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商工会が行う「経営改善普及事業」で支援してもらえることとは?

2022年4月14日 / 資金調達

地域の事業者が業種の隔たりを越え会員となり、互いの事業や地域の発展に向けて創業的に活動を行うのが「商工会」ですが、小規模事業者の経営改善普及に向けた事業も行っています。

商工会の「経営改善普及事業」は、小規模事業者の経営や技術も改善・発達を図ることを目的とした事業であり、資格を保有する経営支援員などが金融・税務・経営・労務など多岐に渡る相談・指導を行い地域活性化に向けた取り組みを実施していることが特徴です。

他にも商工会では、経営計画策定の支援を行い、売上増進をサポートする経営発達支援事業なども行っていますが、どちらも国と都道府県の補助金交付により秘密厳守・無料で支援されます。

そこで、商工会が行う「経営改善普及事業」ではどのようなことを支援してもらえるのか、その内容について紹介していきます。

商工会なら安心して相談できる理由

商工会の「経営改善普及事業」の対象となるのは小規模事業者ですが、「小規模事業者」とは商工会法で定めのある商工業者であり、常時使用している従業員数が20人(商業またはサービス業は5人)以下の事業者です。

経営について悩みを抱え、改善させるためにどうすればよいか相談したいけれど、相談料などが発生してしまうのでは…と不安を抱える小規模事業者も少なくないことでしょう。

大企業と異なり、資金力も大きくない小規模事業者にとって、できるだけ費用をかけずに相談したいと考えるのは当然のことです。

そのような場合でも、商工会の「経営改善普及事業」によるサポートであれば、無料で相談することができます。

商工会が行う「経営改善普及事業」の中で注目したい支援

商工会が行う「経営改善普及事業」であれば、無料で経営の専門家に相談することができます。

状況により企業訪問なども行われますが、対象となるのは各地域の商工会のあるエリアの事業者です。

確定申告や年末調整など、税務に関するアドバイスを受けることもでき、IT導入によるシステム化なども支援してもらえます。

また、会社経営では欠かすことのできない資金調達についての相談や、公的融資制度の紹介などにも対応しています。

サポートしてもらえる内容は、項目ごとに分けると主に次のとおりとなります。

  • ・税務…確定申告・年末調整・企業などの税務対策・複雑でわかりにくい税務に関するアドバイス
  • ・経理…IT財務会計システムによる効率化・元帳作成・記帳業務代行・「ネットde記帳」のサポート
  • ・融資…経営安定・向上に向けた資金調達に関する相談・融資の斡旋
  • ・労務…従業員の福利厚生など企業の労務面のサポート・労働保険の業務委託
  • ・創業・経営革新…起業や新事業を開拓する方に向けた専門家の派遣等支援
  • ・販路開拓…販路開拓・新分野進出を目的とした企業マッチング
  • ・情報化推進…経理のIT化・パソコンやインターネット活用による事業相談・アドバイス
  • ・講習会・研修会…必要な知識や技術を提供する講演会や研修会など各種開催

商工会が行う経営改善に向けた支援事業の内容

商工会が行う「経営改善普及事業」は、小規模事業者の経営改善や発達が主な目的です。

具体的に次のようなことを経営改善支援事業として行っています。

  1. 主任経営支援員の経営支援
  2. 講習会・研修会の開催
  3. 公的融資などの金融支援
  4. 税理士による税務・経理支援
  5. IT導入など活用支援
  6. 従業員の福利厚生を目的とした労働支援

それぞれどのような支援か、その内容を説明します。

主任経営支援員の経営支援

経営のことで悩んでいる小規模事業者に対し、商工会窓口で主任経営支援員などが相談を受け付け、適切なアドバイスを行っています。

定期的に地域の事業者を回る巡回支援も行い、専門分野ごとに上席専門経営支援員が支援に回るといった対応も行っているようです。

また、経営発達支援事業では、経営計画の策定支援に基づいた伴走型支援・売上増進をサポートしています。

今後は企業力をアップさせていきたいと考える事業者には、小規模事業者持続化補助金など積極的に実施するなど、様々な支援を行っているといえるでしょう。

講習会・研修会の開催

経営における必要な知識・技術など、様々な情報提供に向けて講習会や研修会などを開催しています。

公的融資などの金融支援

資金調達は事業を続ける上で欠かせないことですが、金利が安く担保や保証人など不要の公的融資など、金融支援やあっ旋も行っています。

たとえば「マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)」は、金融面でいろいろな制約のある小規模事業者に対し、商工会が推薦することで、無担保・無保証・低利の融資を受けることができる制度です。

