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会社を設立するときに必要な資金の目安とは?株式会社と合同会社で異なる必要資金

2022年4月25日 / 事業資金

個人事業主なら税務署に開業届を提出すれば事業を開始できますが、会社を設立するときには資本金以外にも登記など手続にかかる資金を準備しておくことが必要です。

日本で設立できる会社にも種類があり、どの法人格を選ぶかによって必要となる資金の目安は異なります。

そこで、会社を設立するときに必要となる資金の目安を、法人形態の種類ごとに説明していきます。

日本で設立できる会社の種類の違い

現在の会社法で規定されている「会社」の種類は主に、

  • ・株式会社
  • ・合同会社
  • ・合資会社
  • ・合名会社

の4つです。

この中で。合同会社・合資会社・合名会社の3つ「持分会社」であり、出資者は「社員」という扱いです。

「社員」と耳にすると、一般的な企業に雇用されている会社員をイメージしてしまいがちですが、持分会社での社員とは会社に資金を拠出し会社の所有権を持ち分として所有する方を指しています。

また、株式会社の出資者は会社の株を保有する「株主」です。

そして会社の種類としてもう1つ、名称に「有限会社」を使用している会社もありますが、2006年に新会社法が施行されるときに有限会社法が廃止されたため、現在では新規で有限会社を設立することはできなくなっています。

なお、新会社法の施行までに設立されていた有限会社は、新会社法が施行された後も「有限会社」として名称を使い続けることができます。

現在設立できる会社は、

  1. 出資者の債務支払いに対する「責任」の違い
  2. 会社法の規定でどのような「機関設計」となるかの違い

の2つの違いで主に区分されます。

それぞれの違いについて説明していきます。

出資者の債務支払いに対する「責任」の違い

どの会社の種類を選ぶか考えるとき、重要になるのが会社の債務に対する支払いの責任です。

出資者が自らの出資額を超えた責任を負うことのない「有限責任」と、出資の範囲を超えて責任を負わなければならない「無限責任」から選ぶことになります。

なお、株式会社と合同会社においては、どちらも「有限責任」となり責任の範囲は限定されます。

会社法の規定でどのような「機関設計」となるかの違い

会社法の規定でどのように機関設計するのかによって、選ぶ会社の種類は異なります。

たとえば株式会社の場合、会社の所有者と経営は分離されるため、会社の意思決定においては株主総会を開催し株主の同意を得ることが必要です。

しかし合同会社の場合には、会社を経営するのは出資者本人であり、会社の所有者と経営は分かれていません。

そのため株主総会や監査役会など確認する機関などはなく、会社の意思決定も経営者に任せられることが多いといえるでしょう。

会社を設立するときに必要な資金の目安

会社を設立するときには、一般的に「株式会社」と「合同会社」のどちらにするか検討することが多いといえます。

どちらの法人格にする場合でも、最低限、法定費用を資金として準備しておくことが必要です。

法務局や公証役場など公共機関に対し支払う費用を指していますが、株式会社と合同会社のどちらを設立するかによって、準備しなければならない資金額は異なります。

そこで、

  1. 株式会社を設立する場合
  2. 合同会社を設立する場合

の2つのケースでそれぞれ必要な費用を説明していきます。

株式会社を設立する場合

株式会社を設立する場合には、次の費用が設立資金として必要になります。

  • ・定款用収入印紙代(40,000円ただし電子定款の場合は不要)
  • ・定款の認証手数料(30,000~50,000円)
  • ・定款の謄本手数料(約2,000円(1ページごとに250円)
  • ・登録免許税(150,000円または「資本金額×0.7%」のいずれか高い金額)

