ファクタリングで見積もり額が増減する7つ原因とは?

今回は見積もり額が会社によって増減する理由を、解説しようと思います。

現代社会は、コスト管理が大切な社会です。特に資金調達は会社の経営を左右するため、負担すべきコストは最小限に努めましょう。

少ない負担で取引できるなら、それに越したことはありませんよね。

売掛金の信頼性

売掛金の信頼性は、ファクタリング会社にとって重要です。

ファクタリングでは自社ではなく売掛先・取引先企業(以下:債務企業)がファクタリング会社に対してお金を支払います。

そのため、ファクタリング会社にとっては「債務企業が信頼できるのか?」はとても重要な情報であると同時に、債権の評価方法の1つです。

実例を見てみましょう。

債権A:全国展開が著しい大手医療機関に対する債権
債権B:バーチャルオフィスでネットビジネスを展開する個人事業主に対する債権

皆さんは、上記の2つの債権をどのように評価するでしょうか。恐らく、大手医療機関の債権を高く評価するのではないかと思います。

ファクタリング会社においても、基本的にはこれと同じことが言えます。

債権の金額も大切ですが、いくら金額が大きくても「返してくれそうもない・焦げ付きそうな債権」に手を出すのは躊躇います。金額が増減する理由となるでしょう。

考えてみれば当たり前の話ですが、いざ直面すると意外と見えてこない部分です。

売掛金の金額

ファクタリング会社にとって、債権の額面は大きいほど収益を得るチャンスです。

ファクタリングの手数料は基本的に「債権全体に対する割合」で決まります。そのため、全体の金額の影響は非常に大きく、手数料が増減する重要な要因の1つです。

実例を見てみましょう。

例:大手洋菓子メーカーに対する原材料売掛金
債権A:額面1000万円 → 1000万円 × 手数料10% = 100万円
債権B:額面200万円 → 200万円 × 手数料10% = 20万円

このように、手数料は等しくとも、債権の額面によりファクタリング会社が得らえる収益はまるで異なります。

続いて、「債権の額を割り引いたモデルケース」を見てみましょう。上記の例をベースに、1000万円の債権に対する手数料を半額にして試算します。

例:大手洋菓子メーカーに対する原材料売掛金
債権A:額面1000万円 → 1000万円 × 手数料5% = 50万円
債権B:額面200万円 → 200万円 × 手数料10% = 20万円

このように、債権の金額が大きければ手数料を割り引いても収益が得られます。

ファクタリング会社は他の金融機関と比べて参入障壁が低く、同業他社との競争が激しい業界です。

ビジネスを展開する以上、同業他社に負けるワケにはいきません。

金額が大きいほど手数料を安くまとめてくれる傾向にあると言えるでしょう。

支払サイトの長短

債権の支払いサイトも、手数料の増減に影響を与えます。

ファクタリング会社にとって、債権の支払いサイトは短いほど有利です。債権は言わば「お金を貸しているも同然」の性質なので、先延ばしにするほど不安が生じます。

例えば、カーローンの審査を通らない、友人の自動車購入費を建て替えた状況を考えてみましょう。

自動車は安い買い物ではありませんから、当然書類で一筆という運びになるでしょう。

ここで問題となるのが、返済期限です。

お金を貸したり・建替えたりした人は、当然「はやく返してくれる方が安心」と考えます。ファクタリングについてもこれと同じ理屈が当てはまり、「支払いサイトが短いものほど好ましい」と債権です。

例:請負工事における受注費用
書類A:事業完了後2年以内に支払われる受注費用500万円
書類B:事業完了後3か月以内に支払われる受注費用450万円

皆さんは上記の債権を目にして、どちらを信用できると感じるでしょう。

会社にとって2年間は非常に遠い話です。今は順調な経営をしている会社も、2年後にはどうなっているかわかりません。

ファクタリングは売掛金の買取を行うビジネスです。買い取った債権に対するリスクは自社で引き受けることになるため、入金サイトはとても重視する項目の1つです。

リスク管理の費用

リスク管理の費用も、手数料に影響を与えます。

債権の買取は常にリスクが付きまとうビジネスです。買い取った債権が焦げ付いてしまう可能性は当然として、二重譲渡や支払い拒否などのリスクも内包しています。

そのため、ファクタリング会社の多くは、リスク管理のための手段を用意しています。債権を第三者に対抗するには、

〇 確定日付のある内容証明を送付する
〇 債務者の承諾を得る
〇 債権登記を行い保全する

上記のうち、どれかを取らなくてはなりません。

内容証明を送付したり債務企業の承諾を得る場合は、「3社間ファクタリング」として費用の減額を行っている企業が大半です。

また、債権登記についても費用の増減に影響を与えます。

債権は登記を行うことで、「この債権は誰のものですよ」と主張することが可能です。

登記することでファクタリング会社は二重譲渡のリスクを回避できるので、当然手数料に反映されます。

ただし、債権登記は大抵の場合、司法書士による代行です。

司法書士も事務所によって報酬額に差があるので、取引しているファクタリング会社の得意先事務所によって、負担すべき諸経費が増減します。

過去の利用履歴

ファクタリング会社の中には、継続利用による割引を適用する企業もあります。

ファクタリングは他の金融取引と比べて業者側のリスクが高く、信頼できるお客さんは手放したくないお得意様です。

そのため、継続的に利用してくれるお客さんは手数料面で優遇されるケースも多く、1つの会社と取引を重ねることで自社側にも多くの恩恵をもたらします。

資金調達は会社の社運を賭けたビジネス。

少しでも費用負担を抑えられるなら、実行しない手はありません。上手にファクタリングを使いこなし、適切な取引を目指しましょう。

担当者の心証

担当者の心証も大切です。

結局のところ、ビジネスは人と人の付き合い。

「担当者の心証がそのまま手数料の増減に繋がる!」…とは言いませんが、相手に対して悪い心証を与えるメリットは全くありません。

また、担当者から信頼性がない人物(会社)と見なされれば、審査落ちのリスクも出てきます。

こうなると取引自体が成立せず、せっかく手にした見積もりも絵にかいた餅同然です。

確かにファクタリング会社にとって、取引企業である自社はお客さんです。しかし、お客さんという立場にあぐらをかき、心証を害してしまってはいけません。

〇 ビジネス面談の場に相応しい服装
〇 最低限のマナーを守った言動
〇 無断欠席や理由のない遅刻を避ける

どれも常識的なコトですが、意外と抜け落ちやすい部分です。わずかな注意で改善できるので、積極的に心がけましょう。

自社の信頼性

ファクタリング会社は基本的に、自社よりも債務企業を重視します。

3社間ファクタリングの場合は買取が済むと自社との関係は切れますし、2社間ファクタリングの場合も、お金を出すのは債務企業だからです。

しかし、自社の信頼性が全く見られないかと言うと、そうとも言い切れません。

取引実績が浅かったり・社歴が浅く経営の実態が無いと見なされた場合、手数料が増減したり、取引そのものを断られてしまうこともあるでしょう。

面談や相談を通じて心配な部分を説明し、上手にコミュニケーションを求める姿勢も大切だと言えます。

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