常時使用する従業員が商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)なら5人以下、製造業などは20人以下であることに加え、商工会の経営指導を原則6か月以上受けることが必要ですが、運転・設備資金どちらも2千万円まで借りることができます。

また、マル経融資以外にも、小規模事業者に有利と考えられる融資制度を紹介してくれます。

たとえば日本政策金融公庫の次のような融資制度のあっ旋を行っているので、民間の銀行には相談しにくいという場合には問い合わせてみるとよいでしょう。

  • ・普通貸付
  • ・小規模事業者経営改善資金貸付
  • ・小規模事業者経営発達支援資金
  • ・セーフティネット貸付
  • ・新企業育成貸付
  • ・企業活力強化貸付
  • ・環境・エネルギー対策貸付
  • ・企業再生貸付
  • ・災害貸付・食品貸付
  • ・生活衛生貸付

など。

税理士による税務・経理支援

経営者の中には、簿記や財務の知識が豊富という方もいれば、営業活動は得意だけれど決算書の読み方すらわからないという方もいます。

税金の各種控除など知らない方や、そもそも白色申告や青色申告の違いがわからないなど、税務に関するいろいろな悩みを抱えていることもめずらしくありません。

そこで商工会では、帳簿の記帳方法や決算・申告の方法まで、適切にアドバイスを行っています。

決算や申告期になると税理士が専門相談員として無料の税務相談に応じるなど、専門家からアドバイスを受けることができるのもメリットです。

IT導入など活用支援

どのような業種でもIT化が進んでいますが、地域情報を発信し地域の活性化を目指すためにも、インターネットの導入やIT化、SNSの活用支援などを行っています。

従業員の福利厚生を目的とした労働支援

小規模事業者に雇用されて働いている従業員の福利厚生のために、

  • ・社会保険
  • ・労働保険
  • ・退職金

などの相談にも適切にアドバイスをしてもらえます。

たとえば社会保険は、すべての法人事業所と、常時5人以上の従業員を雇用する一般の個人事業所(飲食・サービス・農・林・漁業などは除く)が加入を義務付けられています。

従業員が5人未満の個人事業所の場合でも、一定の手続で認可を受ければ、健康保険・厚生年金を適用させることが可能です。

そして従業員を1人でも雇用する場合には、業種に関係なく労働保険に加入しなければならないとされています。

しかし労働保険の事務手続が面倒に感じることや、人手不足で事務処理にまで手が回らないというケースもめずらしくありませんが、商工会が運営指導する労働保険事務組合に事務委託し、代行してもらえます。

事務委託により事務処理が軽減されれば、労災保険に加入できない事業主や家族従事者も労災保険に特別加入できることもメリットです。

まとめ

商工会では小規模事業者を対象とした経営改善の普及事業を行っていますが、無料で相談できることがメリットです。

ただ、商工会だけでなく、たとえば資金調達の悩みを相談するファクタリング会社などでも、コンサルティング業務も行い事業者の様々な悩みに対応しているケースがあります。

相談も無料ででき、公的融資に限らず適切な資金の調達方法も提案してもらえるため、困ったときには相談してみてはいかがでしょう。

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労務管理の業務内容と改善するためのポイントを徹底解説

2021年12月24日 / 事業資金

企業経営を続ける上で労務管理は欠かすことのできない業務の1つですが、もし適切に行われていないのなら改善することが必要となります。

ただ、労務管理を改善させたいと考えていても、具体的にどのような見直しが必要かわからず、困っている方も少なくありません。

そこで、労務管理とは具体的にどのようなことを行うのか、その業務範囲と改善する方法について解説していきます。

労務管理とは

「労務管理」とは、従業員の「労働条件」を管理したり「労働環境」を整備したりする業務のことで、「人事管理」と一緒に行うことになります。

ただ、人事管理と性質や役割が異なるため、それぞれの内容を把握しておきましょう。

労務管理

「労務管理」では従業員の労働条件や福利厚生など管理するため、

  • 社会保険や福利厚生の加入手続
  • 勤怠・給与の計算

など、組織単位で事務的な手続を行います。

人事管理

「人事管理」では、人材を効率的に確保するための採用や、採用した人材が能力を最大限に発揮し働くことができるような配置・評価をすることが主な業務です。

企業によっては人事と労務の担当者をわけず、兼任することもあります。

労務管理で行う業務の種類

労務管理には次の2つの役割があります。

  1. 効率的に人材を管理し生産性を向上させること
  2. コンプライアンス遵守によりリスクを回避すること

従業員が働きやすい職場環境を整備することで、業務も効率化され生産性も向上します。

そして労働に関する法令を管理することや、福利厚生などで必要な手続を遅れることなく進めることで、法令違反により罰則を受けるリスクを回避でき企業の信用力を維持できます。

