これから事業を開始するときや拡大させるときには、会社の将来を左右する施策として「営業戦略」を検討することが必要です。
しかし事業をこれからどのように発展させるべきか、営業戦略の立案やその先について計画することは簡単なことではありません。
そこで、事業計画を立てる上でどのように営業戦略を進めていけばよいのか、その方法について解説していきます。
目次
そもそも営業戦略とは?
「営業戦略」とは、売上を向上させることや顧客数を増やすといった利益目標を達成するために計画を立てることであり、マーケットシェアを拡大させるためのブランディングなどが含まれます。
「経営戦略」「営業戦術」「マーケティング戦略」といった言葉が使われることもあります。
営業戦略を立てるときに必要になる5つのこと
「営業戦略」を立てるときに大切なのは、
- ・市場を調査すること
- ・現状を数値化すること
- ・現状を分析すること
- ・抱えている課題を把握し明確化すること
- ・中枢・中核となる強み
の5つです。
市場を調査すること
営業戦略において市場調査は重要ですが、
- 商品の販路
- ニーズの動向
- 他社の動向
- ターゲット層を取り巻く環境
など市場の状況を把握するための情報調査のことです。
現状を数値化すること
現在、営業で抱える問題などを踏まえつつ、販売している売上高などを数値にし明確化することです。
現状を分析すること
営業の現状を数値化し、その結果をもとに客観視しつつ分析することですが、方法としてSWOT分析や3C分析などを活用するとスムーズです。
抱えている課題を把握し明確化すること
現状を分析した結果から何が課題なのか洗い出すことで、改善させなければならない部分を明確化します。
中枢・中核となる強みを把握すること
他社にはマネすることのできない強みは何なのか、そしてその強みを活用することによる差別化を実現させていくことが必要であるため、強みを生かすことのできる戦略を立案していきます。
営業戦略を進めるための3つの段階
営業戦略は、主に次の段階を踏みながら進めていきます。
- 作戦
- 戦術
- 計画
それぞれの段階について説明していきます。
①作戦
設定した目的を達成するために取り組み、実現するために「作戦」を立てましょう。単純な方法論を検討するのではなく、何をするべきか本質に迫った検討が必要となります。
見込み客を獲得するためには製品・サービス・自社について、
- ・認知してもらう
- ・興味をもってもらう
- ・信頼性を構築する
- ・見込み客の課題についてリサーチする
- ・契約に結び付ける動機付けを行う
といったことが不可欠です。
その上で、見込み客に対し商品やサービスの売り込みをすることが必要となります。
見込み客の悩みを解消できる提案を意識したクロージングを行っていきましょう。
リピーターを獲得するためにも、実際に商品やサービスを購入した後の使用感や改善点など意見をヒアリングしながら、新たな課題発見に対する作戦を検討することも必要です。
②戦術
実際にどのような方法で作戦を実行するか、その手段や実行者などを考えていきます。
まず手段としては、アナログとデジタルの両面から行っていくことが必要です。
たとえば従来から行われているDMの発送やテレアポなどに加え、SNSなどITツールを活用した方法も組み合わせていきます。
実際に戦術を検討するときには、その手段による効果を確認できるように数値化し、目標とする指標を設定しておき結果を見える化していくようにします。
そして誰が戦術を実行する人をどのように選び、誰にするのか決めておけば、責任の所在も明確化しやすくなります。
③計画
手段・効果・実行者などを決めたら、
- いつまでに
- 誰が
- どのような結果を
- 出すために動くのか
について決めます。
その上で「PDCAサイクル」により見直ししながら、完成度の高い計画へ改善させていきましょう。
「PDCAサイクル」とは、
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(測定・評価)
- Action(対策・改善)
について仮説・検証のプロセスを循環させてマネジメント品質を高める方法です。
事業計画に役立つ営業戦略の分析方法
営業戦略に役立つ分析方法は主に次の4つです。
- ・SWOT分析
- ・MECE
- ・3C分析
- ・4P分析
それぞれ詳しく説明します。
SWOT分析
「SWOT分析」とは、競合・法律・市場トレンドなど自社を取り巻く外部環境と、自社の保有する資産・ブランド力・価格・品質など内部環境について、プラスとマイナスの両面から分析することです。
戦略策定やマーケティングにおける意思決定や、経営資源を最適化するときのフレームワークとして用いられます。
「SWOT分析」では主に次の項目を使って分析していきます。
- ・企業目標を実現させる内部的な特徴「強み(Strength)」
- ・企業目標を実現するための妨げとなる内部的な特徴「弱み(Weakness)」
- ・競合他社による脅威「機会(Opportunity)」
- ・企業目標を実現するために障壁となる外部の特徴「脅威(Threat)」
これらの項目について、
- ・コントロールできない外部要因
- ・コントロールできる内的要因
にわけて分析します。
MECE
「MECE」とは、物事を考えるときに必要な要素を網羅しながら、その要素を重複させない考え方のことです。
「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を名称であり、「モレなく」「ダブりなく」という意味があります。
モレがあれば全体像が見えにくくなり、ダブりがあれば無駄になるため、効率的に分析を行うための方法として用いられます。
3C分析
「3C分析」の3Cは、マーケティング環境分析のフレームワークです。
- 「市場・顧客(Customer)」
- 「競合(Competitor)」
- 「自社(Company)」
の頭文字を取って「3C」と呼びますが、これら3つの「C」に沿って分析を行い、成功要因を見つけ出して「強み」と「弱み」を特定するフレームワークのことです。
4P分析
「4P分析」とは、
- 「商品(Product)」
- 「価格(Price)」
- 「流通(Place)」
- 「販売促進(Promotion)」
の4つの戦略領域を分析するマーケティング手法です。
4つの「P」を用いて、
- ・どのような製品を
- ・どのくらいの価格で
- ・どのような流通経路で
- ・どのような宣伝で
- ・顧客に商品を届けるか
検討するマーケティング戦略のフレームワークのことです。
それぞれの項目について競合他社と比較することで、
- ・自社の優位性
- ・自社の劣る点
を分析します。
営業戦略を立案するときのポイント
営業戦略の立案の際には、
- ・多角的な視点で分析する
- ・PDCAサイクルを適切に回す
ことをポイントとして考えていくようにしましょう。
営業戦略を分析するときには、内部要因と外部要因を挙げ進めていきますが、このときに偏った視点で分析してしまうと問題の本質を見失いないます。
自社・顧客・競合他社・市況など、多角的な視点から幅広く問題を提起していくことが必要不可欠です。
そして営業戦略では、
- ・数値化できる指標を用いる
- ・物事の進行の妨げとなっている部分に改善施策を設ける
- ・データを可視化しマネジメントしていく
ことが必要です。
そのためにも適切な「PDCAサイクル」の回し方が欠かせず、戦略の実行と修正のサイクルを確立させていくことが不可欠となります。
まとめ
事業開始や事業拡大のときには「営業戦略」の検討が欠かせませんが、売上向上や顧客数増加など利益目標を達成させる計画を立てブランディングしていける戦略を立案し実行しましょう。
数値化できる指標を用いながら、多角的な視点で幅広く問題を提起し、「PDCAサイクル」で戦略の実行と修正のサイクルを確立させていくことが不可欠です。
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