以上のことから、合計で約220,000~250,000円の資金を準備しておくこととなるでしょう。

上記のそれぞれの設立費用について、何のために必要なのか説明していきます。

定款用収入印紙代

会社の「定款」とは、会社の根幹である「規則」です。

紙媒体で作成したときの収入印紙代は40,000円か必要ですが、pdfファイルで作成する「電子定款」であれば収入印紙は必要ありません

ただし作成にはソフトや機器を揃えなければならず、手続も煩雑になるため、司法書士などの専門家に依頼すれば別途費用がかかります。

定款の認証費用

株式会社の設立の際には、定款を公証役場で認証してもらわなければなりません。

改ざん・紛失・真偽をめぐる紛争などを防ぐことを目的として、その正当性を証明するために公証役場の公証人が認証します。

定款認証にかかる費用は30,000~50,000円ですが、資本金により以下のとおり変動します。

  • ・資本金100万円未満 30,000円
  • ・資本金100万円以上300万円未満 40,000円
  • ・資本金300万円以上 50,000円

謄本手数料

定款認証と同時に謄本を作成してもらうことが必要になるため、1ページごとに250円、平均2,000円程度が費用として必要です。

合同会社などの持分会社は定款認証が必要ないためこれらの費用はかかりません。

登録免許税

会社設立の際に必要となる登録免許税は、会社形態により次の方法で算出します。

  • ・株式会社 資本金額×1,000分の7(15万円に満たないときは、申請件数1件につき15万円)
  • ・合同会社 資本金額×1,000分の7(6万円に満たないときは、申請件数1件につき6万円)

登録免許税は下限額が決められており、株式会社であれば150,000円、合同会社なら60,000円が最低金額です。

資本金額が大きいほど必要となる登録免許税も増えますが、会社設立費用をできるだけ安く抑えたいのなら、登録免許税も考慮した資本金額の検討が必要となります。

合同会社を設立する場合

合同会社を設立するときには、以下の費用を設立資金として準備しておくことが必要です。

  • 定款用収入印紙代 40,000円(電子定款では不要)
  • 定款の認証手数料 0円
  • 定款の謄本手数料 0円
  • 登録免許税 60,000円または資本金額 × 0.7%どちらか高い方

株式会社と異なり、合計で約100,000円程度あれば会社を設立できることがわかります。

株式会社と合同会社、どちらを設立するかによって発生する費用は異なりますが、いずれの場合でも司法書士などに商業登記を依頼した場合には士業に支払う報酬が別途発生します。

株式会社と合同会社それぞれの主な違い

株式会社と合同会社のどちらを設立するか迷ったとき、具体的に違いを比較するのなら資金面だけでなくそれぞれの特徴を把握しておくことが必要です。

そこで、

  • ・株式会社の特徴
  • ・合同会社の特徴

をそれぞれ項目ごとに簡単にまとめていきます。

株式会社の特徴

  • 出資者 株主
  • 出資者の責任 有限責任
  • 意思決定機関 株主総会
  • 業務執行者 取締役
  • 代表者 各取締役(代表取締役を選ぶことも可能)
  • 役員任期 取締役:1年から10年 監査役:1年から10年
  • 議決権 株式持分に応じた議決権割合
  • 決算公告 毎事業年度ごとに必要
  • 出資者への利益配分 株式割合に応じて配分
  • 株式(持分)譲渡 自由(譲渡制限も可能)
  • 知名度 高い
  • 資金調達 調達が容易
  • 株式上場 可能
  • 設立費用 高い

合同会社の特徴

  • 出資者 社員
  • 出資者の責任 有限責任
  • 意思決定機関 社員総会
  • 業務執行者 業務執行社員
  • 代表者 各社員(代表社員を選ぶことも可能)
  • 役員任期 期限なし
  • 議決権 原則社員1人1議決権
  • 決算公告 不要
  • 出資者への利益配分 出資割合に関係なく社員の合意で自由に配分
  • 株式(持分)譲渡 社員全員の同意が必要
  • 知名度 低い
  • 資金調達 出資者=社員
  • 株式上場 不可能
  • 設立費用 安い

株式会社を設立するメリットとデメリット

会社を設立するとき、法人格として「株式会社」を選んだときには、社会的な信用を得やすくなることがメリットですが、合同会社よりも設立資金が高いなどデメリットもあります。

