【経営者必読】売掛金の増加がキャッシュに与える影響とは?

2018/08/27
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「売掛金が増えるということは、売上が増加したことになるんだから良いことなのでは?」

上記のように考えている経営者の方も多いかもしれません。しかし売掛金の増加と売上のアップとは直結しているとは言い難い状況があるのです。売掛金が増えたからといって経営状態が良くなるとは限りません。

では実際に売掛金の増加は会社の経営にどのような影響を与えることになるのでしょうか?こちらでは、キャッシュに与える影響、という部分に注目してみました。

売掛金の増減が経営にどのような影響を与えるのか知りたい、という方は必見です。

売掛金の増加はキャッシュの減少をもたらす可能性あり

・なぜ売掛金は増えているのかが問題である

単に売上が増えている、というような状況であれば経営的には大きな問題がないと思うかもしれません。しかし売上はいつもと同じなのに売掛金が増えている、というような状況であるとキャッシュが減っていると考えられるのです。

少しわかりにくいかもしれないので例を上げてみましょう。

たとえば期首の現金が1,000万円あり、売掛金は500万円であったとします。
月々の売掛金の入金額が500万円であり、支出が500万円であるとします。その上で、売掛金の新たに入ってくる額が500万円であるとしましょう。
期末には現金が1,000万円であり、売掛金は500万円となります。期首と同じ状況になるわけです。

もう一つ期首は同じく現金が1,000万円であり、売掛金が500万円であったとします。
月々の売掛金の入金額が300万円と前述した例より200万円少ないとして、支出は同じく500万円であったとしましょう。新たな売掛金も同じく500万円はいってくるとします。
期末に現金は800万円になります。一方で売掛金は700万円となるわけです。

例を見ることではっきりと分かると思いますが、要は売掛金がうまく回収できていないと売掛金は増加します。そして当然ですが入金額は少なくなるのです。よって、売掛金が増えるとキャッシュが減り経営状態が悪化する、といった事態を招くわけです。

・売掛金の入金額が予定通りであったとしても資金繰りが悪化する可能性あり

売掛金の入金額がいつもどおりであったとしても、急激な売上の増加が起こった時にはキャッシュが減る可能性があります。

急激な売上の増加が発生するということは、仕入れ費用などのコストが発生することになるわけです。しかも仕入れ費用が発生した後に売上が発生することになるので、基本的に入金は支払の後になってしまいます。

売上が急激にアップすれば売掛金は増えます。しかし出ていくお金も増えることになり、結果としてキャッシュの減少を招いてしまうのです。

売上が増えているということで資金繰りを顧みずにどんどんとコストを掛け続けていく会社もあります。しかし資金がショートになってしまえば銀行取引が停止にされてしまいます。倒産状態となってしまうことになるので、売上が良いからといって何も考えずに前に進み続けるのは大いに危険なのです。

売上が増えている時こそ、キャッシュフローを重要視してください。そもそもいつどのようなことがあるかはわかりません。会社に一定のキャッシュが残るように計算しながら使っていく、ということが大事なのです。

売掛金増加によるキャッシュのマイナスをどのような方法で察知すれば良いのか?

・キャッシュフロー計算書を作成すること

キャッシュフロー計算書を作成することで、会社のキャッシュの額を明確にすることが可能です。会社は損益計算書ばかりに目を向けがちです。もちろん損益計算書は重要です。会社にとってどれだけの利益が出ているのか、ということは確認しなければなりません。

一方でキャッシュも極めて重要なのです。そもそも赤字であったとしてもキャッシュが潤沢にあれば会社がすぐに潰れることはありません。しかしどんなに黒字であったとしても会社にキャッシュがなくなれば、倒産せざるを得ないのです。利益と同様にキャッシュも定期的に確認しなければなりません。

