起業を計画している方必見!「認定特定創業支援等事業」とはどのような制度?
2022年4月27日 / 事業資金
「認定特定創業支援等事業」とは、これから事業を始めることを計画している方や起業して間もない方に対するサポート制度であり、事業経営に必要な知識を習得するためのセミナー・相談・専門家派遣などの事業です。
日本経済を活性化させていくためには、創業を支援する国や自治体などの施策が重要といえますが、今後の計画にサポートを受けることも検討してみてはいかがでしょう。
そこで、「認定特定創業支援等事業」とはどのような制度なのか、事業を始める上で必要な計画について説明していきます。
「認定特定創業支援等事業」とは
「認定特定創業支援等事業」とは、市区町村など自治体が民間の創業支援機関等と連携し、次のことを実施し国が認定する制度です。
- ・相談窓口の設置
- ・創業セミナーの開催
- ・コワーキング事業 など
国の認定を受けた自治体の定める要件を満たすことで、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」が交付されることになりますが、この証明書を保有する創業者はいろいろな支援を受けることができます。
さらに東京都の「創業助成金」の申請要件にも該当することになるなどメリットは大きいですが、申請要件や支援内容は自治体ごとに異なる部分もあるため、事前に確認が必要です。
「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」の交付要件
「認定特定創業支援等事業」による計画を利用することで、これから創業する方や個人事業主として事業を営んで5年未満の方は、いろいろなメリットを活用できる可能性が高くなります。
ただし「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」を交付してもらうことが必要ですが、交付条件として挙げられるのは主に次のとおりです。
- ・自治体が主催する創業セミナーに参加
- ・商工相談員・アドバイザー(中小企業診断士)の支援を受けて創業計画書を作成
創業計画書には、
- ・これから始める事業内容
- ・創業の動機
- ・販売先や仕入れ先
- ・資金計画
などを記載します。
創業セミナーは自治体が定期的に開催していますが、セミナー受講と創業計画書作成は創業計画のある方や創業後1年未満の方が対象となります。
なお、創業開始からどのくらいの期間までが対象になるかは自治体によって違いがあり、1年という場合もあれば5年未満の場合もあるため事前に確認するようにしてください。
「証明書」を交付してもらう3つのメリット
「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」を交付してもらうことでいろいろなメリットを受けることができますが、自治体によって異なります。
東京都渋谷区を例にすると、主に次の3つが挙げられます。
- 法人設立でかかる登録免許税の軽減
- 信用保証協会による保証を早く受けることが可能
- 日本政策金融公庫の「新創業融資制度」申し込み要件の緩和
それぞれどのようなメリットか説明します。
法人設立でかかる登録免許税の軽減
これから創業しようという方や、個人事業主として事業を開始して5年未満の方が、株式会社や合同会社など会社を設立するときの登録免許税が軽減されます。
信用保証協会による保証を早く受けることが可能
融資を受けるときに必要となる信用保証協会の保証が、事業を開始する6か月前から利用できます。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」申し込み要件の緩和
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、無担保・無保証人・低金利で融資を受けることができる制度ですが、借入れの際の要件の1つである「自己資金」は満たすとされることがメリットです。
「認定特定創業支援等事業」でメリットを受けるために必要なこと
「認定特定創業支援等事業」は大変人気があり、予約を取ることも難しいケースがめずらしくありません。
渋谷区も人気のエリアとして予約が取りにくい状況のようですが、渋谷区を例にすると対象となる事業は以下の6つです。
- 創業個別セミナー
- 起業相談・インキュベーション事業(銀座セカンドライフ株式会社)
- 事業計画策定個別支援事業(昭和信用金庫)
- 創業セミナー
- 創業スクール(株式会社OCL)
- SHIBUYA ベンチャー予備校(東京商工会議所渋谷支部)
創業個別セミナーで証明書を発行してもらう場合
創業個別セミナーを受けて証明書を発行してもらうためには、1か月以上かつ4回以上かけ相談することが必要になります。
なお、セミナー受講の対象となるのは、次の1~3のいずれかの要件を満たす方です。
- 事業を営んでいない個人(個人事業は1か月以内・法人設立は2か月以内・「特定創業支援事業」を受ける場合はそれぞれ6か月以内)に、新しく事業開始する具体的な計画がある場合
- 会社自らの事業のすべてまたは一部を継続し行いながら、新しく会社を設立し事業を開始する具体的な計画がある場合(事業譲渡・売却などのみが対象)
- 上記1または2で創業して5年未満である場合(新しく事業を開始する具体的な計画は必要ないものの、創業時点で別会社の代表を務めている場合は対象外)
受付は随時行われているものの、渋谷区の場合には2022年4月時点ですでに半年たたなければ順番が来ないほど人気のようです。
まずは電話予約を取り、今後の流れなど相談してみるとよいでしょう。
創業セミナーで証明書を発行してもらう場合
創業セミナーは通年で開催しており、5回のセミナーすべてに参加すれば証明書を発行してもらえます。
セミナー受講の対象となるのは、次の1~3のいずれかの要件に該当する方です。
- 事業を営んでいない個人(個人事業は1か月以内・法人設立は2か月以内・「特定創業支援事業」を受ける場合はそれぞれ6か月以内)に、新しく事業開始する具体的な計画がある場合
- 会社自らの事業のすべてまたは一部を継続し行いながら、新しく会社を設立し事業を開始する具体的な計画がある場合(事業譲渡・売却などのみが対象)
- 上記1または2で創業して5年未満である場合(新しく事業を開始する具体的な計画は必要ないものの、創業時点で別会社の代表を務めている場合は対象外)
創業セミナーの場合、応募期間内で受付を済ませることが必要です。
応募期間は、2022年4月19日~5月6日となっているため、早めに申し込みをするとよいでしょう。
自治体によって枠の空きは異なる
たとえば品川区などは、区内で創業計画のある方やは創業後5年未満の区内事業者であることが必要であり、対面による中小企業診断士と面談を1か月以上、4回以上実施すれば証明書を発行してもらえます。
ただし品川区の場合、現在は予約が取りにくい状況にあり、2022年4月時点では最短でも5月12日など月半ばにならなければ予約は取れないようです。
自治体によって枠の空き程度は異なり、受付も完全予約制になっている場合もあるため、いずれにしても前もって確認した上で申し込みを計画するとよいでしょう。
まとめ
創業支援事業計画における事業の中で、経営・財務・人材育成・販路拡大に関しての知識すべてを習得することが見込まれる継続支援事業が「認定特定創業支援等事業」です。
支援を受ける一定条件を満たすことで優遇措置が適用されるため、これから創業する計画のある方や創業して間もない方などは、特定創業支援事業による支援を受けることを検討してみるとよいでしょう。
証明書を発行してもらうことにより、登録免許税を軽減できたり融資を受けやすくなったりなど、様々なメリットを受けることができます。
ただし自治体によって要件などが異なり、受付してもらえる枠などの空き状況も異なります。
そのため対象となる自治体に確認し、予約を取るためにはどうすればよいかたずねるようにしてください。