そこで、

  1. ・株式会社を設立するメリット
  2. ・株式会社を設立するデメリット

の2つに分けて詳しく説明していきます。

株式会社を設立するメリット

株式会社とは、会社が株式を発行し、その株を投資家に購入してもらうことで返済不要の資金を集めることができる法人形態です。

出資者である株主は、自らの出資した金額以上に会社の債務の責任は負うことがありません。

この株主有限責任により、株主自らが被る責任の最大限度を決めることができることは、株株式会社を設立する上でのメリットと言えます。

また、新株発行や社債発行などで出資者を集め、資金調達を図ることも可能です。

十分に周知されている法人格のため、社会的信用を得ることもでき、法人として銀行などから融資を受けることも可能となるでしょう。

社会的信用力や資金調達という部分で見たときには、合同会社よりも株式会社のほうがメリットは高いといえます。

株式会社を設立するデメリット

株式会社を設立するときのデメリットとして挙げられるのは、会社設立にかかる資金準備が合同会社より多くなることです。

設立の際だけでなく、取締役や監査役が任期を迎えたときには役員変更の登記が必要となり、登録免許税も必要となります。

そして株式会社設立後にはたとえ利益が出ていなくても、法人税の均等割りを最低限年間7万円納めなければなりません。

会社の意思決定では株主総会を開催し、株主から同意を得ることが必要となることや、資金調達目的で株式を発行しすぎてしまうと保有割合で経営権を奪われてしまうリスクも発生します。

安易に資金を調達する目的だけで株式会社を設立するのではなく、決算書開示など法令で定められた手続などの必要性なども踏まえた上で、十分検討したほうがよいといえるでしょう。

合同会社を設立するメリットとデメリット

合同会社を設立する場合、株式会社よりも設立資金を抑えることができることはメリットですが、まだ十分に周知されている法人格ではないため社会的な信用は株式会社よりも低めであることがデメリットです。

そこで、

  1. 合同会社を設立するメリット
  2. 合同会社を設立するデメリット

の2つに分けて詳しく説明していきます。

合同会社を設立するメリット

合同会社は持分会社の1つであり、出資者全員が有限責任を負うことになります。

出資者それぞれが出資した以上の債務に対する責任を負うことはありませんが、持分会社として各自が経営にかかわることとなります。

会社の所有と経営は分離されていないため、株式会社のように経営を監査したり監督したりする機関がないことは合同会社のメリットいえるでしょう。

さらに会社設立の際にかかる費用も株式会社より安く抑えることができ、比較的手続にも手間がかからずスムーズに会社を立ち上げることができます。

さらに合同会社にメリットとして、次のようなことが挙げられるでしょう。

  • ・利益配分を自由に決めることが可能
  • ・組織運営の自由度は株式会社より高い
  • ・決算書の公表義務はなく法律上の制約も少ない

ただし合同会社は比較的規模の小さめな会社が想定されているため、従業員数などの少なさから社員や債権者保護より経営の自由度が優先されている法人格といえます。

合同会社を設立するデメリット

合同会社のデメリットとして挙げられることは、比較的新しい法人格となるため、社会的知名度が低いことです。

そのため社会的な信用力も株式会社より劣り、新規の取引や銀行融資などの場面で株式会社より不利になるケースもめずらしくありません。

また、新株発行や株式上場はできないため、資金を調達する方法は株式会社より少なくなってしまいます

社会的信用力や資金調達を目的として会社を設立する場合には、合同会社ではなく株式会社を選んだほうがよいといえるでしょう。

株式会社と合同会社のどちらを選ぶべきか

株式会社の場合、会社規模の大きさに関係なく、貸借対照表を公告することが原則となります。

公告方法が官報や日刊紙による場合には貸借対照表の要旨で足りるとされているため、多くの株式会社は貸借対照表を官報などに掲載することを怠っていることがあるようです。

電子公告を選択し、インターネット上で貸借対照表の公表している場合には、官報や日刊紙で公告する必要ありません。

また、インターネットによる電子公告を選んだときには、組織再編で債権者に個別通知しなくてもよいといったメリットもあります。

合同会社についてはこれらの手続はいずれも必要ないため、会社設立後の手間などを考えれば株式会社よりも有利といえます。

ただし会社の信用力や資金調達という部分で見たとき、合同会社は知名度も低く十分に知られていないこと、所有と経営が分離されていないことなどを理由として株式会社より不利になります。