キャッシュフロー計算書の中でも売掛金が関わってくるのが「営業活動によるキャッシュフロー」です。

営業活動によるキャッシュフローでは、売掛金などの売上債権の増減などでプラスにしたりマイナスにしたりするわけです。

・売掛金が増加している・・・営業活動によるキャッシュフローはマイナス
・売掛金が減っている・・・営業活動によるキャッシュフローはプラス

売掛金が増加しているということは、売上はあるのに入金されていない、ということを指しています。利益は増えているのにキャッシュが増えない、という状況になってしまうわけです。売掛金の回収活動がうまくいっていないので売掛金が増加している、というようにも考えられるので、営業活動によるキャッシュフローはマイナスになってしまうわけです。

売掛金が減っているということは、売上債権の回収活動がうまくいっている、ということを表しているわけです。回収がスムーズに行っているからこそ売掛金が減っています。結果として会社のキャッシュが増えるということになり、営業活動によるキャッシュフローはプラスになるわけです。

・売掛金年齢表を作成する

売掛金が増えているということは、売掛金の年齢が高くなっている、という可能性が高いわけです。

売掛金については、基本的に30日間から60日間で入金することになります。よって売掛金の年齢が2カ月を超えてしまうということは回収がうまくできていない、ということになるわけです。

売掛金年齢表に関しては取引先ごとに作成し、さらに売上ごとにわけて記載していくことになります。売掛金の年齢が2カ月を超えているかをすぐに確認できるわけです。

仮に2カ月を超えている売掛金を発見した場合には、回収できていないということになるので回収活動を行いましょう。少しでも早く回収することが会社の資金繰りに良い影響を与えてくれることになります。

ちなみに回収の遅れが明らかとなった売掛金については、滞留債権一覧表といった別の書類に記載して管理することも大事になってきます。期日前の売掛金と期日が過ぎている売掛金を一緒に管理してしまうと、どうしても見落としが発生してしまうわけです。

売掛金年齢表で期日を超えている売掛金をいくつも発見したら、特に古いものから回収を行いましょう。時間が経てば経つほど回収は難しくなるからです。

売掛金の増加によるキャッシュの問題を解決する方法とは

・入金のタイミングを変更する

売掛金が増加をする原因として考えられるのが、入金間隔の長さです。売上が発生してから入金されるまでに時間がかかってしまえば、それだけ売掛金が増えることになります。入金がなかなかされないので資金繰りも悪化してしまうわけです。

一つの解決策となるのが入金間隔を短くする、というものです。今まで60日であったものを45日間にしてみたり30日間にしたりするだけでも、売掛金の入金スピードが早くなります。売掛金が定期的に減るようになり、売掛金額も安定しやすいわけです。

かりに急激に売上が増えたとしても、その入金が早めに実施されれば資金繰りの悪化は抑えられます。極端な話をすれば、仕入れにかかったコストの支払いよりも売上の入金のほうが早ければ資金繰りが悪化する確率は低いです。それだけ売掛金の入金のタイミングは重要なのです。

入金のタイミングの変更については簡単ではありません。取引先とも相談をして決めていかなければならないのです。取引先にも都合があるので、拒絶されてしまう可能性もあるので注意してください。

・現金決済の割合を増やす

掛取引を行うからこそ、売掛金が増えてしまうわけです。もちろん企業間の取引のほとんどが掛取引となっています。売掛金や受取手形などを利用しているわけです。

そこで注目すべきは現金決済です。仮に売掛金で行っていた取引を現金決済で行ってみたらどうなるでしょうか?そもそも売掛金は発生しなくなります。そして売掛金の増加による資金繰りの悪化も発生しなくなるわけです。現金決済になることにより、売上があったその時にキャッシュが会社に入ってきます。資金繰りが悪化しにくい状況になるのです。

しかし現金決済の割合を増やすのは難しいでしょう。企業はなぜ掛取引を行っているのでしょうか?実はキャッシュの出し入れというのは、企業にとっては大きな負担なのです。経理業務に大きな負担が出てしまうので、掛取引を利用し会社の出金や入金の回数を絞って業務の簡略化を図っています。

