、一般枠とは別に事業再開枠として、事業再開に向けて業種別ガイドラインなどに照らし事業継続に必要な最小限の感染防止対策を行う取り組みを支援する制度が設けられていました。

クラスター対策を特に必要とする施設で事業を実施する特例事業者はさらに上限を50万円上乗せするといった内容でしたが、事業主が法人なら法人税個人事業主は所得税課税対象となります。

こちらも消費税の課税対象にはなりません。

収益として計上する時期は、支給決定があった日の属する事業年度です。

 

特別定額給付金

基準日の令和2年4月27日に日本の住民基本台帳に記録されている方、1人につき10万円が給付されましたが、この特別定額給付金は課税対象にはなりません

 

まとめ

創業の際に法人が活用できる助成金や補助金はいろいろありますが、いずれも目的や要件、期限などが異なります。

支給される金額も違うため、まずはどの助成金や補助金の活用が可能となるか確認し、申請できるものは検討してみるとよいでしょう。

なお、助成金や補助金はどちらも後払いで支給されますので、それまでの手元の自己資金の準備も必要となることは忘れないようにしてください。

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