いずれ会社規模を広げ、株式上場を目指したいという場合でも、合同会社では上場できないため、会社設立資金などの準備ができるのであれば株式会社を立ち上げたほうが良いと考えられます。

会社を設立する目的や準備できる資金なども踏まえつつ、将来的なことも見極めた上で株式会社と合同会社のどちらを設立したほうがよいか決めるとよいでしょう。

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事業計画書を構成する1つ資金計画の重要性と書き方で押さえておきたいポイント

2022年2月22日 / 事業資金

銀行から事業資金を調達するときには「事業計画書」を作成することが必要ですが、その中には資金計画なども含まれます。

創業するときにはとりあえず開始すればよいわけではなく、将来的な資金計画や見通しまで検討しながら、事業の計画を立てることが必要です。

そこで、事業計画書を作成する上で何に注意するべきか、資金計画の重要性と書き方のポイントなどを解説していきます。

「事業計画書」とは

「事業計画書」とは、どのような事業をどんな風に進めていくのか、戦略や収益の見込みなどの計画を立てて書面化したものです。

創業するときや新規で事業を始めるときには、

  • ・事業を行う理由
  • ・どのような層をターゲットとし何をどのように提供するか
  • ・誰と事業を行うのか
  • ・事業の強み
  • ・開業資金はどのように調達するか
  • ・競合の存在
  • ・今後の収益

など、将来的な見通しを立てた上で計画を立てておくことが必要になります。

具体的な行動を記載し、内外に示すため整理した書類が事業計画書といえるでしょう。

「事業計画書」を作成する理由

「事業計画書」を作成する理由は資金調達の場面に限られません。

作成の理由として考えられるのは主に次の2つです。

  • ・事業プランを客観的に見直しするため
  • ・事業の概要・魅力・プランを第三者に伝えるため

それぞれについて説明します。

事業プランを客観的に見直しするため

経営者の頭の中には、創業した後にどのような事業をスタートさせるのか、新規で始める事業のプランなど描くことができているかもしれません。

しかし頭の中で描くだけでは、客観的な視点で考えることができず、楽観視してしまいがちです。

想定外の結果になったとき、一気に事業の雲行きが怪しくなるとも考えられます。

そこで、頭の中に描いている事業の構想やプラン書面化し、事業計画書として作成しておくことで客観的な見直しも可能となります。

実際に事業をスタートした後も、現実と比較し計画どおり進めることができているか、確認しやすくなるでしょう。

事業の概要・魅力・プランを第三者に伝えるため

銀行から融資を受けて資金調達の場面など、事業の概要や魅力、プランなどを担当者に伝えることが必要です。

さらに人を雇用するときや一緒に事業に協力してくれる人を募るときにも、第三者に事業内容を説明するため、目で見てわかる事業計画書が必要となります。

特に、金融機関から融資を受けるときには事業計画書の提出が必須となるため、担当者に資金を貸し付けてもよいと認めてもらえる事業計画書を作成しましょう。

起業するときの「事業計画書」を構成する10の項目

事業計画書を作成するとき、どのような様式で作ればよいか迷うこともあるでしょう。決められた様式などはありませんが、作成する目的に応じて書き方は変わってきます。

ただ、主に事業計画書を構成する項目は次の10個です。

  1. 企業概要
  2. 代表者の経歴・起業の動機
  3. 事業のコンセプト
  4. 市場環境の分析結果
  5. マーケティング・戦略
  6. 今後のスケジュール
  7. 事業を進める上での問題点・リスク
  8. 事業を営む上での協力者
  9. 資金計画
  10. 損益・収支計画

