資金繰りを行う中で、急きょまとまった資金を必要とする企業も少なくありませんが、融資以外の資金調達の方法としてファクタリングが注目されつつあります。
しかし、その緊急性の高さを利用して、悪質な詐欺に等しいともいえる法外な手数料を請求する悪徳業者も存在します。
資金が不足して困り果てた経営者からさらに現金を奪おうとする悪質な業者に騙されないように、その手口と見分け方を確認しておきましょう。
悪質なファクタリング会社の正体は闇金融?
悪質ともいえる違法な高金利に脅迫的な取り立てを行い、消費者を追い込む闇金融の存在は誰もが知るところですが、ファクタリング会社を装う悪質業者はこの闇金融から派生していることが多いようです。
闇金融のターゲットは、金融機関に対して行政指導である総量規制により、借入総額は年収の3分の1までという制限が設けられたことで、消費者金融からの借り入れできなくなった層です。
法律の何十倍、果ては何千倍という公正な利益をはるかに超える不当な利率で貸し付けし、膨大な利益を上げることを目的としていましたが、警察の取締が強化され弁護士事務所も闇金問題解決に積極性を高めたことで追いやられている状況です。
行き場を失った闇金融は、売掛債権の売買取引なので貸金業ではなく、事業者として登録義務もなければ法規制は特に設けられていないファクタリングに目をつけたというのがおおよその流れといえます。
法規制のないファクタリングは悪質な取引でも成立してしまう
元々、金融免許のない闇金は貸金業者になれないため、登録義務を必要としないファクタリングはまさに好都合だったといえるでしょう。
表向きのファクタリング会社を装っても、裏の顔は闇金なので取引は悪質極まりないものなのです。
闇金融が行う金銭の貸し付け業は、金融庁の許可を取得していない時点で貸金業法違反となります。法外な利息を得ていればなおのことでしょう。しかし、ファクタリングは売掛債権を売買する取引なので、当事者同士が納得すれば、手数料に上限は設けられていません。
さらに、個人の数万円を貸し付けて少しずつ回収するよりも、中小企業のほうが規模が大きく一気に稼げて効率がよいと感じたとも考えられます。
闇金融の顔を持つ悪徳なファクタリング会社の見分け方

裏に闇金融の顔をもつ悪徳なファクタリング会社は、若い女性モデルなどを使って爽やかさをアピールした自社のホームページも立ち上げています。
対応も闇金融と思えないほど穏やかな場合もあるため、請求される手数料が法外なものだったり、内訳がよくわからない手付料や保証金なども支払わされているのに、気が付いていない方もいるほどです。
しかし、どんなに表の顔は穏やかだとしても、裏の顔は闇金融に変わりありません。どこか不安を感じると思ったら、まず次の項目を確認してみましょう。
直接面談したがらない
通常であれば、ファクタリングは提供された情報から読み取れる信用度だけでなく、依頼者の人柄なども重視されます。そのため、実際に会って面談を行うことが一般的です。
しかし、特別な理由もないのに面識を持ちたがらない場合は疑いの目を向けてみましょう。
正規のファクタリング会社でも、申し込みから振り込みまで迅速に行うことを重視するため、対面による面談は省略するケースもあるようですが、単に顔を見られることを避けたいがために面談を行わない場合は要注意といえるでしょう。
悪徳なファクタリング会社の多くは、対面で面談せずに電話のみで対応しています。
所在が明確でない
ファクタリング会社が悪徳業者かどうか知るために、ホームページに記載のある所在を検索サイトなどで調べてみましょう。
悪徳なファクタリング会社の場合、私書箱やレンタルオフィスなどを使っていたり、そもそも所在に会社が存在しない場合もあります。
連絡はいつも携帯電話から
オフィスがないのなら当然固定電話がないので、連絡はいつも携帯電話からということになります。
ただし、ホームページに掲載されている電話番号が固定電話の場合でも安心できません。
