売掛金を放置すると時効を迎えて残高は0になってしまう?
会社経営において、売上を向上させることはとても大切なことですが、忘れてはいけないのが売上代金は回収するまでが商売であるということです。時効を迎えれば存在したはずの売掛金が0になる可能性もあります。
回収できていない売掛金が多く残っていると、最悪の場合回収するタイミングを失って貸し倒れとなる可能性もあります。
時効を迎えれば存在したはずの売掛金が0になる可能性もあるため、売掛金回収率100%を達成することを目指しましょう。
売掛先ごとの与信管理の徹底を
取引先に請求書を発行し、その代金が入金されるまではしっかり管理を行う必要があります。入金までが適切に行われているかによってランク付けを行うなど、与信管理を行うことは貸し倒れを防ぐ上でとても重要なことです。
キャッシュフローを改善させる基本は、売掛金をできる限り早く回収すること、そして買掛金は限界までその事実を延ばすことです。
売掛債権回転率も確認を
売掛金が適切に回収できているか判断するために、売掛債権回転率を確認してみましょう。
売掛債権回転率は、売上高を売掛債権(売掛金)で割って算出することができますが、数値が高いほど、売上を占める売掛金が低い状態ことになるので、売掛金をスムーズに回収できていると判断できます。
売掛債権回転期間も要チェック
さらに売掛債権回転期間も確認が必要です。
売掛金回転期間とは、発生した売掛金が何か月で回収できているかを把握するための指標であるため、資金繰りを把握する上で重要なポイントになるでしょう。
売掛金の残高は売上高の大きさに比例して増えるので、
売掛金を平均月商(売上高/12か月)で割り、売掛金を平均してどのくらいの月で回収できているかを計算します。
この期間は短ければ短いほどスムーズな回収ができており、資金繰りも楽になると考えられるでしょう。
取引先ごとに計算してみて、回収期間が長い場合には早期回収に努めることが必要です。
未回収のまま放置していると売掛金は時効により0に…
なお、回収できない売掛金には時効が定められていることに注意してください。
時効については2020年4月に改正されることが予想されていますが、2019年時点では売掛金の種類により時効を迎える期間も異なります。
まず、売掛金は商取引によって発生するものなので、一般的には商法により5年の消滅時効にかかるとされています。
ただし、業種によってはこの5年という期間よりも短い時効期間の定めとなる場合があり、たとえば、建築工事などの請負代金は3年、製造業・卸売業・小売業の掛け代金は2年、運送業や旅館業の宿泊代金などは1年というように、業種によって年数はバラバラです。
改正された民法によって、これらの職業別の短期消滅時効は廃止となり、「債権者が権利を行使することができることを知ったときから5年」または「債権者が権利を行使することができる時から10年」のうち、どちらか早い方を消滅時効期間とするように統一されています。
ただ、新しい民法は2020年4月1日から施行となるため、それまでは従来の法律に従った時効で判断するようにしてください。
入金が遅れている取引先へは次の対応を
入金が遅れた取引先については、すぐに遅れている事実を伝え、その理由によってはすぐに再請求をかけていつ入金してもらえるか確認しましょう。
再請求を出したのに約束した期日までに支払いがない場合には、再度、なぜ遅れているのか、いつ支払ってもらえるのかをきいておきます。
それでも期日を経過した場合は、法的手段に入るといったことも視野にいれながら、再々請求書を即日に出し続けることが必要です。
実際に法的手段による回収を検討する場合には、まずは相手との交渉を行い、内容証明の送付、調停・訴訟、差し押さえといった流れとなることが一般的です。
まとめ
回収できないままの売掛金を放置していると、時効を迎えてしまうことでその残額は0になっていまいます。
そのようなことのないように、社内における売掛金管理ルールを見直して、貸し倒れをなくすような管理を徹底させましょう。