労務管理で行う業務には次の6つです。

  • ・就業規則の作成・管理
  • ・労働契約や労働条件の管理
  • ・勤怠・給与の計算・管理
  • ・福利厚生の管理
  • ・安全・衛生に対する管理
  • ・業務の見直しと改善の取り組み

それぞれ詳しく説明していきます。

就業規則の作成・管理

労務管理では、従業員にどのような規則に基づいて働いてもらうのか、そのルールを決めておくことが必要です。

労働基準法でも、常態パート・アルバイトを含む10人以上の従業員が働く場合には、「就業規則」を定め行政官庁に届出することが必要となっています。

就業のルールについて、「就業規則」を作成し、いつでも従業員がその内容を確認できるような管理が必要です。

労働契約や労働条件の管理

従業員を雇い入れるときには労働契約、昇進・転勤などのタイミングでは労働条件の変更が必要となります。

特に雇い入れの際には、労働条件通知書を発行するといった業務が必要です。

勤怠・給与の計算・管理

従業員の勤怠管理や、それに伴う給与計算なども労務管理の1つです。

従業員の出退勤の時間や遅刻欠席の有無、休暇の取得について正確に把握できるようにしておき、適切に管理を行いましょう。

そのデータをもとに、給与額の支払い計算を行います。

福利厚生の管理

法律で定められた「法定福利」、そして社内で定められた「法定外福利」、どちらも労務管理の対象となります。

「法定福利」に含まれるのは、健康保険・雇用保険・労働保険など各種社会保険の手続、年金事務所への届出などがあり、「法定外福利」では育児支援・特別休暇・社宅の用意など会社によって異なります。

安全・衛生に対する管理

従業員が安全・快適に働くことができるように、職場の安全・衛生管理や、従業員が受ける健康診断の管理も必要です。

健康診断の結果を従業員に通知し、労働基準監督署に報告するといった作業が必要となります。

なお、労働安全衛生法では従業員50人以上の企業については、1年ごとのにストレスチェックを実施することが義務づけられています。

業務の見直しと改善の取り組み

業務改善の見直しと改善の取り組みも労務管理の重要な業務です。

企業コンプライアンスに対する意識も高まっているため、パワハラやセクハラと呼ばれるハラスメントへの対策や、長時間労働を是正するといった取り組みが必要となるでしょう。

中小企業が労務管理で抱えている問題

近年、中小企業では労務管理が適切に行われておらず、整備されていない項目や想定外の事態などで問題がおきやすくなっています。

具体的に中小企業で起きている問題として挙げられるのは、

  • ・雇用形態
  • ・勤務時間

の2つが関係します。

それぞれはどのような労務管理に関する問題が起きているのか説明します。

「雇用形態」の多様化

働き方改革が進む中で、従業員には多種多様な働き方が拡大されています。

正規雇用やパートや派遣といった非正規雇用だけでなく、個人事業主やフリーランスとして働く方と業務委託契約を結ぶ形式をとる企業も増えたといえるでしょう。

そのため労務管理も従来までと違う形で行うことが必要となりましたが、多様化する雇用形態において次の2つが問題になりやすいといえます。

  • ・就業規則が整備されていない
  • ・雇用形態による待遇差

それぞれ詳しく説明します。

就業規則が整備されていない

雇用形態の多様化で問題となるのが、就業規則の整備が不足していることです。

就業規則を作成することで、雇用条件や業務についての規則を明確化できるため、会社と従業員の利益を守るためにも必要といえます。

しかし雇用形態の多様化により、それに対応できる就業規則が整備されているとはいえず、対応可能な内容になるような見直しが必要です。

雇用形態による待遇差

正規雇用と非正規雇用という2つの働き方で、待遇に差をつけることは好ましいことではありません。

経費を削減しようと、非正規雇用者に対する待遇を正規雇用者よりも低くする傾向が見られますが、2020年4月からは「同一労働同一賃金」が開始されているため、トラブルを防ぐためにも待遇差をつけない環境を整備することが必要です。