よって現金決済に応じてくれる、という会社はそれほど多くないのです。

<現金決済の割合を増やす方法>
取引先にもメリットを掲示しましょう。
たとえば「現金決済に応じてくれたら5%の割引をします」というように持ちかけるわけです。

取引先としても現金決済をしてキャッシュがすぐに出ていくような状況になるのは厳しいです。しかし現金決済を受け入れることで仕入れ費用が少なくなり、結果として利益率が向上する可能性があるわけです。

現金決済の代わりに何かしらに魅力的な条件を掲示することができれば、現金決済の割合も増えることになるでしょう。

・売掛金の回収活動に力を入れる

売掛金の回収が遅れているから売掛金が増えているような場合におすすめしたいのが、回収活動です。売掛金の回収がスムーズにいっていれば売掛金が増えるという可能性もだいぶ低くなるわけです。

第一段階に行ってほしいのは前述した売掛金の回収の遅れにいち早く気づく、というものです。売掛金年齢表を作成すれば、回収の遅れには早く気づけるようになるはずです。問題はその後の改修活動です。どのような回収活動であれば、効率的に売掛金を現金化出来るのでしょうか?

<直ぐに連絡を入れること>
売掛金が期日になっても入金されていないことが分かったら、とりあえず連絡を入れてください。単位取引先がど忘れして入金していないこともあるのです。連絡を入れただけで回収できたケースも少なくはありません。

しかし連絡を入れたとしても、資金繰りが悪化している、などの理由をつけられて入金してもらえないケースも珍しくありません。そのような場合にはどうしたら良いのでしょうか?

<内容証明郵便を利用する>
内容証明郵便を利用する目的は「売掛金の時効をストップさせる」「相手方にプレッシャーをかける」の2つとなっています。

まず売掛金の時効についてですが、実は何もしないでいると1年間から5年間程度で売掛金は時効を迎えてしまいます。回収意思がないと判断されてしまえば、売掛金の回収ができなくなってしまうのです。そこで回収する意思を明らかにするためにも、内容証明郵便を利用して回収活動を実施するわけです。

さらに内容証明郵便は、どのお結な内容のものを送ったかを証明できるものです。よって督促をした、という事実が明確になるわけです。裁判にも大きな影響を与える可能性もあり、受け取った取引先としてはプレッシャーになります。

内容証明郵便でより強いプレッシャーを与えたいと思うのであれば、弁護士に依頼して弁護士の名義で送りましょう。

<交渉によって回収する>
全額の回収が難しかったとしても、一部であれば回収に応じてくれる可能性はあります。一部の回収でも良い場合には、双方が話し合いを行い売掛金の減額などを決定してください。
お互いに任意による話し合いなので、取引先から無理な条件の掲示があった場合には拒否することも可能です。

商品の引き上げによる回収も交渉によって実施可能です。相手から必ず承諾をもらってください。承諾をもらわずに勝手に行ってしまうと、窃盗罪となってしまいます。

<相殺による回収>
買掛金がある場合に利用できる回収方法です。
要は売掛金と買掛金を相殺することによって回収してしまうのです。全額を相殺できれば、1円も損することはありません。買掛金があるのであれば、相殺を検討しましょう。

ちなみに相殺については相手から承諾を得る必要はありません。内容証明郵便を郵送するだけで相殺は完了します。

<債権を譲渡することによって回収する>
取引先が売掛金などの債権を持っている場合には、その債権を譲渡してもらうことによって回収することも可能です。

100万円の売掛金があった場合には、100万円の債権を譲渡してもらうことによって回収した、とみなすわけです。

<訴訟によって回収する>
最終手段といっても良いかもしれません。
裁判所を通して回収を実施することになります。強制執行などの重い処分を下してもらうことも可能です。しかし時間がかかったり費用がかかったりしてしまうので、あくまで最終手段となるわけです。

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