今は便利な世の中となり、クラウド転送サービスを使って固定電話を装うことも可能だからです。
ただ、その場合、通話料が高額になったり、複数の回線を同時に使えないなど不都合があるため、直接携帯電話から連絡を取ろうとしますので、その後の連絡はすべて携帯電話から行いますと伝えられたら疑いの目を向けたほうがよいかもしれません。
なかなか教えてもらえなかった指定口座の名義は個人
支払いの直前まで口座情報を伝えてもらえない場合も要注意です。警察や弁護士を介して凍結されることを恐れている可能性が高いといえます。
また、正式には存在していない会社などの場合、金融機関の口座が開設できないので、伝えられた指定口座の名義が個人や、別会社である場合もあります。
また、比較的口座開設の審査が緩いネットバンクなどがメインバンクの場合よりは、メガバンクなどの口座のほうが信用性は高いと判断できるでしょう。
まとめ
悪質な取引を行うファクタリング会社にファクタリングを依頼してしまうと、資金調達を目的としていたのに反対に多額の資金を請求されることになってしまいます。
闇金融という裏の顔を持つ悪徳業者につかまらないために、信頼できるファクタリング会社か見極めることは極めて重要なこといえるでしょう。
ノンバンクでは様々なローンを実施しています。一般的には個人向けのフリーローンや個人事業主や法人向けのビジネスローンが多くなっているわけです。他にも不動産系の担保ローンも存在しています。
今回はノンバンクで実施している債権譲渡系の融資や資金調達方法について解説します。
一般的なローンは金利が高く設定されている、といったデメリットもあります。借り入れした金額よりも圧倒的に高額な支払いが待っているわけです。
債権譲渡系の融資や資金調達ということですが、こちらでは売掛債権(売掛金)を対象とします。売掛金に関しては将来的には回収できるものです。しかし入金が実行されるまでには時間がかかってしまいます。だからこそその売掛債権を利用した融資や資金調達が可能なのです。
■そもそもノンバンクの実施している売掛債権譲渡系の融資や資金調達とは?
・売掛金担保融資・・・ローンである
・ファクタリング・・・ローンではない
売掛債権譲渡系の融資や資金調達に関しては2つの種類があります。
売掛金担保融資は、その名の通りに担保型のローンです。不動産担保ローンと同じように担保に売掛債権を入れることで融資してもらいます。
ファクタリングに関しては売掛債権を譲渡することになります。しかしローンとは異なり、売掛金を買い取ってもらう、という形式を取るのです。ですからローンのような毎月の返済はありません。売掛金が回収できたら、業者に対して返済を実施するのです(2社間取引のケース)。
※ファクタリングの3社間取引のケースは、売掛先から業者が直接売掛金を回収します。
■売掛金担保融資とは?

・売掛債権担保融資保証制度を利用した融資である
売掛債権担保融資保証制度ですが中小企業を守るために創設された制度です。中小企業における資金繰りの円滑化を図ることを目的として作られました。
具体的には、中小企業が売掛先に対して保有している売掛債権を担保として金融機関が融資を行うケースのことを指しています。その融資を行う時ですが、その債務を信用保証協会が補償してくれるのです。その結果、中小企業は融資を受けやすくなった、というわけです。
・利用方法について
売掛債権担保融資を行っている金融機関を利用することになります。金融機関を通して信用保証協会に保証の申し込みを行い、審査の結果がOKとなればまずは保証を受けられることになります。
その上で金融機関から融資を受けることになるわけです。
・返済できなかった場合はどうなるのか?
信用保証協会が貸付残高の90%を代位弁済することになります。
そして信用保証協会と融資を行った金融機関は売掛債権からの回収を行うのです。
もちろん担保に入れた売掛金はかえってこないので注意してください。
■ファクタリングとは?