「勤務時間」の管理が徹底されていない

従業員がどのくらい働いているのか、勤務時間を適切に管理できていなければ、残業代の未払いなどを発生させることとなり、様々なトラブルへと発展しやすくなります。

週40時間を超えて従業員に働いてもらうときには、労使間で協定を結ぶことが必要であり、労使協定を締結していても残業時間は月45時間・年360時間以内までの上限を超えることはできません。

臨時的な特別な事業がある場合は、労使間で合意すればこの限りではありませんが、それでも複数月平均80時間以内・月100時間未満・年720時間以内という上限は守ることが必要です。

有給休暇の消化率を向上させる

日本では長時間働いたほうが努力をしていると認められやすい傾向があり、有給休暇を取得しにくい職場環境であることもめずらしくありません。

そのため本来なら取得できる有給休暇が多く余っているというケースも見られますが、年10日以上の年次有給休暇が付与されている従業員には、最低でも年5日は有給休暇を与えることが必要とされています。

生産性向上のためにも、適切に有給休暇を取得してもらい、仕事へのモチベーションを高めてもらうことが必要です。

労務管理を改善させるためのポイント

労務管理を適切に行うため、今の管理体制を見直し改善させることが必要ですが、そのためのポイントは次の3つです。

  1. 労働法の基本法令を理解しておくこと
  2. 徹底した情報管理を行う
  3. 労働環境の改善意識を高める

簡単なことではありませんが、人を雇用する上でいずれも重要なことです。

適切に労務管理が行われている会社であれば、働きやすい職場と従業員に感じてもらうことができ、結果的に現場の生産性を向上させ人材の定着率を高めることにもつながることになるでしょう。

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業績改善のために指標となる「売上高営業利益率」と「売上高経常利益率」の分析方法

2021年12月6日 / 資金繰り

会社の収益力を図る指標として用いられることの多い「経常利益」は、業績を改善させるときにも注視しておくことが必要です。

そこで、具体的にどのように改善させていけばよいのか、要素として把握しておきたい「売上高経常利益率」と「売上高営業利益率」の分析方法について詳しく説明していきます。

「経常利益」で確認できることとは

「経常利益」とは、会社の経常的な活動に伴い発生する利益のことですが、利益は段階ごとに種類が分かれます。

利益の段階ごとの算出方法や、それぞれ何を意味するのか把握しておきましょう。

  1. 売上総利益…本業の商品やサービスにより稼いだ利益であり、売上高から売上原価を差し引いて計算します。
  2. 営業利益…本業の利益といえる部分で、売上総利益から販管費を差し引いて計算します。
  3. 経常利益…毎年経常的に発生する活動の利益であり、営業利益に営業外損益を加味して計算します。
  4. 税引前当期純利益…経常的な活動に臨時的・偶発的に発生した取引も含む利益であり、経常利益に特別損益を加味して算出します。
  5. 税引後当期純利益…税金を差し引いた後の最終的な利益であり、税引前当期純利益から法人税等を差し引き計算します。

業績改善において目安にしたい「売上高営業利益率」

会社の業績を改善させるとき、財務分析の指標としたいのが「売上高営業利益率」です。

「売上高営業利益率」とは、「売上高」に対してどのくらいの「営業利益」があったのか、その割合を示します。

売上高のうちどのくらいが営業利益として残るかを意味しますが、そもそも「営業利益」本業の業績をあらわす利益なので、多く発生していれば本業が順調であると考えられます。

反対に営業利益がマイナスのときは赤字経営を続けているといえ、商品やサービスを見直し改良することや、管理費の見直しなどが必要となります。

そして売上営業利益率を分析するときには、

  • ・商品やサービスに問題がないか(売上が低すぎないか、または売上原価が高すぎないか)
  • ・販売するまでにコストをかけ過ぎていないか(販売費および一般管理費が多すぎないか)

という2つを確認することが必要です。

・売上高営業利益率の計算方法

「売上高営業利益率」を計算するときは、

営業利益=売上高-売上原価-販売費および一般管理費
売上高営業利益率(%)=営業利益/売上高×100

で計算することができます。

この計算式から、商品やサービスの分析では「売上高」と「売上原価」の大きさを確認し、「販売費および一般管理費」として人件費や広告宣伝費などに費用をかけすぎていないか把握しておくことも必要となります。

