ファクタリングの審査内容は?見積もり後の契約まで!

ありとあらゆる資金調達において、「債権内容の審査」を避けて通ることはできません。これはファクタリングも例外ではなく、申込から見積もりまでのプロセスにおいて、必ず債権内容の審査が行われます。

ただし、ファクタリングは事業融資やビジネスローンと違い、「お金を貸す行為」ではなく「債権を買い取る行為」です。

そのため、通常の資金調達とは審査内容も異なって当然。「どんな条件が揃っていれば好ましいのか?」と、気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は見積もり提示額に直結する、「審査内容」について説明しようと思います。

審査内容その1:取引先の信用力が大切です

売掛先の信用力は最も大切な内容です。

内容を見たファクタリング業者が「信頼できる企業だ」と判断すれば、審査は通過し、手数料も有利な条件が期待できます。

「えっ。自社じゃなくて取引先が大切なの…?」

疑問に思う方もいるでしょう。銀行や消費者金融では「自社の信用力」が重視されるため、ピンとこないのも無理ありません。

ですが、考えてみて下さい。

ファクタリングの場合、業者に対してお金を支払うのは債務者である「取引先」です。つまり、ファクタリング業者としては、

「この企業はお金をちゃんと払ってくれるのかな…?」

と、取引先の信用力の方が気になります。お金を回収することさえできれば、それでいいワケです。

結果として、債権の内容において「取引先の信用力」は、審査通過の最も大切な判断材料だと言えるでしょう。

コラム:どうやって信用力を調査する?

ファクタリングは重視するポイントが異なるだけで、「信用力の調査内容」そのものは、通常の資金調達とほとんど変わりません。

もちろん、業者のカラーによって判断基準は変動しますが、

〇 法人信用情報
〇 取引履歴の長さ
〇 決算関連のIR情報
〇 借入件数・総額
〇 経営規模・事業内容

など複数の要因をチェックします。

つまり、同じ金額・同じ期日の2つの債権がある場合、「経営状態の良い企業の債権」を提示する方がお得です。

審査が有利になるだけでなく、見積もりの金額内容に反映される公算が高まります。

審査内容その2:自社の信用力

もちろん、自社の信用力もゼロではいけません。取引先企業ほどではありませんが、相応の審査が行われることは覚悟しましょう。

と言ってもこの信用力。銀行融資と違ってファクタリングの場合は、あまり高いものは求められません。

〇 取引先との入出金の履歴があるか?
〇 経営実態が存在するか?
〇 過去の債務はきちんと返済しているか?

内容としてはこの程度でしょうか。ファクタリングを希望する業者の多くは資金調達に悩んでいるため、「赤字経営」であることを極度に怖がる必要はありません。

お金がないから取引を希望していることは、業者側も百も承知です。

コラム:2社間ファクタリングはより重視される

2社間ファクタリングの場合、自社の信用力がより重要性を増してきます。

大手銀行などが実施する3社間ファクタリングの場合、通常は債権の売買成立後に自社が関わることはありません。(リコースありの契約を除く)

また、3社間ファクタリングでは「債権譲渡を取引先に通知する」ため、取引先さえしっかりしていれば、自社の経営内容は問わないというのが業者側の本音です。

ところが、2社間ファクタリングの場合は、取引先企業への通知を行わないので、業者が直接お金を回収するワケにはいきません。

必然的に自社が債権回収の代行を行い、回収した資金を業者に入金するという形になります。

これは本来のお金の流れが、

3社間ファクタリング 「取引先 → 業者」

となっているのに対して、

2社間ファクタリング 「取引先 → 自社 → 業者」

となってしまい、業者側に一定のリスクが生じます。

つまり、取引の中間に位置する「自社」が悪意を有していた場合、

〇 お金を持ち逃げしてしまうのではないか?
〇 他の支払いに使ってしまうのではないか?
〇 実はすでに支払いを受けた債権ではないのか?

などのリスクを負わなくてはなりません。そのため、2社間ファクタリングでは、自社に対する信用性が、3社間ファクタリングの時より重視されます。

当然これは、見積もりや契約条件の内容にも影響を及ぼします。

2社間ファクタリングでは見積もりを提示し契約が成立した後も、「お金の流れ」に自社が関わってくるからです。

審査内容その3:支払い期日は短い方が有利!
債権の支払期限は、当然短い方が審査に有利です。

ご自身がファクタリング業者であると仮定して、

〇 満期日が1か月後の債権
〇 満期日が1年後の債権

お客さんから上記2件の債権が持ち込まれたときに、どちらを高く評価するでしょう。金額や信用力が同じである場合、おそらく1か月後の方を選択するかと思います。

このように、債権は同じ内容であっても「期日が短いもの」ほど有利です。

繰り返しになりますが、ファクタリング業者は

「取引債権が正常に支払われるか?」

を最も気にしています。上記のケースで例えるならば、

「1か月後ならともかく、1年後は経営状態がどうなっているかわからない」

といったところでしょうか。

もちろんそこには、素早く現金を回収することで、次のビジネスを展開したいという意図も含まれています。

審査内容その4:経営者本人の信頼性

経営者や取引担当者個人の信頼性も、ファクタリングでは重要です。

特に取引先企業との接触が行えない2社間ファクタリングでは、業者側が直接コンタクトを取るのは「自社および取引担当者」に限られます。

「この人とは取引できないな…」とマイナス印象を与えると、それが見積内容に反映されるかもしれません。

業者側は、主に「面談時の印象」で経営者や担当者を判断します。

審査時にチェックされやすいポイント
〇 面談時の応対の仕方 → 受け答えに曖昧なところはないか?
〇 提出書類の内容 → 不備や不足分はないか?
〇 遅刻や突然の変更 → 連絡なしの遅刻は厳禁

このあたりは、特に注意すべきポイントです。マナー違反は絶対にNG。見積もり時の内容が良くても、契約時に悪く評価されるかもしれません。

審査内容その5:譲渡登記できるか?

ファクタリングにおいて、譲渡登記は非常に重要です。

債権は譲渡登記を行うことで、対外的に「この債券は弊社が買い取りました」と宣言した形になります。また、譲渡登記には対抗力があるため、二重譲渡問題などが生じた場合において、法的に有利です。

そのため、多くのファクタリングは見積もり提示時に、「譲渡登記できる債権ですか?」と尋ねるでしょう。

時折、「この債券は譲渡禁止です」と特約が付いた債権もあるため、そのリスクを回避する狙いです。

もちろん、譲渡禁止特約が付いていても、債務者である取引先企業が同意するならば、十分に取引は可能です。

ただし、その場合は手数料的に割高な2社間ファクタリングではなく、3社間ファクタリングを選択するのが賢明でしょう。

ファクタリングは見積もり請求後に、「審査」という大きな試練をパスしなくてはなりません。業者側は常に「お金をきちんと受け取れるか?」を気にしているので、

〇 取引先や自社が信用できる
〇 債権の期限が長すぎない
〇 経営者本人も信頼できる

上記のような点はしっかり審査されることを意識しましょう。また、債権の性質は審査結果に関わるだけでなく、見積もり内容にも影響を与えかねません。複数の債権を有しているときは、より好ましいものを選別する姿勢が重要です。

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