それぞれの項目について説明します。

①企業概要

法人形態・法人名称・所在地・資本金・設立日・従業員数など、企業の概要を記載します。

②代表者の経歴・起業の動機

代表者となる方の経歴や、これまでの経験などを踏まえながら、なぜ起業や新規事業をスタートさせようと考えたのか記載します。

③事業のコンセプト

これから始める事業はどのような内容なのか、主に事業の概念などを記載します。

④市場環境の分析結果

どのような市場環境にある事業をスタートさせるのか調査・分析し、競合に対する分析なども含めてその結果を記載します。

⑤マーケティング・戦略

ターゲットとする顧客・層や、販売する商品やサービス、その価格や販売方法など事業に対する戦略を記載していきます。

⑥今後のスケジュール

事業を開始するための今後のスケジュールを記載しますが、それにより何をいつまでに行うべきか、目で見て確認できるようになります。

⑦事業を進める上での問題点・リスク

事業を進めていく上で発生する問題やリスクなどについて記載します。

実際にリスクが発生したときの対策も検討し、その方法などを記載すれば対応能力も認められることとなるでしょう。

⑧事業を営む上での協力者

事業を営む上で協力してくれる人がいるときには、どの人とどのように知り合い、どのような関係なのか記載します。

そして何に対して協力してくれるのかも記載しましょう。

外部の協力者が多いほうが、人としての信頼がある人物とみなされやすいため、多くの人を挙げたほうがよいと考えられます。

⑨資金計画

創業するときや新規事業をスタートさせるときには資金が必要ですが、この先どのようなお金が必要となるのか記載していきます。

この資金計画では、事業をスタートさせるために一時的に必要となる設備資金と、日常的な経費など毎月発生する運転資金に分けて考えましょう。

⑩損益・収支計画

①~⑨までをまとめた内容を実践したとき、何がいつ・どのくらい販売でき、支払いを済ませたときにどの程度利益を生むことができるのか月単位で記載します。

具体的な数値を記載することで、たとえば資金調達するときには返済資金を生むことができるか伝えることができるでしょう。

日本政策金融公庫へ提出する事業計画書の注意点

日本政策金融公庫などから創業融資による資金調達するときにも事業計画書は必要ですが、記載するときに抑えておきたいことを上記の項目ごとに確認しておきましょう。

①企業概要

企業概要として記載するとき、

  • ・法人なら企業の名称・個人事業主なら屋号
  • ・代表者名
  • ・株式会社なら株主構成
  • ・本店や事業所の所在地
  • ・電話番号
  • ・ホームページのURL
  • ・メールアドレス

なども記載していきます。

②代表者の経歴・起業の動機

創業段階では事業の実績がないため、信用力も高いとはいえません。

そこで、代表者の経歴・スキル・人柄は、信用に直結する部分と考えておくべきです。

スタートする事業の業界で、豊富な経験や人脈があり、すでに実績があることを証明できれば信用力も高まるでしょう。

代表者自身を商品と置き換えて、相手にどのように売り込めば伝わるか検討し、代表者の経歴を記載していきます。

また、経歴につながる起業や事業スタートへの動機があったほうが、信頼されやすくなると考えられます。

③事業のコンセプト

将来的に、これから始める事業をどのように発展させていきたいかという目標や、社会の中でどのような役割を担う事業となるのか記載していきます。

将来性が見込める事業であると認められれば、融資を受けやすくなるでしょう。

公的な創業融資では、「ビジョン」や「理念」などに共感し、応援してくれることも少なくありません。

  • ・事業をスタートさせる理由
  • ・事業を通して社会に貢献できること
  • ・社会をどのように変えていきたいか

など、事業に対する情熱や思いを伝えることができる説得力のある内容で記載することが必要です。

④市場環境の分析結果

  • ・市場ニーズ
  • ・市場規模
  • ・競合他社

など今後、事業を始める上で取り巻く環境について、しっかり調査・分析してその結果を記載しましょう。

⑤マーケティング・戦略

事業をスタートさせても、同じような商品やサービスをすでに販売している他社が存在し、質や価格も劣っていれば自社商品・サービスが選ばれることはありません。

そこで、

  • ・自社だから提供できる商品やサービスの強みや特徴
  • ・競合他社と異なる部分やメリット

など、独自性をアピールしていきます。

なお、業界特有の専門用語など使用せず、だれが読んでも理解できる表現で記載することを意識してください。

⑥今後のスケジュール

  • ・何を(商品・サービス)
  • ・誰に(顧客・ターゲット層)
  • ・どのような方法で提供するのか(販売方法など)