売上高営業利益率の目安

目安となる「売上高営業利益率」は業界により異なりますが、営業利益率が高い業種「不動産業・物品賃貸業」「技術サービス業」などです。

以下、業種ごとの目安を参考に確認しておきましょう。

  • ・不動産業・物品賃貸業…約10%
  • ・学術研究・専門・技術サービス業…約10%
  • ・宿泊業・飲食サービス業…約5%
  • ・建設業…約4.8%
  • ・情報通信業…約4.5%
  • ・その他の業種…約4.3%
  • ・製造業…約3.8%
  • ・生活関連サービス業・娯楽業…約3.7%
  • ・運送業・郵便業…約2.7%
  • ・卸売業…約1.7%
  • ・小売業…約1.5%

なぜ不動産業・物品賃貸業や技術サービス業の割合が高めなのかというと、厚利少売であることが背景にあると考えられます。

販売・取引の数は少なくても、1件の取引で利益を多く生み出すことができるからです。

反対に、取引の数は多くても1件の取引で生む利益が小さい薄利多売の業種では、売上高営業利益率は低くなります。

薄利多売のビジネスとして挙げられるのは小売り業や卸売業などですが、営業利益を大きくするためには取引量を増やすことが必要です。

なお、製造業では「売上高営業利益率」の分析において、売上高・売上原価・販売費および一般管理費に分けるときに注意が必要となります。

製造業の場合、「人件費」は商品自体に直接かかる「売上原価」に含むものと、「販売費および一般管理費」に含むもの区別するようにしてください。

「売上高経常利益率」の分析方法

売上高に対する経常利益の割合「売上高経常利益率」ですが、企業の収益性をはかる尺度となる指標です。

「経常利益」は、企業本来の営業活動の利益である「営業利益」に、財務活動で発生した損益を加味して計算します。

売上高経常利益率 =経常利益/売上高×100

そのため経常利益の割合が高ければ、資産の売却損益など以外の通常の経営活動での収益力が高いと判断できます。

資金の運用や調達など、資金管理も含めうまくお金が回っているということをあらわすため、目安として最低でも3~5%を目指しましょう。

売上100に対し、経費95であれば利益は5になりますが、たった5%程度でよいのかと考えず、それだけの利益を計上し続けることができることが望ましいといえます。

業績改善のために「売上高経常利益率」を分析するのは、主に次の4つの手法を実践していきましょう。

期間ごとに比較する

まずは自社の数値を把握しておき、昨年度など過去の業績と比較していきましょう。

会社を取り巻く環境は変化するものと考え、昨年度と大きく異なる数値であるのなら、変動要素を細かく分解することも必要です。

年度による経営状況を適切に分析し、半期ごと・四半期・月次ごとなど細かく同比率の分析することにより、季節ごとのトレンドや影響を把握することもできます。

業界平均と比較する

自社の当期数値と業界平均を比較することで、売上高を上昇させるのか、各種費用を減少させるべきか検討しましょう。

業界平均との比較はマクロの視点で行い、競合企業や上場企業の売上高経常利益率を確認し、自社の立ち位置を把握します。

なお、上場企業の場合には有価証券報告書などIR資料から確認できますし、未上場企業は帝国データバンクや東京商工リサーチなど調査会社のサービスを利用することができます。

気になる特定の企業の収益構造や費用構成を知り、自社との比較に役立つため収益改善の指標とすることができるでしょう。

「売上高営業利益率」と「売上高経常利益率」を比較する

「売上高営業利益率」と「売上高経常利益率」は個別で分析するだけでなく、この2つを比較することでも業績改善の指標とすることができます。

比較の結果、現在会社がどのような状況にあるのか、改善させるためのポイントは次のとおりです。

「売上高経常利益率」が「売上高営業利益率」よりも高い

「売上高経常利益率」が「売上高営業利益率」よりも高い

ということは、

「営業外損益=営業外利益-営業外費用」がプラス

になっていることを意味します。

資産運用で株式売却益や配当金の計上があることを示しており、本業で余った資産の活用がうまくできているといえるでしょう。

ただ、

「売上高営業利益率」がマイナスで「売上高経常利益率」がプラス

を示しているときには、本業が低迷しているといえます。

その場合には、業績改善に向けた事業のモニタリングが必要となるでしょう。

「売上高経常利益率」が「売上高営業利益率」より低い

「売上高経常利益率」が「売上高営業利益率」よりも低い

ということは、

「営業外損益=営業外利益-営業外費用」がマイナス

であることを意味しています。

たとえば銀行からの借入金の利息負担が重く、マイナスを示しているといったケースです。

経営状況に見合う借入金と利息の負担なら問題ないでしょうが、将来的なキャッシュフローに影響を及ぼすリスクが高いときには、改善策の検討が必要となります。

他にも株式売却損や有価証券評価損が大きければ営業外損益がマイナスになるため、資産の運用方法や余剰資金の使途などについて、見直さなければならない可能性があるといえます。

