資金調達の方法にベンチャーキャピタリストからの出資は吉?

事業資金

事業資金を準備しようと考えたとき、借り入れではなく投資を受ける形を取りたいなら、ベンチャーキャピタリストから出資してもらう方法なども検討できます。

ベンチャーキャピタリストとは、優良な企業や成長が見込める企業に対して資金を提供し、投資先の企業が成長することでキャピタルゲインを獲得することを目的とした投資家です。

返済負担を負わない資金を投資という形で得ることができるのは大きなメリットと考えるかもしれませんが、ベンチャーキャピタリストから資金を調達する際には注意しておくべきこともいろいろありますので、その内容をご説明します。

 

ベンチャーキャピタリストとは何をする人?

ベンチャーキャピタリストは成長が見込める企業の株式を取得する形で出資を行います。投資後は株主として経営支援やモニタリングなどに携わることになると理解しておきましょう。

投資した会社の企業価値が高まり、上場や買収などのタイミングが訪れたときに、保有する株式を高値で売って収益を得ることを目的とします。

2018年12月には、慶応義塾大学の20歳の学生が国内最年少のベンチャーキャピタリストとして誕生するなど、近年若い世代にも注目されています。

 

ベンチャーキャピタリストが出資するまでの流れ

実際、ベンチャーキャピタリストはどのようにして企業に投資を行うことになるか把握しておきましょう。

まず、投資先となる企業を探すことから始めるようですが、若手のベンチャーキャピタリストなどの場合、面談を行う企業は何十社や何百社ともいわれています。

投資対象となる企業を見つけると、ビジネスモデルやマーケット規模、財務状況、成長性、経営陣、競合企業、そして株価や株式マーケットの状況など様々な項目野情報を分析し、実際に投資を行うのか、出資する場合の株価や持ち株比率は適正かなど判断するようです。

出資することが決まると、対象となった企業とベンチャーキャピタリストとで契約を締結し、資金が払い込まれた代わりに株式を取得してもらうという流れです。

 

出資後は企業まかせの経営にはならない

ベンチャーキャピタリストは投資を行った後、企業が順調に成長できるような支援を行います。

成長しなければ目的とする収益を得ることができないので、投資金額が大きければ大きいほど積極的かつ経営に入り込んでくるでしょうし、少額ならモニタリングだけというケースもあります。

金額の大小に関係なく、投資後は経営陣に対して経営アドバイスを行ったり、取引先や提携先を紹介してくれたりするので、バックアップ体制が整うという面でもベンチャーキャピタリストからの資金調達はメリットがあるといえるでしょう。

 

企業のどこで評価をしているか

ユーザーの視点に立って、本当にその商品やサービスが欲しいと思うかを考えることができなければ、ニーズに対応できる経営は続けられません。

さらにその事業を行うのかとう動機が、目先の儲けだけならうまくいかなくなったときに投げ出す可能性が高くなります。

たとえば世界に通用するブランドを作りたいと決意に至った経験があり、そのプロセスを経て起業したのなら、目的を達成するまで必死に試行錯誤を重ねて事業を営むだろうと考えられるでしょう。

ベンチャーキャピタリストが出資する企業を選ぶときには、ユーザーの視点に立ってものごとを見れているか起業した動機が自身の身近な体験に基づいているかを見ているといえます。

 

出口が決まった出資でもある

ベンチャーキャピタルは投資をおこなった2~3年後、もしくは長くても10年後を目途に、投資した資金を回収するようになります。

株式公開や他企業に高値による売却などにより多額のキャピタルゲインを得ることに成功するベンチャーキャピタリストもいれば、うまく業績が伸びずに倒産してしまうケースも当然あるようです。

 

ベンチャーキャピタリストからの資金調達が適しているケース

ベンチャーキャピタリストから資金を調達することに適しているケースとは、今のステージでは準備できないような多額の資金を必要とするときや、資金部分以外でも経営について的確にアドバイスしてくれる支援者が欲しいといったときでしょう。

資金調達の方法はいろいろありますが、通常の運転資金が必要といった状況ではなく、特殊なケースにだけ適した方法ともいえます。

たとえばスタートアップの段階では、売上や利益がまだ十分ではないため、銀行から融資を受けたくても利用できないという状態です。地道に事業で稼ごうと思っても、事業に投資するスピードをはやめるまでに追いつかない程度しか利益があがらず、市場の成長スピードや激化する競争に追い付けなくなることもあるでしょう。

このような場合、多額の資金を出資してもらえることで、事業を円滑に進めることができ市場の流れにのって利益を得ることに繋がることもあると考えれば、ベンチャーキャピタリストから出資してもらうことは有効な手段といえます。

 

出資してもらうことで抱えるリスクへの理解も必要

ただ、お金を受け取る代わりに株式という会社の一部を渡すことは、ベンチャーキャピタリストから出資を受ける前に理解しておかなければならない部分です。

出資を受ける代わりに失う部分もあるので、自分のやりたいように経営したいという起業家には向かない方法といえます。

ベンチャーキャピタリストも通常は10年程度を目安にして、背後にいる投資家のお金を預かる立場のため、リターンを付けて返すためにはアドバイスやサポートを必死に行います。

出口が決まった投資方法なので、いずれは株式という会社の一部を持って、いなくなってしまう存在であることも理解が必要です。

 

リターンを出すために必死で頑張れるか

ベンチャーキャピタリストの背後にいる投資家に期待されているリターンを出すことを必要とされるので、もし出資してもらうなら戦略的に事業を営んで行くことが求められます。

それらを納得した上でベンチャーキャピタリストから資金を調達することが必要であり、本気で事前に決めた約束を守るために頑張るしかない状態に追い込まれることも覚悟しておくべきです。

その部分の認識が甘いと、いざベンチャーキャピタリストが投資の出口に立ったとき、双方で揉めごとやトラブルに発展してしまう可能性も出てきてしまいます。

また、投資してもらう前の段階で、お互いにすべてさらけ出し、期待値などの認識をすり合わせておくことが必要です。

 

まとめ

出資してもらうときにはもちろん必死で経営を行うことになるでしょうし、ベンチャーキャピタリストも成長に貢献できるよう必死になります。同じ船に乗って経営を行うことになるので、自分が思い描く形ではない経営を続けなければならなくなるかもしれないということです。

ただ、ベンチャーキャピタリストに成長が見込める企業だと選んでもらってはじめて実現する資金調達の方法ではあるものの、最終的には経営者が決めることです。

融資を受けるのがいやだから出資してもらおうといった理由では利用するべきではない方法です。また、運転資金の準備に資金が必要というケースにも向いていません。

借り入れに抵抗があるけれど、運転資金が必要という場合には、他にも保有する売掛金を売却して資金化させるファクタリングなどの方法があります。

支払われる期日前の売掛金を先に現金に換えて資金を得る方法なので、もちろん融資ではありませんし、利用したファクタリング会社に経営に口出しされることもなく、プレッシャーを抱えることもありません。

もし資金調達の方法を融資から別の手法にシフトさせたいなら、ファクタリングも方法の1つとして検討してみるとよいでしょう。

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