ファクタリングで求められることがある債権譲渡登記を行うデメリット

2020/10/29
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ファクタリングで資金調達するとき、ファクタリング会社から債権譲渡登記が必要だと伝えられることがあります。

登記といえば不動産や会社設立などは馴染みがあっても、債権譲渡登記とはどのような手続きなのかわからないという経営者も少なくないでしょう。

そこで、債権譲渡登記とはどのような制度なのか、ファクタリングの際に行うとどのような影響があるのかご説明します。

 

ファクタリングで求められることのある債権譲渡登記とは?

そもそも登記とは権利関係を法的に証明するために行う手続きであり、公開された帳簿に記載することです。取引において、第三者に不測の損害を被らせないようにするための制度といえるでしょう。

たとえば不動産の登記簿(登記事項証明書)を確認すれば、誰が不動産の所有者なのか、土地や建物がお金を借りる際に担保に入っていないかなど知ることが可能です。

会社の登記なら、商号・本社所在地・代表者氏名や住所・事業目的など取引を行う上で重要な項目が開示され、誰でも確認できます。

債権譲渡登記も登記の一種であり、債権が譲渡されたことが記されます。

法人の金銭債権譲渡などを債務者以外の第三者に対し、対抗要件を備えるために設けられた制度です。

本来、債権譲渡を第三者に対抗するなら、確定日付のある証書を通知するか承諾を得ることが必要です。しかし債権譲渡登記を行えば、それらを必要とせず第三者への対抗を可能とします。

第三者への対抗が可能となれば、新たな債権者(ファクタリング会社)は自社が正当な権利者だと主張できます。債務者(売掛先)もいざというとき、誰に対しお金を支払うべきか迷わずに済みます。

そして売掛債権は目に見えない権利であるため、すでに他のファクタリング会社に売却されている売掛債権を別のファクタリング会社が買取ってしまうリスクも回避できるでしょう。

 

登録されるファクタリングの内容は?

債権譲渡登記で登記される情報は、

  1. 譲渡人(売掛債権を売った利用会社)の商号・住所
  2. 譲受人(売掛債権を買ったファクタリング会社)の商号・住所
  3. 債務者(売掛先)の商号・住所
  4. 依頼主が譲渡する債権の種類(売掛金など)
  5. 売掛債権の発生日
  6. 譲渡する債権金額
  7. 関係各社の法人番号
  8. 譲渡する債権の数
  9. 代理人申請であれば代理人の情報

です。

そして債権譲渡登記が設定された後、その情報は以下の方法で確認できます。

 

東京法務局 中野出張所で登記事項証明書または登記事項概要証明書を確認

東京都中野区の東京法務局 中野出張所は、日本で唯一債権譲渡登記を行うことができる場所です。

登記事項証明書は、売掛債権の譲渡人・譲受人・債務者など利害関係者のみ閲覧できます。

確認できる内容は、

  1. 譲渡人(利用会社)の基本情報(本店所在地・商号・法人番号)
  2. 譲受人(ファクタリング会社)の基本情報(本店所在地・商号・法人番号)
  3. 登記発生日
  4. 譲渡する債権総額
  5. 債務者(売掛先)の基本情報(本店所在地・商号・法人番号)
  6. 債権の種類(売掛金など)

などであり、債権発生日とその経緯、債権の種類など記載されている証明書のため、もし売掛先が閲覧した場合には売掛金の譲渡が行われたことを知られることになってしまいます。

 

登記事項概要証明書の場合、

  1. 譲渡人(利用会社)の基本情報(本店所在地・商号・法人番号)
  2. 譲受人(ファクタリング会社)の基本情報(本店所在地・商号・法人番号)
  3. 登記発生日
  4. 譲渡する債権総額

という内容の確認が可能です。

誰でも閲覧できる証明書であるため、債権の種類や売掛先の情報、債権金額などまで知ることはできません。

そのため売掛先が登記事項概要証明書を閲覧したとしても、自社の売掛金が譲渡されている事実の推測は難しいといえるでしょう。

ただ、ファクタリング会社などの基本情報の確認は可能なため、ファクタリングを利用して資金調達したことは推測されてしまう可能性があります。

 

最寄りの法務局で概要記録事項証明書を確認する

最寄りの法務局では、企業の法人番号をもとに概要記録事項証明書の閲覧は可能です。

確認できる項目は、

  1. 法人番号
  2. 商号
  3. 本店所在地
  4. 債権の譲受人(ファクタリング会社)

などであるため、債権の種類や売掛先、債権金額などまで知ることはできません。

売掛先も自社の売掛債権が譲渡されている事実まで把握できませんが、譲受人は確認できるため社名からファクタリングを利用したことは推測される可能性があります。

 

インターネットでも情報確認が可能

インターネットで登記情報提供サービスにアクセスすれば、概要記録事項証明書と同様の内容を確認できます。

  1. 法人名
  2. 法人番号
  3. 本社所在地
  4. 登記の発生年月日
  5. 譲受人(ファクタリング会社)の基本情報(会社名・所在地)

などの情報から、ファクタリングを利用した事実を推測される可能性は高くなります。

 

債権譲渡登記を行ってでもファクタリングは利用するべきか

売掛先に通知や承諾を得ることを必要としない2社間ファクタリングにおいて、ファクタリング会社から債権譲渡登記が必要だと伝えられることがあります。

しかし登記の情報は基本的に誰でも閲覧できる状態になるため、売掛先に売掛金を売った事実を知られる、または推測される可能性は否定できません。

そして金融機関で行う融資審査でも、債権譲渡登記の有無は確認されてしまいますので、審査にはメリットはなくむしろ不利になってしまうでしょう。

2社間ファクタリングで債権譲渡登記を行うことは、売掛先に知られるリスクがゼロではないと留意しておくべきです。

ファクタリング会社側にとってリスクを防ぐことが可能になる制度であり、利用者にとってはメリットが高いとはいえない手続きといえます。

ただ、ファクタリング会社の中には登記なしで売掛金の譲渡契約ができる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

 

まとめ

ファクタリングで資金調達する場合、

  • ・債権譲渡登記はしたくない
  • ・売掛先に知られる可能性を高めたくない
  • ・銀行融資を予定している

という場合には、債権譲渡登記なしで2社間ファクタリングを行ってくれるファクタリング会社と取引を行いましょう。

また、債権譲渡登記は法人のみが可能な手続きのため、個人事業主は行うことはできません

多くのファクタリング会社が2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を必要としていますが、中には柔軟な対応で不要とする業者もあります。

そのためにも複数のファクタリング会社から見積もりを取得し、取引における内容の違いや手数料などを比較した上で、業者選びをすることが重要と認識しておくべきでしょう。

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