そもそも「営業利益」は「経常利益」よりも前に計算される利益のため、通常であれば「売上高営業利益率」の方が「売上高経常利益率」より高くなるはずです。

そのため「売上高経常利益率」の方が「売上高営業利益率」よりも高いときには、本業以外の営業外収益で利益をあげていると考えるべきでしょう。

「売上高経常利益率」を改善させるために必要なこと

上述したとおり、「売上高経常利益率」を上げるには「売上高」を伸ばす、または各種費用を減少させるのどちらかです。

売上高は適切な施策を打つことができているか再度確認し、費用については削減できるコストについて洗い出しを行いましょう。

また、コストを適切に回収できる見込みがあるかについても精査が必要となります。

「売上高営業利益率」が高い会社に見られる特徴を知る

「売上高営業利益率」を上げることを目指すのなら、実際に率の高い会社はどのような特徴があるか確認しておくとよいでしょう。

主な特徴として、次のことが挙げられます。

  • ・商品やサービスの質が高い
  • ・効率的に営業できている

先に述べたとおり、厚利少売のビジネスのほうが「売上高営業利益率」を上げることにつながります。

小売り業など薄利多売のビジネスでも、取引量を増やせば率を上げることにつながりますが、いずれにしても提供する商品やサービスの質が重要となるでしょう。

商品やサービスのクオリティを上げることにより、製作コストなどもかかるようになるため売上原価は増えてしまいます。

しかしロボットやAIを使うことでコストを低下できている企業もあるため、設備導入に向けた投資とその回収について分析しながら、最終的にどのくらいコストを下げながら商品やサービスの質を上げることができるか検討が必要です。

そして効率的な営業については、販売費および一般管理費を抑えるため、たとえばインターネットを使った営業や販売なども取り入れていくとよいでしょう。

実店舗を持たずインターネット上で販売をすることで、家賃や水道光熱費などかけずに人件費も抑え、販路を拡大することができます。

「売上高営業利益率」を財務分析に活かし経営改善するときのポイント

「売上高営業利益率」が高いときや収益が十分にある場合ときには、提供する商品やサービス・営業方法が適切と考えられます。

そのため新たな商品やサービスを開発し、さらに経営を改善させていくといったことを検討しましょう。

上記以外のときは売上高営業利益率を用いて財務分析を行い、以下の対策を検討することが必要です。

  • ・売上高を上げる
  • ・売上原価を下げる
  • ・販売費および一般管理費を下げる

売上高を上げるには、販売価格を上げる、または販売数量を増やすことが必要です。

複数の商品を組み合わせ販売することで、実質的な値上げにつなげるといった工夫も必要となるでしょう。また、販売数量を増やすためには販路拡大や広告宣伝の強化などが必要です。

売上原価を下げるには、コストを削減できるところはないか見直しを行い、コスト削減により商品やサービスのクオリティ低下につながるときには、反対に付加価値を加えることの検討が必要となります。

販売費および一般管理費としては、たとえば販売数量が十分確保できているのなら、販売数量に比例する変動費を、販売数量に関係なく一定の固定費にするといった方法も検討できます。

  • 商品やサービスのクオリティを上げる
  • 付加価値をつけて販売する
  • 販売費および一般管理費をかけ販路拡大を検討する

といったことが主な戦略として考えられます。

まとめ

「売上高経常利益率」が高ければ、資金運用や資金調達などの資金管理も含めて会社がうまく回っているとことを示します。

そして「売上高営業利益率」は、「売上高」に対してどのくらいの「営業利益」があったのかを示すため、営業利益の金額が十分にあれば売上高営業利益率が低くても問題ないことが多いといえます。

しかしそうでなければ売上高営業利益率を改善することが必要なので、売上高・売上原価・販売費および一般管理費を、単独的または複合的に改善させていくようにしましょう。

儲かる商品やサービスを取り扱いしている場合でも、販売費および一般管理費について適切に管理できておらず、費用の無駄がおおければ営業利益を残すことはできません。

営業利益を向上させて売上高営業利益率を高めていくには、売上総利益を確保しながら販売費および一般管理費の中身を科目ごとで管理する地道な作業も必要になると留意しておいてください。

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