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【2020.8】なぜ売掛金が増えているのにキャッシュフローはマイナスなのか?

ファクタリング2018/06/17

キャッシュフロー計算書を作成していると疑問に感じる点として挙げられるのが売上債権の項目です。

売上債権とは売掛金や受取手形のことですが、

・売上債権が増えているとキャッシュフローはマイナス
・売上債権が減っているとキャッシュフローはプラス

を示します。

売掛金や受取手形などが増えるタイミングは売上が上がったときですが、キャッシュフローからみればマイナスではなくプラスを意味するのでは?とかんがえてしまいがちです。

しかし実際には売掛金や受取手形が増えればキャッシュフローからみるとマイナスと考えることになります。

そこで、売掛金などが増えればなぜマイナスと考えるのか、売上債権とキャッシュフロー計算書の関係性についてご説明します。

 

売上債権とキャッシュフローが反比例する理由とは?

なぜ売上債権が増えているのにキャッシュフローはマイナスと考えるのかというと、売掛金や受取手形は資産でありながらまだ現金化されていない状態だからです。

売上が掛け取引により計上されたときの仕訳は、

借方:売掛金 貸方:売上

という勘定科目で処理するため、会計処理における帳簿上、売掛金が増えます。

試算表(貸借対照表)を確認しても、流動資産の部の売掛金が増加していることを確認できるでしょう。

しかしキャッシュフロー計算書の考え方は、

・会社のキャッシュが増えればプラス
・会社のキャッシュが減ればマイナス

となるため、売上債権である売掛金と受取手形が増えているということは、回収できていない資産が増えているのでキャッシュフロー計算書ではマイナスという扱いになります。

反対に売掛金と受取手形が減少している場合は、発生した売掛金や受取手形を現金で相殺したことを示すため、回収できていることを意味します。そのため会社のキャッシュが増えていることになり、キャッシュフロー計算書ではマイナスではなくプラスとみなされます。

 

そもそも売上債権は必ず入金されるとは限らず、回収までに時間がかかることもあります。売掛先の状況によっては、売掛金が回収されずに貸倒れ状態になる可能性も否定できません。

そのため売上債権が増えたからといって必ず現金化できるとは言い切れず、実際に売掛先から入金があり回収できて初めて結果が出ます。そのためキャッシュフロー計算書では、売掛金や受取手形といった売上債権の増加はマイナス扱いであり、回収後にプラス扱いとなると理解しておきましょう。

キャッシュフロー計算書における売上債権での考え方は会社経営では大変大切な項目であり、手元のキャッシュがマイナスになることで起きてしまう黒字倒産を避けるためにも重要といえます。

売上債権を多く保有し、いずれは売掛先から売掛金の入金があり、お金が入ると安心している経営者もいることでしょう。しかし実際の決済期日になっても、売掛金が回収できず手元の資金がマイナスになってしまい倒産に至る状況が黒字倒産です。

そのためキャッシュフローをしっかり把握し、手元のお金がマイナスにならないような管理を行わなければなりません。決算書の利益ばかりにとらわれてしまうと、気が付けば手元の資金がマイナスになっていた!ということになりかねませんので注意してください。

 

棚卸資産とキャッシュフロー計算書の関係性

売掛金だけでなく、棚卸資産もキャッシュフロー計算書で注意しておきたい部分です。

・棚卸資産が増えるとキャッシュフローはマイナス
・棚卸資産が減ればキャッシュフローはプラス

という処理が必要になります。

ここでも売掛金同様に、棚卸資産が増加しているのにキャッシュフローはマイナスになる?といった疑問を感じることでしょう。

その理由は、

・棚卸資産(商品)が減少している=現金化できているためプラス
・棚卸資産(商品)が増加している=すでにお金を使っている仕入れ分が現金化されず残っているのでマイナス

と考えるからです。

棚卸資産は資産なので、会社としては財産を多く保有していることになります。ただ、手元のお金を増やせているかという部分で考えると、棚卸資産の増加仕入れにかかるコストを回収できていない状態です。

反対に棚卸資産が減少すれば商品を販売できたことを示し、仕入れにかかったコストを回収し手元の資金を増やせることを意味します。

 

難しい?減価償却費とキャッシュフロー計算書の記載について

減価償却費に関しては、キャッシュフロー計算書では取り扱いが難しい項目と言えます。

購入したときに支払った金額を一括で費用計上するのではなく、一旦資産に計上して毎年資産の耐用年数に応じて少しずつ経費にする手続きが減価償却です。

現金が減少しているわけではないのに費用として計上できるのが減価償却費であり、節税部分でもメリットの高い費用です。

 

キャッシュフロー計算書はお金の動きを示すので、減価償却費は関係ないのでは?と考える方もいることでしょう。しかし現金に動きがなかったとしても、キャッシュフロー計算書に減価償却費の計上も必要です。

減価償却費はキャッシュフロー計算書ではプラスとして取り扱います。現金が入ってこないのになぜプラス?と感じるでしょうが、税引前当期純利益に反映させることが目的だからです。

そもそも減価償却費は損益計算書でマイナス(差し引き)します。実際に現金の動きはないものの損益計算書ではマイナスとなるので、そのマイナス分をキャッシュフロー計算書でプラスとして表示しています。

損益計算書と実際のお金の動きにはズレがあり、そのズレを解消するために減価償却費をプラスとして取り扱って修正しているのです。

複雑に感じることでしょうが、減価償却費に関してはマイナスではなくプラスに扱うことを念頭に入れておきましょう。

 

売掛金が関わる営業キャッシュフローはマイナスであるべきか?プラスであるべきか?

売掛金を計上することになる営業キャッシュフローの項目は、本業に関わるお金の動きをあらわします。そのため本業が良好であればプラス、悪化していればマイナスを示します。

本業で得た売上債権の回収がスムーズであれば、営業キャッシュフローは基本的にはプラスをあらわします。しかし回収まで時間がかかり、現金化されるまで期間が空けば売上債権は増えていくので、営業キャッシュフローはマイナスに陥りやすくなってしまいます。

営業キャッシュフローと損益計算書を確認し、もし利益が発生しているのに手元の資金が不足がちであるなら、その原因を追究するようにしましょう。

黒字倒産の可能性がある場合には早期に改善が必要ですし、そもそも営業キャッシュフローがマイナスになっているのなら売上債権の回収を早めるべきです。

特に決算書で期末における売掛金の期間残高を確認した際、本来であれば期中に回収しなければならない売掛金が未回収のまま残っている場合は、早急に売掛先に支払ってもらうようにはたらきかけましょう。本来であれば期末までに現金で売掛金が相殺され、消えていなければならない部分です。

キャッシュフロー計算書には営業キャッシュフロー以外にも、投資キャッシュフロート財務キャッシュフローもあります。投資キャッシュフローと財務キャッシュフローはプラスであれば良いとは限りません。会社の状態にもよるので、営業キャッシュフローについて理解できたら投資キャッシュフローと財務キャッシュフローも確認しておきましょう。

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