・売掛債権を売却するもの
売掛先から受け取っている売掛金をノンバンクのファクタリング業者に売却し、売掛金の一定額を受け取る、という内容になっています。
要は将来的に入金される予定の売掛金を、早めに現金化してしまう、というものになっているわけです。
・利用方法について
ファクタリング業者の審査を受けることになります。
審査については自社がメインではありません。売掛金が回収できるかが問題となってくるので、売掛先の企業を審査することになるのです。
ですから自社が赤字決済に陥っていたとしても、ファクタリングは利用できる可能性が高いわけです。
ちなみに業者によって掛け目と手数料が大きく異なっているので注意しなければなりません。不利な業者を選択してしまわないように、複数の業者をチェックした上で利用するところを決めましょう。
・返済はどうなるのか?
返済の必要は基本的にありません。毎月業者に支払うようなこともありません。
ファクタリング業者は売掛金から回収するわけです。
2社間取引の場合は、売掛金が売掛先から入金されたらファクタリング業者に入金されたものを振り込みます。
3社間取引の場合は、売掛先から直接ファクタリング会社への振り込みとなります。3社間取引のケースは何かしらの手続きが必要になることはありません。
■売掛債権譲渡系の2つの資金調達法を徹底比較

・税金の滞納時におすすめなのは?
ファクタリングです。
ファクタリングに関しては税金の滞納の影響は基本的にありません。ファクタリング業者が重視しているのは、「売掛先から回収できるのか」という部分なのです。
売掛金担保融資に関しては、税金の滞納があると大きな影響を受けてしまいます。税務当局が関わってきてしまうので、融資額以上の税金の滞納がある場合は融資を受けることさえできなくなってしまいます。
税金の滞納がある場合に資金調達を考えているのであれば、ファクタリングを検討しましょう。
・高額の資金調達をしたい時におすすめなのは?
判断は難しいですが、売掛債権以上に借り入れできる可能性があるのは売掛金担保融資です。
売掛金担保融資に関しては、利用者の信用や売掛先の信用なども大きく審査に関わってきます。金融業者によっても融資額が変化するので、もしもプラス評価されるようなことがあれば売掛債権を超える大きな融資が受けられるかもしれません。
ファクタリングに関しては、売掛債権以上に資金調達はできません。売掛債権を現金化することになり、売掛金の額からファクタリング業者の取り分を差し引いた額が受け取れるのです。
ファクタリングが悪いと言っているわけではありません。売掛金担保融資は融資額が業者によっても大きく異なります。不安定と言っても良いかもしれません。
ファクタリングに関しては各業者で掛け目や手数料率に違いがあるものの、額面のだいたい70%から90%は受け取れるのです。
売掛金の額面よりも大きな融資が受けたいのであれば売掛金担保融資がおすすめです。売掛金の額面より低くても良いので安定した金額を資金調達したい場合にはファクタリングを選択しましょう。
・売掛先への通達に関する違い
・売掛金担保融資・・・売掛先への通達は不要
・ファクタリング・・・2社間取引は売掛先の通達が不要、3社間取引は売掛先への通達が必要
売掛金担保融資に関しては、大事な取引先である売掛先へ連絡がいくことはありません。売掛金を担保に入れた、ということになってしまうと自社の信用が落ちてしまうかもしれないのです。その点、売掛金担保融資は自社の信用を落とさずに資金調達が可能です。
ファクタリングについては2社間取引であれば売掛先への通達が不要です。売掛金担保融資と同様に自社の信用を落とさないで済むわけです。
一方で3社間取引に関しては、ファクタリング業者の売掛金の回収が売掛先から直接行われることになります。ですから、まずはファクタリングの利用を売掛先に承諾してもらわなければなりません。「資金繰りに困っている業者とは取引をしたくない」と思われてしまい、取引量を減らされるリスクもあるのです。
ファクタリングを利用しようと思っており売掛先への通達を避けたいのであれば、2社間取引を選択してください。
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