などを踏まえつつ、仕入計画・販売計画・設備計画などを客観的に記載していきます。

たとえば仕入計画は、現金取引なのか掛取引なのか、取引条件などを書いておくようにしましょう。

⑦事業を進める上での問題点・リスク

事業を開始する上で、発生することが予想される問題やリスクなどを洗い出し、その危険レベルなどを分析します。

その上で、実際にリスクが発生したときにどのように対処するのか、解決に向けた対策などを先行して提示するようにしましょう。

⑧事業を営む上での協力者

新たに事業をスタートさせ継続するためには、これまでの経験だけでなく、それを超える幅広い知識や技能が求められることとなります。

経験やノウハウは重要視されるものの、協力してくれる人がどのくらいいるのか、その協力者の能力優秀な人材の支えがあるのかによって判断も違ってくるでしょう。

すべて代表者だけでクリアしようとせず、得意な分野に集中しながら、不得意分野はだれかに任せてビジネスを加速させていける環境も整備することが必要です。

⑨資金計画

創業・開業するときや新規事業を始めるときに必要な資金はどのように調達するのか、その方法や使い道など資金計画を作成していきます。

事業計画を立てても実行するためには資金が必要となりますが、単に予想するのではなく、見積もりなど実際に取得し根拠のある数字を示すようにしてください。

また、過剰な初期投資になっていないか、再度確認しておきましょう。

⑩損益・収支計画

創業または事業をスタートさせた初年度と、事業が軌道に乗ったときに分けた収支計画を記載していきます。

総額だけ記載すればよいのではなく、

1日の顧客数×平均客単価×30=月売上高

と、見積もりの根拠を示す内容でなければなりません。

売上高から、売上原価(仕入代など)・必要経費(家賃・水道光熱費・人件費など)・返済資金(毎月のリース代など)を差し引き、利益を計算します。

顧客数の見通しは、市場分析や競合他社の成績などを参考にしながら、多少厳しい内容で設定したほうがよいといえます。

事業計画・資金計画で押さえておきたいポイント

事業計画と資金計画を立てるとき、ポイントとなるのは「具体性」「一貫性」です。

たとえ老舗の日本料理店で長年勤めていた経験がある方が、独立開業して飲食店を始めたいという場合、単に「飲食店をスタートする」と記載するのと「老舗日本料理店で10年以上修業した経験を活かして新鮮な魚料理をメインにした和食創作ダイニング店を始める」と記載するのでは相手に対する印象が異なります。

単に何を始めるか記載するのではなく、どのようにスタートさせるのか「具体性」を持たせた書き方を意識しましょう。

そしてマーケティング・戦略・スケジュール・資金計画など、いずれも損益・収支計画に関係することを理解し、記載する数値の裏付けや根拠を示すことのできる「一貫性」のある内容であることが必要です。

資金計画書は精度の高さが求められる

資金計画書を作成するときには、「売上計画」と売上からどの程度の利益を得ることができるかられるかという「利益計画」、さらにそれらの数値に対し資金を増減させて記載していきます。

作成した売上計画のとおりに売上が順調に伸びた場合でも、手元の資金がショートしてしまえばたちまち行き詰ることとなり、「黒字倒産」するリスクを高めます。

仮に事業資金を銀行など金融機関から借入れるときには、どのように返済資金を生んで返済していくのか、いつ資金が足らなくなるのか計画段階で把握しておかなければ間に合いません。

そのため資金計画を立てるときには、正確な収支状況を相手に伝えることができる内容でなければならず、精度の高さが求められます。

資金繰りが事業継続の鍵を握る

創業するときや新規で事業を立ち上げるときには資金が必要になり、事業を継続させるときには資金繰りが重要です。

資金繰りは事業を続けるうえで必要となる資金を、どのような方法で調達するのかいつお金が必要になるのか事前に把握しておかなければなりません。

どれほど綿密に計画を立てていたとしても計画通りに資金繰りが進むとはいえないため、経済状況や有事で売上が返答することや、取引先の倒産などで未回収の売掛金が発生するリスクなども踏まえておく必要があります。

資金繰りがうまくいかずに、手元のお金がなくなれば倒産してしまうリスクも踏まえた資金計画書を作成し、余裕資金を保有できる経営を目指していきましょう。

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