クラウド会計ソフトの特徴と導入のメリット・デメリットとは?
2022年5月20日 / 事業資金
「クラウド会計ソフト」とは、クラウド上で仕訳から決算書の作成まで可能とするソフトですが、パソコンなどのツールを使って場所を選ばず使えることが大きなメリットであり、中小企業などでも導入されています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リモートワークが推奨されるようになったことからよりクラウド会計ソフトの需要が高まりつつあるといえますが、どの製品がよいか判断できない中小企業も少なくありません。
そこで、クラウド会計ソフトとはどのような特徴があるのか、中小企業が使いやすい製品について解説していきます。
クラウド会計ソフトの5つの特徴
「クラウド会計ソフト」は、会計処理ができるクラウド型の業務ソフトウェアであり、システムの構築や運用な度必要なく必要なときに利用できることが特徴です。
インターネット上で利用でき、給与計算や勤怠管理などと連携できることから、コスト削減や業務効率化を図りたい企業からの需要も高まりつつあります。
そのような魅力あるクラウド会計ソフトですが、主な特徴は次の5つです。
- 特別な簿記知識は必要ない
- インターネットに接続できる環境があれば利用可能
- 社内以外でも情報の閲覧が可能
- ソフトの更新は不要
- データ連携で帳簿に反映させることが可能
それぞれどのような特徴があるのか説明していきます。
特別な簿記知識は必要ない
クラウド会計ソフトのユーザーは主に中小企業と個人事業主ですが、ユーザーすべてが詳しい簿記の知識があるとは限りません。
そのため、出金や入金の記録方法や具体的な仕訳など、わかりやすい入力手順などで工夫されています。
使い方がわからないときにはチャットなどでサポート窓口につながるようにしている製品なら、特別な簿記の知識がなくても使いやすいといえるでしょう。
インターネットに接続できる環境があれば利用可能
リモートワークが推奨されるようになったため、自宅でインターネットを使い仕事をすることが増えたという方も少なくありません。
クラウド会計ソフトもインターネット環境さえ利用できるため、自宅や外出先からアクセスすることが可能です。
入力や保管をクラウド上で行い、複数人が同時に利用できるため、リアルタイムで情報を共有できることも魅力といえます。
社内以外でも情報の閲覧が可能
インターネット上にデータが保存されるため、社内だけでなく外出先からアクセスし、その情報を確認することができます。
ビジネスの大切な場面で大きな決断をするときでも、情報を閲覧して決めることができるため、ビジネスチャンスを逃さずに済みます。
ソフトの更新は不要
従来のインストールタイプの会計ソフトの場合、アップデートするたびに更新作業が必要になることもあれば、新しいバージョンの製品を購入しインストールすることが必要でした。
しかしクラウド会計ソフトなら、自動的にアップデートされるため更新の手間もかからず、余計な費用を発生させることもありません。
データ連携で帳簿に反映させることが可能
データを連携する機能が備わっているクラウド会計ソフトなら、たとえばクレジットカードやインターネットバンキング、電子マネーなどの情報と連携してお金の出入りを取得し仕訳を作成できます。
手入力によるミスを防ぎ、手間も大幅に削減できるため業務効率化につなげることができるでしょう。
個人口座と法人口座に関係なく、インターネット上で取引履歴や残高照会できるサービスを提供している金融機関なら自動でデータを取り込むことができるため、わざわざ通帳記帳して手作業でデータ入力する必要はなくなります。
中小企業がクラウド会計ソフトを選ぶときに押さえておきたい4つのポイント
中小企業がクラウド会計ソフトを導入することを決めた後は、製品選びが重要です。
しかし数多くあるクラウド会計ソフトの中で、どの製品がもっとも自社に適しているか判断しにくいこともあります。
そこで、中小企業がクラウド会計ソフトを選ぶときに、重視したい次の4つのポイントを押さえておくようにしましょう。
- クラウド会計ソフト導入の目的を明確にしておく
- 需要を満たしてくれる機能が備わっている製品か確認する
- 柔軟性や拡張性の充実さを比較する
- サポート体制が充実しているほうが安心
それぞれのポイントについて説明していきます。
クラウド会計ソフト導入の目的を明確にしておく
何のためにクラウド会計ソフトを導入するのか、何を解決させたいのか明確にしておきましょう。単に会計処理のみで利用したいのか、給与計算や販売管理とも連携させたいかによって、導入する製品が変わってきます。
需要を満たしてくれる機能が備わっている製品か確認する
様々な機能が備わっているクラウド会計ソフトのほうが便利と感じるでしょうが、実際に使いこなすことができなければ意味がありません。
製品ごとに備わっている機能は異なるため、自社の需要を満たしてくれる機能が備わっているのか、追加するときに料金は発生するのかなども確認しておくようにしましょう。
柔軟性や拡張性の充実さを比較する
クラウド会計ソフトを利用する環境によって、柔軟に拡張できるかがポイントとなります。
ソフト導入前から利用しているインストールタイプの会計ソフトやエクセルのデータなどの情報の取り込みが可能な製品のほうが、導入した後の業務がスムーズです。
また、組織体制や部門の変化や増減に対応してくれる柔軟性の高い製品のほうが、後々の費用や手間をかけることはなくなります。
サポート体制が充実しているほうが安心
いざクラウド会計ソフトを導入したものの、使い方などがわからないときにしっかりとサポートしてくれる体制が整っている製品のほうが安心です。
うまく使いこなすことができるか自信がないときは、導入の際の説明や支援サービス、24時間365日のサポート体制、操作方法などのマニュアルの準備なども確認しておくようにしましょう。
中小企業が使いやすい3つのクラウド会計ソフト
クラウド会計ソフトにはいろいろな製品がありますが、その中でも特に中小企業が使いやすいと考えられるのは次の3つです。
- クラウド会計ソフト freee
- Money Forwardクラウド
- 弥生会計オンライン
それぞれの特徴など紹介していきます。
クラウド会計ソフト freee
スモールビジネスの支援を掲げているfreee株式会社が運営するクラウド会計ソフトです。
外部データ連携で自動仕訳してくれる機能が備わっており、インターネットバンキングやクレジットカード、電子マネーなどの決済サービスと同期させ仕訳を推測させ登録することができます。
MoneyForwardクラウド
株式会社マネーフォワードが運営しているクラウド会計ソフトで、同じくインターネットバンキングやクレジットカード、POSレジデータなどとの連携により明細データから自動仕訳作成が可能です。
手動で仕訳を入力するときには、簡単入力や振替伝票入力など4種類の入力方法を選ぶことができ、インストールタイプの会計ソフトとバリエーションの差がなく初心者でも使いやすいソフトといえます。
弥生会計オンライン
インストールタイプの会計ソフトで有名な弥生会計が運営するクラウド会計ソフトで、やはりインターネットバンキングやクレジットカード、POSレジシステムなどいろいろな外部データとの連携ができます。
手動で入力する場合には「かんたん取引入力」と「仕訳の入力」を選ぶことができ、このうち「かんたん取引入力」では収入と支出のいずれかを選び項目に沿って入力するだけで仕訳が完成することが特徴です。